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1993-04-01 第126回国会 参議院 予算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年四月一日(木曜日)    午前十時一分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月三十一日     辞任        補欠選任      荒木 清寛君    木庭健太郎君      広中和歌子君    和田 教美君      林  紀子君    有働 正治君      粟森  喬君    井上 哲夫君      喜屋武眞榮君    下村  泰君      武田邦太郎君    寺澤 芳男君  四月一日     辞任        補欠選任      堂本 暁子君    大脇 雅子君      三重野栄子君    北村 哲男君      有働 正治君    吉川 春子君      井上 哲夫君    笹野 貞子君      乾  晴美君    池田  治君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長        遠藤  要君     理 事                井上  裕君                石川  弘君                上杉 光弘君                柳川 覺治君                角田 義一君                村沢  牧君                山本 正和君                白浜 一良君                寺崎 昭久君     委 員                井上 章平君                石井 道子君                岩崎 純三君               大河原太一郎君                大島 慶久君                沓掛 哲男君                下稲葉耕吉君                成瀬 守重君                野間  赳君                野村 五男君                服部三男雄君                林田悠紀夫君                星野 朋市君                松浦 孝治君                穐山  篤君                及川 一夫君                大脇 雅子君                喜岡  淳君                北村 哲男君                久保田真苗君                櫻井 規順君                清水 澄子君                種田  誠君                肥田美代子君                三重野栄子君                山口 哲夫君                猪熊 重二君                木庭健太郎君                和田 教美君                長谷川 清君                有働 正治君                吉岡 吉典君                吉川 春子君                井上 哲夫君                池田  治君                笹野 貞子君                下村  泰君                寺澤 芳男君   事務局側       常任委員会専門  宮下 忠安君       員   証 人                岡  景俊君                田代 一正君       (岡証人補佐人 大江  忠君)      (田代証人補佐人 安江 邦治君)   参考人       日本債権信用銀  松岡 誠司君       行頭取     ―――――――――――――予算執行状況に関する調査  (東京佐川問題等に関する件)     ―――――――――――――
  2. 遠藤要

    委員長遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  予算執行状況に関する調査のうち、東京佐川問題等に関する件を議題とし、参考人として日本債券信用銀行頭取松岡誠司君から意見を求めることにいたしました。  この際、参考人一言あいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきまことにありがとうございました。  当委員会におきましては、目下、予算執行状況に関する調査を進めておりますが、本日は特に参考人の方から東京佐川問題等について御意見を聞くことになった次第でございます。  質疑に入るに先立ちまして、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で参考人に対し質疑を行うのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  また、質疑時間が限られておりますので、参考人の答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。  それでは、まず委員長から参考人に対し質問いたします。  松岡参考人は、小針福島交通会長を御存じですか、どのようなつき合いですか。  また、小針氏は金丸衆議院議員日本債券信用銀行を推薦したと衆議院での証人喚問で証言しておりますが、参考人にそうした話がありましたか。お尋ねします。
  3. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 日本債券信用銀行松岡でございます。  ただいまの委員長の御質問お答えをいたします前に、一言あいさつさせていただきたいと思います。  これまで当行は、長期信用銀行としてその使命を十分に認識し、各方面の御意見を承りながら厳正な業務運営を行うべく努力してまいっております。このたび、当行ワリシン関連いたしましてこのように立法府の皆様のお手数を煩わすことになり、いずれにいたしましても大変恐縮に存じております。  当行といたしましては、今後とも金融機関としての社会的使命を全うするために全力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。  それでは、委員長の御質問お答え申し上げます。  第一に、小針会長を知っているか、及びどのようなつき合いであるかとの委員長の御質問でございますが、当行福島交通グループ取引があったころ、取引先社長として時候のあいさつを受けた程度のことはございます。しかし、仕事の話など出なかったと記憶しております。個人的なおつき合いはございません。  次の御質問でございますが、小針会長金丸氏に当行割引債を勧められたとの提言があったことは承知をいたしておりますが、私にそのようなお話はございませんでしたし、当行にもお話があったとは聞いておりません。
  4. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 日本債券信用銀行は、一つ企業に対する融資基準をどういうふうに設定されておりますか、また、融資金額はどれくらいでしょうか。  さらにまた、新聞報道では日債銀昭和五十九年度福島交通に総額七百億を超える融資を行っていることや、福島交通はその一方で五十億もの使途不明金を出していたと報じられていますが、福島交通への融資日債銀融資基準に合致していたのでしょうか、お尋ねします。
  5. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいまの融資基準に関します委員長の御質問でございますが、当行一つ企業にどれほどの融資を行うかにつきましては、当該企業内容はもちろんのこと、中長期的な視点からその将来性を判断いたしまして、事業計画妥当性及び債権保全上の安全性等、総合的に勘案しつつ決定をいたしております。  さらに、法令に基づく上限といたしましては、大口融資規制がございますことは皆様承知のとおりでございます。  次に、福島交通への融資につきましても、先ほど申し上げたとおりの方針に基づいて対応をしてまいりました。しかし、昭和四十八年の第一次オイルショックという経済環境の激変により同社業績悪化が急でございましたので、東北地区最大バス会社である同社公共性にかんがみ、経営破綻を来さぬよう可能な限りの支援を続けた結果、やむなく貸し出しが増加したものでございます。もちろん、大口融資規制の枠内での取り扱いであり、確実な担保等を徴して債権保全にも留意してまいっております。  また、使途不明金に関しましては、昭和五十九年当時、マスコミ報道等で取り上げられたことは承知をいたしておりますが、詳細については承知いたしておりません。  また、昭和六十一年に交通事業部門不動産部門とを分離するという再建策を実施いたしましたが、その際、この件につきましては既に旧福島交通株式会社において税務上の処理解決済みであったとの報告を受けた記憶がございます。
  6. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 重ねてお尋ねしたいんですが、ただいまのお話を承っておりますると、使途不明金については、報道によって承知したが、承知しなかったというようなお答えでございますけれども、やはり融資をしている相手方経営状態というのを常に日債銀は目を通しておらないんでしょうか、改めてお尋ねいたしたいと思います。
  7. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  ただいま委員長の御質問でございますけれども福島交通株式会社、旧福島交通株式会社でございますけれども、その中で処理が行われているということでございますので、私どもとしてはそれ以上のことは承知をいたしておらない、こういうことでございます。
  8. 遠藤要

    委員長遠藤要君) その報道を受けたのに対してこういうふうな報道が出ているがどうかということも、融資先には尋ねておらないわけですか。
  9. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 先ほどもお答え申し上げましたように、報道については承知をいたしておりますけれども、何度も繰り返すようで申しわけございませんけれども、旧福島交通株式会社の中で税務的な処理をしたということでございまして、それ以上のことは私どもとしてはわかりかねるところでございます。
  10. 遠藤要

    委員長遠藤要君) そうしますと、日債銀としては、当初に借り入れのときに融資をした、その後中身はどうなっていようととにかく余り関知せぬということになるわけでしょうか。
  11. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) ただいまの委員長の御質問でございますけれども使途不明金ということについての御質問だと私理解いたしております。  その点についての処理状況について、私、大変恐縮でございますけれども、何度も御説明をさせていただいたわけでございまして、お取引先資金使途等々についての内容の把握ないしはチェックとはいささか角度が違うかというふうに考えお答えを申し上げたつもりでございます。
  12. 遠藤要

    委員長遠藤要君) それでは次に、日本債券信用銀行割引債券販売について、一般顧客との取引金額通常どの程度ですか、また、通常多額顧客取引が行われるような場合の留意すべき事項はどのようなことでしょうか、日常の業務との関連を述べていただきたいと思います。  私は、こういうふうな問題で頭取を招致いたしてお尋ねしているが、今まで日債銀なり、割引債、国債は新聞広告まで月に何回かして顧客を集めているというような状態の中においてこういうような問題が出るということは、大変日債銀のこれからの販売や何かにも悪影響を与えるんじゃないかなということを委員長としても懸念をしておりますけれども、そういうような点で、これからそういうような点の名誉回復というような点も含めて参考人からお話をお聞きしておきたいと思います。
  13. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  委員長割引債販売について一般的な販売単位がどのくらいかとの御質問でございますが、お客様の御購入金額は文字どおりまちまちでございまして、現実に一万円の御購入もございますし、一方では一億円以上の御購入もございます。このため私どもでは、一万円、五万円、十万円、五十万円、百万円、五百万円、一千万円、五千万円の八種類の割引債券を御用意しているわけでございます。  当行といたしましては、金額の多寡にかかわらず厳正な業務処理を行っております。しかしながら、御購入多額になる場合におきましては、麻薬等取引にかかわるマネーロンダリング防止通達に基づき、三千万円以上の現金での御購入について厳格な手続を励行いたしております。  さらに、全銀協業務運営体制厳正化申し合わせに則しまして、平成三年十二月以降、一定額以上の新規取引本部事前協議することといたしました。
  14. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 重ねてお尋ねしますが、無記名割引金融債金融面における必要性効用、効果ですね、また、無記名ということで悪用される場合の問題点及び悪用防止について参考人のお考え方があったならばお答えいただきたいと思います。
  15. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  委員長割引債必要性効用に関する御質問でございますが、割引債債券として流動性があること、担保保証金等に御利用いただけること等の利便がございまして、また期間一年の利便性の高い資金運用手段として評価をいただき、金融商品として定着いたしております。  また、私ども割引債によって多数の方々から安定的に資金を調達させていただき、これを長期信用銀行としての社会的使命である安定的な長期資金の供給に結びつけております。  次に、割引債が無記名だから脱税等に悪用されるとの御質問と存じますが、割引債に限らず、債券は無記名が原則でございます。一般的に銀行資金をお預かりする場合であっても、銀行としてはその資金性格調査、判断するすべはございませんし、また把握することは実際問題として困難でございます。  しかしながら、当行マネーロンダリング防止手続の厳格な実施、疑わしい取引当局あて報告を励行することに加えまして、平成三年十二月以降、一定額以上の資金受け入れにつきましては本部事前協議を行うこととするなど、いやしくも社会的批判を受けることのないよう細心かつ慎重な注意を払っていることを御理解願いたいと存じます。  なお、不公正な資金の発生をいかに防止するかということは、貯蓄手段の問題とは別にさまざまな手だてが講じられているものと存じますが、不公正な資金の問題との関連割引債が話題とされたことはまことに残念なことと存じております。
  16. 遠藤要

    委員長遠藤要君) いま一つだけお尋ねしておきたいと思うんですが、世間を騒がせている金丸信氏、その方がおたくの割引債購入されている、多額割引債購入されているということは頭取として御承知でしたか、そして、直接金丸氏とお会いになったことはございましょうか。
  17. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいま委員長の御質問でございますが、多額資金が私どもワリシンに運用されているということは、私は一月の二十七日に担当部長から種々の報告を受けるまで全く存じませんでした。  また、第二の御質問でございますけれども、ちょっと恐縮でございますが、第二番目は。
  18. 遠藤要

    委員長遠藤要君) お会いになったことがありますか。
  19. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 失礼いたしました。  金丸氏とは、私は全くお会いしたことはございません。お名前やお顔は存じておりますけれども、お会いしたことは一度もございません。
  20. 遠藤要

    委員長遠藤要君) ありがとうございました。  委員長からの質問は以上でございます。  それでは、松岡参考人に対し質疑のある方は順次御発言を願います。成瀬君。
  21. 成瀬守重

    成瀬守重君 自由民主党の成瀬守重です。  日本債券信用銀行松岡頭取には、本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。  相次ぐ政治スキャンダルの中で、ついこの前まで党内最大実力者であると思っておりました金丸氏が、不正なやみ献金によって私的な蓄財を行っていたことが判明、さきに所得税法違反脱税容疑によって起訴されましたことは、我が党のみならず多くの国民にとってまことに遺憾にたえないところであり、党所属国会議員として国民皆様に深くおわび申し上げる次第でございます。  申すまでもなく、政治家にとって最も重要なことの一つは、倫理確立てあります。その原点は公私の混同をしないということであります。我が党としましても、この問題は政治改革以前の問題として、公私を厳しく峻別し、党内的にも倫理的措置を講じてきたところであり、また政治選挙に金のかからぬよう公職選挙法政治資金規正法などについてその抜本改革のための四法案を党議決定し、近く国会に提案いたす運びとなっております。  そうした制度面からの改革とあわせて、ただいま正すべきことは、図らずも今回露呈した建設業界などから集めたやみ献金金丸氏が私的財産蓄財にどのように運用したか、その真相を究明して政治と金をめぐる批判にこたえ、その再発防止を図ることが必要と思います。金丸氏は、かつての幹事長、副総裁でありますが、しかしここは民主政治確立国民政治への信頼回復のために真相解明にぜひ御協力いただきたいと存じます。  参考人制度証人喚問と異なり宣誓もありませんが、どうか以上の趣旨を踏まえて事実を的確に御答弁いただきたいと思います。  最初松岡頭取にお尋ねしたいことは、今回の金丸氏の巨額な脱税事件所得隠し手段割引債、特に日債銀ワリシンが多く使われましたが、なぜワリシンであったかという点について頭取はどういう御感想をお持ちであるか、お伺いし  たいと存じます。
  22. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。割引金融債は、あらかじめ広告をした発行条件によりまして、窓口、店頭で払込金と引きかえに本券を交付することで一連の手続が完了する販売方式をとっております。  金丸事務所から連絡をいただき、集金に伺ってワリシン販売手続を行った集金担当者としては、購入資金を隠す意図があるなどとは考えもしないことでございまして、御資金の性質について何ら疑問を感じなかったとの報告を受けております。  したがって、私どもといたしましては、御質問のございました、なぜ金丸氏がワリシンを御購入になったかということにつきましては、私として全くわかりかねるところでございます。
  23. 成瀬守重

    成瀬守重君 ただいまの質問との関連で伺いますが、衆議院予算委員会小針証人に対する臨床尋問で、同氏は、金丸先生ばかりではなくほかの先生方も含めて、余っているお金があったら日債銀割債を買えよと勧めたと証言しておりますが、御行小針氏とはこれまでどういう関係であったのか、また、金丸氏との取引小針さんの紹介で始まったのか、それとも最初から直接の取引であったのか、お伺いしたいと思います。
  24. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ワリシン購入きっかけが何だったかという御質問からお答えをしてよろしゅうございますか。  この点につきましては、先ほど申しましたように、集金担当者によりますと、金丸事務所から御連絡をいただき集金に伺ってワリシン販売手続を行ったと聞いており、きっかけについてはよくわかりません。  次に、小針氏の紹介であったかどうかとの御質問でございますが、当初及びその後のお取引においても小針氏からの紹介であるとの話はなかったとの報告を受けております。  なお、小針氏は当行のお取引先社長でございます。  次に、金丸氏が直接に購入したかどうかという御質問でございますが、手続相手方は常に金丸氏の秘書の生原氏であって、金丸本人ではなかったと聞いております。  よろしゅうございますか。
  25. 成瀬守重

    成瀬守重君 次に、ワリシンの具体的な取引について伺います。  平成元年九月ごろ日債銀本店担当者金丸事務所に出向いて現金で六億五千万円を受け取り金丸氏からワリシン購入に応じたと報道されておりますが、これは事実かどうか。本来なら金融機関顧客との具体的な取引について伺うべきではないのでありますが、購入者自身が行うべき購入手続等に特別のサービスをするということに日債銀関与はなかったのかどうかという疑念を向ける向きもありますので、御行の名誉のためにも伺うわけであります。  顧客獲得のために特に大口顧客に対する出張サービスあるいは償還情報の提供は長期信用銀行において一般的であるのかも含めて、お答えいただきたいと存じます。
  26. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  金丸氏の金融債購入の有無についてでございますが、平成元年九月に金丸事務所金融債販売手続を行ったことは事実でございます。  日債銀関与についてでございますが、取引はいつも先方からの御連絡によるもので、私どもからお願いをするということは一切なかったと聞いております。したがって、御質問にありました日債銀からの関与という事実はございません。  お客様に対するサービス等について私ども以外の金融機関がどうなさっているかは正確には承知しておりませんが、一般論で申し上げれば、お客様の御希望に基づく集金あるいは満期日の御案内等は私どもに限らず金融機関においてはごく一般的に行われているサービスと思われます。
  27. 成瀬守重

    成瀬守重君 政治家にとって一番大事なことは、個人の生活と政治活動としての公的な部門とを厳しく峻別することが政治道義の上から最も問われるところでありますが、参考人は、今回の金丸氏からの購入資金状況から見て、この種の金が政治資金届け出報告書に記載されていたものであるかあるいはやみ献金かについて不思議に思ったことはありませんでしょうか。  というのは、現金小切手等による個人または法人がワリシンを買う、日債銀はこれを売るという商行為は、これをストレートに解すれば会社業務そのものであり、当然にして正常なる行為にしても、金丸関係よりこれだけの大口金額が長きにわたり取引されるということになると、世間の常識からすれば通常ではないと思うのは一般的だと思うのでありますが、参考人銀行ではこれをどう思っていたのでしょうか。異常とは思われませんでしたか、罪の意識はなかったか、その辺の認識について伺いたいと存じます。
  28. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ワリシン販売に当たりましては、お客様からお金をお預かりする取引でございますから、貸出取引と異なりまして銀行としては特段リスクがございませんので、部長支店長以下で処理が完結をいたしております。したがいまして、本件のお取引につきまして、今回の事件が発生するまで私は全く存じませんでした。本件取引事務所にお伺いして手続を続けていたものでございまして、集金担当者資金を隠す意図があるなどとは考えもせず、したがいまして、この取引を不思議に思ったことはなかったようでございます。  なお、大口取引に関しましては、当行全銀協業務運営体制厳正化申し合わせに則し、平成三年十二月以降、受信取引において一定金額以上の受け入れについて、身元がはっきりしている場合でありましても本部へ協議することに変更いたしました。  次に、政治献金ではないかとの疑問がなかったかということでございますが、委員御指摘の政治献金にかかわるものではないかというような疑問を、当時、集金担当者が持っていたという報告は受けておりません。一般的に割引債に限らず銀行資金をお預かりする場合に、銀行としてその資金性格調査、判断するすべはございませんし、またそれを把握することは実際問題として困難でありますことをぜひ御理解いただきたいと思います。
  29. 成瀬守重

    成瀬守重君 大蔵省では、平成二年六月二十八日、各金融団体代表者あてに「麻薬等の薬物の不正取引に伴うマネー・ローンダリングの防止について」という通達を出しております。この詳細については省略いたしますが、要は、行政としていわゆるマネーロンダリングの対策の見地から各金融機関に対し、一、取引開始口座設定時等に本人確認顧客に求めること、また二、大口現金取引、すなわち三千万円以上の現金取引についても本人確認を求めること、そして三、本人確認記録を保存すること等について規定されたものであります。  日本債券信用銀行は、金丸氏の本人確認に関する記録を保存しておりますか、またこのことを国税当局に報告しておりますか、確認いたしたいと存じます。
  30. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  まず初めに、マネーロンダリング防止につきましては、麻薬等薬物の不正取引によって得た不正資金について、金融機関の口座に入金し、または口座間を移動させることにより資金の出所や真の所有者を判別できないようにする行為や、こうした行為に金融機関等の職員が関与すること、いわゆる資金洗浄、マネーロンダリングを防ぐためのものと理解をいたしております。  本人確認の方法といたしましては、運転免許証、健康保険証等の公的または他の信頼できる証明書類等によるほか、訪問等の方法によりお客様の住所、氏名を確認することとなっております。  私どもでは、法令、通達に基づく適正かつ厳格な手続を励行しておりまして、本件につきましては、金丸事務所集金に行きワリシン販売手続を行っており、マネーロンダリング通達による本人確認はできているとの報告を受けております。  なお、本人確認記録につきましては、通達に基づき保存しておりますが、国税当局への報告義務はございません。
  31. 成瀬守重

    成瀬守重君 次に、東京佐川の再建に関連した問題について伺います。  平成三年六月十三日、渡邉元社長らが東京佐川の再建問題を話し合うために小針氏宅に集まった席で、同席した竹下元首相は、おやじ、これは金丸氏のことでありますが、日債銀にも協力させると言っていたという供述が公判で明らかになった渡邉元社長の調書の中に出てまいりますが、この関係でお尋ねしたいことは、この時期、金丸氏から日債銀に対し東京佐川の再建について何か話がありましたか。なければないで、あればどういう状況でどういう内容であったのか、お答えいただきたいと思います。
  32. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) ただいま成瀬委員の御質問のあった点についてお答えを申し上げます。  今御質問の点につきましては、渡邉被告の調書の報告がありましたので調査をさせました。しかしながら、そのようなことは事実は一切ございませんでした。何も聞いておりません。
  33. 成瀬守重

    成瀬守重君 次に、午後の尋問とも関係しますのでお伺いしますが、金丸氏の脱税事件所得隠しに岡三証券の元役員等が関与していた疑いが出ておりますが、金丸氏の依頼を受けた岡三証券の社員が多額ワリシンを直接日債銀から購入して便宜を図っていた、あるいは証券局長通達で三千万円以上の債券購入には身元確認が必要となった以降は小口にしてその購入に協力していたという事情を日債銀担当者あるいは窓口では承知していたのかどうか、お答えいただきたいと思います。
  34. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  岡三証券の社員の方が私どもの窓口でワリシン購入したかどうかにつきましては、私どもは全く承知をいたしておりませんでした。  なお、私どもでは割引債販売について、岡三証券さんを含むほとんどの証券会社販売委託契約を結び間接的に販売することもございますが、このような場合には一カ月ごとに金額を決めてまとめてお願いする形をとっておりますため、証券会社における個別の販売内容について連絡報告を受けるということはございません。
  35. 成瀬守重

    成瀬守重君 長期信用銀行は、長期金融の専門機関として我が国の経済産業発展に極めて大きな役割を果たしてきたと思いますし、今後とも我が国の産業構造の変化に対応し、また国際金融の分野への積極的な展開をも含めてその役割は極めて大きいと承知いたしております。ところが、その主要な資金調達手段である金融債が無記名であることから脱税の温床になっているという指摘がかねてからされているのも事実であります。  そこで、こういう指摘に対して、長期信用銀行の首脳として、また現場を預かる立場から、どういう所見をお持ちであるか、お伺いしたいと存じます。
  36. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  割引金融債は国債等の債券と同様無記名でございますので、代金と引きかえにその場で本券、現物、これを受け取ることができます。この際、この購入原資がどのような性格のものであるかについては銀行としては調査、判断するすべはございませんし、また把握することも実際問題として困難であることを御理解いただきたいと存じます。  なお、ワリシン等の債券が無記名であることとその御購入に係る資金性格とは別の問題ではないかと、かように存じますが、今回のような問題でワリシンが話題になりましたことは私どもといたしましてまことに残念なことと存じております。  なお、割引金融債貯蓄手段として長年にわたって親しまれてきており、我が国の個人貯蓄残高約八百十兆の約三%を占めております。このように多くの方々から利便性の高い金融商品としての評価をいただき定着していることもあわせて御理解をぜひいただきたいと思います。
  37. 成瀬守重

