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加藤(紘)
委員 ミャンマーはことしの十月十五日までに約三千人と言われる
政治犯のうち千九百八十九人の釈放を行っているわけです。恐らく天安門事件後の中国との
関係では、かなり大きく評価されることだったと思います。しかし、ミャンマーの場合には何となくほうっておかれている。
つまり、私が言っておりますのは、ソフト・デモクラティック・パス、つまり一段一段やっていくべきなんだろうな。そして、それがケース・バイ・ケースということはそれでいいんだろうと思います。ただ、そのケース・バイ・ケースを適用するときに、やはり
発言力の大きい国、
外務大臣がおっしゃるように、隣の大きな国で今後問題になりそうな国という場合にはかなり迅速に手が打たれるのだけれ
ども、
我が国との
関係が非常によくなって
友好関係が保ち得るような国であるけれ
ども、国際
政治の中での
発言力が非常に少ないとか、それから
貿易関係が非常に少ないというような国は、若干ほうっておかれる傾向にあるのじゃないかそこを危惧してこの
質問をしているのであります。
それで、繰り返しますけれ
ども、選挙をやって、それで民政移管するよと言いながら、なおかつ結果がちょっとひどい、危ないなと思ったら、軍事政権がそれを民政移管していないというのは、もうミャンマーのSLORCにとっては弁解のできない十字架だと思います。それは早く直していかなければならないし、そのために
我が国は説得していかなければならないと思います。これはミャンマーのSLORCが
努力しなければならぬところだと思います。
ただ、それを
一つ一つやってきた場合にはやはりエンカレッジしてあげる。特にあの国の場合には、恐らく国際
政治の中でどう対応していいかということが余り得手ではない国なんじゃないかと思うのですね。まあ、そういう
意味で、今大きなステップを踏みながら、
日本側が対応してあげていないというのはどうも手抜かりだったのではないかなという気がします。
人道的なものであったならば手を打っていく方針でしたということをおっしゃるけれ
ども、
日本の
経済援助でヤンゴンにヤンゴン新総合病院というのができていますね。この間私は、ミャンマーに行ったことがないものですから現地を見に行ったのですけれ
ども、八八年にでき上がった病院が、胃カメラがありファイバーカメラがありCTスキャンがあるのですけれ
ども、その後
日本とのコンタクトが全部とぎれていますから、その器械が全部アウト・オブ・オーダー、使えない
状況なんですね。それを供給してくれたメーカー、代理店とのコンタクトも
一つもできない状態というのは、どうもちょっとほうっておいていいのかな。やはりこの種の話というのは、人道上の
範囲に入ると思うのですけれ
ども、いかがですか。