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成毛公述人 御紹介をいただきました茨城県東村の村長の
成毛でございます。
私は、急な手配で何かピンチヒッターの形でここに呼ばれたというような感じをいたしております。しかし、
政治改革は今や
国民世論である、天の声である、そういう気持ちを持っておるところでございますので、大変光栄に存じて
出席をさせていただきました。しかし勉強不足でございますので、先生方のお耳に非常に差しさわる点等もあろうかと存じますけれども、御容赦をいただきたいと思います。
よく外国の新聞等に、
日本の
経済は一流であるけれども
政治は三流である、こういうようなことが書かれておる、このように聞いております。さらに、先ほど
長洲知事さんからもお話がございましたが、ここ数年来の
政治の腐敗等に対する
国民の怒り、
不信は大変なものがある。そういう
背景のもとに何としても、国の外からも、
日本の
政治はすばらしいものである、さらに
国民の
皆さんから、
国政、
地方を問わず
政治家は生まれ変わった、すばらしい
努力をいたしておる、こういうふうにしなければならないというのが今回の
政治改革であろうと私は思っております。
そういう
意味で、このたび政府提案、さらに自民党提案というようなことで、かなりの相違点のある
法案がそれぞれ提案されたようでございますけれども、
国民世論であるということを
背景にして、譲るべきところは十分譲り合いながら、何としても今
国会で成立を図られるよう、まずお願いを申し上げたいと思います。
ただ、いろいろな
法案の中で、
政党助成法だけは、先ほどいろいろございましたように、私もかなりひっかかる点もございますので、その点につきましては後ほどまた申し上げたい、このように思っております。
しかし、手法はいかに
改正をしても、
基本的になるのは、
政治に携わる
国会議員の先生方を初めとする我々
地方政治家に至る
政治家のやはりモラルの問題が
基本ではなかろうか。もう
一つは、
国民全体が、きれいな
選挙をやっていこう、きれいな
政治をやっていこう、こういう機運をもっともっと強く打ち出していく、そういうことが私は
基本にならないと、どういう手法をつくってもよくならない、このように私は思っております。
昭和四十年代前半までは、私どもの村長
選挙やあるいは村会
議員の
選挙等も、ほとんど手弁当の形で
選挙が進められてまいりました。四十年代の半ばから、
国政あるいは
地方の
選挙も本当に金のかかる状況になってきておる、これが実態であろうか、このように思うわけでございます。
やはりその原因には、国の
政治経済の中で、安易に金のもうかる世の中が出てきた。土地や株やあるいはゴルフ場等の開発等で、余り額に汗をしないで、少しうまくやって大きな金もうけができる、こういう世の中が生じてきた。そういう
背景を踏まえて、やはり権力の伴う
政治に金がかかってきたということも一面否めない事実ではなかろうか、私はこう思っております。
そういう
意味で、国の
政治経済全体に、額に汗して働く人たちが本当に苦労して労働報酬を得る、正しい、最も妥当的なやはり姿がさらにさらに形成されないと、本当の
意味での
政治改革は難しいんではないか、こんなように私は思っております。
もちろん、そうだからといって何もやらなくてはならないわけでありますので、今回提案されましたもろもろの
法案が、いろいろこれから与野党
政治折衝あろうと思いますけれども、そういう中で、妥結できるもの、譲り合えるものは譲り合って、成立を図られるようお願いを申し上げる次第でございます。
それともう
一つは、これまた
長洲知事さんからもお話がございましたが、どうも今回の
政治改革にしても、あるいはここ二、三年来
選挙法の
改正等がありましたけれども、
国会議員の先生方の立場でだけ
改正がされておるんではないか、そういうことを率直に思われてなりません。
二年ほど前に
選挙法等が
改正になりましたが、私どもが、例えば、一年に一遍は懐かしい人たち、ごぶさたしておる人たちに年賀状はぜひ出したいと思っても、
国会議員の先生方の立場では枚数的にも大変だというようなことで、これが廃止になりました。やめた後、私は熱心な年配の
支持者から、何か私におもしろくないことがあって、村長、年賀はがきを出すのをやめたんですか、こういう話をされました。やめた理由がなかなか
地域住民全体に
理解されなかったと思いますけれども、そういうふうに、年賀はがき一枚を非常に
