○石原(慎)
委員 いや、まとまり次第というよりも、まとまらなければ私
たちが出しますよ。た
だ、
基本的にこの問題は今国会の大眼目じゃないから、自分の政党の都合で先送りしでもいいという、何も自衛隊法の改正にかかわらず、そういう物の発想というのは、いろいろ批判を浴びた非常に非能率的な国会の運営というものにまた油を注ぐみたいなもので、私はやはりおかしな
発言だと思います。
次に行きますが、ここで私は、
政府を構成している各党の間の防衛という国家の基幹にかかわる問題についての食い違いが既に露呈している問題についてお聞きしたい。
それは、この十一月の初めに山梨県の富士吉田、忍野の北にあります北富士演習場で行われる日米合同演習、訓練、これは八年ぶりのことでありますけれ
ども、私は今日の世界
情勢の中で、
反対派は冷戦構造が崩壊した後今さら何だと言うけれ
ども、それは従来の日米安保に対する非常にステレオタイプの反対論の域を出ない。
例えば、反対されている人
たちに、後でそれを代表する形に図らずもなっていらっしゃる社会党の閣僚にお聞きしますけれ
ども、あの北鮮の、まあどれほど効果があるか知らないけれ
ども、とにかくキャリアまで開発した核装備、そしてその孤立と冒険主義、あるいは中国の相も変わらない、つまりかつて毛沢東の時代に明らかに文明、文化の違う、民族も違うチベットを強引に併合してダライ・ラマを追放する、こういった覇権主義というものが依然として行われて、それを助長するために、中国は持つべきでない、持ってもしょうがない、つまり海上の覇権というものにこそ効果のある、それにしか効果のないオーシャンネービーというものを構築しつつある。西沙諸島、南沙諸島でも、つまりフィリピンやベトナムとの間に非常に強い緊張が刻一刻募りつつある。
また、東シナ海で、領海でですよ、たばこの密輸を監視するという名目で、要するに
日本を含む外国船に明らかに中国の旗を立てた艦船が発砲して不法な臨検をする。なぜかこれに対して
外務省は全然というか弱腰の抗議しかしない。保安庁もこれに対して積極的な手出しをできない。私は、やはり領海が何たるかということを示すために、この際、北富士じゃなしに、東シナ海でも日米海軍の合同演習をリムパックと同じようにやったらいいと思う。
私はそんな気持ちでいますけれ
ども、それについても
総理に後でお聞きしたいかこの北富士の演習というものに関しては非常に過去にトラブルがありまして、八年前もそうですし、二十年前も、これが初めて行われたときに、演習地の入会権というものをある人が主張して非常に大きな
混乱が起こった。そして、当時の公明党、社会党は熾烈に反対して抵抗した。極左の連中も入ってきた。わけのわからぬ外人部隊まで入ってきて、富士吉田の町は商店街がシャッターをおろして町の機能が停止するほど
混乱し、迷惑をこうむった。八年前も同じことが起こった。とにかく農婦のおばさん
たちがトラクターや
戦車の下に寝転がって、進むなら自分
たちをひいて進めと言って、本当に強い緊張が漂ったし、
混乱がありました。
それで、以後五年ごとに現地と
政府との間に演習に関する双務協定が結ばれまして今日に至っているわけです。現地側も
理解が非常に深くて、この北富士の演習場は安保に基づく地位協定の第二条第四項の(b)に基づいて米軍の一時使用も可能だ、認めるべき施設だということで、一種の双務協定ですね、現地はそれを認め、その演習地使用の便宜を供与するが、同時に代償として周辺の整備をしてほしいということで、随時五年ごとの改約で周辺整備に
政府も力を尽くしてきた。ことしの四月ですか、自民党
政府のころ、第五回目の締結がありましたが、その後自民党の
政府が崩壊して今の
政府ができたわけだ。
ところが、現地の人から眺めてみると、きのうまで現地で大反対だった公明党と社会党が入っている。公明党はこのごろこの問題に対する
姿勢が少し変わってきたように聞きますが、社会党は相変わらず猛烈な反対を展開しようとしているんですよ。
その予兆があったから、この間現地の代表の、この協
議会のチェアマンをずっと続けている、私も個人的に親しい、かつては市
会議長も務めたし、今の市長もつくった鈴木森夫君という富士吉田の市
会議員、これは非常に有能な人物です。この人が出てきて、ぜひということで、私は
武村官房長官に、本来なら
中西さんに合わすべきだけれ
ども、これはもうその以前に社会党、公明党の問題があるから
武村さんに御引見願った。
そのときに、現地は、内閣がかわったんだし、できればもう一回、従来、閣議了解なり閣議
報告で協定を結んできた、協定について閣議了解、
報告があったから、今回も閣議
報告をもう一回し直してほしいと言いましたら、
官房長官は、防衛問題についてはずっと従来の政策を継承することになっているからその必要はなかろうということで、言葉を引用していいか悪いか、これはしかし常識的なことですから、こう言われましたな。社会党は決して一枚岩ではないので末端まで統制はできるかわからぬが、少なくとも地元における反対運動が起きないようによく伝えておく。
その後、当時は山花さんが
委員長でいらした、今度の村山さんと、つまり現
政府と社会党との間にどういう話し合いがあったのか私はまだ知りませんけれ
ども、実は
武村さんにお目にかかって二日後に、与党第一党の社会党の山梨県本部は、県や連立
政府に共同訓練の中止を求めるように決定しまして、次の日申し込みをしました。その申し込みは、連合の参議院議員磯村修氏を代表として、北富士問題を
考える県民の会として中止を防衛庁に申し入れた。そして、山梨県の県本部も県連としての新体制での初の執行
委員会を開いてこの方針を確認した。
そして、磯村氏の県への申し込みには、社会党代議士の輿石さんですか輿石東議員も同行されている。これは現地にとってみれば非常に不安というか、困惑というか、そういう
状況でありまして、富士吉田の市長はこの鈴木氏の質問に市
議会で答えて、「こうなると、確約事項の確実な履行どこれを担保するため、改めて閣議
報告あるいはそれにかわるべき証左がない限り、今日の日米合同演習は受け入れるべきでないと私は思う。」と答弁しているんです。これ、
総理、どうお
考えですか。
あなたの主宰していらっしゃる内閣を構成しているあなたの党とは違う党が、本部の意向はどうか知らないけれ
ども、要するに県連本部の意向として、つまり真正面から反対するということを声明して、実際に国会で連合、社会党に属する国
会議員が県庁と防衛庁にこれを申し込みしているんですよ。これは決して足並みがそろっているとは言えない。
まあそれはどうでもいいけれ
ども、とにかく
国民も迷惑、まして地元の人間は本当に迷惑、非常に不安を抱いていると思いますけれ
ども、これをどう調整されますか。