○額賀福志郎君 私が額賀福志郎であります。(
拍手)
私は、
自由民主党・
自由国民会議を代表し、
細川総理の
所信表明に対し、
質問をいたします。
私は、最近、細川
連立政権が本当に民意を
反映した国家
意思の形成ができているのかできていないのか、大変危惧を覚えているのであります。議会制民主主義の根幹は
政党政治であり、
政党は、主義主張、
政策を同じくする同志が相集い、
国民の審判を受けて多数を占める
政党が
政権を担当する仕組みになっております。したがって、あらかじめ
連立政権を担当する場合は、
政権構想を事前に示して
選挙で
国民の審判を仰ぐことが当然のことでございます。この点につきましては、
社会党や公明党、
日本新党、
さきがけ
各党の皆さん方にはじくじたるものがあろうと思いますけれども、この際、答弁は求めないことにいたします。
それはそれといたしまして、先日の新聞報道によりますと、
連立与党の
政策幹事会は、当面の
景気対策をまとめたが、その
内容につきましては発表することができないということでございました。しかも、発表できない理由が、
各党の主張がばらばらで、
実現可能な案なのかどうかも判断しかねる、
各党案を羅列したままで案を提出し、その取捨選択は役所に任せるということであります。これが本当だとすれば、まさに大異を残して小同についたという細川
政権の実態が明らかになったものと思います。(
拍手)
我々がこれまでの
政治改革の論議をしてきました中で特に注意を払ってきましたことは、
政策の遂行に当たってその
責任の所在が明確でなければならないということでございます。例えば、単独
政権であるならば、
国民は
選挙を通じて、
与党に対しまして
政府の
政策が正し
いかどうかの審判を直接下せるのであります。しかしながら、細川
連立政権のような、言ってみれば野合的な
政府・
与党に対しましては、
国民はどのように審判を下すことができるのでしょうか。細川
連立政権は、
政権の参加に当たりまして、
政党として固有の
考え方を持つことまでは拘束はしないで、問題を調整しているということでございます。
しかし、我々はここに見過ごすことができない重大な問題があることを指摘したいと思います。それは、それぞれ独自の主義主張、
政策を持った
政党が「調整」という名のもとにお互いに無原則に妥協し、各
政党の結党の精神と目的が雲散霧消し、
選挙人の期待を裏切ることになるからであります。すなわち、
各党間の調整、妥協というものは、結局、どの党の
意思でもなく、
責任の所在が不明確になり、あげくの果ては、
連立与党の
景気対策に見られたごとく役所任せということになり、
政党政治を放棄する
事態になってしまうわけであります。(
拍手)この点は
我が国民主
政治の根幹にかかわる問題であるだけに、「穏健な多党制」が望ましいと言っている
細川総理自身にぜひ御所見を伺っておきたいと
考えます。
次に、今回の
不況対策を初めとする
我が国経済を取り巻く諸問題についてお伺いをいたします。
橋本政調会長も御指摘がございましたけれども、先の
景気の動向につきまして、
細川総理は最近、後ずさりしかねない、予断を許さないと語ったほかに、三重野日銀総裁も、
景気下振れリスクが強まっているとの
見解を述べ、昨日は〇・七五%の公定歩合の引き下げを行いました。これは、
細川総理が就任直後の
記者会見で、
景気対策につきましては四月の総合経済
対策の効果が出てくるのを見守っていきたいと他人事のように言っていたこと等を
考えますと、まさにさま変わりであり、その意味では、
細川総理も金融当局もやっと実体経済の深刻さを理解して言だものとほっとしたところであります。
しかしながら、先日、いざ
政府の
緊急経済対策が発表されてみますと、その
内容は、
景気に
即効性がない、六兆円といいましてもネットは一兆円の
公共事業だけである、
円高対策に
配慮がない等々のために、経済界や
国民各層の皆様方に大きな失望感を与え、マスコミも、
項目多数、中身は薄く、
即効性は疑問というふうに酷評するありさまでありました。この結果、先週末の株価は、十六日が四百四十円、十七日が百十円と、計五百五十円の急落を見たのであります。
細川船長、いや
総理、このままではあなたの言う国家という船の
日本丸は沈没しかねないのであります。六兆一千五百億円の
対策では底が割れるのではな