    成瀬守重君 次に、福島交通グループに対する融資の現状等について伺います。  昭和五十年代後半に累積赤字を抱える福島交通に対する融資が子会社福島交通不動産を含めて数百億に上ったとも言われ、国会でも問題になりましたが、その返済はどのようになりましたか。債務者及び残額等、債務の現状について述べていただきたいと存じます。
  38. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、この件につきましては昭和五十九年当時、国会、マスコミ等で御批判がございまして、御心配をおかけしたことを大変申しわけなく思っております。  同社に対しましては、昭和四十六年、事業資金貸し出しを開始、翌昭和四十七年に白河総合開発計画につき協力依頼を受けました。検討の結果、地域開発としての公共性、中央大手企業とのタイアップ等々有望プロジェクトとして評価されましたので支援を決定をいたしました。しかしながら、昭和四十八年の第一次石油危機による経済的環境の激変から計画を中断するに至りました。しかし、この開発用地の固定化による金利負担、バス事業、兼営ホテル部門の赤字資金について、同社公共性にかんがみ企業破綻を回避すべく支援を続けましたため貸し出しは急増いたしました。  昭和五十八年以降貸し出しをストップするとともに、昭和六十年には福島交通の抜本的再建策を実施し、公共性の高い交通事業の安定存続と雇用の確保を図りました。これにより、交通部門は全く新たな会社として設立され、旧福島交通から営業必要資産の譲渡をいたしました。これが現在小針氏の経営する福島交通株式会社でございます。なお、当行はこの会社と現在貸出取引はございません。  旧福島交通株式会社不動産部門は、子会社福島交通不動産株式会社と合併をいたしまして、同社は管理会社として専ら所有不動産の整理と流動化に専念しております。これが現在株式会社エフ・アール・イーという会社で、当行貸出金はここに集約されております。  なお、株式会社エフ・アール・イーは新福島交通とは別途独立の会社であり、株主、経営陣とも現在の福島交通グループ並びに小針氏との関係はございません。  昭和五十六年ごろ一時七百億円を超えた貸出金も、物件の処分により回収を進めました結果、二百億円余の圧縮を実現いたしました。しかしながら、当行といたしましては、このような巨額な貸し出しを行いその回収が長期化していることはざんきにたえないものであると深く反省をいたしております。私といたしましても、お客様からお預かりした資金の運用に際し審査力の向上等人材の育成に注力してまいっております。  最後に今後の対応でございますが、現在、大型不動産を、担保物件でございますけれども、この郡山の土地、白河の土地につきましては、周辺の交通アクセスの向上等開発流動化の環境が整いつつございますことから、この事業化を推進いたしまして早期回収を図るべく最大限の努力をしているところでございます。
  39. 成瀬守重

    成瀬守重君 本年三月期から六カ月以上の延滞債権額がディスクローズされることになっており、その集計作業が進められていると思いますが、その額はおよそ幾らぐらいになるか、差し支えなければ明らかにしていただきたいと思います。
  40. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、金融制度調査会での議論を踏まえまして銀行の不良債権と言われるものについての統一基準ができております。これに基づいて、平成五年三月末時点のディスクロージャー内容一つとして各銀行が不良債権額を発表する運びとなっており、当行もこれに沿って現在作業中でございます。  数字を整理し確定させるまでにはかなりの時間を要しますので、この場での答弁は御容赦いただきたくお願い申し上げます。
  41. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 時間でございますので、この程度で打ち切らせていただきます。
  42. 成瀬守重

    成瀬守重君 じゃ、以上をもちまして終わります。
  43. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 種田君。
  44. 種田誠

    ○種田誠君 社会党の種田でございます。  私、冒頭まず、日債銀金丸自民党前副総裁とのワリシン取引を始めたのはいつごろからであって、そして今回脱税事件で捜査が始まる時点までで総額でどのくらいになってきたのかその推移、さらには、生原元秘書に関してもその点を伺いたいと思います。
  45. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  金丸氏はいつからワリシンを買っていたかということでございますが、私どもでは六十一年七月ごろに初めて集金の依頼を受けワリシンのお取引が始まったと、かように認識をいたしております。  その後の具体的なお取引の経緯という御質問だと思いますけれども、それでよろしゅうございますか。
  46. 種田誠

    ○種田誠君 はい。
  47. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  取引の具体的な経緯を示せという御質問でございますが、実は東京地検が関係資料を押収しておりますので正確なところはわかりかねます。しかしながら、集金担当者記録によればおおむね次のとおりとの報告を受けております。  まず、金丸事務所から初めて御連絡のありましたのは昭和六十一年七月ごろでございまして、その際、額面二億二千万円のワリシン現金購入したとのことでございます。その後の主な状況を申し上げますと、同年九月ごろ額面六億円のワリシンを、また平成元年九月には額面六億五千万円のワリシン購入し、その後さらに買い増しが行われまして、最終的に約二十八億円の残高になったのではないかと集金担当者が記憶しているとの報告を受けました。  なお、これらの販売手続はほとんどが金丸事務所で行われたこと、並びに私ども銀行からは一度も連絡したことがなくすべて先方からの連絡に基づいて集金などを行ったとの報告を受けております。
  48. 種田誠

    ○種田誠君 過般の三月十二日の小針福島交通会長に対する証人尋問では、小針会長は五十四年もしくは五十五年ごろに私は金丸さんに対してワリシン購入を勧めた、こういうふうな証言がなされておりますけれども、あなたの今のお述べになったお話によりますと、六十一年七月だと言いますけれども、その前はないわけですか。
  49. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  昭和六十一年七月に金丸事務所に私どもの行員が参りましたということを申し上げましたけれども、それより前のことにつきましては、昭和六十一年の七月に金丸事務所当行の行員が参りましたときに、金丸事務所の方が満期になったワリシンを持っておられたということで、それ以前のお取引があったのだということが初めてわかったのだという報告を受けております。
  50. 種田誠

    ○種田誠君 そうしますと、今のあなたのお答えのように、六十一年より前にも金丸氏とのワリシン取引はあったけれども、それに関しての今詳細の残しているものがないのではっきり言えないと、こういうことですね。
  51. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) はい。
  52. 種田誠

    ○種田誠君 今の「はい」というのは記録にどとめてもらいたいんですが。  それで、もう一つ金丸関係で伺いますけれども、実際、日債銀において金丸担当者、専ら金丸さんのワリシン購入に当たっての手伝いをしてきた、こういうふうな担当者はおったわけですか。
  53. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  一般的に申しまして担当者というものは私ども設けておりません。しかしながら、たびたびの集金の御依頼というものがあります場合、面識のある者が参りました方が事故の防止、お取引先の安心感の醸成のためによいだろうということで、特定の者を行かせるということは多々あることでございます。  金丸事務所につきましてもそうしていたという報告を受けております。
  54. 種田誠

    ○種田誠君 そうしていたということは具体的に日債銀さんの中にも専ら金丸事務所から連絡があれば担当としていた者がいたと、こういうふうに理解していいわけですね。
  55. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) ただいまお答え申し上げましたように、専任の担当者ということではございませんで、なるべく面識のある者が行った方がいいということで担当者というようなものが一般的に認められていると、そういう趣旨で担当者ということを金丸事務所についても申し上げたつもりでございますので、御了承いただきたいと思います。
  56. 種田誠

    ○種田誠君 聞くところによると、もう既に当時の担当者は大阪支店や名古屋支店の方に異動してしまっておるということでありますので、その辺のところ今後十分な事情を聴取して、どういう経過があったのか、そういうことについても十分調査をしておいていただきたいと思うわけであります。  次に、岡三証券においては金丸夫人の名義の口座などもあったというふうに伝えられております。日債銀において金丸関係金丸さん以外の名義の割引債購入の口座などはありますか。
  57. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  政治家の方々がワリシン購入されているかどうかということについては、私はわかりかねます。
  58. 種田誠

    ○種田誠君 私が聞いておるのは政治家じゃなくて、金丸氏以外の名義のもとに身内の者、夫人や兄弟やそういう者が口座を開いていることがあるかということです。
  59. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいま委員から御質問がありました、夫人あるいは家族その他を含めまして政治家の方々がワリシン購入されたことがあるかどうか、私にはわかりかねます。
  60. 種田誠

    ○種田誠君 その点は十二分に調べてくるようにというふうに申しつけておいたわけでありますけれども、昨日の新聞報道によりますと、七、八人の国会議員ワリシンを所有しておると、しかもこれは一人以外はほとんどが日債銀の方にワリシンを預託しておると、さらには竹下元首相関係においてはその政治団体が平成二年に三億円のワリシン購入しておると、こういうふうな報道がなされておるんですが、この辺、事実を確認してまいりましたか。
  61. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  報道があったことは承知をいたしておりますけれども調査が必要とは特に思いませんでした。したがって、調査をしておりません。
  62. 種田誠

    ○種田誠君 調査をしてこいと言ったのが、なぜ、じゃ調査をする必要がないと思うんですか。(発言する者あり)
  63. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 御静粛に願います。
  64. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 調査を御要請いただいたということを私認識しておりませんものでしたから、そういうお答えを申し上げたわけでございます。
  65. 種田誠

    ○種田誠君 日債銀は東京地検特捜部に大口顧客関係書類を提出しておりますね。
  66. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私どもには大口顧客のリストというようなものはございません。
  67. 種田誠

    ○種田誠君 そうしますと、先ほどの国際条約に基づく三千万円以上の顧客関係するリストというのはございますか。
  68. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) マネーロンダリング防止のための本人確認、そのための記録はとどめてございます。
  69. 種田誠

    ○種田誠君 それを東京地検に提出しておりますか。
  70. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  どの部分が東京地検に提出されているかということについては、私詳しく存じません。
  71. 種田誠

    ○種田誠君 どういうものを押収されていったか、また任意提出したか、それは書類として残っているじゃないですか。調べてきなさいと言ったでしょう。
  72. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私が理解しておりますのは、債券購入のときに作成した伝票類あるいは個人的に作成していたメモでございまして、提出を求められたものについては提出した、こういうふうに報告を受けております。
  73. 種田誠

    ○種田誠君 この問題に関してはここで押し問答していても仕方ないので、ぜひ本委員会の国政調査権に基づいて日債銀の方に対して提出命令を求めたいと思いますが、委員長の方でお取り計らいを願いたいと思います。
  74. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 今後、検討いたします。
  75. 種田誠

    ○種田誠君 それでは、次の問題に移ってまいります。  日債銀の出資会社に日本トータルファイナンスという会社があると思います。従前の商号は千代田ファイナンスといったファイナンス会社ですけれども、いかがですか。
  76. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日本トータルファイナンスという会社はございます。
  77. 種田誠

    ○種田誠君 旧会社名が千代田ファイナンス、このファイナンス会社が、稲川会の会長をしておる石井進、亡くなった方ですけれども、この方がオーナーの岩間開発というゴルフ場開発会社昭和六十二年の十二月に百十億円を融資をしていると思うんですが、これはどういういきさつで融資をしたのか答えていただきたいと思います。
  78. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日本トータルファイナンス自身のお取引先紹介取引が始まった、かように聞いております。
  79. 種田誠

    ○種田誠君 百十億円といえば膨大なお金ですね。しかも、日本トータルファイナンス、かつての千代田ファイナンスの社長は元日債銀の役員であった三登社長ですね。三登社長は前の頭取であった頴川さんの部下として日債銀で働いていた方だと思うのですけれども、この方は竹下元総理の遠縁に当たる方でもございますね。いかがですか。
  80. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  そのことは私承知しておりません。
  81. 種田誠

    ○種田誠君 元総理の遠縁かどうかは承知してなくても、その前の人間関係は知っているでしょう。
  82. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  旧千代田ファイナンスの社長の三登でございますけれども、三登がどういう特別の関係を持っていたかということは必ずしも私よく承知しておりません、職員でございますけれども
  83. 種田誠

    ○種田誠君 それは聞いてない。  日債銀の役員で、頴川さんのもとで働いていた方で、そこから千代田ファイナンスに行った人間でしょうというふうに聞いているんです。
  84. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) さようでございます。
  85. 種田誠

    ○種田誠君 そう言えばいいんです。よく聞いてから答えてください。  問題は、この百十億円は回収になったと聞いておりますか。
  86. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  既に回収しており、現在お取引はございません。
  87. 種田誠

    ○種田誠君 じゃ、いつ百十億円はどこから回収になっておりますか。
  88. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  平成三年の四月に全額返済になっていると、こういうふうに記憶しております。
  89. 種田誠

    ○種田誠君 どこからそのお金が返済になっているか。岩間開発から返済なのか、それとも岩間開発以外の例えば債務保証をしていた東京佐川急便から回収になっておるのか、その辺のところをはっきり述べてください。
  90. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げました返済原資がどこであるかということはわかりません。承知しておりません。
  91. 種田誠

    ○種田誠君 原資の出どころがどこかわからないのは、これは仕方ないと思うんです。  ただ、どなたがお金を返したのか。岩間開発から返してもらったのか、債務保証をしていたと言われる東京佐川急便から返してもらったのか、その辺のところを教えてください。
  92. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私、本件について詳しく承知しておりませんけれども、岩間開発株式会社から返済されたのではないかというふうに思っております。
  93. 種田誠

    ○種田誠君 そうじゃないところにこの問題の重要な課題があるわけです。  この問題に関しても、後刻、他会派の委員からの質問やら午後の平和相互の兄会長の田代さんの方からもこのことは関係してくるだろうと思いますので私はやめておきますが、最大のポイントは、岩間開発に百十億円の金を三登社長が出している。出すに至ったいきさつというのは、稲川会の故石井さんが、平和相互銀行の後援者から、合併劇のときに寝返ったお礼だということがまことしやかに伝えられているわけでありますけれども、そういう事情というのは聞いておりませんか。
  94. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  先ほども私申し上げたと思いますけれども、日本トータルファイナンスのお取引先紹介取引が始まったというふうに私ども同社から報告を受けております。
  95. 種田誠

    ○種田誠君 それでは、この問題については今述べましたように後ほどの質問にゆだねてまいりたいと思います。  次に、福島交通関係てちょっと伺いたいと思います。  先ほど自民党の委員の方の質問を聞いておりますと、今日、福島交通株式会社への融資はない、エフ・アール・イーというかつて福島交通不動産株式会社と言われておった会社にはまだ貸付金は残額として残っておると、こういうふうな答えがあったように伺うんですが、一体今幾ら残っておりますか。
  96. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます前に、ちょっと委員に御質問さしていただいてよろしゆうございますか。  先ほどの御質問は、貸し金がどこに残っているかということでございますか。
  97. 種田誠

    ○種田誠君 そうです。  今現在、ですから、福島交通にはもうないけれども、その不動産のエフ・アール・イーならエフ・アール・イーに幾ら残っておるかと。
  98. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) わかりました。  これは同社から御了解を得ましたのでお答えを申し上げますけれども、現在五百億の貸出金が残っております。
  99. 種田誠

    ○種田誠君 伝えられるところによると、五百四十九億円ぐらいの不良貸し付けとして残っておると、こういうことでありますけれども、この貸付金、担保関係、さらには利息関係、どうなっていますか。
  100. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  担保権につきましては、総合的に見合っていると考えております。  なお、金利その他のことにつきましては、個別お取引先のことでございますし、同社から了解をとっておりませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  101. 種田誠

    ○種田誠君 昭和五十五年から利息は一切入っていないし、当時まだ福島交通という会社への融資だったと思いますけれども、この関係の貸し付けは日債銀さんもすべてコンピューター処理しておると思いますけれども、このことだけはコンピューター処理から外して別帳簿で処理をしているんじゃないですか。
  102. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 今、委員から御質問のあったようなことは、私全く存じておりません。当然コンピューター処理されていると私は思っております。  利息につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども同社の御了解がなく取引内容を申し上げることは差し控えさせていただきます。
  103. 種田誠

    ○種田誠君 ちょっと六十年から六十一年ごろのことについて聞きますけれども、当時、私が調べたところで七百八十億円ぐらいの不良貸し付けがあって、それを貸し倒れ償却ということで二百億円ほど償却しておりませんか。
  104. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  ただいまの件につきましては、何とぞ御容赦賜りたいと思います、数字につきましては。
  105. 種田誠

    ○種田誠君 御容赦じゃなくて、二つあるんですよ。一つは、六十年から六十一年ごろにかけてそれまであった不良貸し付け七百八十億円、それのうち二百億円を貸し倒れということで償却をしていることがあるか、あったらなぜそういうことをしたんだと、こう聞いているわけ。
  106. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  私ども担保不足ということで問題を考えておりません。したがいまして、先ほど御指摘になりましたようなことにつきましては、お答えを差し控えさせていただきます。
  107. 種田誠

    ○種田誠君 押し問答していても仕方ないんですけれども日債銀さんはこれまでの間に日銀の考査を受け、大蔵の調査を受け、五十九年には東京地検の調べも入っておる、何回やってきましたか。そういうところに大きな問題があるんですよ。ですから、国会において、これから本当に日債銀の建て直しを図っていきたいという松岡さんなら知っていることだけは述べておいていただきたいと思うわけであります。  そこで、これも私ちょっと普通の銀行では考えられないんですけれども、具体的なことを一個伺います。  西白河郡にある物件、これは福島交通株式会社が買って持っておって、今は福島交通会社のグ保ループ会社になっている日本ロイヤルクラブが持っておるんですが、ここに五十二年まで日債銀さんは福島交通関係に関する融資については、何と無担保担保をとっていなかったと言われておる。慌てて五十二年から五十三年にかけて三百四億円の担保をとった、四十四件。  そのうちの一つなんですけれども、これを見ますと、五十三年六月の二日に百七十億円の福島交通に関する根抵当をとったわけだ。それから、五十五年の九月にも八十億とった。五十五年の二月八日には同じく二十億円とった。締めて二百七十億円の担保をとっていながら、驚くことなかれ、五十六年の四月の二十一日にはこの担保を全部解除しているわけ。これ、どういうことで起こったんですか。  私はちょっと、真っ当な大きな貸しを持っていて回収ができない、そういうときに担保を抹消するなんということは考えられないんですが、これ、ほかの謄本もとってみたら押しなべてそうなっているんですよ。どういうことですか、これは。
  108. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 種田委員、ちょっと照会させていただいてよろしいですか、事実関係を。  どうも失礼いたしました。  ただいまの御質問については、わかりません。
  109. 種田誠

    ○種田誠君 これは私、このこともどうしても理解できないから調査をしておくようにと申し述べた件であります。普通の銀行ではこういうことは考えられない。  その後、何と昭和六十年には東京佐川急便かごの物件の所有権を得ているわけですよ。そして東京佐川急便が大きな融資もしているわけですよ。日債銀福島交通、東京佐川、昭和五十六年から六十年にかけて一体何があったんですか。全くわかりませんか。聞いておりませんか。
  110. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  先ほどお話を申しましたことでございますけれども、エフ・アール・イーの所有物件でございますね、そういうものを、あるいは福島交通グループ、旧福島交通時代に物件の処分をいたしております。そういうものが一部今の御指摘のような部分に売却されたということはあるかもしれません。しかし、その後のことについては私どもとしては承知しておらないことでございます。
  111. 種田誠

    ○種田誠君 私は今まで、今回の国会質問に立つに当たって日債銀福島交通関係を調べました。私の弁護士としての常識からいえば、これは担当者は商法上の特別背任ですよ。そう言われても仕方がない。今捜査が入れば、時効でない限りは御用になるケースだと思うんですよ。そういうふうには思いませんか。思いませんか、そういうふうに。(発言する者あり)
  112. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 静粛に願います。
  113. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  本件貸し出しにつきましては、私ども当行の行規に基づきまして厳正な対処をしておりまして、役職員一丸となりまして早期回収努力を行ってきておりまして、特別背任といったようなことはないと考えております。
  114. 種田誠

    ○種田誠君 この点は後刻に譲りたいと思います。  最後に私の方からの質問としては、丸金コーポレーションというのを知っておりますか。
  115. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 存じております。
  116. 種田誠

    ○種田誠君 日債銀の出資会社である日債銀モーゲージというのが大変な融資をしておりますね。日債銀融資をしておりますね。日債銀は幾らの融資をして、子会社のモーゲージは幾らの融資をしていますか。
  117. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  丸金コーポレーションの日債銀モルゲージヘ対する貸付金につきましては、両社から御了解を得ておりますのでお答え申し上げます。二百一億円の貸し出しをやっております。  日債銀からのものにつきましては、守秘義務の観点から御容赦をいただきたいと思います。
  118. 種田誠

    ○種田誠君 私の調査では三十五億円貸しているはずですね。  そもそも日債銀モーゲージの二百一億円というのは、日債銀平成三年十二月に要請をしてモーゲージの方に債券を移転した、こういうものじゃありませんか。
  119. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日債銀モルゲージは、抵当証券を発行、販売しておる会社でございます。したがいまして、同社の貸し出しは抵当証券ローンでございます。したがいまして、当然のことながら十分な不動産鑑定士による評価を受けて、そうして法務局の手続を踏んで貸し出しをしているという、そういう性格のものでございます。
  120. 種田誠

    ○種田誠君 丸金コーポレーションという会社社長さんは、金丸元副総裁の後援会の地区会長などもしていたという人間でありますけれども、問題はこういう関連会社日債銀もしくは日債銀の系列会社が金を出すに当たって、これはあなたの方で、先ほど担保とかそういうのは調査をしたと言いましたけれども、どなたかから依頼を受けての融資があった、こういう事実はつかんでおりませんか。
  121. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいまの件につきましても、同社から御了解を得た範囲でお答えをさせていただきます。  丸金コーポレーションと私どもとの取引につきましては、大手不動産会社からの紹介によって始まったものでございます。なお、丸金コーポレーションは金丸氏とは全く関係のない会社ということを聞いておりまして、丸金と申しますのは同社社長の屋号であると、こういうふうに報告を受けております。
  122. 種田誠

    ○種田誠君 私からの質問関連で、大脇委員の方からお願いいたします。
  123. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 大脇雅子君。
  124. 大脇雅子

    大脇雅子君 頭取は、担当者が二十八億の金丸ワリシン売買につきまして何ら疑惑を持たなかったと言われておりますけれども、聞くところによりますと、検察庁に押収されたメモには詳細な、原資の帯封に書かれた銀行名とかあるいは債券の番号などが詳細に記載されていたと言われますが、これはやはりおかしいと思ったからこそそうしたメモが残されていたのではないんでしょうか。この点、いかがお考えでしょうか。
  125. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 今、委員から御質問を受けた件でございますけれども、営業の販売担当者がたまたま、たまたま帯封を個人的にメモしておったという記憶があるということでございます。一般的にそういうことが行われているというふうには私、聞いておりません。
  126. 大脇雅子

    大脇雅子君 先ほど、そのワリシンの売買といいますか、場所はほとんどが金丸事務所だというふうに言われましたが、あるいは前の発言では全部だとも言われましたが、日債銀の部屋でその売買が現金授受と一緒にされたということはあるのではありませんか。
  127. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  集金等で御面識を得た方が当店に来店されたことがあるという報告を受けております。
  128. 大脇雅子

    大脇雅子君 あなたは、長期信用銀行法に基づく銀行ですから、大蔵大臣とはさまざまな御交遊あるいは御関係が当然あると思われますが、竹下元首相とはどういうおつき合いでいらっしゃいますか。
  129. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  竹下先生とは、公の席あるいは財界人のパーティー等でお目にかかったことは何回かございます。しかしながら、格別お親しくおつき合いをいただいてはおりません。
  130. 大脇雅子

    大脇雅子君 その竹下元首相の政治団体あるいは竹下元首相を含む与野党の政治家との取引があるということが報道されておりまして、政治家日債銀との取引関係について御調査をお願いいたしましたが、調査されましたでしょうか。
  131. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  その前に、ちょっともう一遍委員に確認させていただいてよろしゅうございますか。お取引があるというのはどういうことでございましょうか。
  132. 大脇雅子

    大脇雅子君 ワリシン購入、その他口座の開設でございます。
  133. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 失礼いたしました。その他の、竹下先生以外でございますね。
  134. 大脇雅子

    大脇雅子君 含めてお答えください。
  135. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 含めて、はい。  先ほど御議論をいろいろ、あるいは御批判をいただいたわけでございますけれども、私は調査をしてまいりませんでした。
  136. 大脇雅子

