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峰崎直樹君
選挙制度の問題にもう突然入っちゃったわけですけれ
ども、今、
羽田外務
大臣の
お話を聞いていてなるほどとうなずくことも私もあるんです。
ただ、中
選挙区制を今回の小
選挙区
比例代表並立制に変えればそのような弊害が直ちになくなるというふうには恐らく外務
大臣もおっしゃっていないと思います。私は、その
意味で、今回のこの
政治改革法案は冒頭申し上げましたように何としても実現しなければならない、しかし、どうも
政治改革と言われているものについての
ポイントはなるほどこれもそうかもしれないけれ
ども、もっとやはり大きな問題が潜んでいるんじゃないかなという感じが最近はしているわけです。
と申しますのは、実は私の一年半前に戦った
参議院選挙も投票率が非常に低うございました。
私は、ここに資料を持っているんでありますが、ロンドン。エコノミストが、これはもちろん和訳してあるものでございますが、ちょうど去年の今ごろ、十二月の終わりから一月の最初だったと思います。何も
日本がただ単に投票率が低いわけではない。
日本だけが腐敗しているわけではない。
日本だけが与党がだらしないわけではない。あるいは野党もだらしないわけではない。これを見ますと、「
政治に冷たい先進国有権者」と、こう書いてある。軒並み投票率が下がっている。
実は、昨年の七月に行われた総
選挙を暗示するかのように、
政治に対して有権者というのはどういうふうに見ているかというと、「
政党がしだいに衰退し、単一問題に取り組む団体が台頭してきた。かつてないほど出しゃばりな報道機関」、ちょっと後ろにもおられますけれ
ども、あのテレビ朝日報道などな
どもありましたけれ
ども、それと「教育水準の高い有権者」、この人
たちが
政治家や
政党の言っていることに今までのように盲従しなくなった、冷静に見ている、あるいはゲームとして楽しむようになったと。まあゲームとして楽しむとは言っていませんが、私はそういうふうに見ている有権者がいるんじゃないかと思うんです。
そういうことをこのロンドン・エコノミストを読みながら、ううんこれは、と思って、今度は昨年の
衆議院選挙を見たら、実はこれまた投票率が非常に低い。あれだけ自由民主党が分裂をして政権から落ちるかもしれない、政権交代があるかもしれないということで、まさかその投票率がこんなに下がると思わなかったんですね。
これは、今、一例でございますが、それだけではなくて、どうもその
政治腐敗を一掃するために
選挙制度を変えなければいけない、腐敗を一掃しなければいけないというこれも一つの大きな課題だし、今回はやらなきゃいけない。しかし、もう一つ大きい問題は、このような状態に陥っている先進国の民主主義というものが一体どういう状態に陥っているんだろうかなということを私は考えてみるときに来ているんじゃないかなと。
とすると、ここから先は私の一方的な判断なのかもしれませんが、これまでの
日本の
政治や
経済のシステムというのは、なるほどうまくいっていた。人によっては
経済のシステムは一九四〇年体制だ、こういうふうに言う。四〇年代に日銀法ができる、借地・借家法ができる、あるいは今問題になっています食管法もできてくる、それがうまくいったけれ
ども、先進国に追いついてみたらこれを変えなけりゃいけない、こういうふうに言う人もいる。あるいは一九六〇年体制というふうに言う
政治学者もいる。いろんな、諸説さまざまなんですが、今までの
政治や
経済のシステムはなるほど先進国に追いつけ追い越せてうまくいっていたけれ
ども、どうもこれからの
日本の
政治を考えたときには、それでは
決定的に足りなくなっていますよ。そして、何が一番足りなくなってきているかというと、国際
社会に対して
日本がどのように貢献したらいいのかということについてのメッセージを
日本がつくり得ていないんじゃないか、このことを実は私
自身いろんなものを読むにつけ痛感をしたわけであります。
自由民主党の方がおられればここを本当にきちっと朗読をしてあげれば一番いいし、またこれは私
どもの
社会党にとっても勉強しなきゃいけない点なんですが、
日本経済新聞の十二月二十日付の「
日本のリストラ」、この中で立教大学の北岡伸一さんという方が外交問題を論じておられます。私もかねてからいろんな本を読んで共鳴している点がたくさんある方でございます。
この方が何と言っているかというと、外交はこれから大変重要になってくる。「
日本の
国会審議ほど
世界の常識から外れたものも少ない。」、「
国会では、
政府の提案に欠点がないかどうかが
審議されるだけである。」、「このような
審議形態は、五五年体制で
成立したものである。
社会党は現実的な実行可能性のある対案なしに
政府を批判し、」、必ずしもそうでなかったんではないかというちょっと内心いろいろありますが、そういう指摘を受けている。そして、「
政府の方は、ひたすら穏便に切り抜けようとした。そのような「専守防衛」の
国会審議に熟達した人物が、国際舞台の競争で勝てるはずがない。」。外務
大臣はもうこんな熟達どころかもっと本当に大活躍をしていただいているんだろうと思うんですが。「この
仕組みが、
自民党が野党となった今も続いている。中西
防衛庁長官の憲法見直し発言を
自民党が批判した時、
自民党は改憲を党是としているのではないかという反論が提起されるべきだった。コメの部分開放に
自民党から
内閣不信任という声があるが、
自民党に現
政府案以外の方法があるのだろうか。さらに、現在の
政治改革法案は、もともと海部・宮沢両
内閣で
自民党が準備した案と大差はない。つまり、
自民党は自ら行う可能性の高い案を批判したり、自ら実行する意思のない案によって
政府を批判したりしている。これではかっての
社会党と同じである。」、ここがちょっと私
どもつらいところなんですが、ここから先が重要なんで、「
日本の
国会での発言は、今ではメディアを通じて
世界の多くの人々に聞かれている。」、このことを忘れてはいけない。と同時に、「議会の
審議は、自ら実行する意思のある政策によって相手を批判することでなければならない。」。
私はこの北岡さんのあれを読みながら、今私
たちが一番改革をしなけりゃいけない問題というのはここから始まるんじゃないのかな。つまり、
国会で
国会議員とそして
政府側の
大臣の
皆さん方との間の論戦というものを本当にやり遂げていかないと国際舞台で通用する外交を実現できなくなるんではないのかこういうことを教えてくれているような気がするんです。
ということは、
日本の
政治というのは、従来、国際
社会に対してどう対応したらいいかということの入力に非常に弱かったんじゃないのか、私はこういう
感想を持つんですが、この点、総理がよろしいでしょうか、それとも外務
大臣がよろしいのか、あるいは
政治改革担当
大臣か、どなたか一人で結構でございますので、ちょっと
お答えいただきたいと思います。