○
佐藤(剛)
委員 自由民主党・
自由国民会議所属の
佐藤剛男でございます。御質問させていただきます。
それに先立ちまして、私は
政府委員をやっておりました経験もありまして、小沢一郎代議士が
政府委員の改革をということでございますから、どうぞ
政府委員の方はお帰りいただいて、今、
景気対策の重要な時期でございますので、真剣にやっていただきたい、かように考えるわけであります。
〔
委員長退席、中西(績)
委員長代理着席〕
それから、私は、
日本の農業を守る特別行動議員連盟に属しておりまして、過日国会におきまして寝泊まりをしてまいったわけであります。その理由につきましては後ほど申し上げますが、非常に寒い中、農民の
本当の苦しみというものをしみじみと実感しながら一昼夜を過ごさせていただきました。
私は実はスイスのジュネーブで三年間
日本政府代表部参事官をいたして、ガットの
委員会の議長をいたした男でございます。恐らく国
会議員の中でガット
委員会の議長をされた方は数少ないんじゃないかと思います。MFAというような多国間繊維取り決めの修羅場の場面も参加いたしておりますし、
日本政府の代表をさせていただいたわけでございます。かようなことで、本日は、若干細かい点に入るかもしれませんが、事は重要な時期に参っておりますので、
細川総理、関係
大臣、特に羽田外務
大臣、畑農林
大臣にはしっかりとした御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
いよいよウルグアイ・ラウンドもあと十日で妥結する、私はそのように確信いたしております。これは、私のジュネーブにおります人脈あるいはアメリカの人脈、ヨーロッパの友人を通じての私の判断でございまして、これから申し上げます点について、いろいろな事実関係、もし間違っておりましたら、私は政治家として責任をとるつもりでございますから、そういう腹をくくるつもりでいますので、特に外務
大臣、農林
大臣、きちんとした答弁を
お願いいたしたいと申し添えるわけでございます。
私が十二月十五日にこのウルグアイ・ラウンドが妥結するということを確信いたします理由は、二つあるのであります。
第一は、アメリカとヨーロッパ。ガットというのは御承知のように強者の論理が通るところでありますが、ガットにおけるアメリカ・EC十二カ国が、昨年の十一月、ちょうど一年前でございますが、例のブレアハウス・アグリーメントというところで、両国間における、ECとアメリカにおけるサブシディー、補助金の問題について手を打ったわけであります。
その手の打ち方につきましては、数字でいえば、ECは、たかが百億円のものを三十六億円減らしまして六十四億円にする、金額ベースでいいますと。あるいは、数量ベースでいいますと、一〇〇のものを七九にする。二一を減らす。二一を減らし、三十六を減らすというようなことでございまして、全体として私は、今回の交渉の妥結に当たって、よくないと思いますが、ECが一番得をしているものだと思っていますが、この強者と強者が連携いたしておりまして、もう既にEC内部におけるフランス等の鎮静化をするためにその話し合いが終結に来て、改めてEC・アメリカ間での合意が近々に行われるというふうに私は接しているわけであります。
それから第二は、
日本が、ここはちょっと重要でございますので外務
大臣、農林
大臣、よくお聞きいただきたいのでありますが、いろいろ外交には機密はつきものであります。これは存じております。私も外交経験六年間やっておる男でございますからわかるわけでありますが、事国の基本にかかわるような米というような問題について、こういうような問題について私が得ている情報は、既に
日本はアメリカに対しましてミニマムアクセスについて、ミニマムアクセスという名前で、これは言うなれば実質的に、サブスタンスにコミットした。あとは表現の、書き方の問題でございますが、そういうことになっております。
それで、米以外の二十品目のものがあるわけでありますが、それについては、小麦とか大麦とかあるいは雑豆とかでん粉とかそういうものがあるのですが、そういうようなものについては関税化をする、こういうことになっておる。こういうことのカードを