いかということでございます。
我が党は、先ほど橋本政調会長が、
日本丸が荒波を乗り切っていくことができるように、五兆円以上の
所得減税のほかに、十兆円を超える
公共投資等の追加を含む
景気対策羅針盤を提言いたしました。しかし、
細川総理は、
国民が待望している
所得減税につきましては、
政府税調の
意見を参考にして検討すると言うだけで、明確な
考え方を
国民の前に示すことができません。
私は、
総理がいつ
税制改正を行うのかにつきまして、ただ、
税制調査会に任せて答申を尊重すると言うだけでは
国民が苦しむぱかりであると
考えます。具体的な構想を示した上で、
税制調査会の
意見を聞くのが
政治家としての務めではないでしょうか。(
拍手)現に、加藤
税制調査会長は、
政府の
考え方なども参考にして
税制改革案をまとめていきたいと言っているのであります。恐らくこれは答申を出して無視されることになったのでは困るからだろうと私は推測をいたすのであります。
この際、
総理は、
減税規模、その主な
内容、
実施時期につきまして明らかにすべきであります。
総理の大きな声で明快に答弁をしていただきたいと
考えます。
次に、先ほど我が党の橋本政調会長も言及いたしましたけれども、
経常収支の不均衡問題につきまして別の角度から取り上げてみたいと
考えます。
現在の
我が国の対外経済摩擦の背景は、
経常収支の不均衡がすべてであると言っても過言ではないのであります。例えば、従来は、繊維、鉄鋼、自動車、半導体、牛肉、オレンジなど、個別の業種、品目が問題となってまいりましたが、これらにつきましてはそれぞれ自主
規制などの対応で処置してきたために、最近は
経常収支不均衡自体が問題になるようになってきたからであります。
しかし、日米間の
経常収支黒字問題に関しましては、
日本は貯蓄超過、
米国は貯蓄不足になっていることが貿易収支の不均衡を生んでいる原因であり、我々は黒字自体を問題にするのは正しいアプローチの姿ではないと
考えるのであります。
現在は、
我が国の場合、貯蓄世代であり
年金払い込み世代であるいわゆる労働力人口の比率がピークであるために、貯蓄超過が出てくるのは当然であります。逆に、
高齢化社会がピークとなる二十一世紀初期の段階では貯蓄不足が予測されてくるわけでございます。
一方、アメリカにおきましては、今でこそ
日本以上に
高齢化し、
財政赤字を抱えていますものの、二十一世紀初頭のころには、逆に先進国の中では最も若い労働力を抱える人口構造になっており、生産力、
財政構造の面でも
日本より優位な立場に立つことは目に見えておるのであります。
したがって、現在の日米の貯蓄・投資構造は二十一世紀の早い時期におきまして逆転することが予想され、
経常収支構造も大きく変化するのではな
いかと推測するのは私一人ではないと
考えるのであります。
今日の
日本と同じように、かつて
経常収支の黒字を続けた英国の場合は、経常黒字をインドを初めとする植民地への投資に振り向けました。
米国の場合は、
我が国に対するガリオア・エロア、ヨーロッパに対するマーシャル・プランなど、戦後復興に巨費を投じたぱかりではなく、国内の高速道路網を初めとする生活産業基盤の
整備や先端技術につながる軍事技術の開発に多くの資本を振り向けたことが、その後の両国の経済の勢いの差になっているものと
考えるものであります。
我々が今
考えなければならないことは、積極的に市場開放、
政府規制の
緩和、
内需拡大を行い、
黒字削減の
方向に向かっているという流れをつくることであります。また、二十一世紀の困難な
時代を乗り切っていくために、今日の貯蓄分を、将来の需要を先取りする形で、老人福祉施設、文化施設などのいわゆる新しい発想に基づく
社会資本の
整備や、
我が国産業の競争力維持のための技術・研究開発、生産設備への投資といった形で蓄積をしていくことが大事であると
考えるものであります。今、日米間で包括協議が始まりましたが、一部で報道されておりますように、二年先、三年先の
経済成長率とか
経常収支黒字率を決めて
政府問で約束事をするというようなことは、
日本も
米国も市場原理で経済が動いている以上、間違いであることはだれもが承知していることであります。先ほど
細川総理は、具体的数字をもって答えることはよくないと、我々の
考え方と同じことを答弁をなさっておりましたけれども、
