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国務大臣(
江田五月君)
プルトニウム利用技術の
確立の
エネルギー政策上の位置づけ、これは触れません。プルトニウムというものの兵器転用について、あるいはプルトニウムを利用した兵器
開発について
日本がいろいろ疑惑を持たれていて、それについて一体どうかというところに限っての御
質問だと
思いますので、これをお答えいたします。
確かに、今北朝鮮の核
開発疑惑というものがいろいろ言われているとか、
日本の
国際社会の中で置かれている位置からすると、例えばヨーロッパなどの普通の物の見方で言えば、
日本にこういう
技術があります、ここでこういう核
開発の疑惑があります、それならば
日本もオプションとして核兵器
開発をするのは当たり前です、そうするんじゃないですかというふうに見られるという、そういう事態はあるだろうと思うんですね。
しかし、これは先ほども言いましたとおり、それは全く
日本としてはそういう意図は毛頭ない
し、
技術的にもそういうような
技術開発はやらないということでございますので、そこのところの
世界じゅうの誤解を解いていかなきゃいけない、あるいはそこのところを
世界に正確に
認識をしていただかなきゃならぬ。その上で
日本の
科学技術の発展、プルトニウムのこれからの展開、そういうものについて
世界の
理解や
協力をいただかなきゃならぬ。これはこれから
日本がとるべき非常に重要な
政策だと思っております。
もとより
日本は昭和三十年の
原子力基本法制定以来、
原子力の利用というものは平和目的に限るという、しかも国際
協力でやっていくという、こういう
立場を
確立しているわけで、しかも従来から非核三原則、これも国是として堅持をしてきたところでございます。これをこれからも大切にしていくと同時に、国際的に核兵器の不拡散に関する
条約、いわゆるNPT、これを批准し、また
国際原子力機関、IAEAの厳格な保障措置、これは相当
日本にとっても負担ではあるんですけれども、しかしこれを全面的に受け入れをする、こういう非核兵器国としての責務を忠実に果たしているわけでございます。
今後とも
原子力基本法及びNPTの精神にのっとり、またNPTについては、つい先日、無期限延長ということを支持する。同時に、それはもちろん現在の核兵器国が核兵器をそのまま保有していくことを認めるということではないですよ、核軍縮に
努力しなきゃいけないんですよということもあわせ言明をする。そういう態度をはっきりさせて、
世界の核不
拡散体制の
維持強化に貢献をしていくとともに、
我が国の
原子力開発利用については厳に平和目的に限って推進をしていく、この態度を堅持していきたいと
思います。
また、
我が国の
プルトニウム利用の平和目的ということ、これは私
自身も先日のIAEAの通常総会で
政府代表として申し上げました。その際には、
我が国は唯一の被爆国であるから、だからこの点は本当に真剣に思っているんだ、こういうことも強調させていただいたところでございまして、そういうあらゆる
機会をとらえて国際
理解を図ってまいりたい。
さらに、単に言葉だけではなくて、
プルトニウム利用の
透明性をより高める、そのためにプルトニウム
国際管理体制というものをつくっていくために
我が国が
役割を発揮していきたいということで、国際的な
検討を重ねるということも申し上げたところでございます。
まだ
政府として中間取りまとめという段階で、これから各省庁にもたたいていただいて、あるいは外国の
意見もいろいろ伺って、
日本の提案というものをつくっていきたい。こんなことを考えておりまして、
委員おっしゃる点は厳にこれから守ってまいりたいと思っております。