○笹野貞子君
大臣、セクハラでは大分お疲れのようですけれ
ども、今度は
大臣のお得意の
分野に質問を移させていただきたいと思いますので、これからは楽になるというふうに思っております。
実は、自分の知っている人がテレビに出たり
新聞に出たりするということは、見ている人にとっては大変快いものです。まして、参議院で御一緒になっている
村上大臣が
大臣に就任されて、テレビでインタビューされたり
新聞に出たりしているということは、私にとってはより一層興味がありますので、一言一句漏らさないようにテレビのインタビューも拝聴いたしました。
そのテレビの一番最初の、
大臣に御就任になったときに、先ほ
どもちょっと御発言なされましたけれ
ども、私は二宮金次郎が好きだと、こういうふうにおっしゃいました。私もしばらくこの人の名前を記憶から忘れておりましたので、二宮金次郎がいいとか悪いとかということよりも大変懐かしい名前として、そして
大臣にそういう具体的な理想像を言っていただいたことに対して、私は
大臣がわかりやすくなりましたし、大変ユニークな
大臣であるということで好感を持った次第です。そういう
意味で、きょうは二宮金次郎論をひとつ伺いたいと思います。先ほどお聞きしていますと、
大臣も大変一生懸命にお調べになったようですので、ひとつそういうすばらしい二宮金次郎論を展開してみたいというふうに思っております。
さて、先ほどから
労働省のやるべき
労働行政云々のことで随分大きな議論がありましたけれ
ども、私自身も
労働行政というのは大変興味があり、重大なものだという
認識をしております。なぜかといいますと、これは近代の民主主義というものが確立されて、初期の民主主義の大原則である自由という問題が私
たちにとって大変重大だという
認識があったわけですが、しかしやっぱり民主主義の成熟の段階によっていろいろと変わってくると思います。この初期の民主主義の自由の中の契約の自由というこの自由に対して、要するに公平な自由とは何かという成熟した民主主義の中で、労働の契約の自由の中に成熟した民主主義だけが持ち得る国家権力というのがどのように公平を保っていくかというのが、これが
労働行政の原点だというふうに思いますから、その実地、労働条件、そして労働環境、人間の労働に対する意欲のあり方、そしてそういうもろもろのことに対して不公平なところがあったならば、やっぱりそれを公平な労働契約に持っていくという、そういう非常にすぐれた近代国家の
一つの使命が
労働行政だというふうに思っております。
そういう
意味では、これから働く者の社会づくり、働く者のゆとり、豊かさというそういうことを標榜しております連合の議員の一人といたしまして
大臣に興味を持たざるを得ませんし、また私
たちの連合に対してエールを送っていただきたいというそういう気持ちで私はおります。しかし、午前中の
大臣の
お話を聞いていますと、もうこれは働く者には非常に優しいし、特に
女性に対しては大変に温かいお言葉をいただいておりますし、今もセクハラが非常に御理解いただけたように思いますので、私はもうきょうは私の任務が達成できたように思うんですけれ
ども、それではちょっと味気がありませんので、二、三、質問をさせていただきます。
私が二宮金次郎を勉強いたしましたのは、人名辞典の中に二宮金次郎というところで奈良本辰也さんという人が二宮金次郎の本を執筆しておりますので、この人の本を読んだら間違いないだろうということで、「二宮尊徳の人と思想」という奈良本辰也さんの本を読ませていただきました。私も、
大臣が二宮金次郎が好きだと言ったときに、今の日本の現状を見ますと、すべてが二宮金次郎にもう日本人はなっているんじゃないかなという
感じがいたしました。非常に勤勉ですし、そして働くということを大切にしていますし、また子供は夜な夜な塾に通って夜遅くまで勉強している。まきを背負っていないだけが違って、ほとんどの子供も
男性ももう二宮金次郎そのものだというふうに思っております。ですから、より一層興味を持って読ませていただきましたところが、私も
認識を新たにいたしました。二宮金次郎ってこんなに偉い人だったのかということで、
大臣のおかげで勉強させていただきました。
そこで、この二宮金次郎を尊敬なさる
大臣に
労働行政についての
お話をさせていただくんですが、二宮金次郎という人は、先ほ
ども言いましたようにむだをなくし、合理的にそして現場主義なんですね。机上の空論じゃなくて
経験に
基づいて
一つの法則をつくっていくという、そして時間は有効に、自分の働くことが楽しければ、それをお金に直す方法をちゃんと考えていますので、昼は畑に出て働き、そして夕方本を読みながら勉強し、夜はわらじを編むという、非常にそういう点では合理的な方です。
また、彼の一番特色が減税なんです。この二宮金次郎の生活を見ますと、これはちょっと非常に難しいので今流の言葉に直しますと、国家が栄えるか滅びるかというのは、これは民が栄えるか滅びるかということであって、民が栄えるためには租税を軽くしたい、そうすると民は非常に栄えて、そして民が栄えれば国が栄える、こういうことを言っているんです。
それで、現実問題といたしまして彼は、きょうは二宮金次郎の一生を言っていますと何時間あっても足りませんのではしょりますけれ
ども、彼は税金を半分に減らして、まず民を富ましたという現実があります。この現実に対して、つまり減税ですが、
大臣、ひとつ金次郎の減税ということに対してどのように御感想をお持ちでしょうか。