羽田外務大臣におきましては、
数値的目標設定に応ずべきだと発言をしているようでありますけれども、これが本物かどうか、お聞かせ願いたいと
考えます。本当だといたしますならば、かつて
大蔵大臣を
経験した方とは思えない
見解と思いますが、真意をお聞かせ願いたいと
考えるものであります。
また、
細川総理におかれましては、こうした、先ほど述べた歴史的な教訓を生かして、中長期的に見まして
我が国の産業
政策、経済
政策のかじ取りをどうしていくのか、
基本的な
考え方をお聞かせ願いたいと
考えるのであります。
次に、
我が国政府経済見通しについて
お尋ねをいたしたいと
考えます。
先般、経済企画庁が発表いたしました四−六月期の
国民所得統計速報におきまして、
国民総生産の実質成長率は、前期比でマイナス〇・五%、年率換算ではマイナスニ・〇%で、昨年七−九月期以来三四半期ぶりのマイナス成長に逆戻りしたことは、
国民の間に大きなショックを与えていることでございます。さらに、
景気の低迷はその後も一段と深刻化をしており、七−九月期におきましてもマイナス成長が続くとの見方が広がっております。
果たして九三年度
予算編成の基礎となりました
政府経済見通し三・三%の達成は可能なのかどうか。もし達成ができなかった場合は、
政府の税収入の大きな落ち込みが予想され、豊かな
国民生活の
実現を図る上での諸施策や国際
貢献策にも大きな
影響を及ぼすことは必至であります。
総理に、現時点における達成見通しについてお伺いをいたします。
次に、
円高対策についてお伺いをいたします。
今回の円レートの急上昇は、前回、つまり八五年二月から八八年一月までの百三十三
円高より小幅であるものの、月ペースの上昇率におきましては前回の二・一%を一%上回る三・一%となっており、かなり急ピッチであります。さらに今後も
我が国の実力を超える
円高が定着していくことになれば、製造業を
中心とした国際競争力に深刻な打撃を与えることは当然のことであり、七〇年代、八〇年代の
我が国の
経済成長の原動力となってまいりましたいわゆる鉄鋼、自動車、家電を初めとする産業界では重大な危機感を抱いておるのであります。
私は、今度の
円高に伴って憂慮すべきことが二つあると
考えるのであります。
まず
一つ目は、今度の
円高が引き続いて今後も
世界的に容認されていくおそれはないのかどうかということでございます。
ドルは欧州・
アジア各国の通貨に対しまして比較的強含みで推移しているため、仮に
円高・ドル安傾向が続きましても、
米国の輸入価格全体といたしましてはそれほど上昇をしないので、インフレの懸念が少なく、貿易収支改善につながる
円高基調が放置されていくという懸念があるわけであります。したがって、円はいつ九十円近くまで上昇してもおかしくないる面に立たされているということでございます。
私が心配するもう
一つは、過去ニ回の
円高の際は、
企業の徹底した省力化、合理化あるいは価格転嫁などの
措置で何とか乗り切ってきたものの、今回は、もはや自動車などは一円の
円高で五百億円の赤字を出すという状況であります。輸出産業が
円高を吸収できる基礎体力を失っているということでございます。
このため、こうした
円高状態が続いてまいりますならば、
我が国産業は壊滅的な打撃を受け、
企業は大きな
雇用調整に追い込まれていくことが必至であります。また、
企業が生き残り作戦のために海外移転を図ることとなり、主力製造業の空洞化現象が一気に展開していくものと
考えます。つまり、これからの進展次第によりましては、町には失業者があふれ、働く場所は失われ、
社会不安が増大し、最終的には
政治の
責任が問われていくことは歴然としているのであります。
前回、同僚の町村
議員から
円高対策についての
質問があったかと思いますけれども、その後、
細川総理が適切な指示をし、
大蔵大臣が積極的に動いたとか欧米
各国と連携をとり合っているとかいった情報は全く聞こえてくることがありません。一体、
内閣としてはこの
円高問題をどのように
認識されているのか。新聞報道によりますと、
細川総理は、円が急騰している八月、軽井沢で記者団からこの問題について聞かれ、困ったことだと述べるだけで、何ら
対策を打ち出さなかったと受けとめられております。
総理の御
見解を明快にお答えを願いたいと
考えます。
いつものことながら、
