○中村(力)
委員 最後に、私が
安全保障委員会に所属させていただきまして以前から感じていることを一言述べさせていただいて、終わりたいと思います。
本
委員会で
発言することが適当かどうかはわかりませんけれ
ども、数年前までは、例えば軍事あるいは防衛のことについて一般の
人たちが話をするということは、それだけで、右翼という言葉が適当かどうかはわかりませんけれ
ども、そのように言われることがありました。私も、十年ほど前にヨーロッパに参りまして、例えばイギリスでは戦争博物館とか、フランスではナポレオン博物館というのがありますけれ
ども、そこにまず最初に行きたいんだということをある人に言いましたら、あなた右翼ですか、そういうようなことを言われました。
これは極端な話にしても、これまでの戦後の長い年月の中での最大の不幸は、そのような形で、私たちがそれぞれ
考えなければならないこと、せめて関心を持たなければならないことについて議論し合うことでさえタブーとされてきたということが最大の不幸であり、それが、幸いにして、三年前でしょうか、湾岸
危機、
湾岸戦争のころから少しずつ冷静な形で議論されてきたことは何より喜ばしい限りだと思っております。
言うまでもなく、
自衛隊は
国民の
理解と支持がなければその
能力を十分発揮することはできませんし、また、
自衛隊のさまざまな
活動が
国民の中に深い
理解を得て、
国民から信頼されているという実感を得ることによって、隊員の士気も高まり、自信を持って任務を遂行することができることと
考えます。
自衛隊の第一義的な任務は国の防衛にあることは申し上げるまでもありませんが、そのほかに、天災地変その他の
災害に対する救援のための
災害派遣、あるいは各種の部外
協力活動、さらには
PKO法の
成立によって積極的な国際貢献を行っており、その成果は
さきのカンボジアPKOによって実証されております。
これらの
活動は、私たち
国民生活や社会
秩序の維持、さらに国際社会における平和と安定に寄与するとともに、隊員には、国際社会にあるいは
国民に対し貢献しているという誇りと
職務に対する自負心を植えていることも事実です。私は、国際貢献、そして
災害派遣などで活躍されている
自衛隊員の姿を見るとき、心から
感謝の気持ちが込み上げてまいります。そうした隊員への素直な気持ちが何よりも隊員にとっての励ましになるとともに、
国民と
自衛隊の一体感を生むきずなとなるものと
考えます。
このように、
自衛隊は
国民の
財産と呼ぶにふさわしい存在であり、日々私たち
国民の
生命財産を守るためひたむきな努力を行っていることを忘れてはなりませんし、私も当
委員会所属
委員の一人として微力ながら力になっていくことをお約束し、
質問を終わります。