○新間正次君 時間がありませんので、基本的な
部分でお伺いしたいと思います。
今回のこの
調整案がまずだれのためになるのか、国益となるのか、お伺いしたいわけでございますが、国際貿易国であります
日本が
ガット交渉をいたずらに引き延ばすのはいけないことだとは思いますけれ
ども、農産物を工業製品と同じように扱われるようなことがあってはならぬ、これは私、常々感じております。
生産者の立場から考えますと、今回のこの
ミニマムアクセスの受け入れを行った場合に、転作面積の強化は当然避けては通れないと考えられます。ところが、十二月三日の朝日
新聞によりますと、米国では、「
日本のコメ輸入拡大と国内在庫の減少見通しを受けて、一九九四年の作付け
削減計画のうち、コメ減反率を九三年の五%からゼロにし、減反をやめるとの暫定決定を下した。」と、こういうことが報じられております。これはことしの緊急輸入を受けた決定でしょうけれ
ども、
部分自由化ともなれば今後とも米国の米の減反は軽減されていくと当然見込まれましょうし、このようなことで
日本の農家が果たして喜ぶと
大臣はお考えでしょうか。何か矛盾を私は感じます。
また、稲作農家のみならず、先ほど来同僚議員もおっしゃっておりますけれ
ども、畜産農家あるいは畑作農家への影響も大ではないかと考えております。
また、消費者サイドから見ても疑問が残るわけでございまして、現在でも
日本への輸入農産物の検査機能体制というのは決して十分とは言えません。緊急輸入されましたお米の検査においても、限られた人数で本当に大変な努力をなさっていらっしゃる。消費者が一番
心配しておりますのは、毎日食べるお米に有害なポストハーベスト農薬が残留しているのではないかという点、またテレビを見ておりますと、輸入されたお米は国産のものと比べて随分安くなると思っていらっしゃるような街頭インタビューを耳にしておりますけれ
ども、ところがその輸入差益も思ったほど価格に還元されないのではないだろうか。さらにわけのわからないような外米と国産米が混合されて販売される可能性も高い。このようなことで果たして消費者は喜んでおるでしょうか。
そこで、
大臣にお伺いをいたします。
今回のこの
調整案を受け入れることは、国民のどの層にどのようなメリットがあるかということをお尋ねしたい。先ほどの差益還元のことも含めて、具体的にお答えをいただきたい。また、我々の子孫までも考えてみればいかなる国益があるという御判断に立たれているか、明確にお答えください。
私は、メリット、デメリットを比べると、どう見てもデメリットの方が多いという感じでございます。だから、断固として
政府は再
交渉を行うべきだと考えておりますが、あわせて
大臣の見解をお伺いして、私の
質問を終わります。