不況の中で一番苦しんでいるのは町の中小商工業者であります。流通革命の進展、労働時間の短縮などで経済の構造変化の直撃を受けているからであります。このため、最近は新規事業
分野に進出したり新しく創業する事業者がめっきり少なくなっていることは皆さん方も御承知のとおりであります。
円高があっても大
企業は海外に生産拠点を移転することができるが、中小商工業者の場合、資金も情報も少なく、不可能に近い状態なのであります。結局、受注先の大
企業が生産拠点を海外に移せば仕事がなくなってしまうわけでありますから、そのうち
日本の都市という都市に製造業も流通業もなくなってしまうのではな
いかという心配があるわけであります。中小商工業者の事業育成、事業承継、海外移転などを含めた総合的な
支援策を
考えるべきではな
いかと
考えます。
また、中小商工業者は、バブル
時代に借り入れた既往借入金の返済負担にあえいでおりまして、借入金の返済猶予を促すような
措置はとれないものかどうか。さらに、中小商工業者への
民間金融機関の貸し渋りや
貸出金利の下げ渋りにつきましても、一層の円滑化を図るための機動的な
対策を講ずることはできないでしょうか。
総理の御所見をお聞かせ願いたいと
考えます。
話がリストラ問題とか産業の空洞化問題に及びますと、当然
雇用問題に行き着いてまいります。
七月の有効求人倍率は〇・七二倍で、現在、
雇用調整を
実施している
企業の割合は八月下旬で六割弱となっております。我が党は、
雇用調整助成金につきまして、これまで
制度の充実、拡充を推進してまいりました。
政府が今回決定した
緊急経済対策におきましても、
雇用調整助成金
制度の活用など同様の諸施策が盛り込まれており、今後の
雇用調整の実態に
配慮した弾力的な対応を
関係省庁に望むものでございます。
そのような中で、
障害者、
高齢者や女性など、
社会的に弱い立場にある
方々の
雇用を大変に心配をいたしております。
雇用調整助成金を含む諸施策に関する弾力的運用問題や
社会的弱者の
方々の
雇用確保等の問題につきまして、
総理の
考えをお聞きしたいと思います。
次に、山花大臣の
韓国訪問に関してお伺いをいたします。
我が国は、一九五二年、サンフランシスコ講和条約によって終戦処理にピリオドを打ち、その後、
関係する国との間で誠実に賠償並びに補償を行い、一部
地域を除いては
関係国との理解も得られてきたところであります。このような
努力を歴代
内閣が今日まで続けてきましたことは、細川
内閣も理解し、承知をしておられることと思います。
去る九月四日山花大臣が
韓国を訪問をされました。
与党第一党である
日本社会党委員長としての初の訪韓であり、遅きに失した感はありますけれども、ともかくも
韓国を認めたという意味ではそれなりの意義があったものと評価をするものであります。
しかしながら、山花大臣は、細川
内閣の重要閣僚の一人であり、かつ、細川
内閣を支える
連立与党の第一党の委員長であるという極めて
影響力の強い立場にあるにもかかわりませず、訪問先の
韓国におきまして、その
認識を欠いた重大な発言があったことを見過ごすことはできないのであります。山花大臣は、ソウル到着時に声明を発表し、
社会党としては、過去の植民地支配について
日本は謝罪を行い、日韓両国
国民の納得できる
措置を講ずるべきである、日韓
基本条約は承認する旨のことを述べたのであります。日韓両国
国民の納得できる
措置とは何を示すのか、何を意味するのか、私には理解することができないのであります。
山花大臣が認めた日韓条約におきましては、日韓両国
政府のたゆまぬ
努力と賢明な判断によりまして、いわゆる請求権問題にはピリオドが打たれていることは
細川総理みずからが認めているところであります。そのことは、
韓国政府も同じ立場にあることは申し上げるまでもありません。
こうした両国間の相互理解があるにもかかわりませず、山花大臣はあえてそのような発言をしたばかりではなく、翌五日の
韓国の大学同窓生との会合において、
さきの戦争は侵略戦争であったという
考えを示すとともに、日韓両国のいわゆる戦後処理問題について誠意ある補償のための
措置が不可欠であると述べたと報道されました。これに対しまして、
武村官房長官は、早速、
社会党委員長としての発言であろう、正式の
政府の
見解ではないと述べ、また、