    大脇雅子君 非常に遺憾であります。お願いをいたしたと思います。  国民は、このような大きな売買がなぜ見過ごされているか。マネーロンダリング防止通達があるにもかかわらず、そうした不祥事が起きるということについて、日債銀ではこれにチェックがどうして働かなかったとお考えでしょうか。
  137. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  先ほどお答えを申し上げたかと思いますけれどもお客様から資金をお預かりする取引ということでございました場合には、これは部店長のレベルで処理されております。したがいまして、その内容について、今御指摘のように、どういうことでチェックされないかという御質問に対しましては、その資金内容が、繰り返すようでございますけれども、私どもでは把握ができませんので、そういうことでチェックができなかったということをお答えする以外に方法がございませんので、御容赦をいただきたいと思います。
  138. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 種田君、大脇君の質疑は終了させていただきます。  ちょっと今の発言中に、御照会しておきたいんですが、通告しておったという話がしばしば出るわけでございますけれども、どこに通告されておったのか、どういうふうな方法か、後ほどで結構ですから、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。  猪熊重二君。
  139. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 公明党の猪熊と申します。  きょうは松岡頭取には大変御苦労さんでございます。  先ほどの種田委員質問に対するお答えの中から、金丸さんが直接日債銀からワリシン購入されたというその金額について、私がいろいろ報道等によって調べている部分と金額がやや違いますので、確認させていただきたいと思います。  一番最初は、六十一年の七月に二億二千万円お売りしたと、こういうお話でしたが、これは五億円の間違いではないんでしょうか。
  140. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  失礼いたしました。これは先ほど前の委員にお断りをしなきゃいけなかったんでございますけれども、六十一年七月ごろで、その際の額面は五億二千万円ということでございまして、私が言い間違えました。失礼いたしました。
  141. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 それから、同じように、今度六十一年の九月に六億お売りしたと、こういうお話が今ありましたけれども、これはちょっと今まで私知らなかったんですが、同じ年の九月に六億を売ったと、これも間違いないんでしょうか。
  142. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  その点につきましては、先ほども申し上げましたけれども、当時の担当者の記憶によって確認したものでございますけれども、同年六十一年九月ごろ額面六億円のワリシン購入したというふうに聞いております。
  143. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 それから、六十二年の十月に二億お買いいただいた、こういうふうな報道があるんですが、先ほどのお話ではこれ抜けておりましたけれども、その辺はいかがでしょうか。
  144. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  その点について、私確認しておりません。報告を受けてまいりませんでしたので、大変申しわけございません。
  145. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、あるかもしれない、ないかもしれないということでしょうか。ないという確認ができないということでしょうか。
  146. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) あるかないか確認ができないということでございます。
  147. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 参考人がいろいろ言われたこの日時と金額、これは日債銀の職員が金丸邸へ行って直接現金ワリシンを買っていただいたという金額であって、それ以外に金丸さんの方で第三者を通じてなり、具体的に言えば岡三証券を通じてなり、いろいろなところでどう買ったかと。この買ったワリシンとは全く関係なしに直接職員が金丸邸へ行って買っていただいたものだけだということでしょうか。
  148. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私が聞き及んでおりますのは、今申し上げましたように当行の行員が金丸事務所において行った債券販売の数字ということで、岡三さんの割引債券とは私どもの数字と関係ないというふうに私理解しております。
  149. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 先ほど種田委員からもお話がございましたが、日債銀さんの一〇〇%と言っていい子会社である日本トータルファイナンス、この会社が岩間開発に百十億円を融資した。この件に関して、どうして日本トータルファイナンスがこの岩間開発に百十億円というふうな大きな金額融資することになったのかといういきさつについてお伺いした際、日本トータルファイナンスの取引先紹介でこの取引が始まったというふうにおっしゃいましたが、その取引先というのはどこでしょうか。
  150. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私、そのお取引先がどこかということを報告を受けておりません。
  151. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 これは、しかし非常に重要なことなんです。百十億円という金額は、この日本トータルファイナンスのその貸し付けた年度における新規貸付金二百八億円の中の半分以上の金額なんです。これだけの金額を貸し付けて、もしそれがとろっとだめになっちゃったなんていうことになったら、この会社はもうつぶれてしまうような大きな金額なんです。  これだけ二百八億円の年間貸し付け中の百十億円ですから、ですからだれの紹介でこんな金を貸すことが始まったのか、それとも岩間開発というのは前々から知っていたんでしょうか。この石井さんという暴力団の会長が実質的なオーナーである岩間開発という会社を日本トータルファイナンスは前々から知っていたんですか。そうじゃなくて、第三者の紹介で初めてそこへ行ったというんならば、だれの紹介で行ったかと、これは一番重要なことなんだ。どうなんですか。
  152. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日本トータルファイナンスでは、今御指摘のありましたような関係先であるという認識を全く持たずに融資をしていたというふうに報告を受けております。  なお、詳しいことは承知しておりませんが、今、委員がおっしゃいましたように、年間貸し出し二百八億円のうち百十億というふうにおっしゃいましたけれども、私ども承知しておりますには、その当時の同社の年間貸出額は千億円をはるかに超えていたように記憶しております。
  153. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 それは、年間の貸出額が一千億を超えていたと言っても、きのうもおたくの専務が来たから私は話をしたんですが、一千億というのは、前に貸していたのを回収してそしてまた貸したと、こういう継続的なものを含めれば一千億だと言うんです。新規貸し出しとしてはこの年においては二百八億だと言っているんです。私はだからさっき新規にと言ったんです。新規に貸し出した。それはずっと継続的なものですからそのトータルとすれば一千億だろうけれども、この年において新規に貸してまた営業を開始しようという、それが二百八億なんです。その新規二百八億のうちの百十億といったら半分以上じゃないですか。  じゃ、もう少し具体的にお伺いすると、これはだれからの紹介かということが非常に重要なものですから、きのうも専務さんがお見えになったからよく調べてくれと私はこう言っておいたんです。報道によれば、住友銀行紹介だとか仲介だとか、竹下さんの仲介だとか紹介だとかという報道がなされているんです。その辺について私はそこまで言ってよく調べてきてくれとこう言っておいたんです。全然調べていないんですか。
  154. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  貸し出しに当たって、竹下先生から何かの話があったというような報告は全く受けておりません。
  155. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 これだけの金額を、いきなり私が飛び込んでいって百十倍貸しますか、あなた。冗談じゃない。だれの紹介で貸したのかということは非常に重要なことなんです。しかも貸した相手が、さっきから申し上げているように稲川会会長の石井さんが実質的なオーナーである岩間開発という会社に貸しているんです。普通のところに貸すのならいいけれども、貸し先がちょっとぐあいが悪いと思いませんか。そして今参考人は、相手先が、貸し出し先がそういう会社だということは全然知らなかったと言うけれども、その辺のことを日本トータルファイナンスの役員はどう認識していたのか、もう一度おっしゃってください。
  156. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日本トータルファイナンス自身は、暴力団関連企業への貸し出しを行わないように厳重なチェック体制をとっているというふうに聞いております。  岩間開発につきましては、マスコミに取り上げられたとき暴力団関連企業と聞いてびっくりしたという報告を受けております。  それから、もう一つつけ加えさしてい存だきますけれども、この百十億円の貸し出しにつきましては、日本トータルファイナンスといたしましてプロジェクトの成否、担保、保証等を総合的に勘案して十分採算に乗る貸し出しであるということで行ったというふうに報告を受けております。
  157. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、暴力団関係会社だというのを知ったのはいつなのか知りませんが、大体、岩間開発に最初に第一相互銀行というところで金を貸した。ところが、貸してすぐにわかったんで、これは大変だということでこちらの方か手を引いた。その後でトータルファイナンスがいったと。ちょっと考えてみりゃ、何でこんなことになったんだろう、前にだれが貸していたんだろう、調べてみりゃすぐわかることじゃないですか。何でこの前に貸した銀行は逃げたんだろう、ああ暴力団だから逃げたんだ、じゃうちもやめようというのなら、うちはそれに何倍にも相当する百十億円というのを貸しているんです。  これは、全然知らないで貸したというわけにはいかぬでしょう。どうなんですか。その込もう少し正直に聞いてきてもらったことをお答えいただきたいんです。
  158. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  日本トータルファイナンスのただいま申し上げましたような融資につきまして、私どもとしては詳細に知っておりません。したがいまして、私が申し上げましたお答えの範囲内でしかお答えのしようがございません。どうぞその点は御容赦いただきたいと思います。
  159. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 岩間開発に対するトータルファイナンスの貸し付けについては、東京佐川急便が保証人になってそして貸したと、こういうふうに報道されておりますが、東京佐川急便が保証人になったのかどうなのか、それから物的保証はあったのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
  160. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  トータルファイナンスの本件の貸し出しにつきましては物的保証があり、かつ東京佐川の保証があったというふうに聞いております。
  161. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 東京佐川がなぜこれ、百十億円もの大金について保証したかという、その東京佐川が保証したいきさつはどういうところにあるんでしょうか。
  162. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私はこの件について、まことに申しわけございませんけれども存じません。
  163. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 確かにあなた自身が頭取をしている日本債券信用銀行の問題じゃなしに、その子会社の問題だということで、あなたがそういうふうに言われては困るから専務にちゃんと言っておいたんだ。この会社というのはおたくの一〇〇%子会社だ。この会社がひっくり返ればおたく自身もひっくり返るかどうかわからぬけれども、相当ダメージを受ける。ですから、この会社がやっていることについて、年間新規貸し付けの半分以上貸すようなこんな大きな取引について、日債銀として大して知らなかったというふうなことでは済まぬと思うんです。  それで、この貸し付けにはなかなかいろんな主役がそろっているでしょう。稲川会会長の石井さん、それから東京佐川の渡邉さん、それから貸した方はあなたの子会社だ。そしてこれを紹介したのはだれかと、これが一番大切であって、紹介したのが竹下さんということになれば、みんなぐるっと一緒になる。  いずれにせよ、この問題については確かにあなたの会社は直接の問題ではございませんから、これ以上質問してもあれでしょうから以上で終わります。  ありがとうございました。
  164. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 猪熊君の質疑は終了いたしました。  長谷川清君。
  165. 長谷川清

    ○長谷川清君 早速でございますが、今話題に出ておりますところは非常に疑問になっておる点でございます。  続けて私もそこから入っていきたいと思うんですが、昭和六十二年度の今話題になっております日本トータルファイナンスの百十億円の融資は、絡みからいきますと、ちょうど六十二年度のこの年度において、先ほどお答えになりました金丸氏とワリシンとの経過、いきさつという中で、六十二年度の分についてはわからない、あるかどうかもわからない、こうお答えになっていることともリンクするんですが、そのことが六十一年の七月ごろと六十一年の九月ごろ、そして三回目はいきなり平成元年にと、こうなっておりましたね。ここのところが疑問なのであります。  私の調べによりますと、やはり六十二年度は金丸氏のワリシン購入はあったと、こう思われますけれども、そうなってまいりますと、ちょうど今も話が出ておりましたように、東京佐川と、それから石井といえば暴力団の会長であったということ、そしてその同じ年の六十二年に竹下政権が誕生しているということ、そして始まりましたのが六十一年から金丸さんのワリシンが始まっている。その終わりは竹下政権が成立したその翌年の元年に終わっているという、こういう状況が、それにおたくが、日債銀が絡んでいるというか、よしあしは別にしてその因果関係の中に絡んでおるというところに最大のやはり疑問がございますので、その点をひとつどうかもう一度はっきりとお答えをいただきたいと思うんです。
  166. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  これは皆様十分御承知だと思いますけれども、日本トータルファイナンスは私どもの一〇〇%の子会社ではございません。独立の会社でございます。したがいまして、独自の判断で業務ないしは経営をやっておるということについては、まず御理解、御認識を賜りたいと思います。  したがいまして、その日本トータルファイナンスが行いました貸し出しの個々につきましては、私どもとしてはその段階で把握ないしは確認をするというふうなことを今までもいたしておりません。  したがいまして、どういう経緯でやったか、あるいは金丸氏云々の問題と関係があるかということについて、私どもとしては推量する余地がございません。その点について御理解をいただきたいと思います。
  167. 長谷川清

    ○長谷川清君 関係がないとは言われますけれども、資本系列なりあるいは人事あるいは同じ商品を扱う等々、これは関連が全くないと言ってもそうは思えないわけでございます。  次に、時間がございませんので、このワリシンという商品の性格も先ほど御案内がございました。案内がありましたとおりに、これはどう考えましても、例えば三千万円以上のものについては、これは購入者の氏名、それの記録、そういう義務が生じますが、仮にこれを二千万円ずつ十回に分ければ二億円になりますね。こういう点については実際の取引上可能なんですか。
  168. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私ども窓口といたしましては、その個々のお取引につきまして、それが一人のお客様であるというふうな認識ができた場合には、実質的な判断によりまして三千万円以下、したがって本人の確認を要するという手続を厳格にやっております。
  169. 長谷川清

    ○長谷川清君 金丸氏の場合には、先ほどのお話だと、購入者は金丸事務所、そして手続をとりました当事者は秘書の生原である、こういう御説明でございましたね。そうなりますと、購入本人の名前が社内の名簿に登録されるのか、登録をした人の名前が登録されるんでしょうか。確認というのは一体どちらを確認するんでしょうか。その辺のところはどうでしょうか。
  170. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私ども本人を確認いたしますのは、債券購入のお手続をなさった方について本人の確認をするということが手続になっております。
  171. 長谷川清

    ○長谷川清君 したがって、そうなりますとこの商品そのものがいかにも脱税しやすかったり裏金をつくりやすかったりという、そういう性格をもともと商品として帯びているということも言えるわけですね。そうなりますとこういう問題は、分割をすれば全然名前を出さなくても済むし、登録をする人を別の人を登録させていけば幾らでも際限なくこれは預貯金が可能になる、こういう性質を帯びておりますがゆえに、そこら辺になりますというと、しかも金丸さんの場合には、これは現金で扱っておりますから、五億だ六億だ、これは段ボールに幾つぐらいなんでしょう、それを実際に持ち運びをするという、これはやはりどう考えてもずさんなやり方と、こうならざるを得ないんでしょうが、その辺はどういうふうに内部管理はされているんでしょうか。
  172. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、割引金融債は、国債等の債券と同様無記名でございます。したがいまして、代金と引きかえにその場で本券を受け取るということができるのは御指摘のとおりでございます。その際、これも先ほど申し上げましたけれども、この購入原資がどのような性格のものであるかということにつきましては、銀行としては調査、判断するすべはございません。また、事実上それを把握するということが困難でございます。この点について、ぜひ御理解をいただきたいと思います。  なお、ワリシン等の債券が無記名であること、その御購入にかかわる資金性格とは別な問題ではないかと、かように考えております。これもまた、先ほど申し上げましたように、今回のような問題でワリシンが話題になったことは、私どもといたしましてまことに残念なことと存じております。
  173. 長谷川清

    ○長谷川清君 時間がもうなくなりました。  ここに日債銀のことについてこれだけ書かれた本がございます。「悪の構図 恐るべき銀行」といって、五十七年、五十八年、これはお読みになったことがございますか。
  174. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  私はその本は読んでおりません。
  175. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 時間です。長谷川先生、御遠慮願います。  長谷川君の質疑は終了させていただきます。有働正治君。
  176. 有働正治

    有働正治君 あなたの企業の経営姿勢とのかかわりでお尋ねします。  自民党などへの政治献金、表と裏合わせて幾らございますか。
  177. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  いわゆる政治資金団体に対する寄附は、平成四年総額で九千四百万円と記憶しております。その内訳については具体的に私覚えておりません。
  178. 有働正治

    有働正治君 私の調査では、自民党の国民政治協会に毎年八千万円以上出しています。私も調べて予想外に大きいことに驚きました。というのは、今問題になっています大手ゼネコンのトップクラスでも年間五、六千万円であります。あなたの銀行はそれをはるかに上回っていたわけであります。  八九年から九一年の三年間の合計で二億五千万円を超えているわけです。これも担当者を決めて表裏処理しているんでございましょうか。
  179. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  最後の御質問で、表裏を分けてやっているというふうなことは全くございません。
  180. 有働正治

    有働正治君 表向きだけでもこれだけ自民党への面倒を見ていれば、それなりのメリットがあろうと私は考えるわけであります。しかも、あなたの企業が不良債権がいろいろ取りざたされている中での政治献金であります。  そこで伺います。顧客リストに相当数の政治家が入っていると当然思いますが、いかがでありますか。
  181. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  さっきも申し上げましたように、顧客リストというものは私どもございませんので、どうぞ御了承いただきたいと思います。
  182. 有働正治

    有働正治君 献金の実態から見ましても、顧客の中に自民党議員、これがいるというのは当然考えられます。私が問題にいたしますのは、ワリシン購入そのもの、ワリシンそのものを否定するものではありません。金丸事件から見て、問題の金がないわけではないと国民は疑惑を持っているからでありますけれども、いかがでありますか。再度お尋ねします。
  183. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私どもでは、特定の方に偏った寄附、献金、そういうふうなものはいたしておりません。個々の、一個人政治家の方あるいは一政治団体につきましては、年間百万円を超えるというふうなものは私どもの場合ございません。
  184. 有働正治

    有働正治君 やはり企業の社会的責任の上からいっても、異様だと思われるものがあるのかないのか、今日の情勢から見まして一応チェックする意図はございますか。
  185. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  異常か否かという観点も含めまして基本的に政治献金のあり方、寄附等については十分検討をするつもりでございます。
  186. 有働正治

    有働正治君 必要があれば国民に対して明らかにしていただきたいということを要望しておきます。  次に、あなたの銀行金丸事務所とのワリシン取引昭和六十一年、一九八六年から本格化していますが、一つ金丸のところからあなたの銀行のだれにワリシン購入の話が電話で来たのでありましょうか。  二つ目は、それを受け、だれに命じて金丸のところへ行けと命令したのでありましょうか。
  187. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  金丸事務所から私どもの秘書室に連絡があったという事実はございます。  その当時秘書室では事務的に処理した、という報告を最近受けております。
  188. 有働正治

    有働正治君 それは頴川当時の頭取、現相談役の秘書でございますか。
  189. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 当時秘書をしておりました者でございます。
  190. 有働正治

    有働正治君 頴川頭取の。
  191. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) はい。
  192. 有働正治

    有働正治君 頴川頭取小針暦二氏の福島交通グループ、それから金丸関係というのは、頴川さんが副頭取時代からを含めますと約十数年前からの関係だと考えます。頴川頭取時代、日債銀小針暦二氏が社長を務める福島交通グループに、話がありましたように七百億まで融資を膨らませています。その際協力の口添えをしたのが金丸など自民党有力議員や佐川と言われています。そういう点から見て当然こういう話があったと私は考えるわけであります。  次に、佐川とのかかわりについてお尋ねします。  八九年の、平成元年金丸の六億五千万のワリシン新規購入の際、段ボールで持ってきたと言っています。日本興銀の、興業銀行の黒澤頭取はかつて、危険な金のときは注意する例えといたしまして我が党の菅野悦子衆議院議員質問に対しまして、一流銀行からの送金や小切手の場合は別だが、リュックサックに入れてどかんと現金を入れてくるような場合には注意すると述べていますが、こういうときちゅうちょしませんでしたか。
  193. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私は、段ボールに入れて持ってきたかどうか、私存じません。
  194. 有働正治

    有働正治君 これは明確に報道されているんです。  明白に段ボールと言われています。したがって、その際、通常だとおかしいと思うのが、と考えるのが普通だと思いますが、もし段ボールだとした場合に、どうあなたの場合お考えになりますか、あるいは担当者はどう考えるでありましょうか。
  195. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  今、委員の御質問でございますけれども、段ボールに入っていたから異常かどうかというふうなことを感じたことがないというふうに私は報告を受けております。  あるいは私間違っているかも存じませんけれども、段ボールではなくてほかのしかるべきこん包用具に入ってきたんではないかというふうなことも聞いたことがございます。  いずれにいたしましても、その時点で御指摘のような異常性を感じて云々というふうなことはなかったと報告を受けております。
  196. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 時間です。
  197. 有働正治

    有働正治君 時間ですか。はい、どうも。
  198. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 有働君の質疑は終了させていただきます。  次に、井上哲夫君。
  199. 井上哲夫

    井上哲夫君 早速お尋ねをいたします。  報告を受けてない、存じないということなので、参考人松岡さんが直接体験をされたことからお尋ねをいたします。  割債金丸さんが二十八億購入をしていたということは知らなかったと。六十一年から購入はしていたけれども、知ったのは、あなたが知ったのはことしの一月二十七日であると。  どこで、どのように報告を受けられましたか。
  200. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  今回の件につきまして、金丸事務所当行の行員が債券販売手続をしたことがあること及び金丸事務所の方が当行に来店されたことがあるということを一月二十七日に担当の部長から私の部屋で聞きました。
  201. 井上哲夫

    井上哲夫君 あなたの体験したことをお聞きしますので、もうメモを見る必要はないと思いますので、どんどんお答えを。  このときには、恐らく検察庁の調査が入るということであなたに報告があったと思いますが、今申し上げました、あなたがおっしゃっていますが、秘書室が事務的に処理をしたんだと、こういう報告もそのとき受けたわけですね。  それじゃ、金丸さんについてこれこれこれこれの購入事実がある、ほかの方もこれこれこれこれの購入事実がある。どのように報告を受けましたか、おっしゃってください。
  202. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたことを繰り返すようでございますけれども割引債、利付債の販売につきましては、本来、貸付取引等と違いまして、お客様から資金をお預かりする取引でございますので、私どものところにまでは報告が参りません。そういう点で私は報告について知らなかったということを申し上げておるわけでございます。  それから、あわせまして一月二十二日でございますか、地方検察庁から金丸氏、金丸事務所並びに関係者についての資料の提出の要請を受けたと、そして押収の手続がされたという報告を受けましたのは、同じく一月二十七日に担当の部長からでございます。
  203. 井上哲夫

    井上哲夫君 その日に、例えば竹下元首相には幾ら幾ら購入を願っておる、今はない、あるいはほかの方についても大口購入者でこういう変わった方が見えますとか、こういうことはいかがですか。
  204. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  その際に、その他の方について云々ということは私は聞きませんでした。
  205. 井上哲夫

    井上哲夫君 極めて重要なことだと思いますが、どうして聞かなかったのか、理由を聞かせてください。
  206. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  一般的に、どのようなお取引先があるかあるいは特別のことがあるかということについては、私は個々的に聞いておりません。
  207. 井上哲夫

    井上哲夫君 あなたは約二千五百人の銀行の行員、会社の社員のトップであります。今を時めくこの問題について、いろんなことを担当者からわざわざあなたの部屋で聞かれるなら聞いておるはずですが、どうですか。
  208. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  金丸事務所関連以外のことについては私は聞きませんでした。
  209. 井上哲夫

    井上哲夫君 聞かない理由をお尋ねしてもおっしゃらないので、もう一つ質問いたします。  小針福島交通の会長は、五十五年か五十六年に金丸さんにワリシンを買うのがいいよということを教えたと。しかし、あなたの今のお話では、六十一年からあなたの銀行では買っていただいておると。約五年のギャップがあります。この五年のギャップについて、例えば小針さんの名前で、本当は金丸さんのお金なんだけれども、預かって買ってもらっておりますと、そういうケースのような報告は受けませんでしたでしょうか。
  210. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  小針氏がワリシンを買っているという報告を、あるいは発言新聞報道等で知りましたので調べましたところ、同氏名義の保護預かり口座が過去にございまして、その後解約されたという報告を受けております。
  211. 井上哲夫

