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大塚清次郎君 今答弁をいただきました。そこで畑
大臣に
お尋ねしたいと思います。
この前の本会議でも
大臣やっぱり明確な既定
方針を貫くというスタンス、これをはっきりされました。そういうことでございます。
それから、十月二十六日、衆議院の農水
委員会がございました折、細川総理、保利耕輔
委員、また保利
委員に対する畑
大臣の御答弁でもそういったような猶予期間づきの
関税化の提案なんか、そういうものは一切ないんだと。事務
段階を厳しくチェックしてみたが、そういう痕跡も全然ない。いろいろ今言われておるのは、そういうことが内外から聞こえてくるのは、
新聞報道の
情報操作だとさえ言っておられます。これはそうであればこれにこしたことはないわけで、
大臣の厳然たる考え、総理の決意、ありがたいわけでございますが、どうもそれは建前なのか本音なのか。やっぱり私が思うに
ガット、
ジュネーブでこの猶予期限つきの提案がなされておるんじゃないかこれは。そう思わざるを得ません。もう既に
大臣の
訪欧を前に、複数の
政府筋は、これは細川総理が今度
日米会談、AP
ECと同時に行われる
日米会談に行くとき、米問題で言及されたらここでは何らかの応答をしなきゃならぬようになる。だから、それをどういうようにするかということになると、政治判断をする場合には三つ、四つの選択肢があるということで、あたかもあの東亜日報のスクープを契機にしたその後の一連のものの上に、この三つ、四つの選択肢が組み立てられておる節があるということです。
やっぱりそういう火種があるからこんなことが表に出てくるということ、そしてヨーロッパのブリュッセル発の
報道でも、あなたがおいでになったことをいわゆるこの部分開放案が表に出てしまったからその取り繕いのために畑
大臣はヨーロッパに来たんだろうというような
報道の仕方はまことに非礼だと思うんですが、そういう
報道がされている。もっと生々しいのは、既に十月二十五日ですよ、共同のワシントン発ですが、これはエスピー、
米国の現農務長官、米の
関税化の実施時期を六年間猶予する案がミニマムアクセスと組み合わせて
日米間で
ジュネーブで話し合われている、
米国としても
受け入れ可能な案であると報じている。これは間違いないでしょうね。
交渉当事者ですよ、USTRというのは。
それを受けたかのように武村官
房長官は衆議院の
内閣委員会で、外交
交渉はすべてオープンとはいかない、公表されないこともあると。これは裏書きすれば
水面下での
交渉を示唆しておるということでございます。それゆえに、そしてまた
国会決議をもってしても
政府の手足を縛ることはいかがなものかという、私はこれは議院
内閣制の中で非常にゆゆしい問題だと思うわけでございます。
さらに、先ほど
佐藤委員が触れられたように、十一月七日のワシントン五日発の共同では、
アメリカの大統領が、幾らかは選挙区向けのことであるにしろ、
農業者団体へのリップサービスとは言えない表現でこの
交渉が進んでおるということをはっきり言っておるということがございます。この点を尋ねてから先に行きたいわけでございますが、時間がないので続けますけれ
ども、今後の
交渉を片方で考えてみた場合に十一月十五日、十二月十五日という
一つの
交渉の節目があります。米と
ECが
話し合いをして何が何でも落着させた上で
日本に来て、あるいは韓国を訪ねて、いわゆる
水面下で
交渉されたそういったような猶予期間づきの
関税化、ミニマムアクセスつきのものをのま
せるための来日じゃないかと私は思うんですが、そういう点で非常にここのところが大事な
段階だと私は見ております。
そして次から始まる第二ラウンド、十二月十五日が一応設定されておりますが、それまでの間いわゆる四極会議や
日米首脳
会談や、あるいはそのときになって畑
大臣が行かれるか、外務
大臣が行かれるかして十二月十五日になだれ込むということになってくる。それまでにまた
ジュネーブでは二国間であるいは複数国間であるいはマルチでTNCを初めいろいろあって、そういうものの連携の上にまとめられていくというようなことを想像するのは私一人じゃないわけでございます。
しかし、私
どもにとってはこの米の
関税化に代表されるような
例外なき
関税化は
受け入れられないという非常に高いハードルがあるわけでございます。また
状況としても
NAFTAの問題があり、ほかの
農業外の
分野の問題もあり、さらに米と
ECの問題もこれあり、いろいろの阻害要因は数多くある。それが、米だけが標的にされて袋たたきに遭っている。いかにも
ウルグアイ・ラウンドを壊すのはこの
例外なき
関税化の、特に米についての
日本のかたくなな態度だと言わんばかりの流れ、歩みを今しております。私はこれは大変な事態になってきたなと、こう思っておりますが、そういう点についてもう一遍初志を貫くというお答えをここでいただきたい。
きのう私の県では終戦後一番数多い集会がございました。私は農協中央会長として二足のわらじを履いておりますので、集まった人の面魂を見ますと、牛肉・かんきつの事態のとき以上の熱気でした。これはどうかすると大変なことになるなということを私は心配します。
大臣御出身の大分県でも私は恐らくそうだと思いますし、官
房長官はいろいろ言っていますけれ
ども、これは滋賀県でも私は同じだと思います。そういう点からしっかり構えてもらわなきゃならぬ。
特に私が言いたいのは、シュタイヘンですか彼が言ったと言われることが事実ならば次元が違うぞと。米・
ECの間と
日本の米は次元が違うというが、とんでもない。大体
東京ラウンドから
ウルグアイ・ラウンドに移ったときは、
輸出競争、
輸出補助金を全廃するということが第一義だったわけでございます。それで私
どもは泣く泣く牛がんの自由化に応ぜざるを得なかった。それが今になってそのダメージが来ております。一、二年は
国内対策をしていただいて、これで大方満足じゃないけれ
ども変わる手だてかなと思っておりましたが、ここにきて、何年かたって既に大変なダメージを受けております。必ずや米の
関税化はそうなっていくと私は見ます。新
政策も行われませんでしょうし、大変な事態です。
それからもう
一つ、官
房長官が言ってほしくないのは、外交
交渉には秘密がある、それは当然なんです。当然ですけれ
ども、それをもって全部ふさいでいったら、これは専制じゃないですか、専横じゃないですか。だから
大臣、そういうことはやめさせていただいて、主管のことについては主管に任せて、大体武村さんというと
政治改革を標榜してさきがけ新党をつくったんじゃないですか。それがもうとにかく専門家のように言う、けしからぬと私は思っております。実はきょうここへ来ていただいて、もう少しじっくりただそうと思っておりました。こういう危機のときに、農水省も一生懸命やっておられるときに
国内から外野からいろいろ言ってもらっちゃ困る。
そういう点をひとつ頭に置いて、最後に確固たる
大臣の
気持ちをお聞きしまして終わりたいと思います。