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村田(吉)
委員 空港
整備特会の問題については、
自民党もこれまでずっとかかわってきたわけで、変なことは言えないのですが、いずれにしても、空整特会について不幸な歴史があったと
思います。初めのころは、飛行機に乗る人なんかぜいたくだったと思うし、それから、ある程度
利用者がふえたときには、需要が強いのだから負担能力はあるよといって、余り一般財源を入れてくれなかったような経緯があるのじゃないかと推察します。
しかし、これだけ飛行機を利用する人がふえた、千キロメートルと超える移動の場合には九〇%を超える人が
航空機を利用するというような状態のようでございますし、そういう
意味では、財源が乏しい中であちこちにお金が要るわけでございますが、飛行機の方もぜひともこの機会に頑張って、一般財源を入れるように
努力をしていただきたい。そうでないと
航空会社は、着陸料は高いわ、あるいはこれからどんどんいろいろなものを
整備されて、
関空であれ、羽田もそうですが、あそこへ強制的にテナントを移され、そこで高い利用料を払わなければいけない、どんどん負担が、いろいろな経費がかかる一方でしょう。だからそういう
意味で、やはりできることは、国ができることはしてやるということが必要なんじゃないか。
航空協定も頑張ってもらいたい、空整特会でもできるだけコストを下げるように
努力をしてもらいたい、これをひとつお願いをいたしたいというふうに
思います。
規制緩和の問題については、私は規制緩和に関する特別
委員会の
委員をしておりまして、これから本格的に
議論になっていくだろうと
思います。
私は、役人出身だからそう言うわけじゃないのですが、何か今規制というと全部悪いというような観念にとらえられております。私もかつて外国為替管理法を担当しておりまして、あれの大改正をやりまして、あの中での許認可というものを全部とってしまったのですね。原則自由の体制にするところまでやりました。しかし、特に
運輸行政というのは、
運輸省を弁護するわけじゃないのですが、安全とか環境とかにかかわることも多いですね。だからそういう
意味では、
一つの哲学が要ると思うのですね。
かつて、
自民党の
内閣のときに、三年間で二割カットというのをやりました。数字じゃなくて、安全で安価というのかな、要するに、よりよいサービスを提供するためにどういう規制をとり、どういう規制を残していかなければいかぬかということについて、真剣に考えていかなければいかぬじゃないかなと
思います。
私の経験でも、民間サイドはみんな規制は悪いと言うのです。しかし、何かあると、恐らく事故が起こったら、けしからぬとかそれは
政府が対応、そういうことになって、
日本の社会では自己
責任というものの確立がまだ未成熟でございます。そういういろいろな、
アメリカとも違うし、ヨーロッパとも違うのですが、そういう社会的ないろいろな環境の中で、あるいは
国民の意識のもとでこの国を、
国民の生活を安全に保っていくということが要請されるわけですから、どうかひとつもう一回、二割とはいえ十分にその哲学というか、どこを守るんだという、そういう哲学をしっかり組み立てて規制緩和をしていってもらいたいなというふうに
思います。
きょうの日経でも、社説で「官僚のエゴが規制緩和を妨げている」、規制緩和をするのは
政治家でしかないよ、こう言われておりますけれ
ども、しかしすべてが悪いんじゃない。要するに大きく変動するときに、
政権もかわりました、
政権のかわったときにはいろんなことが吹き出しできますが、しかしやはり守らなければいけない
価値というものもあると思うのですね。
冒頭の話に戻りますが、
社会党さんも変わるのはいいのです、変わるのはもう大歓迎しますが、しかし変えてはならないものというのはやはりあるでしょう。レーゾンデートルみたいなのはあるのです。だから、やはりそのものを十分、どこにそれがあるのかということをよく見きわめないで、とにかく変わればいいんだ、変わればいいんだといったらみんなおかしくなっちゃいますから、どうかひとつ腰を据えてこの規制緩和という問題にも十分
努力をしてもらいたいというふうに
思います。
大臣に聞きますが、それに対する考えと、それから、よべ
細川総理がこれまでバス停を動かすのに大分時間がかかったと言いますが、誤解がとれたでしょう、どうかひとつこれから規制緩和についてもしっかりとした
運輸行政の
目的ということを見据えてやるんだという決意を述べていただきまして、私の
質問を終わりたいと
思います。