細川総理は、閣僚の一人として
内閣の
姿勢を踏まえて話しているのだから心配はしない、安心をしている旨の発言がありました。
総理、山花大臣の発言は、あなたのおっしゃるように
内閣の
姿勢を踏まえたものと言い切れるのでしょうか。細川
内閣の重要な柱をなす一人が、たとえ
政党の委員長としての発言だったといたしましても、外国において、
さきの戦争は侵略戦争であった、補償
措置が必要であると述べたのであります。
私は、このような
考え方は、少なくとも、
さきの
国会で表明された
政府の
見解とは明らかに異なっているものと
認識をしております。もしそうだといたしますならば、細川
内閣の一員である山花大臣は、細川
内閣とは違った
考え方を外部に示し、行動しようとしているのですから、閣内不一致と言われても仕方がないのではないでしょうか。また、仮に、山花大臣の発言は
政党の委員長としての発言であり、あるいは
政治家としての発言であるから構わないというのであれば、
国務大臣としての
責任は一体どこへ行ってしまったのでありましょうか。
総理及び山花大臣の
責任ある御答弁を求めるものであります。
次に、PKOの問題についてお伺いをいたします。
カンボジアに
派遣されていた
自衛隊の施設大隊も帰国をし、一年近くに及んだ
カンボジアでの
国連平和維持
活動が終わろうといたしております。過酷な
環境の中で厳しい
任務に当たってこられた
選挙要員、文民警察要員、停戦監視要員、陸上
自衛隊施設大
隊員を初め各位を支えてこられました
関係者の皆様の御苦労に対し、心からねぎらいの
言葉を贈りたいと存じます。(
拍手)
約一年にわたるPKO業務を通じ、
我が国は目に見える人的な国際
貢献を積極的に展開し、
カンボジア国を初め
各国から高い評価を得たことは周知の事実であります。
カンボジアPKOを検証するときに明らかになったことは、PKOは武力
紛争直後の脆弱な和平をより強固な和平にするために行われるものであり、こうした状況下で適切かつ迅速な
協力を実
施するためには、軍事的な知識と自己完結的な能力を有する組織が不可欠であるということが明らかになったわけであります。だからこそ、
国連からは軍事的組織の
派遣が
要請され、これらがPKOの
中心的な
役割を果たしているのであります。
我が国からも組織的に訓練された
自衛隊の要員、
部隊が
派遣され、大いに活躍をしているわけであります。
PKO活動が非軍事・民生・文民による
自衛隊とは別個の組織で有効に
実施されるなどという
社会党の主張は、全く非現実的なことであったことが明らかになったわけでございます。しかも、
国民の大多数は現在の国際平和
活動を高く評価をしております。山花大臣に現在の
社会党の
PKO活動に対するお
考えを党委員長としての立場から御説明をいただきたいと
考えます。
また、
細川総理も、
社会党とは違った形で、自衛目的に設置されている
自衛隊をPKOに参加させるのは無理があるといたしまして、やはりPKOを
自衛隊以外の別組織によって行うべきだと主張されておりましたが、現在でも
総理のお
考えは変わっていな
いかどうか、お聞かせ願いたいと
考えます。
さらに、
中西防衛庁長官は、先ほども先輩の橋本政調会長から御指摘がありましたように、このPKO業務を主
任務として位置づける
考えをお持ちであるやに伺っておりますが、防衛庁長官といたしましては、その
考え方で
自衛隊法を改正するつもりかどうか、お聞かせ願いたいと
考えます。
我々は、
カンボジアPKOの貴重な
経験を生かし、
我が国の国際平和
協力活動を揺るぎないものにすることが重要なことと
考えます。しかしながら、細川
内閣におきましては、PKO
協力の
考え方につきまして、閣僚間においてさまざまな
意見が述べられ、閣内が不統一であるかの印象を与えておりますけれども、綱川
総理は
PKO活動をどう評価し、今後どのように進めるお
考えであるのか、また、諸外国の状況を踏まえまして、
羽田外務大臣におかれましてはどういうふうにお
考えなのであるか、お聞かせ願いたいと
考えます。
次に、先ほどもお触れになりましたけれども、
さきの
通常国会で
衆議院の
解散により
廃案となった在外邦人等の輸送を
中心とする
自衛隊法改正案の今
国会への提出についてであります。
我が党は、同法の一日も早い成立を願うものでありますが、
連立与党第一党の