政治家から来るのを楽しみにしておる人たちがたくさんいる中で、
国会議員の先生方の都合を中心として、一年に四百枚か五百枚出す年賀はがきさえも出せなくなってしまった。
こういうふうな一連の、
一つの小さい出来事でございますけれども、
地方の
政治家と
考え方が違う形で、あっという間に決められてしまう。
選挙のときにも、私の
選挙区の先生もきょうはおいででございますけれども、私どもはお見舞いを出すことができる。
国会の先生方は
地方の
政治家には一銭も出せない。やらずぶったくりだなというような話が今出ておりますけれども。
そういうふうに、今回の
政治改革の
法案の中でも
政党助成法につきましても、
地方議員、
全国で三千二百三十の市町村がございます。
首長あるいは
知事、さらに六万人に近い市町村
議員がほとんど
無所属である。
国会議員は約八百名弱でございますけれども、まあ六万数千名という
地方の
政治家は
無所属であるということを踏まえますと、
政党人だけが何百億というふうな
政党助成があってもいいのか、そういうような感じを率直に抱いておるところであります。後でもう少し、これらについても申し上げたいと思います。
そのような
考え方もあるわけでございますけれども、しかし
政治改革は天の声である、
国民が全体が熱望しておるというふうに私は思っておりますので、そういう
意味でぜひ成立を図っていただきたい、このように思います。
具体的に六つほど申し上げたいと思います。あちこち飛びますけれども、要点だけ申し上げたいと思います。
まず、
公職選挙法の
改正についての手法についてでございますが、まあ小
選挙区制の
並立制というようなことで、これは与野党同じ手法である。しかし
定数が違っておりますけれども、現実の
法律では四百七十一名、現実五百十一名ということでございますので、総数としては私は政府提案の五百名が妥当ではなかろうか、このように思っております。ただ、直接
選挙の人数と比例代表については、恐らくこれから話し合いが成ると思いますけれども、やはりお互いに譲り合わないと、これはまとまらないというふうに思いますので、まあ二百七十五直接
選挙、二百二十五比例、この辺が妥当ではなかろうかな、こんなふうに思っております。
きのうの読売新聞にカナダの総
選挙の結果が出ておりましたが、カナダはほとんど単純小
選挙区制で行われたようでございますけれども、今まで与党でありました進歩保守党が百六十九名から一挙に二名になってしまった、そういう結果がきのうの新聞に出ておったようであります。そのかわり、今まで八十二名だった自由党が百七十八名というようなことで政権の移動があった。単純小
選挙区は非常にわかりやすいわけでありますが、極端な票結果が出る。これはやはり
日本には余りなじまないのではないか、こんなふうに感じます。
そういう
意味で、まあ半々というよりはもう少し直接
選挙をふやした二百七十五対二百二十五あたりが、私の勘でございますけれども、安定した政権であり、なおかつ失政があれば政権移動が可能になる、そういう適当な票分けではないのかな、こんな感じを持っております。
政治は安定していなければならない、これはもちろんでございますけれども、大きな失政があれば直ちに政権移動になる
可能性があるというのも、いつも緊張した姿勢の中で
政治家が
政治活動をやるということのためにはいい形ではないのかな、こんなふうも思っております。そういう
意味で、
定数並びにその割合についてはそのように
考えております。
それから、比例代表の出し方については、与党では
全国段階で、自民党案では県別にというようなことでありますが、私は、ブロック別あたりにすべきではないのか。余り県別ではローカルになりますし、
全国的では参議院のように権力者の自由になるということではまずいんではないか。各ブロックごとに民主的に協議をして決める体制がよろしいんではないか。なかなか難しいとは思いますけれども、新鮮な形を
考えるというふうなことでやるべきではないのかな。私ども
地方自治体では八ブロックに分けておりますので、そういう中身でやることが、それぞれの県連の会長なり幹事長さんあたりが集まって民主的に決めていくということがいいんではなかろうかな、こんなふうに
考えております。
それから、投票方式につきましては、二票制が私はいいんではないか。
海部内閣のときに自民党案も二票制というようなことで出したように聞いておるんですけれども、私は二票制がよろしいんではないかと。