    井上哲夫君 過去に解約をされた小針さんの口座の報告も受けておりながら、ほかの大口の買っていただいた方の報告は受けてみえないんでしょうか。
  212. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  どのような方が私どものお客になっていらっしゃるかということについて、網羅的に私、把握するということは、まことに申しわけございませんが、やっておりません。
  213. 井上哲夫

    井上哲夫君 もう一度、くどいようですがお尋ねをいたします。  あなたも公式の場では竹下元総理と、大蔵大臣のときあるいはその他のときで会っていると。関心は相当にあったんじゃないですか。うちの割引債について竹下先生は買っている、買ってもらっておるのではないだろうか、そういうふうな関心もなかったでしょうか、報告の際に。
  214. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 私はそういう関心を全く持ちませんでした。
  215. 井上哲夫

    井上哲夫君 あなたはこれまで裁判所の証人とかこういう場での参考人ということでお話をされたことはありますか。
  216. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  ございません。
  217. 井上哲夫

    井上哲夫君 終わります。
  218. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 以上で井上君の質疑は終了させていただきます。  下村泰君。
  219. 下村泰

    下村泰君 二院クラブの下村です。  参考人にお尋ねします。  銀行として当たり前の商売をしていて、普通の営業をしていて、何でこんなことになっちゃったんでしょうね。
  220. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  今、委員から御指摘がございましたように、まことに通常の商売をやっておったわけでございまして、何ゆえこういうことになったかということについては私どもわからないことでございます。
  221. 下村泰

    下村泰君 わからないことはないだろうとは思いますけれども。  例えば、金丸さんという方がいろいろと献金をいただいてその献金を、それをそれなりに正当に処理さえしておれば別にどうということはなかったんでしょうけれども、武田信玄の埋蔵金みたいにしたことがもともとの誤りで、そこからおかしなことになって、脱税ということになってこういうことになった。でも、こういったことが公にされた場合に、やはり銀行側としては多少の責任というのはお感じでしょうか。
  222. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  私どもは、法令、通達等につきまして平素から厳重に遵守するということを部下に対して徹底をいたしております。したがいまして、こういうふうなことになろうとは私も全く思いませんでしたので、そういう点について非常に残念なことであったということを申し上げる以外にすべがございません。
  223. 下村泰

    下村泰君 先ほどからお伺いしていまして、金丸さん以外にも国会議員の中で相当数の方々がおたくを利用している、そういう人の名前が出せないのかとお尋ねになったが、一人も出していただけない、また出さないというところがこの割債のいいところなんでしょうかわ。
  224. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  出せない理由として私どもが申し上げたいのは、私どもとして、先ほど申し上げましたように、本人の確認、その方法としての集金等による訪問、こういう状況がございませんと、どなたがお持ちであるかということを銀行としては定めがたいということでございますことについて御理解をいただきたいと思います。
  225. 下村泰

    下村泰君 今回の事件でイメージダウンも大きかったかもしれませんけれども、そういう意味であそこいいなというふうに気のついた方も多いと思います。私も今度から割債やろうかなと思っています。もっともそれほど銭がありませんが。実は、こういう記事があるんです。  日債銀は、創立の経緯からして政治的たつた。昭和五十二年までは日本不動産銀行という名だったが、日本で最も新しい銀行で、三十二年に戦前の朝鮮銀行を母体として生まれた。朝鮮銀行は朝鮮や満州の産業の育成に貢献し、終戦とともに閉鎖されたが、不動産銀行がその残余資産約六十億円を引き継いたのである。長期信用銀行法に基づく銀行だが、すでに当時日本興業銀行と日本長期信用銀行があり、これ以上必要はないという金融界の声を無視して設立された。  「朝鮮銀行の副総裁だった星野喜代治氏(不動産銀行の初代頭取)と、戦前商工省にいて満州開発に腕を握った岸信介首相との縁で、朝鮮銀行の残存部隊を強引に救済したのです。以来政治家との結びつきを強めていった。岸、福田、安倍ラインが主で、”福田銀行”とも呼ばれた。それが”竹下銀行”といわれるようになったのは、小針暦二氏が田中派の方へ向きを変えたからだといわれています」  しかも後発銀行の宿命で重要産業などよい融資先がなかったために政治家や”政商”に頼らざるを得なかった面もある。政治家と密着すれば、逆に”打ち出の小槌”みたいに利用されるようになるのは当然だ。  日債銀自身も、系列ノンバンク三社の巨額不良融資でアップアップ。それを金利減免などの"政治力"によって乗り切ろうとしているが、今や前途は暗い。これに対してどういう御意見ありますか。
  226. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) ただいま委員からお話がございました福田バンク、竹下バンク云々ということでございますが、どのような意味でおっしゃられているのか私わかりませんが、もし特定の国会議員の先生と特別な関係があるということであれば、そういうことは一切ございません。  私ども、閉鎖機関朝鮮銀行の清算残余財産をもちまして、御指摘のように三十二年に発足した銀行でございます。そして、私どもといたしましては、設立以来、我が国が中堅中小企業にかかわるニーズが非常に高まっておる中で、不動産金融について戦前の勧業銀行等の制度がなくなってまいりましてこの手法に対する期待も高まっておるというところから、不動産金融を通じまして中堅中小企業への円滑な資金を供給するという目的で私ども銀行が設立されたものでございます。  確かにその当時一部に反対論もございましたけれども当行の設立に対するニーズが高いという御判断をいただきまして最終的に設立が認められたと記憶をいたしております。その過程で特に政治家との強い関係が生じたとは思っておりません。また、御指摘のような政治家との関係が引きずっているということはございません。御了承いただきます。
  227. 下村泰

    下村泰君 一言だけ言わせて。  松岡さんは不動産銀行の時代からずっといらしたというふうに承っております。その間にそういう事々の数々のなかったことを知らないということは私は絶対にないと思います。御良心にお恥じ願いたいと思います。
  228. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 下村君の質疑は終了させていただきます。  次に、寺澤芳男君。
  229. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 日本新党の寺澤です。  きょうは参考人、本当に御苦労さまでございます。  参考人にお伺いしますが、上様販売という言葉を御存じですか。
  230. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答えいたします。  私、証券の世界のことについて余り詳しく存じませんので、そういうテクニカルターム、よく存じておりません。
  231. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 上様販売というのは、レストランなんかに行って勘定を払おうと思ったら、領収書は上様にしましょうか、それともあなたの名前にしましょうかと。ああ、きょうは上様でいいよというときの上様販売なんですが、日本債券銀行ワリシンの発行をしております発券銀行であります。発券銀行ワリシンを買いに行くのと証券会社ワリシンを買いに行くのとでは、日本航空の航空券をいきなり日本航空に買いに行くのと航空代理店に買いに行くような違いがあるわけです。すなわち、証券会社に買いに行くと証券会社は幾ばくかの手数料を取って顧客に渡す、それから直接発券銀行に買いに行くと、同じ値段は払うんですが、名前とか住所宣言わずに売ってくれる、それで上様の名前で領収書を切ってくれる。  岡三証券の金丸さんの担当のセールスマンが、本当は金丸さんという顧客を岡三証券のワリシンで売った方が岡三には手数料落ちるにもかかわらず、わざわざ日債銀まで買いに行ったということは、日債銀から買うとその氏名確認やなんかが証券会社よりは簡単である、黙認される、上様で買えるということでやった行為じゃないかと私は思いますが、これについて参考人はどう思われますか。
  232. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) 今、寺澤議員からの御質問でございますけれども、私どもの店頭では御指摘のごとく手数料はいただきません。証券会社さんの場合には手数料を、お買いになる方がお支払いになります。証券会社の場合には、これは私の理解でございますけれども、いわゆる継続的なお取引をされる、仲介、取り次ぎのお仕事が証券会社さんのお仕事だと思います。そういう意味で、継続的なお取引が前提である、あるいは引き渡しについて日時がかかるということで、住所、氏名をお届けになるというのが証券会社さんの手続だというふうに私聞いております。  御指摘のように、私どもの場合には、三千万円以下につきましては氏名も住所もなしにお払い込みいただいた金額と引きかえに現物をお渡しするということがございます。そういう違いがあるというふうに私、認識しております。
  233. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 先進国の一つである日本でいまだに、リュックサックかあるいは段ボールかわかりませんが、キャッシュが、何億というキャッシュが動いている。そして、明らかにアングラマネーが、税金を逃れた金あるいは表に出したくない金が集まってくる。そういうもので成り立っている割引金融債金融債そのものを国が認めること自体、脱税の要因につながるということを言っておる国税のOBもおられますし、そういう社説を書いている新聞社もあります。いっそ思い切ってこの割引金融債、そういうものの商品そのものをやめるというようなお考えはありませんか。
  234. 松岡誠司

    参考人松岡誠司君) お答え申し上げます。  今、御指摘の点でございますけれども割引金融債は、国民の広い大衆から見まして、大変利便性の高い貯蓄手段として広く御支持を仰いでいる商品でございます。あわせまして、私ども長期信用銀行につきましては店舗網が少ないという点がございまして、長期安定資金を供給するという我々本来の目的に照らして重要な資金吸取手段であるということに変わりはないと思います。  そういう点については、見直しをするという点についてはいささか疑問があるんではないか、銀行の重要な調達手段である点を十分御認識いただくということもかなり重要なこととして御認識いただくべきではないかと、かように考えております。
  235. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 最後に、販売方法その他について十分な御注意をしていただいて、こういう何が何だかわからない金が集まってくるようなことのないようにしていただきたいと思います。  以上です。
  236. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 以上で松岡参考人に対する質疑は終了いたしました。  松岡参考人には、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございます。御退席くださって結構でございます。  午後一時まで暫時休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ――――◇―――――    午後一時一分開会
  237. 遠藤要

    委員長遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算執行状況に関する調査のうち、東京佐川問題等に関する件を議題とし、証人の証言を求めることといたします。  まず、委員長から確認させていただきます。  あなたは岡景俊君御本人ですか。
  238. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 岡県俊本人でございます。
  239. 遠藤要

    委員長遠藤要君) この際、一言あいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきまことにありがとうございました。  当委員会におきましては、目下、予算執行状況に関する調査を進めておりますが、本日は特に証人の方から東京佐川問題等について御証言をいただくことになった次第でございます。  証言を求めるに先立ちまして、証人に申し上げます。  議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。  宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。  自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び泊己の後見人後見監督人または保佐人並びに自己を後見人後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができます。本人が承諾した場合はこの限りではありません。  正当の理由なくして証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げます。  その第一点は、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合についてであります。  証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度証人が委員長にその旨を申し立てて、その許可を得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、既に通知いたしたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。  その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。  全員御起立を願います。    〔総員起立〕
  240. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより岡景俊君の証言が終了するまで撮影は中止してください。  岡県俊君、宣誓書を朗読してください。    〔証人は次のように宣誓を行った〕    宣誓書  良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又  何事もつけ加えないことを誓います。              証人 岡景俊
  241. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 御着席願います。  証人は、宣誓書に署名捺印してください。    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
  242. 遠藤要

    委員長遠藤要君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。また、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。  この際、質問者及び委員各位に申し上げます。  本日は、法律に基づき、申し合わせの時間内で提言を求めるのでありますから、不規則発言等により議事の進行を妨げたり、証人に対して不適切な言動に及ぶことのないよう特に御協力お願いいたします。  それでは、まず委員長から岡証人に対してお尋ねいたします。  岡証人が新宿支店長であった昭和四十八年当時、証人自身が取引担当者となって故金丸衆議院議員夫人の資金運用を行ったことが報道されておりますが、証人はなぜ夫人の資金運用の担当者となったか、そのきっかけ、経緯をお述べください。  また、金丸衆議院議員とのかかわり合いについても証言を願います。
  243. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ただいま委員長の方から昭和四十八年というようなお話がございましたけれども、私が新宿の支店長をいたしておりましたのは昭和四十七年五月のことでございます。金丸悦子夫人宅に数回訪問をいたしまして初めてのお取引をいただいたわけでございます。それから二十年近いお取引でございます。  平成三年の十二月四日に悦子夫人がお亡くなりになりますまで、金丸信先生とのお取引というのはほとんどございませんでした。
  244. 遠藤要

    委員長遠藤要君) また、金丸衆議院議員とのかかわりについて御証言を願います。どうぞ。
  245. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今申し上げましたように、平成三年十二月四日に悦子夫人がお亡くなりになりまして以降のお取引でございます。
  246. 遠藤要

    委員長遠藤要君) そうしますと、証人は金丸夫人が亡くなる前は金丸氏とのつき合いは全然なかったと、こういうふうなわけですか。どうぞ。
  247. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ほとんどなかったということを申し上げているわけでございまして、私の記憶では、五十年当時に一度御注文をいただいたことございますけれども、ほとんどなかったということでございます。
  248. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 金丸衆議院議員及び同夫人の資金の運用について、割引金融債を使うこと、割引金融債を小口に分散して仮名口座をつくったことが報じられています。お得意の本人確認等の手続が義務づけられている中でどのようにして行ったのか、具体的に重言をしていただきたい。どうぞ。
  249. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ただいま委員長の御質問は、報道されております二十億の割引債券の買い付けの状態であろうと思いますが、これにつきましては、悦子夫人からどうしても名前を出さないで買ってほしいとの強い希望がございまして、やむなく、私、私の親しくいたしております社員にその趣旨を説明をいたしまして処理さしたわけでございます。この件につきましては、私限りの問題として処理しているわけでございます。
  250. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 顧客本人確認等の手続が義務づけられている中でどのようにして行ったのかは具体的に今のお話で大体わかるんですが、いま少し具体的にお話を願いたい。  また、割引金融債の中でもとりわけ日本債券信用銀行ワリシン多額の運用を行ったのはなぜですか、お答え願います。
  251. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、委員長の方から多額ワリシンというふうなお話でございましたが、岡三証券が受けましたものはワリコーでございますので、訂正をさしていただきたいと思います。  特別にワリコーを取り上げたわけではございませんで、割引債券であればどこでもよかったわけでございます。
  252. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 金丸衆議院議員資金を小口に分散して仮名口座をつくったのは金丸氏の指示のもとで行われていたと言われておりますが、それは本当でしょうか。そして、こうした行為が金丸氏だから行ったのかそれとも大口顧客ならだれでもそのような行為を行うのか、いずれか、お答え願いたいと思います。
  253. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 金丸先生の指示ではございません。悦子夫人からの指示でございます。悦子夫人と当社の取引といいますのは長い歴史がございましたものですから、また私自身との取引も長かったわけでございますから、お断りをすることができなかったわけでございます。あくまでも私限りの問題としてこれも処理をしたわけでございます。  今、委員長の御質問の中で、特に他の大口顧客についてはどうかというようなお話でございますが、私の知る限りにおきましては、当社といたしましては全くそのようなことはやっておりません。
  254. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 岡三証券の今仲副社長の記者会見では、会社が証人が金丸衆議院議員資金運用を行っていたことを知らなかった、証人の個人的な行為であったと述べて、会社としてはあずかり知らなかったようなことを述べておりますけれども、証人は金丸氏の資金運用の件を会社には全然報告しなかったのですか。
  255. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、委員長の方から御質問がございましたように、会社には報告をいたしておりません。
  256. 遠藤要

    委員長遠藤要君) そうしますと、金丸氏との取引ということは会社自体は全然知らなかった、こう理解していいですか。
  257. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そうでございます。
  258. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 委員長としてお尋ねすることは以上でございます。  それでは、岡証人に対し質疑のある方は順次御発言を願います。服部三男雄君。
  259. 服部三男雄

    服部三男雄君 服部でございます。自由民主党の服部でございますから、自民党を代表しまして証人にいろいろとお尋ねをしたいと思います。  その前に、証人に御礼申し上げたいと思います。  報道によりますと、連日、東京地方検察庁特捜部の取り調べもあった模様で、なれない取り調べの後、またこうして文字どおり初めてだろうと思いますけれども、議院至言ということでいろいろ気苦労も多いと思いますが、ひとつそういう中で御足労願って御出頭いただいたことにつきまして、国民を代表いたしまして心から御礼申し上げる次第でございます。  一言私からお願いというんでしょうか、御注文申し上げたいんですが、先ほどの委員長のお尋ねの中で、二十年近い金丸悦子さんとの取引、その後のいろんなやりとりがあったと。非常に古い、かつ長い取引があったわけですから、詳細な細かいことについては随分記憶も薄れておられることが多いと思います。ところが、今回こういう金丸信先生の所得税法違反の容疑ということで大変な事件になったなあ、あるいは大変な事件参考人になったなあということで、そういう耳目を聳動した直後でございますから、過去の記憶が今の時点の脱税という観点から記憶をよみがえらしていただくとかえって混乱を来すおそれが多いと思うわけでございまして、そういう意味で、ここは裁判所でも検察庁でもございません、あくまでも国政調査関係でお尋ねするわけですから、まず脱税という観点を忘れていただいて、ただ純然たる過去の事実について思い出していただくことを心からお願いしたいと思う次第でございます。  まず、簡単に岡証人のキャリアというんでしょうか、岡三証券に入られてからどういう仕事にタッチしてこられて、現在の職場というんですか、階級というんでしょうか、部署というんでしょうか、それについて簡単に御説明願いたいんですが。
  260. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 昭和三十八年に入社をいたしまして、姫路支店長を歴任いたしまして、昭和四十七年に新宿支店長となりました。それから本店の方に参りまして本店営業部長、それから五十四年に取締役に就任をいたしました。六十年に常務取締役、六十一年に専務取締役になっております。その間、法人担当、国際本部長、そして専務になりましてからは営業総括という立場におります。  以上でございます。
  261. 服部三男雄

    服部三男雄君 岡三証券の扱われる商品というのはいろいろあると思うんですが、証人のこれまでの経歴等から、得意な分野というんでしょうか、例えば株式だとかあるいは債券だとか、あるいは外国証券だとか、いろいろな分野があると思うんですが、得意な分野というのはどんなところなんでしょうか。
  262. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) まあ、私は長い営業の経験がございますけれども、運用そのものには、私ども会社にも運用本部というのがございますが、そういう運用関係の仕事にタッチいたしておりませんので、単に私の三十年の歴史というのは営業の中の歴史でございますので、どれが得意ということを言われましてもなかなか難しいわけでございますが、全体的にまあ理解しているということでございます。
  263. 服部三男雄

    服部三男雄君 昭和四十七年五月当時、金丸悦子さんとの初取引があったということですが、当時、金丸悦子さんはどこに住んでおられましたか。
  264. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 元麻布でございます。
  265. 服部三男雄

    服部三男雄君 どなたかの紹介金丸悦子さんと知り合われたんですか。
  266. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私の兄の友人の紹介金丸悦子宅を訪問をいたしまして、その紹介者は、もう随分前でございますので記憶がございません。
  267. 服部三男雄

    服部三男雄君 四十七年五月に金丸悦子さんと会われたときに、金丸悦子さんは、それまで株だとかいろんな財産運用の経験が豊富な方だというようなことはわかりましたか。
  268. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) わかりました。既に私がお会いしましたときは他社でお取引をされておりました。
  269. 服部三男雄

    服部三男雄君 それは株式ですか。そのほかの財務運用についても経験あるようでしたか。
  270. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 株式が中心であったと記憶をしております。
  271. 服部三男雄

    服部三男雄君 当時、金丸悦子さんはどのぐらいの資産の運用をしておられたかわかりましたか。
  272. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 他社で取引されておられる分につきましては、私で判断することはできません。
  273. 服部三男雄

    服部三男雄君 証人自身が直接担当された取扱金額というのがありますね、各年度の。それが四十七年からふえていった経緯というのは、証人はおわかりになりますか。
  274. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 長いおつき合いをいたしておりますので、その点は理解しております。
  275. 服部三男雄

    服部三男雄君 株式ですから売ったり買ったりするので当初の金額が膨らむんですけれども、純然たる投資金額、純資産ですね、純投資金額というのが四十七年ごろは、証人の関係する部分だけで結構ですから、大体幾らぐらいで、それが亡くなるまでにどのぐらいの金額にふえていったかおわかりになりますか。おわかりになるならば、その大体の具体的金額を証言していただきたいんですが。
  276. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私が新宿の支店長をいたしておりまして、それから一年近くでございましたでしょうか、金額的にはかなりの金額まで、二十年前としてはかなりの金額までふえております。お亡くなりになります直近は不動産等の売却等もございまして、その資金も入っておりますので、金額的には当初の金額からしますと相当の額にふえたと、そういうふうに記憶をいたしております。
  277. 服部三男雄

    服部三男雄君 具体的金額で証言していただくことはできませんか。
  278. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 当初、私が知り合いになりまして一年ないしは一年半ぐらいの間に一億ぐらいの金額になったかと思っております。最終、お亡くなりになりましたときには三十二億六千万でございます。
  279. 服部三男雄

    服部三男雄君 今証言されました、四十七年当時に一億円、そして死亡時の平成三年の三十二億円というのは、あくまでも証人が悦子さんから依頼を受けて売買された、例えば株式だとかあるいは外国債券だとかいろんな金があるようですけれども、それらの合計額を三十二億円とおっしゃっておるわけですか、運用額を三十二億円とおっしゃっておるんですか。
  280. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 合計額でございます。
  281. 服部三男雄

    服部三男雄君 この死亡時の三十二億六千万円の中には、先ほど委員長のお尋ねになったワリコー二十億円は含んでおられるんですか含んでおられないんですか。
  282. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 全く含んでおりません。
  283. 服部三男雄

    服部三男雄君 二十年のおつき合いで、中断というんでしょうか、金丸悦子さんとの取引が中断した、全く取引がなかった年とか、あるいはその期間が長かったということはあるんでしょうか、それともずっと継続して経年的に続いた取引だったんでしょうか。
  284. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 取引の中断はございません。継続をいたしております。  誤解があったらいけませんので申し上げますが、当初一億が三十二億になったというふうに御理解をいただきますと非常に心外でございますので申し上げますが、途中からビルをお売りになりました資金が相当の金額入ってまいりましたので、私どもの運用で膨れたということではございません。
  285. 服部三男雄

    服部三男雄君 ビル売却資金というお話が証言に出ましたが、その金を債券なり株式なり要するに資産運用にしているんだということは、金丸悦子さん自身から証人に説明があったんですか。
  286. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 明確には説明はございませんけれども、その資金が入ってきただろうということが、考えておるわけでございます。
  287. 服部三男雄

    服部三男雄君 証人からごらんになって、金丸悦子さんという方は、お金に関してあるいは資産運用に関して、あるいは事業という感覚で見て、どういう女性だったでしょうか。
  288. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 証券には特に明るうございまして、大変な精通された方でございまして、すべての判断につきましてはみずからの判断で取引をなさっておりました。
  289. 服部三男雄

    服部三男雄君 女性にありがちな人の判断に寄りかかるというんじゃなくて、自分の判断で取引をなさっているということですか。
  290. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、先生の御質問のとおりでございます。
  291. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸悦子さんの性格についてはどのように、特にお金に関してどういう性格だと思われましたか。厳しい方だと思われましたか。
  292. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) お金につきましては非常にきっちりとした方でございます。
  293. 服部三男雄

    服部三男雄君 そうすると、証人はこの二十年間、金丸悦子さんとのおつき合いではただ取引の事務手続をしたような印象を受けるんですが、間違いありませんか。
  294. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 全くアドバイスをしていないというわけではありませんけれども、基本的には最終的判断を悦子夫人がされたと、そういうことでございます。
  295. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸悦子さんの取引の中で他人名義を使うとか、先ほどの二十億のワリコーの分は別ですが、金丸悦子さんの純資産の運用の中で他人名義を使うあるいは親族名義を使うとかいうような方法で取引を行ったことはありますか。
  296. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) やったことはございます。
  297. 服部三男雄

