○横内
委員 自由民主党の横内正明でございます。提案されておりますいわゆるコンベンション法案につきまして
質問をいたします。
法案に関する
質問に先立ちまして、
国際観光行政をめぐる幾つかの問題点について、まず
運輸省の御見解をただしたいというふうに思います。
言うまでもなく、
国際観光というのはアウトバウンド、インバウンドという二種類があるわけでございます。アウトバウンドというのは
日本人が海外に行く、
日本人の海外旅行客ということでございまして、これにつきましては、
運輸省がおやりになっておりますテン・ミリオン計画というものの成果もありまして、近年急増してきております。
平成五年時点で千二百万人の
日本人が海外に旅行をしているということでございます。
一方で、もう
一つのインバウンドというものがございます。これは外国人の
日本観光客ということでございますが、この外国人の
日本観光客につきましても、近年着実に増加をしてきておりますが、
平成五年時点でその数は三百四十万人と、
日本人の海外旅行客に比べましてまだ三分の一という水準でございます。外国人が
日本に来るということは、親善、相互理解という観点からこれを促進すべきものだというふうに思いますので、この法律の基本的な
方向については結構なことというふうに思うわけでございます。
ところで、近年の我が国へ来る外国人旅行客の内容について非常に大きな変化が生じているわけでございます。要するに、アジア人のシェアが増加をしてきているということでございます。十年前の昭和五十年代におきましては、外国人旅行客はアジア人が五〇%、ヨーロッパ人、アメリカ人といった白人が五〇%ということでございました。しかしながら、
平成五
年度の
状況を見ますと、アジア人が六二%、アメリカ、ヨーロッパといったいわゆる白人は二五%という水準に落ちております。こういうふうにアジア人のシェアが増大をしているわけですが、このアジア人のシェアというのは恐らく今後さらにこれは増大をしていくであろうというふうに思うわけでございます。
といいますのは、現在、このアジア人の中で
日本に観光しておりますのは、韓国人、台湾人が圧倒的でございますけれ
ども、それ以外のアジアの各国、フィリピンとかマレーシアとかインドネシアといった国におきましても、経済がテークオフをし、国民の所得が高まってくるにつれて、当然
日本への観光客はふえてくるということでございますので、今後、アジア人の観光客が増加するこ
とは、これは火を見るより明らかだろうというふうに思うわけでございます。それに対して、
日本の
行政が対応できているかといえば、必ずしも十分ではないという点が幾つかあるのではないか。その代表的な例といたしまして、
国際観光振興会の海外事務所というものの配置が必ずしも今のそういった観光の実態に対応していないというふうに思うわけでございます。
国際観光振興会は、海外に十六カ所の事務所を持って、我が国の外国人が国内へ来る観光についてのいろいろな相談とかPR等をしているわけでございますが、その十六の海外事務所のうち、アメリカ、ヨーロッパは十カ所、アジアは、バンコク、香港、ソウル、三カ所ということでございます。台湾につきましては、我が国は国交がありませんので、
日本観光協会が別途事務所を持っているということで、それを入れても四カ所ということでありまして、十六のうち四カ所しかアジアにはない。これはやはりアメリカやヨーロッパ偏重、アジア軽視というふうに言われても仕方がないのではないかというふうに思うわけでございます。
ということで、御
質問でございますが、外国人観光客の中でアジア人の占める比重が増加をし、また、今後ともその増加が見通される中で、
国際観光振興会の業務体制、特に海外事務所の配置の問題について
見直しをする必要があるのではないかというふうに思いますが、
運輸省の御見解をお聞きしたいと思います。
〔
委員長退席、緒方
委員長代理着席〕