日本は既に切っているわけでありまして、私は、本来切るべきでないカードを切ってしまった、エースを切ってしまったということでございまして、本交渉におきます交渉の態度というのは極めてなっていないといいますか拙劣である。おるいは、外交交渉というのは、相手が言ってきたことを徹底的にたたくわけであります。それで、
日本国の言わんとすることを徹底的に高く売るのが
経済外交でありますが、このようなカードを既に切ってしまっておるという事実。
私は、先ほど申し上げましたように、この事実について十分確たる事実を持っておりますから申し上げるのでありますが、その後において、本日既に
新聞に出ておるごとく、アメリカは残っている韓国に向けて 今韓国は悲鳴を上げています。これは
日本と韓国は、米は同じでありましても、
日本の農家は農家外所得というものは八〇%ぐらいあるわけでありますが、韓国の場合というのは半分は大体農家中心でありますから非常に大きな悲劇を受けているわけであります。こういうようなものが、ガットという強者と弱者の論理で展開するわけであります。これは驚くことではないのであります。
そういうことの中にアメリカとECとが出してきました一つの論理があるのです。これは英語で言いますと、御存じのように、外務
大臣、例外なき関税化と訳していますが、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプションというものであります。このものについて、今米の問題について、これは例外である、例外なき、ウィズアウト・エクセプションじゃないと言っておるが、私の得ているアメリカの情報によりますと、アメリカは徹底してそのとおり、その論理を追求した、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプションというのが実現したということを言っておりますし、きょうの
新聞にも出ていますが、アメリカが韓国を相当の強気で押し込んでいるわけであります。ねじ伏せられているわけでありますが、まことに気の毒だと思うのですが、そういう
状況も同じ論理の一環であります。
日本というのは、農林
大臣、御承知のようにこんな国はないのです、世界の中で、こんな大きな農業市場というのはないのです。しかも、キャッシュマーケットなんです。発展途上諸国と違ってお金で払うのです。これほどの魅力的なものを、しかもカードを切るべきときに切らないで、今の
本当の拙劣なる、エースを切ってしまった。これが起こっている事実であり、そういう情報に接していながら、知りません、存じません、今外交交渉中であるということで言ってこられる外務
大臣、農林
大臣、
総理、これに私は憤りを感じて今ここに質問をしているわけでございます。
言葉は悪いかもしれませんが、私は、恐らく十二月十五日は
日本農業の崩壊の日になるだろう、そういう墓碑があるとすれば墓にそう刻むだろう。葬儀副
委員長は農林
大臣、羽田外務
大臣、葬儀
委員長は
細川内閣総理大臣であるかと思いますが、まことに無礼なことをお許しいただきながら、かようなことを申し上げたいわけであります。
ここで、それはさておきまして、外務
大臣にお伺いいたしますので、これからの流れをお聞きいただきたいと思います。
私は、十二月十五日を迎えますとこういう
状況が出てくると思うのです。ガットの事務
局長はこういう声明を出します。世界の貿易のためによかった、世界のガット加盟国がこのウルグアイ・ラウンドの成功に導いた、何%の増大が図られるだろう、来年の三月だか四月だか恐らく四月になると思いますが、四月には閣僚
会議を開いて、そこで署名をいたしましょうという段取りになるだろうと思います。
アメリカのクリントン大統領は、恐らく議会に向けて、ウルグアイ・ラウンドは成功した、犠牲にするものはあったが、アメリカは大成功したという発言になるだろうと思いますし、
細川大臣は何と言うかわかりませんが、それなりの一つの声明がなされてくるだろうと思います。
そこで、私の見るところ、来年の四月に閣僚
会議というのがあると思う。今月の十五日には恐らく外務
大臣あるいは農林
大臣は行かれないのだろうと思うのです。現地に行かれるのですか。現地においての
政府代表に任せ、それで解散という形になると思うのでありますが、これから十五日に向けてのこういう流れについて、今私が申し上げたことをどのようにお考えになるか羽田外務
大臣にお尋ね申し上げます。