○久世
公堯君 過去の
選挙制度の歴史というものを考えましても、この区画というものをいよいよ出すということになると問題が大変大きいわけでございます。前の小
選挙区の
法案を出しました鳩山
内閣のときに、当時は
選挙制度審
議会がまだできる前であったと思いますが、この
選挙制度調査会にたしかつくって、その
関係でそれが国会に出されたわけでございますが、一人区の案に対して二人区に
修正になったというようなことが原因でこの
法案が流れたこともございます。
したがって、この点はまだまだ先の問題かと思いますけれども、よくこの問題を念頭に置いて、むしろそれは行
政府であるところの総理府に置くよりは、
自民党案の
衆議院みずから区画を定めるという方向にぜひともこれは
修正すべきであると思います。
総理がおいでになりましたので、質問を変えたいと思います。
総理、私は十一月二十六日の
代表質問で申し上げたことを少し深めてきょうは御
質疑を申し上げております。
その
代表質問のときに、私は一昨年末の宮澤
内閣の緊急改革としての
改正を申し上げました、仏つくって魂入れずでは困る、どうしてもその成果を上げなければいけないということを申しまして、その例として政治倫理審査会というものを引き合いに出しました。
私は、質問におきまして、「これが全く活用されておりません。
政治家みずからが襟を正し、政治倫理を確立する
制度として政治倫理審査会の活用が必要だと思われますが、総理のお考えを承りたいと思います。」、こうお尋ねをいたしました。それに対して、総理は、「政治倫理審査会についてのお尋ねでございましたが、政治浄化を確立するために審査会の活用が必要であるとの御
指摘は全く同感でございます。本院におきましても、ぜひその活用に努めていただきたいどいうふうに考えているところでございます。」、このように
答弁をされたわけでございます。
実はこの政治倫理審査会、これはいわくがいろいろあることは御
承知のことと思います。昭和五十八年十月に田中元総理にロッキード事件で一審の判決が下りました。辞職勧告が行われ、これを求めて国会審議が中断をいたしました。その収拾案としてこの政治倫理審査会ができたわけでございまして、たしか発足をいたしましたのは昭和六十年十二月だと思います。議運でつくられまして、そのあたりの事情は平野
委員がよく御
承知のはずでございます。ところが、それから全くこれは使われないままに推移いたしておりました。
実は武村官
房長官そこにおられますが、平成元年、自民党に
政治改革委員会ができましたときに、武村官
房長官も森山
委員も私も
政治改革大綱の起草に当たったわけでございますが、そのときに、その前からこの
議論が出ました。私は政治倫理審査会の趣旨というものをよく知らなかったわけです。武村官
房長官は私に親切に教えてくださいました。
政治家がいわれなき疑いを持たれているとき、ぬれぎぬを着せられたとき、みずから進んでこの政治倫理審査会に出ていって、そしてその疑いを晴らすということは大事なことである、こういうふうに私に言われたわけでございます。
ところが、この昭和六十年十二月にできた政治倫理審査会は規程が余りにも厳しくて動かない。要件が厳しくて動かないようにできているわけでございます。そこで、まずこれを改革したのが一点。それから、官
房長官がそのときに提案された、
政治家みずからが進んでみずからの疑いを晴らすという項目を二条の二として結果的にはできたわけでございます。この政倫審は、その後、特に平成四年におきまして、それこそ
与野党におきまして
政治改革協
議会と実務者会議で大変論議を行った末、ようやく平成四年の末、
参議院におきましては平成五年の三月にでき上がった
制度でございます。
ところで、この前からこの当
委員会や予算
委員会でしばしば問題になっておりますのは、総理の佐川問題でございます。衆参両院におきまして、総理はたびたびこういうふうに
答弁をいたされております。私に対するこの一億円のいわれなき疑念、私はそう申し上げておりますが、そのいわれなき疑念というものは完全に私は氷解されると思っております、あるいは、私もこういういわれなき疑惑を持たれることはまことに心外である、このように言われております。
私は総理を昔からよく存じ上げ、また敬愛をいたしておりましたので、総理の御
答弁を聞いて、初めは痛々しいと思いました。また、たどたどしい御
答弁を聞いてお気の毒だと率直に思いました。
ところが、だんだんお聞きしているうちに、また予算
委員会の
関係もあっていろんな資料を見せていただくうちに、このよくお使いになる言葉が、さてどうであったか覚えておりません、全体の中でやりくりをいたしました、古い話なので記憶が定かでございません、事務所で行っているので定かでありません、このような
答弁が多かったわけでございまして、特に一番問題になりました契約の点につきましては、契約書については捜しても見当たりません、あったに違いないけれどもその後書類は紛失をいたしました、一生懸命に捜しましたが今日までに見当たらない、このように
お答えになっておられます。
さらには、麻布のマンションのことにつきましては、そこに住んでおられたかどうかということを予算
委員会におきましてお尋ねしたところが、「そのように思っております。」と。この速記録にはやじまでが入っておりまして、「住んだかどうかと聞いているんだよ、それはおかしいよ」、住んでいるかどうかも覚えておられないというのはおかしいよというやじまでちゃんと速記に入っておりました。私は率直に、痛々しいあるいはたどたどしい、こう思っておりましたのが、多くの聞いておられる方々からは、どうもそらぞらしい、白々しい、最後にはふてぶてしい、こんな声も出てきているわけでございます。
さらに、佐川急便に対する資料がようやく出た
段階におきましては、佐川に大変強くお願いをしてやっとこれだけということで出してきたものです、私の方からはこれ以上申し上げても恐らく同じ返事しか返ってこないと思います、このように答えておられるわけでございます。
私は、今でも
細川総理がおっしゃいましたいわれなき疑惑、
自分は大変心外だというお気持ちはわかるような気がするのでございます。しかし、この
経過を見て、やはり一国の総理である以上はそれは許されないことだろうと思います。そして、特に
政治改革というものを、その一番大事な政治倫理という問題、これを通そうとする総理でいらっしゃいますから、これはやはり絶対に許されないことだろうと思います。しかも、当
参議院の
政治改革特別委員会は今まだ
衆議院の三五%しか審議をやっていないのでございます。その時間を縮めてこんな審議をしているということは、いささか私は腑に落ちない面がございます。
そこで総理にお尋ねをいたしたいのでございますが、現在
衆議院でできておりますところの政治倫理審査会、この中には新しく
議員の申し出に基づくところの審査
制度を創設いたしました。それは既に御
承知と思いますけれども、まさにいわれなき疑いをかけられた場合みずから進んでその疑いを晴らす、こういうのに政治倫理審査会を御本人から要請をして開いてもらう、そしてそこにおきましては
参考人の出頭を求めることもできるし、
国民に対して弁明をすることもできるわけでございます。その政倫審の規程の二条二項による
議員の申し出による審査というものを活用されるお気持ちがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。