    服部三男雄君 それは他人名義ですか架空名義ですか、あるいは他人名義であれば全くの他人なのか身内の名前を使ったのか。そして、その他人名義が身内の場合に、その身内のお金なのかそれとも金丸悦子さんが身内の名前を勝手に使っているか、そういった細かいことはわかりますか。
  298. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 金丸悦子様の家族の名義で十口座ほどございました。
  299. 服部三男雄

    服部三男雄君 確認のために再度尋ねますが、家族名義を金丸悦子さんが使っていると。お金は、資産のもとの金は金丸悦子さんのお金だということで間違いありませんか。
  300. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 間違いございません。
  301. 服部三男雄

    服部三男雄君 ちょっと質問を戻らしていただきたいんですが、死亡時三十二億六千万円の資産、債券、株式、いろんなことで資産運用を行っていたという御証言でしたが、その中に、どうもはっきりした説明はなかったけれども、赤坂のビルの売却資金も入っているんじゃなかろうかという御証言でしたですね。  その赤坂のビル売却資金の中でどれくらいの金が金丸悦子さんの資産運用の金に入ってきたかおわかりになりますか。金額です。
  302. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ビルを売りました代金が、これがビルを売った代金というふうに私には区別をすることができませんので、ここではっきりとお答えすることはできません。
  303. 服部三男雄

    服部三男雄君 その家族名義を十口座ということですが、家族名義の名前を具体的に指示したのは金丸悦子さんですか、それとも岡証人がこういう名前を使ったらどうですかというサジェスチョンを与えたんですか。
  304. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 悦子夫人みずからでございます。
  305. 服部三男雄

    服部三男雄君 次に二十億円のワリコーの件について尋ねますが、まず、その時期、金丸悦子さんがワリコーを二十億円買われた時期について明らかにしてください。  それから、その取引の形態。現金で買われたのか、小切手で買われたのか。要するに支払い方法ですね。代金の支払い方法、その場所、それからそのときに金丸悦子さんと証人の二人だけなのかどうか、そのほかに人がいたのかどうか、現金運送はどういうふうにしたのかとかについてお尋ねします。
  306. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の質問多うございましたので整理をしたいと思うんでございますが、まず十億につきましては、既に報道をされておりますとおり、最初の十億は六十一年の十月から十一月にかけましての約一カ月間の間に十億でございます。それから第二回目の十億は平成元年の一月でございます。  支払い方法につきましては、すべて現金でございます。場所は御自宅でございます。  運送は、運送はといいますとどういう意味でございましょうか。
  307. 服部三男雄

    服部三男雄君 例えば小切手であれば封筒に入れてそのまま持って帰ればいいわけです。現金となるとかなりのボリュームになるからということでお聞きしたわけですが、いや、別に、現金で払われたら払われたで結構です。  ちょっと細かい質問になりますが、今、最初の十億は六十一年十月から十一月までの間というのは時期がはっきり特定できないという意味ですか、それとも何回かに分けてという御趣旨でしょうか。
  308. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、先生の御指摘の何回かに分けてということでございます。
  309. 服部三男雄

    服部三男雄君 いずれも元麻布の自宅で、一回目の十億も全部現金デリバリーという趣旨ですね。  二回目の十億、平成元年一月は一回だけですか。一回の届けですか。
  310. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 平成元年の一月の分については一回でございます。
  311. 服部三男雄

    服部三男雄君 そのワリコー、割引債債券は預かりになったんですか、口座をつくっての預かりですか、それとも金丸悦子夫人に直接あなたが渡されたんですか。
  312. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 本券を悦子夫人に直接お渡しをしています。
  313. 服部三男雄

    服部三男雄君 先ほど証人は、委員長の御質問に答えられまして、悦子さんからどうしても名前を出さないでやってくれと言われたというふうな証言をなさいましたが、その十億のワリコーの取引について、金丸悦子さんはこれ以外の言葉を何かおっしゃいましたか。
  314. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 受け渡しをしますときに悦子夫人の方から、これは私の金ではありません、主人の金です、金丸の口座を使わないでくださいと、こういう指示がございました。
  315. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸悦子さんというのは証券とか債券について非常に詳しい方だと先ほど御証言されましたね。ワリコーというのはずっと以前からあるわけですね。  金丸悦子さんはワリコーを過去に買った経験があるようでしたかないようでしたか。
  316. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 買っておられます。
  317. 服部三男雄

    服部三男雄君 経験がある。
  318. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) はい、経験がございます。
  319. 服部三男雄

    服部三男雄君 今、証人は受け渡しのとき、というのは本券の受け渡しですね、のときに、これは私の金ではない、主人の金です、金丸の口座を使わないでくださいと悦子さんはおっしゃったとおっしゃいましたね。  ワリコーを買った経験のある人で本券受け渡しをするという経験があれば、金丸の口座というものはつくる必要はないということを金丸悦子さんはわかっていたんじゃありませんか。
  320. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 証券会社で店頭で買い付けいたします場合におきましても、一応買い付けという手続が要ります。
  321. 服部三男雄

    服部三男雄君 ワリコーに限らずワリシンもそうですが、割引債は無記名が特色ですから買うときに名前を名のる必要はないわけで、金丸という名前を名のる必要は何にもないんじゃありませんか。
  322. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 店頭での買い付けであれば、今先生がおっしゃったとおりのことでございます。
  323. 服部三男雄

    服部三男雄君 証人は、事実、岡三証券で仲介なさったんではなくて、直接日本興業銀行く行かれて店頭で買われたのじゃなかったですか。
  324. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 六十一年十月から十一月の分、平成元年一月の分につきましては当社で買い付けをいたしております。
  325. 服部三男雄

    服部三男雄君 この六十年前後あるいは平成元年前後、金丸悦子さんは株式の取引等でもうかつておりましたか。少なくとも証人が担当された範囲内では大きくもうけておられたですか、あるいは損をしておられたですか。
  326. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 明確にお答えをすることはできませんけれども、大きな損でもなかったように思います。
  327. 服部三男雄

    服部三男雄君 その証言の趣旨は、もうかってないというふうに受け取ってよいのでしょうか。
  328. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ここで当時の株式運用の状況を即座にお答えすることは私としてはできないわけでございますが、大きな損にはなってないだろうと、こういうふうに私は申し上げたわけでございます。
  329. 服部三男雄

    服部三男雄君 証人は、今回、東京地方検察庁でいろいろ事情を聞かれたり、また大事件ということで種々の新聞報道をお読みになったと思うんです。その中に、また先ほど午前中に参考人として見えた日債銀の方から参考人の供述があったんですけれども、この同じ時期に、金丸先生は生原さんを使ったかどうかわかりませんが、生原さんが、パレロワイヤルというところがあるんですね、ビルが、金丸事務所があるところなんです、六〇五号室なんですけれども、そこで五億、六億と、ほぼ同じ時期に生原さんがキャッシュ取引でその事務所の中でワリシンを買っておられるという事実があったんですが、証人は知っておられますか。そういう報道を見ておられますか。
  330. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 全く知りません。
  331. 服部三男雄

    服部三男雄君 先ほど証人は、金丸悦子さんの平成三年度ぐらいには三十二億円の資産運用の取引があったと。そのほかに二十億円、別のワリコーがあると。これは金丸悦子さんの資産ではないと思っていたという、別にしているという証言をなさいましたね。それは、その二十億円はだれの金だと証人は思っておられたんですか。
  332. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 割引債券購入をいたします折に悦子夫人から、この金は私のものではありません、主人のものですと、こういうふうに聞いておりました。
  333. 服部三男雄

    服部三男雄君 証人は、当時ほとんど金丸信先生との面識がないとおっしゃいましたね。奥様、悦子さんから、金丸信先生の個人資産とか個人お金の規模とか個人の土地がどれだけあるとか、そういったことを聞かれたことはありますか。
  334. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ちょっと今聞き取りにくかったわけでございますが、もう一度、恐れ入ります。
  335. 服部三男雄

    服部三男雄君 この昭和六十一年及び平成元年ごろ、金丸悦子さんから、金丸信先生の個人資産、土地だとかお金だとか預金だとか株式だとか、そういったことについて金丸悦子さんからあなたに話がありましたかと聞いているんです。
  336. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) その点についてはございません。
  337. 服部三男雄

    服部三男雄君 そうしますと、証人は金丸信先生の個人財産については全く知識がなかったということになりますか。
  338. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そのとおりでございます。
  339. 服部三男雄

    服部三男雄君 そうしますと、二十億のワリコーが金丸悦子さんの説明から、その言葉を信じて金丸信先生のお金なんだなと、このように認識されたわけですか。
  340. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そのとおりでございます。
  341. 服部三男雄

    服部三男雄君 新聞報道で、金丸悦子さんの関連会社のオルトというところに岡三証券が損失てん補をしたという報道があったんですが、これは金丸悦子さんから証人に対しててん補してくれという要望があったんですか。
  342. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 悦子夫人の方から、長い取引でもございますし何とかしてほしいとの奥様からの依頼がございまして、私といたしましては、現状の維持と将来の拡大ということも考えまして、私限りの判断で処理をいたしました。
  343. 服部三男雄

    服部三男雄君 それは何の取引でどれだけの損が金丸悦子さんにあったからどれだけ損失てん補したんですか。取引の種類と金額と、損失の金額を言ってください。
  344. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 取引金額、損失の額等についてはここで明確にお答えすることはできませんが、余り大きな額ではなかったと、こういうふうに記憶をいたしております。  要は、悦子夫人の希望するといいましょうか、期待しております成果が上がらなかったと、何とかしてほしいと、こういうことだったと記憶をいたしております。
  345. 服部三男雄

    服部三男雄君 取引の種類を言ってください。
  346. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 種類はCBが中心でございました。
  347. 服部三男雄

    服部三男雄君 損失てん補というのは、その証券会社なり担当者が、これはもうかりますよ、必ずもうかりますよという話をするからこそ損失てん補をするので、それでなければ、株だとか何かいろいろやっても、金丸悦子さんは今までもうかったり損したりいろいろやっているわけでしょう。どうしてこのCBに関して損失てん補をしたかというのは、あなたがもうかりますよという約束をしたからじゃないんですか。
  348. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は約束をしたことはございません。
  349. 服部三男雄

    服部三男雄君 それでは、金丸悦子さんが株で損したときに、あなたは全部損失てん補を今までしてたんですか。
  350. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) やっておりません。
  351. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸悦子さんが亡くなった後、金丸先生と会ったとおっしゃいましたね。場所はどこで会われましたか。連絡はだれから来たんですか。
  352. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 平成三年の十二月四日に悦子夫人お亡くなりになりまして、その後、翌年の平成四年の一月であったと思いますが、金丸先生みずから私の方に直接お連絡がございまして、取引状態報告してくれとのお連絡でございました。そこで私資料を作成いたしまして取引状態を御説明いたしました。自宅でございます。
  353. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸悦子さんの元麻布の家へ何度も行っておられたわけですね、過去二十年間の間に。その間に、金丸信先生以外の金丸先生の家族の方とかあるいは秘書の方とかにあなたは何度も会っておられますか。
  354. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 何度か会っていると思いますけれども、余り記憶にございません。
  355. 服部三男雄

    服部三男雄君 平成四年一月に金丸先生から直接連絡があって、悦子さんの取引状態を説明するために元麻布の自宅へ行って金丸先生に会われましたね。そのときに、あなたは二十億円の取引、ワリコーの分についても金丸先生報告しましたね。
  356. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そのとおりでございます。
  357. 服部三男雄

    服部三男雄君 今回、新聞報道によりますと、東京地検特捜部はあなたの自宅にも捜索、いわゆるガサですね、をかけたというふうに報道されているのは間違いありませんか。
  358. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そのとおりでございます。
  359. 服部三男雄

    服部三男雄君 その押収品の中に、あなたの営業日報とか営業メモとか旧記帳とかがありましたか。
  360. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ただいま先生のお話のような営業日報ではございません。
  361. 服部三男雄

    服部三男雄君 では端的に聞きますが、昭和六十一年の何回かの取引で、二十億の現金というもの、その一万円札に帯封とかついていましたか。もしついていたならば、その帯封についていた銀行の名前とか年月日をあなたはメモしたものはありましたか。そのメモは今回検察庁に押収されましたか。
  362. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 集金をいたしました折の現金の帯封、その点についてのチェックは私は全く行っておりません。
  363. 服部三男雄

    服部三男雄君 金丸信先生の秘書の生原元秘書と面識がありますか。あるいは生原氏とのワリコー、ワリシンに関する取引あるいは株式の取引はありますか。
  364. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 生原さんとの面識は、悦子夫人の相続問題が出まして、その全容といいましょうか、その全体の数字を生原さんの方に、事務所にお届けをいたしました。そのとき初めて会ったわけでございます。
  365. 服部三男雄

    服部三男雄君 取引について。
  366. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 取引についても知りません。
  367. 服部三男雄

    服部三男雄君 ない。
  368. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) はい。
  369. 服部三男雄

    服部三男雄君 終わります。
  370. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 以上で服部君の質疑は終わらせていただきます。  喜岡淳君並びに角田義一君。
  371. 喜岡淳

    喜岡淳君 社会党の喜岡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  さっきの証言、お話を聞いておりまして、岡証人は五十三年の取締役就任以来今日まで十数年間ずっと役員を続けてこられておったわけですが、金丸悦子さんとの取引については一切報告会社にしていなかったと。これは極めて不自然でございますが、間違いではないんですか。
  372. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は現在役員ではございますけれども、悦子夫人にお会いいたしましたとき新宿支店長でございまして、一担当者といいましょうか、窓口担当者というような気持ちで最後までお取引をいたしておりましたものですから、そういう関係でございまして、役員というような気持ちで担当はしていなかったわけでございますから報告もしていないわけでございます。
  373. 喜岡淳

    喜岡淳君 それから、さっきの発言の中に、私限りである、個人取引だということを述べておられますけれども、あなたは会社がきちっと与えた役職者、肩書のある方でございます。そういった肩書のある方が、これは個人のことであって会社とは関係ないというようなのは全く世間では通用しないことでございます。そうじゃないですか。
  374. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ただいまの先生の御質問ではございますが、本当にそうでございます。
  375. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたは非常に速いスピード出世をされております。普通の証券マンの倍ぐらいのスピードじゃないかと思いますけれども、一体どういうふうな業績を上げられて入社七年目にして姫路の支店長になられたんでしょうか。
  376. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は誠意を持って御客様とのお取引をやってきた、そういうふうに思っております。
  377. 喜岡淳

    喜岡淳君 誠意を持って頑張られたということでございますが、あなたは入社後、堺支店を初め関西方面で名うての営業マンとしてどんどんどんどん業績を上げられておりますね。そういうことがきっかけになって私は異例の出世をされたというふうに思います。  関西方面で勤務をされておった入社当時、年間どれくらいの業績を上げておられましたか。
  378. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 関西時代といいましても随分古うございますので、今ここでお答えするには資料もございませんのでお答えすることできません。
  379. 喜岡淳

    喜岡淳君 まあ、入社七年目にして姫路支店長、そして九年目にはいよいよ東京の新宿支店長と非常に順調に出世をされておりますが、先ほどの証言の中で、金丸悦子氏との出会いについて、兄の友人の紹介で知り合ったということでございましたけれども、これは本当ですか。
  380. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そうでございます。
  381. 喜岡淳

    喜岡淳君 その友人はどういう方かお話しください。
  382. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほども申し上げましたように、その友人の名前は覚えておりません。
  383. 喜岡淳

    喜岡淳君 いや、名前を聞いているんじゃないんです。どういう方だったか聞いておるんです。覚えておるでしょう、それぐらいは。
  384. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 本当にわからないんです。
  385. 喜岡淳

    喜岡淳君 何な言えない理由があるんでしょうか。理由を言ってください。
  386. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 特段、紹介の方がやや問題があるというようなことでは全くないわけでございまして、私の記憶に今御紹介いただいた方が浮かばないと、こういうことでございます。
  387. 喜岡淳

    喜岡淳君 女性だったですか、男性だったですか。
  388. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 男性でございます。
  389. 喜岡淳

    喜岡淳君 それはあなたの会社関係者ですか。違いますか。
  390. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私の会社関係ではございません。
  391. 喜岡淳

    喜岡淳君 違いますね。  それでは、まあこれについてはあなたが固辞するわけですから、言わないわけですから、私は非常に大きな疑惑を持ったままでございます。正当な事由をあなたは一切述べていないですね。なぜ言えないのかという理由は一切言っていないですよ。  もう一回理由を言ってください。
  392. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先生の御質問でございますが、本当に記憶がないわけでございます。
  393. 喜岡淳

    喜岡淳君 金丸悦子さんの趣味の中には能とか陶芸ということが言われておりますし、岡三証券の加藤精一社長の趣味も陶芸ということが書かれております。加藤精一社長夫人の趣味も能とか陶芸とかいうことが言われております。加藤社長の夫人と金丸悦子さんがそういう能仲間、陶芸仲間ということで、あなたを紹介したんじゃないんですか。
  394. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 違います。
  395. 喜岡淳

    喜岡淳君 それでは、あなたが新宿支店長時代の最初取引を悦子夫人とやったとき、その一番最初取引内容について教えてください。
  396. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 初めての取引は、鮮明ではありませんけれども、多分ソニーの株式の購入であったと、そういうふうに記憶いたしております。
  397. 喜岡淳

    喜岡淳君 金丸夫人は非常に財テクには精通をされておったということでございましたが、あなたとの取引の中でどのような株の取引をされておりましたか。
  398. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 悦子夫人は、二十年の取引の中では、前半の十年ぐらいはどちらかといいますと株式の取引が多かったように記憶をいたしております。後半の十年につきましては債券の方にシフトされたようでございまして、もちろんこれはリスク回避のためでもございますけれども、特に先生の今御指摘の件につきましては、すべての判断を奥様みずからがされておりましたものですから、私どもはその指示に従ってやっていたわけでございます。
  399. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたの会社でもいわゆる政治銘柄というのを扱っておられますけれども、そういう銘柄は奥さんとの取引で扱われましたか。
  400. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 全く扱っておりません。
  401. 喜岡淳

    喜岡淳君 それでは、金丸夫人との取引の具体的な様子についてお伺いいたします。  金丸夫人との取引に当たっては口座をつくっておりましたか。
  402. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) つくっておりました。
  403. 喜岡淳

    喜岡淳君 口座には口座番号というものがございますが、あなたが当時、新宿支店長時代、その店での口座番号はどういうふうにしてつくるルールになっておったですか。
  404. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、先生の御質問でございますが、口座番号は具体的にどういう形でつくっていたかということについては私はっきりここでお答えすることができないわけでございますが、口座はございました。
  405. 喜岡淳

    喜岡淳君 口座は何けたの番号になるでしょうか。
  406. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 質問ではございますが、ちょっと私にはわかりませんので、御承知ください。
  407. 喜岡淳

    喜岡淳君 新宿支店の場合は、口座番号で言いますと支店を示す番号はどういうふうになりますか。
  408. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 何番という番号ですけれども、それが私にはちょっと現在記憶ございません。
  409. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなた、支店長でしょう、当時。知らないわけがないと思いますよ。
  410. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は新宿の支店長ではございましたが、二十一年前でございますし、現在、番号はございましたけれども、記憶ございません。
  411. 喜岡淳

    喜岡淳君 口座番号は九けたになるんじゃないですか。違いますか。
  412. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) はっきり記憶しておりません。
  413. 喜岡淳

    喜岡淳君 口座をつくる場合、少なくともその番号はどういう構成要素によってできますか。例えば、常識的に考えれば、どの店のものかを示す店の番号とかそういうものは当然含まれると思いますけれども、あなたの岡三証券のことですからね、あなた営業畑の専門家だと言っておる、わからないわけないですよ。  口座番号のつくり方について大まかどういうことになっておるのか、これだけでも教えてくださいよ。
  414. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 明確にはここでお答えすることできません。
  415. 喜岡淳

    喜岡淳君 そういう、委員長、ずっと続いていますね。私は非常に困りますね、こういうことを言われますと。  じゃ、私が新宿支店に口座を開く際に私の口座の頭は三九一という数字になりますか。
  416. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の先生のお答えに何度も答弁をしているわけでございますが、そこら辺はっきりお答えすることができないわけでございます。そこら辺ちょっとわからないわけでございます。
  417. 喜岡淳

    喜岡淳君 三九一は新宿支店を示すのか、示さないのか。あなた、支店長だったでしょう。
  418. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は支店長ではございましたけれども、間違ったお答えを申し上げるのはいけませんので、明確にお答えすることができないということを申し上げているわけでございます。
  419. 喜岡淳

    喜岡淳君 それじゃ、最初の三けたは支店番号を示す数字であるのか否か、これだけ答えてください。
  420. 遠藤要

    委員長遠藤要君) できるだけお答えを願いたいと思います。ややともすると証言拒否の形になってはかえって迷惑だろうと思いますので、答えられる点は答えてほしい。
  421. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) この件につきましては後ほど答えさせていただきます。
  422. 喜岡淳

    喜岡淳君 拒否をされるということですね。
  423. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) いや、お答えしますけれども、今ここでお答えできませんものですから。
  424. 遠藤要

    委員長遠藤要君) わからないのかね、本当に。委員長としてちょっと照会しますが、あなたが本当に記憶がないのか、それとも正確な答えができないから……
  425. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) いや、正確な答えができないから申し上げているわけです。いやい多分そうであろうと、多分そうであろうと思いますけれども、多分そうであろうと思いますけれども、正確でないからお答えできないわけでございます。
  426. 喜岡淳

    喜岡淳君 否定をしないということですね、今のは。したがって、三九一という頭の三けたは新宿支店を示す口座番号でございます。  その次に二けたの番号がありますか。
  427. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は正直に申し上げているわけでございまして、本当にそこら辺がわからないわけなんです。
  428. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたは、わからないとか覚えていないのではなくて、この議論が進むと困ることがあるんじゃないんですか、口座番号問題を触れると。そういうことは一切ありませんか。
  429. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今御質問の件に関しては全くございません。
  430. 喜岡淳

    喜岡淳君 それでは、三九一-九八という口座は当時ありましたか。
  431. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) あったかどうかについては明確にお答えすることができません。
  432. 喜岡淳

    喜岡淳君 それは、なかったという否定ではないと思います、今のお答えはね。三九一-九八、そしてあと四けた続く番号、この口座番号がなかったとは否定されないわけですね。
  433. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の御質問につきましては、否定する否定しないではなくて、私には明確にお答えすることができないので、ここでのお答えは明確にお答えができないということで御了承願いたいと思うわけでございます。
  434. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたが答えられない理由は、三九一-九八という口座番号は新宿支店が扱っておる金丸氏の特定口座ということを示しているから言えないんですか。
  435. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そういうことではございません。
  436. 喜岡淳

    喜岡淳君 三九一-九八、そしてあと四けたが続いていくわけですが、これは金丸氏の特別九八コードということではないと断言されるわけですね。
  437. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 実は、先ほども申し上げましたように、金丸信先生の口座というのはないわけでございます。奥様の私用名義としての金丸信先生の口座はございましたけれども、信先生みずからの口座はないわけでございます。
  438. 喜岡淳

    喜岡淳君 それでは、金丸夫人とあなたとの取引の中で金丸夫人はいわゆる巨額な金を持ち込んできたわけですけれども、あなたはその取引に、膨大なお金ですよね、数十億円というのは、疑問を感じたことはなかったですか。
  439. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 金額、二十億円でございました。二十億円でございますから、大きな資金ではございましたけれども、大変地位の高い方でもございますので、どういう資金がということは、後ほど悦子夫人の方から主人のものですということは聞きましたけれども、それ以上のことはわかりませんでした。
  440. 喜岡淳

