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片山虎之助君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました
平成五年度第二次
補正予算三案について、反対の討論を行うものであります。
今日、我が国
経済が戦後最悪の
不況に陥る中、
細川内閣が九月半ばに策定した緊急
経済対策は、公共事業の規模が小さ過ぎるのみならず、規制緩和は即効性に欠け、加えて国民が期待した所得減税が盛り込まれなかったことから、
景気対策としては全く迫力に欠けるものでありました。
我が党は、九月上旬、独自の
景気対策を発表し、減税の実施等を強く要求してまいりましたが、
細川内閣は
景気の大局を見誤り、我が党や多くの国民の声に耳をかさず、
政府税調にげたを預けて責任を逃れるなど、全くリーダーシップを発揮してきませんでした。さらに、
政治改革だけに目を奪われて、
補正予算の
国会への
提出がおくれにおくれ
景気の一層の悪化を招いたことは不見識、無策以外の何物でもなく、既に
細川内閣の
経済政策に対する国民の信頼は失墜していることを申し上げ、以下、
平成五年度第二次
補正予算三案に反対する
理由を申し上げます。
反対の第一の
理由は、
景気対策が全く不十分であるということであります。
本
補正における一般会計の公共事業等の追加は九千四百億円弱と、
景気対策のために四年度
補正で自民党
政府が計上した一兆九千六百億円余の半分にも達しておらず、特に社会資本整備は生活者・消費者の視点に立った整備を推進するとしていますが、定義づけが不明確な上、計上されている施設費の額は三千四億円と、四年度
補正の二千九百億円とほとんど変わっておりません。さらに中小企業特別
対策費については四年度
補正の額を下回るありさまで、全く不十分であります。
反対の第二の
理由は、国民の期待する所得税減税が全く盛り込まれていないことであります。
特に、中堅所得者層の重税感を取り除くとともに税制の将来像を示さない限り消費は上向かず、
景気上昇のきっかけはつかめません。しかるに、
細川内閣はリーダーシップを発揮せず、
政府税調に逃げ込み、減税の決定をおくらせ、
景気の悪化を招来した責任は極めて重大です。今日なお減税実施時期を明らかにしないばかりか、
景気悪化の責任をとらない
細川内閣の無責任な姿勢をそのままに示すこのような
補正を認めるわけにはいきません。
反対の第三の
理由は、財政の破綻を無理な会計操作で賄っていることであります。
本
補正では、NTT株売却益活用事業の地方自治体への貸し付けの繰り上げ償還により国債整理基金の不足を補い、見返りの補助金交付を建設国債で賄っております。定率繰り入れ停止で不足する国債償還費は本来赤字国債で充当すべきもので、これを無理やり建設国債に肩がわりさせて、財政法第四条をくぐり抜けるすりかえは脱法的かつやり過ぎであり、断じて認めるわけにいきません。
さらに、こうした建設国債の追加発行で五年度の国債発行額は約十四兆円となり、国債依存度は一八%を超え、七年度までに依存度を五%以下にする第二
段階の財政再建の達成は明確に不可能となりました。この点についても
政府は何ら
対策を示しておりません。このように何らビジョンを持たずに、無理な財政のやりくりを行っている本
補正予算は到底認めるわけにいきません。
最後に、
政治改革だけが仕事であるような錯覚に陥り、
景気対策をないがしろにしてきた
政府の責任は、重大であります。こうした
景気に対する不見識、無策は、我が国
経済を破滅に導くおそれ十分と言っても過言ではなく、本
補正には到底賛成することはできません。
政府は現状を直視し、一刻も早く
景気回復を図るために、我が党の主張を受け入れ、速やかにあらゆる
景気対策を実施すべきであることを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)