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政府委員(
五十嵐三津雄君) ただいま先生からるる
お話がありましたように、
情報通信の果たす
役割というのはいわゆる公共的なものにも広く及びまして、その
効果というのはまさに大きいものがあるというふうに私
ども考えております。
お尋ねの環境の面についてどのような
効果があるかということについて申し上げさせていただきたいというふうに思っておりますが、例えば、交通
機関を使って行くところを、
情報通信という格好で移動しなくても済むという具体例がありますように、
情報通信そのものはいわゆる環境問題ということに取り組む場合に大きなブレークスルーになるものというふうに私
ども考えております。
日本ではまだ
アメリカと比べると必ずしも進んでいないという
側面がありますが、ちょっと
アメリカの例を申し上げさせていただきますと、
アメリカの例えばカリフォルニア州というようなところを見ますと、大気汚染の防止を
目的とするというような
観点で、
テレビ会議を導入して出張や通勤というものを削減する、それで炭酸ガスの発生を抑えていくというふうな
施策を具体的にとっておりまして、この種の
施策を
アメリカではテレコミューティング、
通信通勤とでも申しますか、そんなことで言われております。
私
ども日本でもこういったことにつきまして取り組んでおりまして、今まで私
どももこの具体的なことについて研究等を進めてまいりました。
関係省庁とも力を合わせてやったところでありますが、
一つのモデルを申し上げますと、例えば交通
機関を使って出張等で移動するというのをテレコミューティングというような形で
テレビ会議等を使ってやるというようなことになりますと、発生する炭酸ガス全体の一九%ぐらいが交通によって起こっていますが、その〇・四%程度の削減が
通信によってできるというようなことがありまして、このような
効果をもたらしております。私
ども政策的にも税制等の措置をとりつつあるところでございます。
さらにまた、熱帯の降雨、熱帯林の
あり方が地球全体の酸素の問題、逆に言いますと炭酸ガスの問題に
発展していくというようなことで、衛星を使ってモニタリングするというような
通信としての
効果も発揮しております。
さらにまた、電子データ交換ということですが、普通はここにありますような紙を使ってやるものを
通信を使って電子データ交換をやるというようなことで、紙の使用の大幅な削減が可能になってくるというような
効果がございます。
さらに、これは私
どもの研究会で具体的に出たことでありますが、いわゆる照明や空調、これをビルごとに任せておくのではなくて、
通信を使いまして集中的にコントロールをしていくというようなことがございます。ことし三月の研究報告書を見てみますと、ある企業でそういうことをやりましたら、一年間で本社の電気の使用料をほぼ一三%程度削減できた、同じくその実験をしてみた企業のブランチで一八%弱の削減ができた、そういうような
効果がございます。私
ども、
通信そのものが大変環境に優しい
社会をつくっていくのに
効果があるものというふうに
考えて、今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
もう
一つ、身体障害者の方々あるいは福祉というような
観点で
通信がどんな
役割を果たしているか、その
施策についての
お尋ねでございますので、幾つかを申し上げさせていただきたいというふうに思います。
さきの
国会で先生方の御
審議をいただき御了解を賜りまして、身体障害者向けの
通信・
放送サービスの充実を図るために、身体障害者の利便の増進に資する
通信・
放送身体障害者
利用円滑化
事業の推進に関する法律という大変長い名前の法律、これを通させていただきまして九月から施行をいたしております。これによりまして、年間五千万円程度の規模でございますが、耳の不自由な方に字幕番組を
提供することへの支援をするとか、あるいは目の不自由な方に解説番組の作成についての助成をするというような支援措置を行うということにいたしておるところでございます。
さらにまた、身体障害者の方々の
利用に配意した電気
通信システムの
整備を行う場合に、財政投融資からの支援措置というようなことを
平成五年度から新たな項目を起こすことができまして、
情報通信利用機会均等
整備という項目が加えられまして、ほぼ三億円が見込まれる。財投からの低利融資でございます。そういった
施策もいたしております。
さらに、私
ども技術面の
調査研究会をことしいたしておりまして、そういった中で高齢者や身体障害者のための
情報通信技術に関する
調査研究を行っております。その中で、
情報通信に対して高齢者の方、身体障害者の方がそれぞれ健常者と同じようになるたけアクセスができるようにというようなことで、例えば行動を起こすときのそれを誘導してくれる
電波のシステムを開発するとか、あるいは音声
認識、文字
認識というようなことの技術
関係の
調査研究もいたしております。
いずれにいたしましても、私
ども便利で親しみやすい
情報通信ネットワークというようなことを
考えておりまして、
高齢化社会に向かってより一層そういうことが必要になってくるというふうに
考えておりまして、
平成六年度の
予算要求でもその要求をいたしておるというところでございます。今後とも障害者あるいは高齢者の方々が
通信・
放送の
サービスを健常者と同じように享受できるような
施策につきまして積極的な展開を図ってまいりたいというふうに
考えております。