    喜岡淳君 昭和五十年代、あなたはどんどんどんどん出世街道を上っておられます。当時、金丸氏もその歩調と合わすかのごとく政界で出世を続けておったはずであります。  昭和四十九年、金丸氏、国土庁長官就任、五十一年、証人、あなたは第二営業部長を兼任されております。翌年五十二年、金丸氏は防衛庁長官に就任をされ、その年あなたは東京地区本部長付の部長を兼任されております。五十四年にはあなたは取締役に就任をされております。弱冠四十一歳です。五十八年に金丸氏は自民党総務会長に就任をされております。五十九年に金丸氏は自民党幹事長就任、そしてあなたは六十年に常務に就任をされておりますが、これは両者の上昇ぶりが一致するというのは全く偶然だったんでしょうか。
  441. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 全く関係ないと思います。
  442. 喜岡淳

    喜岡淳君 八六年に金丸氏は副総理に就任をされて、十月にはワリコーを十億円分購入されております。あなたが専務になった年ですね、その年の年末には。翌年八七年七月には経世会が結成をされております。この年十一月に金丸氏は経世会の会長に就任をされておりますが、二年後の八九年一月にさらにワリコーが新たに十億円購入されております。  そこで、この十億円のワリコーの取引について、まず八六年の十億円の取引について具体的に教えていただきたいと思います。どういうふうな御依頼があったのか、それについてお尋ねいたします。
  443. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほども申し上げましたように、悦子夫人の方から連絡がございまして、割引債券を買ってほしいと具体的な指示がございまして、この金は私のものではありません、主人のものです、金丸の名前が出ないように、そういう口座で買ってほしいと、そういう具体的な指示がございました。  六十一年の十億につきましても、それから平成元年の一月の十億も、同じようなやりとりの中での二十億でございます。
  444. 喜岡淳

    喜岡淳君 金丸氏は八六年に購入したワリコー十億円を去年の夏換金されたということでございましたね、さっきの話では。金丸氏はどういうことで換金するというふうに言ってきたんですか。
  445. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先生は参議院選挙資金だというふうに言われたと私は記憶しております。
  446. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたは営業マン畑をずっと歩んできないわゆる立志伝中の人物ですね。営業マンは当然、まあそんなこと言わずに継続してお願いしますというふうに食い下がったんですか。
  447. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) それはどういう意味でございましょうか。
  448. 喜岡淳

    喜岡淳君 金丸氏は、この十億円の換金に当たっては、現金にしてくれと言ったのですか、それとも小切手にかえてくれと言ったんですか。
  449. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 現金にかえてくれとの御指示でございました。
  450. 喜岡淳

    喜岡淳君 現金の確認の問題についてですが、十億円といえばかなりの金額ですね。ダンボールに詰めてきたんでしょうか。どういうふうにして十億円もの現金を運んだんでしょうか。
  451. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 御自宅の方に現金で運びました。
  452. 喜岡淳

    喜岡淳君 自宅というのは元麻布だろうと思いますが、そこへ十億円を持って行った日にちですね、何日の午前とか午後とか夜とか、いつ持って行かれましたか。
  453. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 平成四年の六月でございます。
  454. 喜岡淳

    喜岡淳君 何日ですか。日にちを聞いているんですけどね。
  455. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 何日かということです。
  456. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 六月の半ば過ぎていたと思います。
  457. 喜岡淳

    喜岡淳君 六月の半ばに元麻布の金丸邸へ十億円を届けたと。
  458. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 半ば過ぎでございます。
  459. 喜岡淳

    喜岡淳君 半ば過ぎに十億円を届けられたと。そのとき、金丸邸でその十億円はだれに渡されましたか。
  460. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 金丸信先生本人でございます。
  461. 喜岡淳

    喜岡淳君 本当に御本人に渡されましたか。
  462. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 本人でございます。
  463. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたが金丸邸へ行ったときに、お金を渡したのは別の人じゃないんですか。
  464. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) もう一人……
  465. 喜岡淳

    喜岡淳君 間違っていたら訂正して。
  466. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) もう一人の方いらっしゃいましたけれども、名前ははっきり覚えておりませんので。先生がお立ち会いでございました。
  467. 喜岡淳

    喜岡淳君 もう一人の方というのはどんな感じの方だったですか。
  468. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) はっきりは覚えておりませんけれども、先生の立ち会いでやっております。
  469. 喜岡淳

    喜岡淳君 立ち会ったのが金丸氏だというのはわかりました。もう一人いたという人は男性か女性かは記憶にございますか。
  470. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 男性でございます。
  471. 喜岡淳

    喜岡淳君 その場所に女性の方は一人もいませんでしたか。
  472. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) いらっしゃいませんでした。
  473. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたが金丸邸に十億円を運んだときに、そこに金丸氏の長男の奥さんであります一子さん、その方はいらっしゃいましたか。
  474. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) いらっしゃったかどうかはわかりません。
  475. 喜岡淳

    喜岡淳君 この一子さんは竹下元首相の長女ですね。一子さんに十億円を渡したんじゃなかったんですか。
  476. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 違います。
  477. 喜岡淳

    喜岡淳君 いたかどうかははっきりできますか。
  478. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) いらっしゃらなかったと思います。
  479. 喜岡淳

    喜岡淳君 思いますということよりも、はっきりと思い起こして言ってください。
  480. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私はお顔を拝見しておりませんので、その場でお顔を拝見しておりませんので、いらっしゃったかどうかわからないということを申し上げているわけでございます。
  481. 喜岡淳

    喜岡淳君 十億円を持っていったときに、どういう人たちが引き渡したときに立ち会われましたか。今、金丸本人が立ち会われたと言った。あとどういう方がそこにいらっしゃいましたか。
  482. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私と先生ともう一人の男性の方でございます。三人でございます。
  483. 喜岡淳

    喜岡淳君 もう一人の男性の方というのはどういう方でしょうか。
  484. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私にはっきりわかりません。
  485. 角田義一

    ○角田義一君 角田でございますけれども、十億円という大変なお金現金にして持っていかれたわけですけれども、今、証人の証言の表情をうかがっておりますと、私は金丸先生にお渡しをしたんじゃないんじゃないかと思うんですがね。金丸先生はおられなくて、一子さんという女性がおられた。その女性にお渡しになったんじゃないでしょうか。
  486. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほどから何度も私、繰り返しておりますけれども金丸先生ともう一人の男性の、と私の三人でございまして、女性の存在はございません。
  487. 角田義一

    ○角田義一君 普通、仮に十億円という大変な現金を渡すときに、金丸先生はあなたも御存じだと思うけれども、もう一人の男性について普通ならこれはこういう人物だと、君ひとつ安心をしてくれという話があってしかるべきじゃないですか。それにもかかわらず、あんたは全然それ知らない、存じない、不自然じゃないですか。むしろ、本当に女性お一人にお渡しになったんと違いますか。
  488. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は一度しか面識がございませんものですから、この方がどなたかということはわからないんでございますが、多分長男の康信さんだったと思います。
  489. 角田義一

    ○角田義一君 私の方のいろいろの調査によりますと、竹下元総理のお嬢さんであります一子さんお一人にあなたの方でお渡しになったと、こういうふうに私ども調査では理解しているんですけれども、もう一度お尋ねします。一子さんお一人にお渡しになったんと違いますか。
  490. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 一子様には全くそういう現金の受け渡しはやっておりません。今申し上げましたように、私は一度しか会っておりませんものですから、多分、康信さんに間違いないと。先生と康信さんと私でございます。
  491. 角田義一

    ○角田義一君 多分というのは、多分に今度はなったんですけれども、本当のことを言ってくださいよ。だんだん証言がおかしくなってるじゃないですか。
  492. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) じゃ、多分、取り消しさしていただきますが、一度しか会っておりませんものですから、この方が康信さんということを明確に言うことができなかったから多分ということになりましたけれども、私と先生と康信さんでございます。
  493. 角田義一

    ○角田義一君 金丸信先生から一子に渡してくれと、こういう指示があって、そして一子さんにお渡しになったのと違いますか。
  494. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の御質問でございますが、一子さんの存在はございません。
  495. 喜岡淳

    喜岡淳君 あなたは、金丸夫人との取引の中で、いわゆる金丸さんの企業と言われるところ、いわゆる二十社ぐらいあるようですけれども、そういうところとはかなりの取引されておりましたか。
  496. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 取引をいたしておりません。
  497. 喜岡淳

    喜岡淳君 取引していないことないでしょう。オルトはじゃどうなるんですか。
  498. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 一時期オルトは取引をいたしておりました。
  499. 喜岡淳

    喜岡淳君 だから、取引があったわけじゃないですかね。  最後にお尋ねいたします。  あなたは、十数年間かかって金丸夫人との財テクをやってきたということでございましたけれども、この金は本当はいわゆる金丸さん、竹下さん、小沢さん、この世間で言うところの金丸ファミリーの金ではなかったんでしょうか。さらに、実は経世会の軍資金づくりの役割をあなたが中心的にやっておったんではないだろうかと、私はそういうような印象を持っておるわけです。  今日、金丸氏が逮捕されて、いわゆる小沢新党つぶしということがマスコミ報道されておりますけれども、それは実はこの財テクによってつくられた巨額な金の存在こそがその大きな引き金になったんではないだろうか、私はこういうふうな印象を持ったわけでございますけれども、この点についてはっきりとした証人のお考えを聞かせてください。
  500. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今御質問の先生の件でございますが、全く違います。
  501. 喜岡淳

    喜岡淳君 以上です。
  502. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 喜岡、角田両君の質疑は終了いたしました。  ちょっと皆さん、暫時休憩します。    午後二時三十六分休憩      ――――◇―――――    午後二時三十八分開会
  503. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 再開いたします。  和田君。
  504. 和田教美

    和田教美君 証人のただいままでの発言を聞いておりますと、二十年来の金丸夫人との深いつき合いということは認められましたけれども、自民党金丸前副総裁との関係については、二十億、十億、十億の割引債券購入のほかに、それを現金化したときの受け取りのときに金丸前副総裁がいたということと、それからそれ以後は夫人が亡くなってから遺産の問題で金丸前副総裁に報告したということ以外にほとんどつき合いがなかったということになりますけれども金丸前副総裁と一体いつ初めてお会いになったんですか。
  505. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 二十年近く金丸邸に出入りをさせていただいているわけでございますから、全くの面識がないということではございません。ただ、お会いいたしましてもあいさつする程度ぐらいでございまして、実際のお取引その他でのお話をするということがなかったということでございます。
  506. 和田教美

    和田教美君 しかし、世間の評価は大きく違っておるわけで、マスコミなどでは、あなたは金丸家の財テク相談役、指南役などと呼んでおります。そして、単に割債取引だけでなくて資産運用全般にわたってかかわっていたというふうな報道が行われておりますが、このマスコミの見方をあなたは否定されますか。
  507. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) マスコミのそういう報道でございますが、私は指南役でも何でもございませんで、先ほどから再三申し上げておりますけれども、悦子夫人は本当に証券に明るく、精通された方でございまして、みずからの判断によってお取引をされていたと。もちろん私が全くアドバイスをしなかったわけではありませんけれども、そういう最終的判断を常に奥様みずからがなされていたと、そういうことでございます。
  508. 和田教美

    和田教美君 悦子夫人は、八六年十月、八九年十月にそれぞれ金丸前副総裁が買った十億円、合計二十億円の割引債券について、これは主人の金だと、だから金丸の口座は使わぬでくれというふうなことを言っていたというふうにさっき証言をされました。つまり、債券運用を極秘でやってくれということだったんだと思います。  そこで、あなたは全国の岡三支店も含めて金丸前副総裁用の仮名口座を設けたと。そして、その口座数は一体どれくらいだったのか。それから、この間、岡三の副社長の今仲さんの記者会見によると、これは証人が独断でやったことであって会社は全く関知しないんだということを言っておりました。今の証言でもそういうことをあなたは認められたようですが、それは事実でございますか。
  509. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の質問は幾つかあるようでございますが、まず全国支店に割引債券購入の発注をしたというような新聞記事等が出ておりましたけれども、それについてまず申し上げたいわけでございますが、これにつきましては、悦子夫人の方からとにかく名前を出してほしくないというような厳しい指示がございましたものですから、やむを得ず小口分散をしたわけでございます。ただ、それにつきましては東京都中心に、地方はわずかでございますが、東京都中心に複数の支店、口座を持って買い付けたということでございます。  今、具体的な数字というような御指摘が先生の方からございましたけれども、それにつきましては、私自身は、悦子夫人からそういう指示を受けまして、私が信頼する部下にそうした指示はいたしておりますけれども、具体的にどういう形で処理したかということは、節目節目の報告は受けておりますけれども、具体的に細かい数字までは報告を受けていないわけでございまして、そこら辺はここでお答えすることができないと。ただ、今申し上げましたように、東京都内を中心とした複数の支店、口座で買い付けたことは事実でございます。  それから、今御質問の中で副社長の今仲の会見でございますが、私は先ほどから何度も申し上げておりますけれども、役員という立場を離れまして一営業窓口担当者という形で悦子夫人との取引を接しておりましたものですから、私の判断ですべてやっておりました。
  510. 和田教美

    和田教美君 悦子夫人が亡くなった後、その遺産整理で、金丸家の家人が全く知らなかったのにあなたがどこかに金の地金があるはずだというふうに指摘されて、悦子夫人の自宅の床下から金の地金約六十五キロが出てきたという報道がございます。  悦子夫人が金を買っていたということをあなたはどうして知っていたのか、あるいはあなた自身がこの取引関与しているのか、お答え願います。
  511. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 報道については幾分かの違いがあるかもわかりませんが、金を購入したことは事実でございます。ただ、悦子夫人の名義で買ったという記憶が私にはございます。
  512. 和田教美

    和田教美君 悦子夫人の名義で買ったというんですね。金丸前副総裁の名前ではないということですね。
  513. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そうでございます。
  514. 和田教美

    和田教美君 現金で、その証券を現金化した場合に、現金で届けたと、十億の分はですね。そういうふうにあなたはお答えになりましたけれども、それは、いや、いや証券を、失礼、訂正します。  証券を買う場合に、十億のを買う場合に、あなたの方から証券を自宅に持ち込んだということなんですけれども、その場合に一千万円券で大体準備したというふうな報道がありましたが、しかし、割債というのは一万円から五千万円まであるわけですが、五千万円券なんというのは入っていなかったんですか。
  515. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私どもが取り扱いました券面の中には五千万円券はございません。
  516. 和田教美

    和田教美君 九〇年十月に大蔵省の通達で、三千万を超える債券取引には原則的に本人確認が必要だということなどその手続が非常に厳格になったということで、どうも金丸副総裁、金丸ファミリーが非常にそれを、資産運用がばれるのを避けるために、取引口座の小口分散化をやったということが言われております。そうして、あなた方がそれを手伝ったと。  あなたとあなたの部下が割引債券の買いかえのときに岡三証券を通さずに、そうしてあなたの部下の担当者を興銀などの他の銀行の窓口に回らせて、そうして何回も三千万円以下の小口の購入をしたということが言われておりますけれども、それは事実ですか。
  517. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 事実でございます。
  518. 和田教美

    和田教美君 それでは岡三証券には手数料が入らずに、そうして無償の手伝いをしたということになりますけれども、幾らサービスといってもそれほどのサービスをしなければいけなかったんですか。
  519. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 手数料ということを考えて仕事はやっておりませんでした。
  520. 和田教美

    和田教美君 手数料を考えずに何を考えているんですか。手数料がもうけじゃないですか。
  521. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の御質問でございますが、先ほどから数回、私申し上げておりますけれども、とにかく名前が出ないようにして買い付けてくれというような御指示でございましたものですから一そういうことで私どもとしては取り扱ったわけでございまして、手数料云々の問題ではなく、とにかく先方の指示に従いましてそういうふうにやったわけでございます。
  522. 和田教美

    和田教美君 十億円という巨額の債券を売買する場合に、普通に決まっている利子、割引債券の、これがあると思うんですけれども、そのほかに特別の利子、特利を上乗せしてつけたですか。そういうことは全く今度の場合なかったですか。
  523. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今御質問の特別利益というようなお話ですが、私は全くそういうものは知りません。
  524. 和田教美

    和田教美君 これ非常に不可解なことが言われておるんですが、金丸前副総裁が八六年に買った十億円のワリコーは、九二年六月ごろに岡三証券の担当者らを金融機関の窓口に行かせて現金化したということは先ほどから認められました。  さらに、八九年一月に岡三証券から買った十億円のうちで五億円分について、九二年の夏に要するに現金化してくれという話があって、そして同じ顔ぶれの担当者金融機関の方をあちこち回って現金化をした。ところが、余り同じ担当者が何回も金融機関の窓口に顔を出すので金融機関の方でおかしいと思って追跡調査をするというふうなことがあって、結局持っている本人金丸前副総裁であるということがわかっちゃ困るということですぐ買い戻したというふうなことがあったというふうに書かれておりますけれども、それは事実ですか。
  525. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の先生の御質問でございますが、そういうふうには全く思っておりません。
  526. 和田教美

    和田教美君 金丸前副総裁以外に岡三証券で債券あるいは株などの大口取引をしている政治家、そういう者はいますか。いたら大体どのくらいおるか、あるいは具体的なできれば名前を述べていただきたいと思います。
  527. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私の知る限りにおきましては全くございません。
  528. 和田教美

    和田教美君 全くございませんか。  あなたは金丸前副総裁とはほとんどとにかくこの二十億以外には深いかかわりはなかったということをこの証言を通じて盛んに強調されたわけですけれども、しかし結果的には、あなたがこの金丸ファミリーあるいは金丸前副総裁の資産隠し、脱税工作というふうなものに結果的には協力したということにならざるを得ないわけでございますけれども、それだけに岡三証券としてもあるいはあなたとしても社会的責任というものを痛感しなければいけないと思うんですけれども、あなたはその点についてどうお考えですか。
  529. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は、当時あの資金が、あれだけ地位の高い方でございますから、あの資金が税を逃れるための資金であるということの認識は全くございませんでした。ですから、私といたしましても、そういう脱税に関与しているという認識もなかったわけでございます。
  530. 和田教美

    和田教美君 終わります。
  531. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 和田君の質疑は終了しました。  次に、寺崎昭久君の質疑を行います。寺崎君。
  532. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 先ほど証人は、六十一年、平成元年のいわゆる金丸資金二十億について私限りで金融債を買うなどの運用を図ったということをおっしゃいましたけれども、最近の報道によれば、割引債の運用を隠すために全国の支店に金丸氏用の仮名口座を設けだというような報道がございますけれども、岡三証券というのはそういうことが簡単にできる会社なんでしょうか、お尋ねします。
  533. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の御質問でございますが、六十一年当時の十億、六十二年、六十一年当時の十億、平成元年一月の十億、計二十億でございますが、当時につきましては、本人確認の義務がなかったわけでございます。ですから、そういう認識を持って私のごく親しい社員に指示しましたところ、そういう処理になっておるということでございます。  ただし、今先生御指摘の全国ということはやっておりません。
  534. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 ちなみに、その小口に分けた口座というのは幾つあるんでしょうか。
  535. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今申し上げましたように、私が非常に親しくいたしております社員を使ったために、いかほどの状態でしたかということは明確に報告を受けておりませんし、その点ははっきり申し上げることができないわけでございます。
  536. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 かりそめにも二十億という大金を、いかに部下や友人を使ってとはいえ、だれがどこに幾ら口座を持って、そこにお金が幾らたまっているのかというのを知らないということは大変不自然に思われますけれども、もう一度思い出していただけませんか。
  537. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今申し上げたように、私の信頼する社員にやらしておりましたので、明確な報告は受けてないわけでございます。
  538. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 押し問答になりますから、次の問題を伺います。  これも先ほどの証言の中で出たことでありますけれども、オルトに対する損失補てんというのは金額では幾らでしょうか。
  539. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 既に発表されておりますので、二千百万前後だったと記憶をしております。
  540. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 二千百万というのは損失補てんの中でも大金に属する部分ではないかと思いますが、これは岡三証券の上位何番目ぐらいに当たるんでしょうか。
  541. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今すぐここでお答えすることはできないわけですけれども、さほど。  お答えすることはちょっと今できません。
  542. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 損失補てんするには当然それなりの基準があると思うんですが、この二千百万円損失補てんをするというのは、どの程度取引、あるいは株で損をさせたのかその他のことで損をさせたのか、その辺のことを御説明いただけませんか。
  543. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほども申し上げましたが、CBで幾分かの損が出たわけでございます。
  544. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 当時は日本経済はバブルの真っただ中にあったわけでございます。利回りということを考えるんであれば株だとか土地に投資するというのが一番有効な方法だと思いますが、そうしたことはあなたは金丸夫人あるいはファミリーに推奨されたことはありませんですか。
  545. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほども申し上げましたように、後半の十年といいましょうか、相当多くの金額になってまいりましたので、リスク回避のためからも債券へのシフトをしていったわけでございます。もちろん奥様の御希望でもございますし、そういう判断を悦子夫人がされたわけでございます。
  546. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 通常、株式の取引あるいは土地の取引をやりますと名前が表に出ると思いますけれども、そういうことを恐れた、回避したということはございませんか。
  547. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そういうことは全くございません。
  548. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 悦子夫人が亡くなられたときにあなたの手元に任されているというか、運用されていた三十二億五千万円という先ほどのお話でしたが、それはその後どういうふうになっているんでしょうか。
  549. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 奥様がお亡くなりになりました後、金丸信先生の方に御報告を申し上げまして、それ以降につきましては先生の指示に従いましてしております。ですから、具体的に今どういう状態がということは、ここで申し上げることはすぐにはできないわけでございます。
  550. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 金丸先生の指示に従ってとおっしゃる以上、指示があったはずですからそれを言ってもらえませんですか。今あなたの手元にあるのかどうか、それ宣言ってもらえませんか。
  551. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 悦子夫人から金丸信先生口座へ口座の移動の手続をお亡くなりになりましてからしているわけでございますが、その後税金あるいは寄附等をその口座から出しております。
  552. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 終わります。
  553. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 寺崎君の質疑は終了させていただきます。  次に、有働正治君。
  554. 有働正治

    有働正治君 今日、企業としての社会的責任が企業や団体からの政治献金、裏金、あるいは脱税の幇助の問題として問われています。特に金丸の金というのはただの金ではないわけであります。金丸がワリコー等を購入した不正蓄財の金というのは国民の税金で搾り取ったものであります。つまり税金である公共事業を食い物にして大手ゼネコンにもうけさせ、あるいは佐川などからやみ献金させ、それを不正に蓄財、そして脱税を行ったものであります。  それにあなたの会社は加担し、手助けしたということになるわけでありますけれども、その責任、今日から見てどうお考えでいらっしゃいますか。
  555. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の先生の御質問でございますが、当社といたしましては加担したというつもりは全くございません。
  556. 有働正治

    有働正治君 そういうごまかしが通用できるものでありません。あなたは専務であります。いろいろ先ほどから述べておられますけれども、それを国民が信用するものではありません。専務が先頭に立って、金丸担当二人の体制までとって小口分散等をはかり隠し事をやって面倒を見ていたというわけであります。ほうっておけばやっぱり利潤追求のためにはあなた自身を含めまして不正しても構わぬということになる、そういう企業の本質が示されている事件だと私は考えるわけでありますけれども、いかがでありますか。
  557. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 先ほどから何度も私は申し上げておりますが、私が昭和四十七年の五月に新宿支店長当時に悦子夫人とのお取引ができましてから二十年近い取引があるわけでございまして、私は、要は一担当者、役員ということではなく一担当者として金丸悦子様の運用をやってきたわけでございまして、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  558. 有働正治

