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福永委員 ありがとうございます。
そうして懸命なる御
努力をいただいているのはよくわかるところでありますけれ
ども、しかし、先ほど
長官のごあいさつというか
所信表明の、いわゆる
教育、
学習となると、遠くへ行くなんというのはなかなか大変なことだと私は思うわけであります。
そこで、
小型ビオトープと申しますか、いわゆる
サンクチュアリーみたいな自然の聖域をつくっていただいて、それも各
市町村一カ所ずつ。大した金がかかるわけじゃない。しかも、
サンクチュアリー的なものになりますと、そこの草や木はほとんど手を加えない。取ったりしない。それは例えば、通常のものがどんどん繁茂してほかの木を枯らすようだったら、それは少し間引きしたりということはしていかなければなりませんけれ
ども、そうしたところが各
市町村に一カ所ぐらいずつあっても不思議ではないと思うのですね。
しかも、最近の
公園といいますと、
本当にそれが
自然公園なのかどうかというのは甚だ実は疑問なんです。例えば
西洋種のヒマラヤシーダーが植わっていてみたり、その
地方地方にもともとない木が、
公害に強いとかそういった
意味もいろいろあるのかと思いますけれ
ども、いずれにしてもそうした木をどんどん植え込んで、
本当にこれで身近な自然と言えるのかなとうかなというのを大変疑問に実は思っているわけであります。その
地域に昔から生えているような木や草を主として植えてやって、
子供たちが
本当の
意味でそれに触れて、体験できて、なおかつ
本当の
意味の
ふるさとというのを再認識してもらうには、一番いいのではないかなというふうな気が私はするわけであります。
どっちかというと、今
環境庁の方で狭山であるとか
和歌山であるとかいろいろ御
指摘のあったところですが、私は、ピオトープに関していえば、むしろ
建設省さんだとか農林省さんの方がはるかに進んでいるというふうに感ずるわけであります。もちろん、別にセクショナリズムを申し上げているつもりじゃない。どこが
指導をとろうとも、どこが先行しようと、それは結構な話ですが、少なくとも
環境庁というお名前なんですから、そうした
意味では積極的に取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。
しかも、今こうした長い不況のトンネルに入りっ放しですから、
公共事業、
公共投資というのは
全国的に待ち望んでいるところでありまして、
ビオトープに関して申し上げるならば、
河川のコンクリづけ、底から全部コンクリづけを、
護岸工事をやり直して、いろいろ自然を取り入れたりする。もちろんカーブしているところなんかは泥のままでは洪水になるおそれもありますから、それはそれで
専門家が考えていただくということになるわけですが、いずれにしても
大変自然環境が戻ってくる、そしてさらに
景気浮揚に大いに役立つ、一石二鳥以上、もっともっと効果がある気が私はするわけでありますので、そういった
意味では、どうかどこよりも強い関心を
環境庁が持っていただいて、今後これに取り組んでいただきたい。これからも研究します、研究しますって、研究しているうちにそれはどうにかなっちゃいますからね。
もちろん
ビオトープは
ドイツから出たということでありますが、例えて言えば、
河川を
日本と
ドイツとを同じように考えたって、これはうまくいきっこない。ある外国の方がおっしゃっておりましたけれ
ども、
日本のは川と言わないんだ、滝だと言うのですね、
長官。すぐに、山から海まで距離がないですから、もうほとんど滝みたいなもの。これが
ドイツの大きな、ヨーロッパと同じ勘定にはなりませんが、似たような
地理的条件といいますか、そういう
意味でいいますと、この
ビオトープに関してはスイスが非常に参考になると思うのですね。山から下まで割合短いところです、アルプスのところですから。まあいろいろなものをひとつ研究していただいて、速やかに打ち出して、
本当の
意味の
日本の自然を取り戻していただきたい、こういうふうに思うわけであります。
長官、今申し上げてすぐ御
決意をなんて言っても恐縮ですので、この
ビオトープの本がございまして、これは実は私
ども埼玉県の
人たちが一生懸命研究して書いた割合いい本です。差し上げますので、どうかひとつ後でごらんになっていただいて、ぜひ取り組んでいただきたいと思う次第であります。
ここまで聞いただけでどういう御感想を持っていただけるか、ちょっとお聞かせをいただきたい。