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国務大臣(大内啓伍君) お答えいたします。
御
指摘のがん対策につきましては、昭和五十九年以来御
指摘の総合戦略というものをもちまして鋭意この問題に取り組んでまいりました。その結果幾つかの成果が具体的に前進しましたのは、
一つにはがんの遺伝子の発見、これは大事な発見でございました。もう
一つはウイルスによる発がんのメカニズムというものがある程度解明されました。そして三つ目には多種多様の抗がん剤というものが発明をされまして、この十カ年における成果というものはまさに世界的なものがあったことは御存じのとおりでございます。
にもかかわりませず、実は
日本のがんの中には肝臓がんであるとかあるいは膵臓がんといったような特に高齢者に対して発生するがんが多発してまいりまして、新たな
課題も生じてきているわけでございます。
したがいまして、私
どもといたしましては、来年度から新しいがん克服の十カ年戦略というものを
確立いたしまして、
一つにはがんの転移のメカニズムの解明、せっかく一カ所を治しましてもすぐ転移していくというこのメカニズムを解明し、特に遺伝子を用いた正確な診断法を
確立したい。二つには、新しい抗がん剤の開発を積極的に開発したい。三つ目には、コンピューターテクノロジー等の進歩を取り入れまして先端的な診療機器の開発をしたい。これは御案内かと思いますが、がんをスーパーコンピューター等を使いまして立体的にその位置、
状況を解明する、そういうものの機器でございます。そういう面で私
どもとしては最大の努力を傾注いたしまして、何とか十年後にはこの人類の悲願であるがんを克服するために、世界一流の今水準を持っている
日本がその先導的な役割を果たしたいと念願している次第でございます。
また、その
周辺にございます御
指摘の難病等につきましては、私もボランティアで何回か視察をさせていただいたこともございまして、昨日もお答えをさせていただきましたが、これは大変お気の毒な事態でございます。私
どもといたしましては、この問題もがんやエイズといったようなものと並びまして、その原因の究明、治療法の開発等について鋭意これからも努力して御
期待にこたえたいと思っている次第でございます。