    有働正治君 理解できません。通常、商取引であれば一人の担当で、証券マンに聞いても、済むと。それをあなた方は三人体制までとっているというのは、社としてしかるべく重視したあらわれでもあるわけであります。  ところで、企業から自民党は政治献金を受けていますけれども、あなたの会社は、元会社と申しましょうか、金丸だけでなく自民党とも結びつきを持っています。表の金、裏金を含めまして、どれくらいの政治献金を行っているんでありましょうか。
  559. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 裏の方は全くございません。表の方につきましても、私はここではわかりません。
  560. 有働正治

    有働正治君 私の調べでは毎年五百万円を超える政治献金を自民党の政治指定団体に、国民政治協会に行っているわけであります。一九八九年から九一年の三年分で約一千六百万円であります。いかに自民党との結びつきが深いかの一つのあらわれであります。あなたの企業の規模から見ましても非常に大きいものであります。財界人や企業人の言い分というのは、見返りを求めない政治献金等はあり得ないということを繰り返し強調しています。そのとおりだと思うんです。見返りというのは何であったんでありますか。
  561. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ございません。
  562. 有働正治

    有働正治君 ほかに金丸のように面倒を見ている政治家というのはいませんでしたでしょうか、おたくの企業の場合。
  563. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の先生のお話でございますが、金丸先生の方もそういうことはやってないわけでございまして、ほかの先生もございません。
  564. 有働正治

    有働正治君 きちんと会社として調査して、疑惑が持たれているわけで、結果を明確に公表すべきだと私は思うんですが、いかがでありますか。
  565. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) そのようなことをしておりませんので、お答えができないわけでございます。
  566. 有働正治

    有働正治君 先ほどから私個人の責任だということをしきりに強調されています。三人で金丸事務所金丸関係を担当していたということは事実であると思いますが、いかがですか。
  567. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私がごく親しくしております者に依頼し、処理をさした、これは事実でございます。
  568. 有働正治

    有働正治君 それはあなたの企業の人物であるわけで、三人の担当を配置するというのは会社がよほど重視していたことの明白なあらわれであります。しかも、いろいろ理由を述べられますが、あなたは専務としての肩書もあるわけで、こういうのは尋常考えられない体制とサービスだということが言えるわけでありますけれども、いかがですか。
  569. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私の親しくしております社員ということを申し上げましたけれども、私が申し上げたいのは、職制上の部下ではないと、とういうことでございます。
  570. 有働正治

    有働正治君 職制上の部下であろうとなかろうと社員であることは明白であるわけです。一人でやるのが通常だという中で三人まで体制をとって、しかも専務が行っているということ一つ見ても、事態は明白です。  三月十八日の今仲副社長の記者会見で、会社関係がないと、そういうものが通用するものでないと明白に述べて私の質問を終わります。
  571. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 有働君の質疑は終了させていただきます。  笹野貞子君。
  572. 笹野貞子

    笹野貞子君 民主改革連合の笹野と申します。  まずもって岡証人に私はお願いしたいことがあります。なぜかといいますと、私たち政治家というのは国民の信頼を得るために、そして正しい民主主義の社会をつくるために、政治お金という関係がきれいな政治家であるために不正な事件があったときにはそれを明らかにしながらこれから政治改革に一生懸命に頑張りたいと思っている所存ですので、どうぞ岡証人もそういう意味で今回のこの事実に対して明らかに国民の前に示していただきたいというふうに思います。  では、質問に移らせていただきます。  今までの質問を聞いておりますと、私たち本当に庶民には理解困難なところがいっぱいあります。例えば、二十億という大金を処理するときに会社には通さずに自分一人でやった、そしてなおかつ信頼する部下二人をつけたといいますけれども、これは私たち一般の顧客が行ってもそういうことができるのでしょうか。
  573. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) これは長い間の信頼関係の中でのことでございます。
  574. 笹野貞子

    笹野貞子君 そうしますと、故悦子夫人とは非常に長い間の信頼関係ということになりますね。先ほど、悦子夫人は最初は一億であったけれども、それが大変膨大な三十四億ですか、に膨れ上がったといいますけれども、私も女性の一人ですけれども、一億のときには一生懸命自分でやったかもしれない、しかしどんどんいろいろとお金がふえいろんな商品があるときには、やはりもしも相談できる方があればこれは大変に相談に乗ってもらうことに期待を寄せるものですが、岡証人、あなたはその期待を寄せられた一人ですか。
  575. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 期待がなかったといったらうそになるかもわかりませんけれども、先ほども申し上げていますように、悦子夫人はすべてに精通された方でございまして、特に株式に対する知識といいますのは大変なものでございます。もちろんそれは債券もそうでございますが、常に最終的には自分の判断で取引をされておりました。
  576. 笹野貞子

    笹野貞子君 そのようにもしそれだけ株式に精通されている悦子夫人が、金丸、夫の名前を出したくない、隠したいと申し出た、その意味は何だと岡証人はお考えになりますか。
  577. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) それについては私としてはわからないわけでございます。
  578. 笹野貞子

    笹野貞子君 あなたも腕ききの証券マンであるならば、そういう途方もないことを言われたときにはどういうふうに対処なさるんですか。
  579. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私といたしましても、長いお取引関係もございますし、金丸先生も大変な政界の実力者でもございますので、お断りするということもなかなかできなかったわけでございます。
  580. 笹野貞子

    笹野貞子君 あなたは先ほど、信頼され、そして相手は大変大物、そういう立場にある方が、何かこれは知られて悪いことがあるということは、知られたら困るわけですから、そういうときに指南役のあなたが道義的責任とかあるいは適切なアドバイスというのはできないのですか。
  581. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は、先ほどから申し上げておりますように、指南役でも何でもないわけでございますが、適切なアドバイスというようなお話でございますが、私は先方より御指示があったとおりに動いているわけでございます。
  582. 笹野貞子

    笹野貞子君 では、お聞きいたしますけれども、あなたはこのように述べているということを報道で知りました。頼まれて断れなかった、そして断ることが怖くてやめられなかったと述べているそうですが、これは今仲副社長ですか、の中にありますけれども、断れなかった、そして断ることが怖かったと言いますが、怖いとは、何が、だれに、どのように怖いのですか。
  583. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 怖いという表現は適切でないかと思うんですけれども、私が申し上げたいのは、現状の取引の維持どこれからの取引の拡大、そういうものの中から考えているわけでございます。
  584. 笹野貞子

    笹野貞子君 先ほどの質問の中で、この一件のいろいろのもろもろの事件に対して、自分は全然罪の意識はなかったと、そのときはなかったと、こう言っておりますが、今いろんな事実が出てまいりました。今あなたはそういう認識をお持ちですか。
  585. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今、先生の御質問のとおり、当時につきましては、まさかこの資金が税逃れのための資金であるということは、全く私の認識しないところでございました。  しかし、ここでこういう形で出ているわけでございますけれども、もし、そういうことである資金ならば、当時、私はお受けしてなかったと、こういうふうに思います。
  586. 笹野貞子

    笹野貞子君 終わります。
  587. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 笹野君の質疑は終了させていただきます。  次は、下村泰君。
  588. 下村泰

    下村泰君 岡さんに伺います。  悦子夫人と二十年来のおつき合い。で、二十年来のおつき合いというのはもう本当に、何といいますかな、ただならぬ仲ぐらいまで親しいと思います、私は。まして、商売の上で二十億などという、我々想像もつかないような、庶民にとってはもう雲の上の数字みたいなものですからね。そんな数字扱うほど二十年もおつき合いしていて、しかも、先ほどからお話を伺っていると担当者としておつき合いしてたと、こうおっしゃってますよ、御自分が。担当者という以上は相当の御相談も受けていたと思うんです。  で、国会議員というのは資産公開その化しなきゃなりませんから、当然税金の申告時期になれば、それだけのことをやるのが務めなんです。しかも金丸さん御本人は、私はいつでも税金は正直に届けてますよと言っていたのが、こういう結果になったわけなんだ。してみると、幾らがその申告をするときに御相談を受けたことがあるんじゃないか、御夫人から、悦子さんから。それはどうですか。
  589. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 悦子夫人はすべて自分でされておりまして、そういうものについての御相談はございませんでした。
  590. 下村泰

    下村泰君 全然相談なかったんですか、そういうことに関して。  そうしますと、それだけ精通していた方に、どうしてあなたが金の地金を買うようにお勧めになったんですか。
  591. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今の先生のお話でございますが、私が勧めたのではございません。先方から、お買いしたいと、こういうことでございました。
  592. 下村泰

    下村泰君 そうなると、奥さんが亡くなったときに、たしか奥さんが地金を買っているはずですよとおっしゃったのは、じゃ、あなたじゃないんですか。だれが言ったんでしょうね、そうなると。
  593. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) これは私がお売りしたことはございますから、それは申し上げたと思うんですが、これを私が売ったというのではなく、奥様が買った、こういうことでございます。
  594. 下村泰

    下村泰君 余りいこじにならないでくださいよ。もっと軽くしゃべってください。  私が言っているのは、地金を買った方がいいんじゃござんせんかとお勧めしたんじゃないか、こういうふうにお聞きしているんです。そんな、別にあなた、目くじら立てて答えるほどのことじゃない。
  595. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 奥様は、先ほどから何度も言っておりますけれども、すべてに精通された方でございますから、奥様の方から買いたいとの御指示がございましてそれで買った、こういうことでございます。
  596. 下村泰

    下村泰君 まあそれはそれでいいでしょう。  そして、あなたの指示によって残った方々が調べたら寝室の床下にあった、こういうことが報道されています。  それはそれとして、先ほどからどうにもこうにも私、納得いかないのは、それだけ親しい仲であれば、当然あなたにお預けしたその二十億、お預けしたじゃない、奥さんとお話があった二十億そのものも、私のものじゃなくしてこれは夫のものだというふうに申し上げているならば、当然私は申告その他の税金の問題でもあなたがかかわり合っていたんじゃないかというふうに、普通ならだれしもこういうふうに考えるのが当たり前じゃないんでしょうかね。しかも、あなた、二十年来のおつき合いで、しかもあなたが非常に緊密な担当者であったとすれば、岡さん、これはどうしたらいいでしょうかぐらいのことは言ったと思うんですが、いかがですか。
  597. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私は、悦子夫人がお亡くなりになりました後、金丸先生の方に取引状態の御報告を申し上げまして、これが相続のすべてといいますか、そういう形での当社でお預かりしているものを全部御報告した、それまでのことでございます。
  598. 下村泰

    下村泰君 普通、私ら一般の者が普通考えてみて、これだけの仲であったならば相当にあなたが関与して、税金の申告その他もこういうふうにした方がうまいこといくでしょうというような、脱税なんという言葉は使いたくありませんけれども、財テクその他でもって相当の指導をしたあるいはお教えしたと、指南でなくてもお教えしたぐらいのことはあったと思うんですが、どうですか。
  599. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) やっておりません。
  600. 下村泰

    下村泰君 どうもしかし、あなたの言葉を先ほどからずっと聞いていまして、どこにも真実性がないんですよね。それだけ一言申し上げます。
  601. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 下村君の質疑は終了しました。  次は、寺澤芳男君。
  602. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 日本新党の寺澤です。  私も、証人と同じょうに兜町に三十余年勤務をいたした経験があります。証人のボスである岡三証券の加藤社長とも何回もお会いしています。大変有能な兜町の経営者だし、大変仕事熱心、営業熱心な社長であります。  加藤社長金丸さんにお会いしたことありますか。
  603. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私の知る限りでは会っておられません。
  604. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 証券会社にとって手数料の商いも大事ですが、営業資産をふやすということはそれ以上に非常に大事なことになります。これはご存じのとおりだと思います。その営業資産を非常にふやしてくれた大得意先、その大得意先にあの仕事熱心な加藤社長がごあいさつにも行ってないということはちょっと私としてはよくわからないんですが、それでは直接あなたの顧客であった金丸悦子さんにそういうごあいさつとか会ったことありますか。
  605. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私が新宿支店長時代から二十年近いおつき合いでございますので、すべてを私一任といいましょうか、そういう形で悦子夫人を通してやっておりましたものですから、社長の方の報告もしておりませんし、ごあいさつ社長はしておりません。
  606. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 それでは、直接あなたと営業関係にあった生原秘書さんと、少なくともちょっとごあいさつしたというようなことはありませんか。
  607. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) ちょっと今の御質問の趣旨がわからなかった。だれがごあいさつ……。
  608. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 加藤社長が生原さんに会ったことはありますか。
  609. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 会われたことはございません。
  610. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 かなりはっきり断言されておられるようですが、当時の金丸さんといえばやっぱり政界の大立て者、大変な方でございました。金丸さんにちょっとでも会っておく、しかもこれだけの商いをしているわけですから、そしてごあいさつをしておくというのは普通証券界のトップのやることであると私には思えます。それらの人々に全く会わない。  本当に加藤社長は、岡君、本当にそういう金丸さんのお金あるいは金丸さんの奥さんのお金が、ありがたいことに我が社を利用してくれたんだという、そういう会話は一切合財なかったんですか。
  611. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 私までのところですべてやっておりました。
  612. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 岡三証券といえば準大手でありまして、かなり証券会社の中では大きな証券会社ではありますが、それにしても本当に社長が知らない間にそういう大きな商いが生まれている、しかも商いの相手が本当に立派な政治家である、ちゃんとした政治家で大立て者であるにもかかわらず、社長が、あの当時の金丸さんは少なくともそう思われていたわけですが、一回もごあいさつもしていなかった、あるいは奥さんにも会っていなかったということについて、なおかつそうかなというふうに腑に落ちない点は残るわけでありますが、もう一度、生原秘書にも加藤さんは会ってないわけですね。
  613. 岡景俊

    ○証人(岡景俊君) 今も申し上げましたとおり、加藤社長は、悦子夫人に金丸先生、生原さんともに会っておられません。
  614. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 私としては、同じ証券会社というか証券界におりました者として、大変に腑に落ちない、大変に不可思議な物語のような気がいたしますが、これで終わります。  ありがとうございました。
  615. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 寺澤君の質疑は終了いたしました。  これをもって岡景俊証人に対する証言の聴取は終了いたしました。  証人には、長時間にわたり御証言をいただきましたこと、まことにありがとうございます。御退席くださって結構です。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  616. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 速記を起こしてください。     ―――――――――――――
  617. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 次に、田代一正証人の証言を求めることといたします。  まず、委員長から確認させていただきます。  あなたは田代一正君御本人ですか。
  618. 田代一正

    ○証人(田代一正君) はい。
  619. 遠藤要

    委員長遠藤要君) この際、一言あいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきまことにありがとうございました。  当委員会におきましては、目下、予算執行状況に関する調査を進めておりますが、本日は特に証人の方から東京佐川問題等について御証言をいただくことになった次第でございます。  証言を求めるに先立ちまして、証人に申し上げます。  議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。  宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。  自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見人後見監督人または保佐人並びに自己を後見人後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または重言を拒むことができます。本人が承諾した場合はこの限りではありません。  正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げます。  その第一点は、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合についてであります。  証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができます。これらの助言は、いずれもその都度証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対して助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、既に通知しましたとおり、証言を行うに際して、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。  その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。  全員御起立願います。    〔総員起立〕
  620. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより田代一正君の証言が終了するまでの撮影は中止してください。  田代一正君、宣誓書を朗読してください。    〔証人は次のように宣誓を行った〕    宣誓書  良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又  何事もつけ加えないことを誓います。             証人 田代 一正
  621. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 御着席願います。  証人は、宣誓書に署名捺印してください。    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
  622. 遠藤要

    委員長遠藤要君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。また、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。  この際、質問者及び委員各位に申し上げます。  本日は、法律に基づき、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等により議事の進行を妨げたり、証人に対して不適切宣言動に及ぶことのないよう特に御協力を願います。  それでは、まず委員長から田代証人に対してお尋ねいたします。  田代証人は、旧平和相互銀行の住友銀行との合併による再建を進められておられたと伺っておりますが、一方では合併によらず自主再建を求めるグループもあり、抗争の原因になっていたとの報道があります。  証人が住友銀行との合併を進めようとした考え、一連の経緯について御証言ください。
  623. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 話しますと大変長い話でございますけれども、そこをはしょってお話しさせていただきたいと思います。  私が平和相互銀行に参りましたのは一九六〇年ごろだったと思いますが、そのころなぜ私が平和相互銀行に縁を持つようになったかと申しますというと、やはり当時の諸情勢等によりまして、銀行経営というものが完全なもので施行されては必ずしもないということと、それに関連いたしまして相当の能力のある人でもってこの会社を守り立てなければならないという感じがしたわけでございます。そんなことがいろいろ反映されたりいたしまして、私は平和相互銀行の初めは相談役、それから監査役ですか、そういうものを歴任いたしましたわけでございます。  その時期に、いろいろなことがもちろんあったわけでございますけど、何とかこれでやっていこうということで、そういったことをお考えになる人をどちらかというと自主再建派と当時言われたものでありますが、自主再建派というものを少し強くしていくことによって問題はある程度解決するんじゃないかというぐあいにも思ったわけでございますが、実際に自主再建派でもってやってみますと、どうしてもどこかそれでも足らないと。独立手段としてやっていくためにはやはりそれじゃちょっと不十分じゃないかというようなこともいろいろ出てまいりまして、そこでこの際合併した方がいいのか、それとも自主再建をさらに推し進めるという形でもって問題を解決したらいいんではないかというようなことになったわけでございます。  ちょうどそういう議論の時点において、直前ぐらいに私が平和相互銀行の今度は社長になったわけであります。社長になって一体どういうぐあいに決断したらいいのか、またどっちの方向をリードしたらいいのかということで非常に思い悩んだわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、三千三百人ぐらいに上る職員を擁している相互銀行でございます。それをつぶすわけにはまいらないです。絶対にいかない。生かしながら、同時に健全な社会の相互銀行らしい相互銀行としてやっていける道を考えなければならないということになるわけでございます。  そういった配慮のもとにいろんな模索がまた始まったわけでございますのですが、いずれにいたしましても、早く何とか決着をしなきゃいかぬかということにつきましては、我々が思っていたよりも速いスピードで世の中が変わってまいりまして、とても自立再建では難しいんじゃないかということで、そういうことならばぼつぼつ物を考える時期に来ているんじゃなかろうかということにもなりまして、そこで中の重立った重役諸公といろいろ相談をいたしまして、それで方針を、従来の方針といいますか、それを変えてどこかの銀行と合併するという路線を考えたわけでございます。  そういったことでどんどん進めてまいったわけでございますけれども、じゃ合併の相手を一体どこにするかということになりますというと、これまた本当を言うとなかなか難しい問題でございますけれども、そういう合併の方針で行くということが若干の社会的にリーク、漏れるということになりますというと、おのずから私が合併の相手になりたいという銀行も出てくる、まあ特にそのときは相互銀行になりますけれども。  そういうことになってまいりましたさなかで、やはり水の中で何となしに話が出てくるということで、そういった幾つかの名のり出そうな感じの銀行が幾つか出てくる。その中に住友銀行があったと。いろいろ話を調べてみると、住友銀行が合併に際してどうも前向きで判断してくれそうであるというようなこともだんだん、おいおいわかってまいるわけでございます。そんなようなこともございまして、我々は住友銀行と合併するという方針を、方向を選んだわけでございます。  これが相互銀行関連いたしましたやっぱりことし、じゃなくて、ここ十年来の大きな問題の一つになったかと存ずるわけでございます。  どうも年をとりまして話の仕方が下手になりましてまことに申しわけないんですけれども、冒頭はそういうことで御勘弁願いたいと存じます。
  624. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 重ねてお尋ねいたしますけれども、旧平和相互銀行の経営責任者の一人として経営再建に苦心されていた時期の平和相互銀行の経営の実態はどのようなものだったのか、当時の経営の内容を御証言してください。
  625. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 委員長の御要請でございますので、あらましの感じで申し上げたいと存じます。  こういうことは言いたくないんですけど、平和相互銀行という銀行はなかなか活力のある銀行でございました。しかし、リードをとりましたのが小宮山といううちの御主人が、相互銀行のみならずいろんなそれに関連した事業を相当活発におやりになったわけでありますが、それが原因となりまして、やはり昔からの教えは非常に正確だと思いましたのは、やはりよくない兆候がだんだんあらわれてまいりまして、非常にこれは専門的な話になって恐縮でございますので省略いたしますけれども、中の経理関係のいろんな指標とか何かをとりましても、だんだんよくなくなってきているという認識が一番最初にあったわけでございます。  それからもう一つは、これは皆さん方もあるいはお聞きになった言葉がと思いますが、四天王という言葉があります、四天王。これは何かと申しますというと、平和相互銀行の中の重役の中の一つのグループでございます。なかなか優秀な方がそろっているわけでございますけど、本家本元と仲が必ずしも円滑じゃないというようなことで、難しい客観的な情勢にありながらなかなかうまく事業が、あるいは仕事ができないというようなことに当時なっていたと思います。そういったことが一つの大きな原因になって合併ということに結びついてくるわけでございます。
  626. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 旧平和相互銀行の住友銀行との吸収合併に関して経営の実権を求めて幹部の抗争があったとされていますが、なぜこのような経営の混乱を生じたのか、また、証人自身の、あなた自身の経営方針はどうだったのか、証人自身会長として、混乱、抗争を生んだ責任をどう感じておられておったか、お聞かせ願いたいと思います。
  627. 田代一正

    ○証人(田代一正君) なかなか難しい御質問でございます。  まず一つは、抗争という、内部抗争という問題。後から考えると、世の中いろんな現象が起こるもので、抗争というのはやっぱり一番いけないですね、経験から申しまして。やっぱり平和相互銀行の一番の根元にあったのは、当時私が会長であったころの実例で申しますというと、やっぱり抗争という問題があった。そういった抗争というものが何となしに職員の気質とか空気に反映をするとかいうこともありまして、とかく職員の気力が高まらないということも私はあったように思います。  そんなようなことでイントロダクションが始まるわけでございますけど、やはり昔からの教えというのはとうといもので、やはり闘うときは全部一緒、一団になってやらなければいかぬということですが、まさに相互銀行にそれに反する行為が出ていたということを申し上げておきたい。
  628. 遠藤要

    委員長遠藤要君) さらに、証人は伊坂旧平和相互銀行元監査役に対して四十一億の返還を求めて訴訟を起こしていますが、その理由は何でしょうか。また、伊坂氏は旧平和相互銀行の経営再建にどのようにかかわったのですか。この間の一連の経緯について御証言ください。
  629. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私も正確な、非常に古い話でございますので正確な記憶はございませんが、何か四十一億という案件についての訴訟が現在行われているということ以外に私は具体的な知識がございません。今もう第一線を引いておりますので、今の知識を聞かれましてもそれ以上のことはお答えできないということかと思います。  それから第三点がございましたね。
  630. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 伊坂氏は旧平和相互銀行の経営再建にどのようなかかわりを持っておつたかと。
  631. 田代一正

    ○証人(田代一正君) じゃ申し上げます。  いかなる関連を持っていたかということでございますが、まず一つ人的なつながりというような問題から申しますと、非常に伊坂さんという方は有能な仕事師でございますけど、ただ見る人によっては、少し走り過ぎて公的な立場というものを忘れるようなところがあるんじゃないかと。とすれば、公的な機関で仕事をするということはいかがなものでござるかと、そんなことを申す人がおります。  しかし、いずれにいたしましても、私は後ろで見ていますと、やはりいろんな折衝事等にだれを出すかということになりますと、伊坂さんが指名されるというようなことが割合にあったんじゃないかと思います。それだけ平和相互の事業に使われておられたということが申し上げられるのではないかと思います。
  632. 遠藤要