社会党が
与党政策幹事会で絶対反対との
見解を明らかにしたということであり、同改正案の取り扱いの結論が先送りされたと伺っております。在外邦人保護を目的とする
自衛隊機を使用することについて、
社会党はどこに問題があるというのでしょうか。現
内閣の
国務大臣である山花
社会党委員長に反対の理由を明らかにしていただきたいとともに、今
国会への成立に向けて
努力をしている
中西防衛庁長官の
考えもあわせてお聞かせ願いたいと
考えます。
また、
さきの
特別国会で、我が党の町村政調副会長の
質問に対し、
細川総理は、同法案の速やかな成立が必要と
考えている、可能な限り
早期に
国会に提出し、
審議をしていただきたい旨の発言をいたしました。連立
内閣だから
各党間のさまざまな
意見があることはいたし方のないことでございますけれども、よもや今
国会で
与党内における一党の反対により
法案提出の再検討などという
事態に陥ることはないとは信じますが、改めてここに確認の意味で
総理の御答弁を求めるものであります。
ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉につきましては、同僚の
質問もありましたけれども、すなわち、本交渉の成功が極めて重要であるとの
認識は持っていますものの、
我が国の米につきましては、
日本農業の基幹であり、かつ、急峻な国土
条件のもとで自然
環境を保全する等、多面的機能を有する特別の
重要性を有しており、
国会決議の趣旨を体し、国内産で自給する
方針を貫くべきであると主張をしてまいりました。その後、
総理の
考えにお変わりはないのか、お答えをいただきたいと
考えます。
また、本年は三十九年ぶりの寒い夏となるとともに、台風が既に七つも来襲したために、稲作の作況指数は八月十五日現在で九五となっており、その後の気象状況を見れば、さらに悪化し、近年にない不作が避けられないほか、その他の農作物に大きな
被害を与えております。この
被害に対しまして、できる限りの救済
対策を速やかに行うことが緊要であると
考えますが、
総理の御答弁をいただきたいと
考えます。
結びに当たりまして、今マスコミで、
政治がおもしろくなってきたと関心を呼んでおります。あたかも
政治家が芸能人のようにテレビや週刊誌などでも取り上げられるようになってまいりました。これに呼応するかのように、
細川総理も最近は、テレビを意識し、
記者会見も
政策発表も大分パフォーマンスをしているようであります。今のところ世論調査も上々でありますから、残念な、ことでありますけれども、まずはたたえておきたいと
考えるものであります。
しかしながら、先日も
景気対策の発表をパネルを使って
いかにも格好よくやっておりました姿を見て、歴代自民党総裁だったらどうしたんだろうと
考えてみました。すぐ故大平元首相のお顔を思い出しまして、これまでの自民党ではとてもまねができないとかぶとを脱ぐ始末であります。
しかし、翌日の新聞におきましては、先ほども言いましたように、
項目多数、中身は薄く、米
政府は失望などの活字が踊っていました。一瞬、私は、中身は薄くというのは
細川総理自身について語ったものかと思ってびっくりしたのでありますが、
景気対策の中身でありましたから、ほっとした次第であります。世の中には「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということもあります。恐らく大平首相だったら、
政治に奇手、名案はない、やるべきことを精力的に、朴直にやっていくほかに道はないなどと答えているに違いないのであります。
世界は、先進国も
発展塗上国も、自由主義国も旧
社会主義国も、新しい生き方、新しい平和のあり方、新しい
政治、経済のあり方を求めて必死に模索を続けているのであります。
国民は、今や
政治に甘い未来図やいたずらな迎合を求めているのではない。我が党は、大衆に耳を傾けながらも大衆におもねることなく、真の自由国家建設の道を朴直に追求し、
国民と
世界に対する
責任を果たしてまいりたいと
考えるものであります。
国民各位の御
協力と御
支援を心からお願い申し上げて、私の
質問を終わります。(
拍手)
御答弁によりましては、再
質問をさせていただきますから、御通告をいたしておきます。(
拍手)
〔
内閣総理大臣細川護煕君
登壇〕