私の地元は、今度は野党になりましたけれども、立派な自民党の先生方が三名おられます。三名均衡しておるわけでありまして、例えば一人だけ残った場合に、他の二人の先生方の
支持者は場合によっては棄権をしてしまう
可能性がある、現在そんなことも言われております。
ですので、直接投票はかなりの票はしなくても
政党名は書こうというふうなことも既に巷間言われておりますので、死に票にならないようにするのには二票制をすべきではないかと。さらに、
日本の
国民は
バランス感覚が非常によろしいんで、直接投票とあわせて、比例の票で全体のチェックをしていくということも可能ではないかと。そういう
意味で二票制が私はいいんではないか、場合によっては当面というようなことでやるべきではないかと、こんなふうにも
考えております。
それから、
戸別訪問につきましては認めるべきであろうと。当面、できれば人数を決めるべきではないか。例えば、村長ならば三百人とか
国会議員なら千人とか、登録をさせて、その人だけが自由に
戸別訪問ができるというふうなこと等も
一つの
方法ではないか。今の
選挙法のように、マイクを握る人と労務的な人を十名ぐらい決めて大きな
選挙をやる、これは
選挙法違反をしていない候補がないのが当たり前のような
選挙になっておるわけでありまして、実態に合った、しかもきちっとした登録的なすばらしい運動員を確保しないと
選挙に勝てない、そういうふうな
方法も
一つの
方法ではないのかなと、こんなふうに実感として
考えております。ただし無報酬であるというようなことをつけるべきであろう、こんなふうに思っております。
それから、
政治資金規正法につきましては、
政党助成とも関連あるわけでございますが、さきにも申し上げましたように、どうも
国会議員の先生の都合のいいことだけ決められてしまうんではないか、七万人に近い
地方の
無所属政治家はどうなるのかなど、そんな感じを率直に思っております。
今回の
公聴会に
地方六団体が正式代表が出られなかった。勉強がまだ十分でなかったという点、あるいは組織討議がされなかったということであろうかと思いますけれども、やはり暗黙のうちに無言の抵抗があったんではないか、私自身はそのように受けとめております。ですので、きょうは東村の村長ということだけで、
個人的な立場できょうは
出席をさせていただいたわけでございます。
そういう
意味で、先ほども
地方分権、
地方主権がこれから一番大事である、こういうことを言われておりますし、責任は
国会議員の先生方がこれは大変重いものであるわけでありますが、
仕事の苦労、そういうものは我々末端で頑張っておる人たちも同じである。そういうことを御
認識いただき、さらに、これから福祉の問題等
地方に課せられる
仕事がどんどん多くなってきておる。しかも、町村も大きくなってきておる。そういう状況の中では、もっと
地方政治家に対する配慮、
地方主権、
地方分権という
考え方のもとにさらにさらに
政治を進めていただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
来る前に何人かの
皆さんに
政党助成の話を聞いてまいりましたが、
政治家は金がかかる、特に秘書をたくさん置くので金がかかるというふうな話をよく言われております。それならば、もっと
国会議員の歳費を堂々と上げて、さらに秘書の数を、二名でなしに四名とか五名とか国で持つということをまずやって、
政党助成は後にすべきではないか。
国会議員も
地方議員もみずから身を切って、金のかからない
政治、金のかからない
選挙を樹立をしながら、それほど一生懸命やっておるならば公費で持ってもいいんではないか、こういうふうにすべきであろうと。
政党助成だけは後にすべきではないか、こういう
意見がたくさんあるということもひとつお聞きをいただきたいと思います。
それと、やるにしても、飛行機やJRにはただで乗れるそうだ、少なくともこういうことはまずやめるべきであろうというような
意見等もたくさん出ております。先生方の耳には直接入れないと思いますけれども、いろいろ
国民世論としてはそういう率直な
意見がいろいろ出ておるということも踏まえて御
審議をいただきたいと思います。
その他いろいろ申し上げたいことございますけれども、時間のようでございますので以上で終わらせていただきますが、ひとつ
地方の
政治を十分お酌み取りいただきまして、また、立派な
国政をさらに進めていただきますようにお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。
ありがとうございをした。(拍手)