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政府委員(松原亘子君) 先生も最初におっしゃいましたように、保護と平等の問題というのは非常に長い間議論があった点でございますが、この点につきまして、要するに
雇用の場での男女の平等というのはどういうものかということについて、
雇用機会均等法策定の前にその辺を私どもは労使の代表の方も含めました男女平等問題
専門家会議というのを開催いたしまして、我が国における
雇用における男女平等というものはどういうものを言うのかということを、一応世論形成といいますか、合意形成のために会議を開き、何回か議論していただきまして、報告書を取りまとめていただきました。その報告書の内容は、報告書が出まして約十年たっておりますけれども、今でも当てはまるのではないかというふうに私は思っております。
その検討結果として挙げられました点は、主要な点だけ今の点に関して言いますと三点ございまして、第一点目は、
雇用における男女平等を実現するということは、
雇用におけるいろいろな機会が男女を問わずひとしく確保されることだ。つまり、機会の均等を確保し、個々人の意欲と
能力に応じた平等待遇を実現することであるということをまず挙げております。
しかしながら、機会均等、待遇の平等を目指す際にも、
女子が妊娠出産機能という男子にない機能を持っているということは当然頭に入れなければいけないわけでございます。したがいまして、このことに
基づきますいわば男女の本来的な差異に
基づく取り扱い、いわゆる母性保護でございますが、これは必要なことであって、母性保護措置があるから男女平等ではないということは言えない、こういうことでございます。
そして、三点目でございますが、母性保護
規定以外の
女子と男子の取り扱いの違いというのも、今御議論がありました
レディス・
ハローワークなどもその一つかもしれませんけれども、これにつきましてはこの
専門家会議では、我が国の
女子労働者の就業の実態、社会の意識、慣行、労働環境などを考慮に入れると男女異なる取り扱いも経過的に必要な場合があるということを
指摘されているわけでございます。そういうことで、いろいろな時代背景があって母性保護以外に男女で取り扱いを異にするということが必要であり、かつそれが
女子労働者自身にとっても極めて重要なことであるという場面は幾つかあろうかと思います。しかしながら、これは時代に応じて変わっていく点だと思いますし、これがあるからといって未来永劫こういう状態でいいかどうかということはまた時代の変化を見きわめながら考えていかなければいけないというふうに思います。
そういうことで、先生がおっしゃいました
女子保護
規定の問題について言いますれば、これもいわゆる母性保護
規定と母性保護以外の
女子保護
規定があるわけでございます。したがいまして、母性保護以外の
女子保護
規定につきましては、昭和六十年に労働基準法の改正が行われ手直しがなされたわけでございますが、それ以降のさまざまな労働環境の変化等も考慮に入れて見直しをしていくということは当然必要なことだというふうに孝之て保いるところでございます。