    委員長遠藤要君) ありがとうございました。  委員長からお尋ねすることは以上でございます。  それでは、田代証人に対して質疑のある方は順次御発言を願いたいと思います。野村君。
  633. 野村五男

    ○野村五男君 田代証人に質問させていただきます。  実は、私はちょうど二年ほど前に法務委員会の理事をしておりまして、偶然明日ここに参られる検事、官房長をやられた堀田さんにこう聞いたことがあるんです。おやめになるそうですけれども、過去いろいろな事件を取り上げてきた、ロッキードそしてリクルートと、進む道が違うけれどもその心境は何であったろうかと、何十年の間何であったろうかと私はあえて聞いてみました。そうしますと、私にこう言ったのでございます。弱い者の味方になろうと、それが自分の信念だったような感じがすると。  私は、きょう今から質問する中で、平和相互銀行そして金屏風問題に、庶民感覚とはかけ離れた何十億、何億というこの話が出るときに、たった今、本当に仕事をしているタクシーの運転手さんもおるでしょう、そして看護婦さんもおるでしょう、衛視さんもおるでしょう。その人たちが、原点を忘れて何かけた外れの大きなお金に向かっていってしまった人たちとの感覚のずれ、これをどう考えているんだろう。もし働く意欲をなくしてしまったなら、それこそ日本国民にとって取り返しのつかない重大な問題であるのではないだろうか。そう思いながら、ただ改革ではなく、本当にこの問題を世直しの出発点にしなくてはいけないという信念を持って私は今からお伺いするわけでございます。  この問題を調査するに当たっていろんな資料を取り寄せて調べてみましたが、神戸市の屏風という土地、それから金屏風の問題、こういう複雑な問題に出くわすわけであります。  私は、証人に質問させていただきます。高齢と思いますけれども、お体も何か不自由な感じでございますが、質問させていただきます。  田代証人の経歴を見ますと、四十四年九月まで大蔵省に勤務した後防衛庁に約六年間勤務し、五十年七月防衛庁事務次官で退官されたとのことでございます。その後、日本銀行理事、日本証券金融副社長を経て、五十八年六月に平和相互銀行に相談役として入られ、五十八年十二月から同行の会長に就任されております。  平和相互銀行は、察するところ極めて経理が複雑であり、再建の道もかなり厳しいとの御判断があられたとは思いますけれども、先ほどの委員長質問の中で、入られた経緯は大体わかりましたので、実際に会長という職務をどのような形でなさっておられたのか、それからその会社の方向を決めるために常務会というのがあったそうでございますが、それにも出られておったのか、まずそれをお伺いいたします。
  634. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  一つは制度的な問題ですけど、何かにも私は書いておいたんですけど、私がちょうど相談役から社長になるまでの間の期間がかなりあるんですけど、その期間は私に常務会に出るということを拒絶したわけであります。それが一つ。  それからもう一つは、やっぱりいろんなことが、実務上のほっておけばだんだんだんだん疎遠になって、実務的な判断がだんだんできなくなるものですけど、私の場合にはそれは余り十分じゃないことで終わったと。  つまり、二つの点はちょっと異例に属するような形じゃなかったかと、今にして考えるとそう思うわけでございます。
  635. 野村五男

    ○野村五男君 今の証言によりますと、むしろ常務会の中に入り込めなかったと、最初はですね。そのように受け取りました。  私は、この問題を調べていくうちに、元伊坂監査役初め、いわゆる四人組との間で経営をめぐり争いが生じているようでございますが、実際に田代証人と役員との関係はどのようであったのか、もう少し詳しく。話を伺います。
  636. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答え申し上げます。  伊坂さんがいろいろ癖のある方だとさっき申し上げたんですけど、それにいたしましてもなかなかいろんな仕事の上のやり繰りといいますか、大変お上手な方でございますので、何かにつけて銀行の仕事の中でちょっと困った問題があったら伊坂さんに相談するということはあったと思いますね。  それが一つの先生との関係でありまして、私はそういった線に乗っかりまして、少なくともその時代には伊坂さんとはなるべくけんかしないようなことで、融和を保ちながらやってきたという記憶がございます。
  637. 野村五男

    ○野村五男君 報道によりますと、六十年の三月に小宮山一族が所有していた平和相互銀行の株式が、旧川崎財閥の資産管理会社である川崎定徳の社長佐藤茂氏に譲渡され、約二千百六十万株、平和相互銀行の全株式の三四%に当たる株式の名義書きかえが請求されたことから、平和相互銀行の経営陣は株の買い戻しのため佐藤氏と折衝を始めたとされております。恐らく当時の平和相互銀行の経営陣にとりましてはこの株の買い戻しはまことに重要な問題であったと思われますが、具体的に折衝に当たったのはだれなんですか。
  638. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えします。  だれが折衝に当たったかというのは、だれに。失礼。
  639. 野村五男

    ○野村五男君 佐藤さんに。
  640. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 佐藤さんに。  それは今申し上げているように、伊坂さんでございます。伊坂さんが佐藤さんと、これは相当時間かかったと思いますけど、よく話をしていたようです。  それで、まあたまに、たまには私ども重役連中が集まったりなんかするときにちらっと、その何か難しい、難しい仕事だということを言っておられたことを私は覚えているということでございます。
  641. 野村五男

    ○野村五男君 平和相互銀行の執行部といわゆる佐藤氏との間で株の買い戻しの折衝が続く中で、八重洲画廊の真部社長が登場することになります。  報道によれば、この真部社長を平和銀行の執行部に紹介したのは、田代証人、あなたと言われておりますが、どうなんでございますか。
  642. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  真部さん、まあどういう表現がいいんですか、引き入れるとかいう観念じゃなくて、何かある種の、人の紹介があって、紹介に基づいてお会いするとかいうようなことがあるわけですが、真部さんとの関係も初めは恐らくそういうことだったろうと思う。  と申しますのは、私の二年先輩に、大蔵省の二年先輩にある人がおりまして、その人から私に最初電話がありまして、昔、君も知っていたかもしれぬけど真部というのがいて、何か君を紹介してくれと言っているよと。で、僕は人間嫌いのところがあるものですから、一見のお客と会うというのは余り好まないものですから、御免だという話をしましたら、即座に怒られましてね、先輩の威光でもって。せっかくいい話をしているのに何でそんなことを言うんだという話もありましたので、まあ会って詳しく話も聞かないで断るのもいかがかと思いまして、それでまず私が本人と会い、それから本人に対してうちの数人の重役さんを御紹介申し上げたということは事実でございます。
  643. 野村五男

    ○野村五男君 金屏風の買収の、いわゆる買い取りの話はどこから出てきたのか、そしていわゆる金屏風の買い取りの話を真部社長と具体的に折衝に当たったのはどなたなんでございますでしょうか。
  644. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 具体的に折衝に当たったのはたしか伊坂さんだったと思います。  それから、もう一つは何のことでございましたかね。
  645. 野村五男

    ○野村五男君 具体的に折衝に当たったのは。
  646. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それは伊坂さん。
  647. 野村五男

    ○野村五男君 ちょっと、買収の話はいつから出てきたのでしょうか、どのときの時点において。
  648. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それはなかなか難しいんで、一種の商売事で物事を始めるときというのはなかなかそういうことは表現しにくいんです。何となしにそういったことをやろうとしたときにすぐ行動が出てくるということかと思いますが、そういった意味じゃなかなか難しい問題があるかもしれません。
  649. 野村五男

    ○野村五男君 いわゆる金屏風購入についてはマスコミでもいろいろと報道されております。  伊坂元監査役によれば、真部社長は「金屏風を買えば、佐藤は銀行に必ず株を売却する。」と言ったとしており、「佐藤15、竹下3、伊坂1」というメモを見せられるとして、そして真部社長は逆に通常取引であったと言ったとしており、この部分の真相はよくわかりませんけれども、いずれにせよ、金屏風の購入代金は実質的に伊坂監査役が経営するコンサルティング・フォーラムヘの融資という形を通して支払われたと。  そして、ここが私は大事だと思うのでございますが、田代証人との関係については、交渉に当たっていた伊坂元監査役によれば、同監査役は真部氏との間の折衝状況田代証人たちに報告していたとしており、田代証人の熱心な勧めがあって実行したと言っておるのでございますが、その点はどうでございますか。
  650. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 何か私が非常に熱心に問題の事案の中に踏み込んでいるというぐあいにお考えになっておるかもしれませんけど、それはどちらかと申しますと、当時のいろんな状況から見ますと、やはり銀行銀行で一致団結していろんな仕事をしなければいけませんけど、そういう観点から申しますと、やはり伊坂さんがおやりになっておられるあるいは努めておられることについても、慎重にという言葉は余りはやらないんですけど、慎重に配慮しながら進んでいくということが必要じゃなかったのかなと、今にして考えればそういうぐあいにも思えるわけでございます。  あと何かございますか。
  651. 野村五男

    ○野村五男君 文芸春秋によりますと、当時は伊坂氏はそうは思わなかったが、今になって思うと金屏風取引については田代証人も真部や佐藤とぐるになって私たちをだましたと最近思い始めたと。これは大蔵、住友等が自主再建を目指す四人組の追い落としを図ったものだったと、その趣旨の話が出ております。  検察出身の伊坂監査役が最近気づいたというのも少し不思議な話だとは思いますが、例えば金屏風取引について大蔵省や竹下大蔵大臣等から進めるようにとの話はあったかどうか、お伺いします。
  652. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 大蔵大臣等々からの皆さんから何かこういうふうに促進しろとか、そういうことをした方がいいとかいうことを言われたんじゃないかという御質問がと思うんですけど、そんなことはございません。
  653. 野村五男

    ○野村五男君 六十年の八月二十日から翌六十一年の一月二十八日まで、長期間の大蔵検査を受けることになりましたね。  検査結果の内容につきましてはともかく、検査途中の十二月二日、平和相互銀行は中間決算を発表するとともに、中間配当を見送る、一つ。二つ、稲井田社長は責任を痛感し社長辞任することなどを公表したことから推測しますと、平和相互銀行状況は極めて厳しい状況にあったと考えられますが、いかがですか。
  654. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 今おっしゃいましたように、もう本当に厳しいという、金融機関の厳しさというのはこういうものかと初めて実感したわけですけど、本当に厳しいという状況でございました。それがだんだん後につなぐようないろんな機縁になるということもまた事実でございます。
  655. 野村五男

    ○野村五男君 六十年十二月に稲井田社長社長を退任し、六十一年二月六日にはいわゆる四人組と称される人が平和相互銀行を退任している。これら四人組は後々いわゆる特別背任罪で告訴されることになりますが、これは経営手腕がなかったということではなく、平和相互銀行に損害を与えたということであり、退任するのは当然であったかもしれません。  こうした事態の中で銀行の信用を維持することは並み大抵のことではなかったと思われますが、その中で田代証人が退任せず、六十年十二月以降社長を兼務されたのはどういうわけなんですか。
  656. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  稲井田さんがおやめになるとかいうことになって、これは大変なことになってきたなと私は当時思ったわけでございます。それで、じゃおまえどうするんだということで、いろいろ本当に夜も寝ないで大蔵省の先輩の御意見も聞くし、いろいろ考えてみたんですけど、結局結論としては、こういった時代だからこそ今急に人をかえたってそんなにすぐできるはずはないと、おまえがやっぱり今までしばらくやってきたんだから、そういった路線を君一人で歩んでみたらどうかねという意見もございました。  そんな意見をいろいろ総合勘案いたしまして、やっぱり私はやめても仕方がない、やめるとかえって銀行に損害を与えるということに結果的になるんじゃないかと、それなら、それなら気を取り直して、社長とかなんかをやるという方がまだいいんじゃないかということに思い至ったわけでございます。  そういうことで、私の出所進退はちょっと違うという御指摘がございますけれども内容はそういう内容でございます。
  657. 野村五男

    ○野村五男君 預金者の保護及び従業員の生活の安定等の見地から合併を決意したものであるとは思いますが、六十年十二月の社長兼任以降、平和相互銀行の再建に尽力されたものの、二月にはいわゆる先ほど述べておられましたが、自主再建をあきらめてしまった。  自主再建をあきらめた理由をもう少し詳しくお伺いいたします。
  658. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 実を申しますと、前の年の十二月十五日か十六日でしたか、世の中がだんだん変わってくるから自主再建に努めるというためにも相当の馬力を必要とする、馬力を必要とするということで、日本銀行と大蔵省から顧問という形でもって二人ばかりいただいた。で、専らさっき申しました自主再建を励むんだということにしてきたわけでございます。  やれやれ、実を言うと、社長で、今度下に二人そろって非常に有能な人ができたものですから私もやれやれと思ったんですけれども、そういうもの、そういう見方をしている間にも既に銀行の周辺の雰囲気というのはだんだんよくない、このままでいったら危ないかもしれぬという忠告をする人がおりました。  そんなようなことで、当時情勢をいろいろ判断しますと、非常に短い期間で方針を変更して一体何だとおっしゃる方がいるかもしれませんけど、それはそういった情勢判断に基づく緊急避難みたいな転換の仕方だと私は思います。
  659. 野村五男

    ○野村五男君 結局、合併の相手が住友銀行となったのは、ここが一番問題なのでありますけれども、先ほど証人から説明はありましたが、大蔵省や当時の竹下大蔵大臣から住友と合併するようにという話や指示は本当になかったのか、お伺いします。
  660. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 本当にございません。
  661. 野村五男

    ○野村五男君 平和相互銀行入行後、田代証人は、重ねてお伺いしますが、竹下大蔵大臣に株買い戻しや合併等について会ったり話をされたことがあるのか、お伺いいたします。
  662. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私の知る限りでは、私の知る限りの仕事に関係いたしましては、ほかのことは知りませんけれども、そういうことはございません。ございませんということは、大臣が容喙するとかそういったことはなかったと、こういうことを申し上げておきたいと思います。
  663. 野村五男

    ○野村五男君 この問題を調査するに当たりましてつくづく感じますことは、小宮山英蔵氏が銀行をもしかすると私物化したことが原因で、銀行資金の相当部分を成算のない事業につき込み過ぎた、大蔵省はもしかするとかなり早い時期から自主再建は不可能と考えていたんじゃないのか。そこで、まず伊坂さんたちの実権派の力を使って小宮山ファミリーを排除し、次に実権派を葬って、最後の住友と合併をさせるというグランドデザインがあったんではないかと一部に指摘する面もありますが、いかがでございますか。
  664. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 御意見のほどを理解はいたしますけど、やっぱり世の中というのはそういう絵にかいたように物事進展するもんじゃない、時々刻々変化する、その中でもってどういう対処をするかということが企業家の仕事なんです。というわけでございますので、あらかじめデザインを描いてどうこうするということはまあ普通は考えられない、もっとダイナミックに動いていくんじゃないかと思っております。
  665. 野村五男

    ○野村五男君 それでは、時間ですので最後にお聞きいたします。  この一連の流れの中から、田代証人は現在住友銀行の顧問であります。これは合併をさせた論功行賞との話がごく一部の人から出ているが、これについてどう思うか。そして、今の顧問の置かれている立場で、それでいいと思っておられるのか、最後にお聞きして質問を終わります。
  666. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  まあ現在、住友銀行の顧問ということでいるわけでございますが、まず顧問になるときの経緯をちょっと触れてみたいと思います。  その経緯と申しますのは、合併ということが方向的に決まったと、大勢が決まったという段階でそういう話がどうも出たらしい。しかし、具体的にどうこうということはそのとき、もう大体しばらくたってからも私に話は何にもなかったわけで、で、どういうことになるんだということでございますが、あと私が仕えられる仕事といいますのはやはり大蔵、銀行間の連絡役とかいろんなことがあります。まあ、そんなようなことに使っていただいてもいいんじゃないかとか、使ったらいいんじゃないかとかいう話がありまして、それがだんだん話を大きくして、この銀行の顧問という形でもって残ると。  残るについては抵抗感はなかったかという御質問だろうと思うんですけど、それはそういうことでいいのかなという感じが一瞬しないわけじゃなかったんですけど、何分にも三千三百ぐらいの職員を合併によって住友銀行に持っていかにゃいかぬ、だれかやっぱり見ているということも必要かもしれぬ、私も年ですから、そういった見張り役にいいかもしれぬというぐあいに考えまして、そのお仕事を引き受けるということにした、これが経緯でございます。
  667. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 野村君の質疑は以上をもって終わらせていただきます。  次に、北村哲男君。
  668. 北村哲男

    北村哲男君 私は、証人、ここに一枚の怪文書を持っております。それは、証人がここにお見えになることが決まったのが先月の二十六日、それからわずか五日か六日しかたってないんですけれども、その間に、私のところに同じものが、何通か怪文書が来ております。  内容を言いますと、旧平和相互銀行社長田代一正に対する情報、平和相銀の合併に際し住銀は、田代一正の秘書に住友の息のかかった女性を送り込み、彼女を田代の女として目黒に居住させ、面倒を見さしていた。その上、田代への報奨金とも言える一億円を同文に与え、しかもその一億円の税務処理は大蔵省が目黒税務署長に命じて穏便に済ませたという話だ。田代を平和相銀に送り込んだ張本人は竹下元総理である。金屏風問題の重大な責任者である田代は、証人喚問ですべての事実を公にする義務があると、こういう怪文書が来ておるんですけれども、こういう文書についてですね、心当たりはあるか、いかがでしょうか。
  669. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  ただいまのお話を聞いて本当に義憤にたえなかったですね、どうしてこんな文書が横行されるのか。  で、ちょっと余談になってよろしいですか。
  670. 北村哲男

    北村哲男君 あるかないかで結構ですから、結構です。次を聞きますから。
  671. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ございません。
  672. 北村哲男

    北村哲男君 そうすると、全く事実に反するということとお聞きします。  それで、そうしますと、ではお聞きすることがあります。  証人は、平和相互銀行が合併された年というか今問題になっている年なんですが、昭和六十年のこと、それから昭和六十一年の十月一日に平和相銀とそれから住友銀行が合併しているんですけれども、その六十年度の税金について税務調査を受け、修正申告をされたことはありませんか。
  673. 田代一正

    ○証人(田代一正君) さあ、直接担当の関係はございませんので、どうだこうだという返事を私の口からすることはできないと思います。
  674. 北村哲男

    北村哲男君 私のお聞きしているのは、証人個人が、あなた個人の収入について税務調査を、国税庁から税務調査を受けて、明くる年、昭和六十一年度に修正申告をしたことがあるかないかと聞いておるわけです。
  675. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ございません。
  676. 北村哲男

    北村哲男君 幾つかの、これ情報ですけれども、相当高額の修正申告をされて納税をされたということが私の調査網に入っておるんですけれども、そういうことはないというふうに断言できますか。
  677. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 絶対にございません。
  678. 北村哲男

    北村哲男君 それでは、次の質問に移ります。  証人は先ほど、真部俊生という八重洲画廊の社長との関係について、大蔵省の二年先輩の人の紹介を受けて会ったというお話をされました。それはお名前は恐らく磯江重泰さんという方だと思います。そういうことでよろしいんでしょうか。そして、そのときに初めて真部の紹介を受けたと、初めて会ったというふうに理解してよろしいでしょうか。
  679. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 真部と初めて会ったかどうかということでございますけども、そうでございますね。  私は、真部氏とはしばらく前からやっぱり面識、大蔵省時代、大蔵省の時代に面識があったというぐあいに御理解願っておきたいと思います。
  680. 北村哲男

    北村哲男君 そうすると、先ほどの証言と違うと思うんです。先ほどは、大蔵省の二年先輩の人から紹介を受けて、それを四人の旧平和相銀の幹部の人たちに紹介したというお話があったんですが、前からお知り合いということで続けて聞いていきたいと思います。  そうすると、私どもの調べでは、証人は昭和四十年ころに大蔵省の銀行局の総務課長をしておられた。そのころからの知り合いではないかというふうに理解しておりますけれども、それでよろしゆうございますか。
  681. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  四十年と申しますと、おっしゃったように金融恐慌の年でございますが、そのときに私が真部氏と特別に、初めて関係ができたとかいうふうにおっしゃいますけど、そのときに関係が初めてできたというわけでもない。
  682. 北村哲男

    北村哲男君 それでは、どういうところからどういう知り合いだったかを言ってください。
  683. 田代一正

    ○証人(田代一正君) つまり正確な答えは、大蔵省の、大蔵省を仲介として両方がある程度知り合いになるというような形で来て、何年何月何日に何したかにしたというぐあいには言えない。世の中のつき合いとか取引にはやっぱりそういうことがあるわけですが、そんなような感じで、全然なかったとは申せませんけど、はっきりしたお答えはできないんですけど、さればといってその逆であるということもなかなか言えないつき合いじゃないかと思います。
  684. 北村哲男

    北村哲男君 それでは、もう少し具体的にお聞きしましょう。  証人が真部氏を伊坂さんたちに紹介されたときに、伊坂さんたちから証人は、真部とはどういう男なんだ、どういう人なんでしょうかというふうに聞かれたときに、証人はこういうふうにお答えになったというふうに言われている。僕が銀行局の総務課長をしているときに真部から頼まれて幾つかの相互銀行社長紹介状を書いたことがある人だというふうに言われたと言っています。そういうふうな紹介をしたことがありますか。
  685. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 思い返す中でいろいろ繰ってみても、そういった事実はなかったと私は思います。
  686. 北村哲男

    北村哲男君 証人は、大蔵省絵画クラブというものがあるのを知っておりますか。
  687. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 絵画クラブという名前には、正否のほどわかりませんけど、何となしに絵をかこうというグループができていたということは本当でございます。
  688. 北村哲男

    北村哲男君 真部はそこに集まる人たちとの関係つき合いがあったんではないでしょうか。
  689. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 当時の状況を思い返してみると、そういったときに、僕らは画材商と言っていたんですけどね、画材商というのはカンバスとかそんなことで大変便利な男だったという印象はあります。
  690. 北村哲男

    北村哲男君 便利な男というのは、真部が大蔵省の人から紹介状をもらって、そして相互銀行なんかの社長のところに行って絵を買ってもらうあるいは絵を売るというふうな意味で、行ったり来たりしている意味で便利な男だったという意味ではないんですか。
  691. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そういう意味じゃございませんで、やっぱり何か画材が欲しいときにちょっと頼めば彼が間に合わせてくれるとか、そういうことじゃなかったかと思います。
  692. 北村哲男

    北村哲男君 じゃ、もう一つお聞きします。  真部は絵を使って、官僚をやめられた方とかあるいは銀行をやめる人、あるいは政治家の錬金術、いわゆる絵によって、絵を売ることによってその差益をどこかに還元するという形でお金をつくり出していく、そういう陰の商人ではなかったんですか。
  693. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  彼の場合どういうことか、今おっしゃったように、錬金術とかですね、いろんなことがあるんでしょうけど、私なんかが見ている時代にはそんなようなことはなかったということを申し上げる以外に方法はないと思います。
  694. 北村哲男

    北村哲男君 それでは、余りはっきりおっしゃらないんですけれども、まず真部が磯江さんの紹介という形で会長のところへ乗り込んできたのは、彼はもともとあなたと知り合いであったのになぜ磯江さんの紹介で来たのか、そういうことをあなたはお聞きになったことはないんですか。もともとの知り合いではないか、一人で来ればいいじゃないかということを言われた、そういうふうな感じはないんですか。
  695. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そういうことを、今から考えると、そういう配慮がなかったと思いますね。配慮はなかった。  いいですか、そういうことで、一応。
  696. 北村哲男

    北村哲男君 そうしますと、まず真部氏があなたのところへ来たときに、もちろん紹介状を持ってきたかもしれないけれども、しかしもともとの知り合いですよね。何のために来たかというのは、最初あなたはお会いになっているわけですから、なぜ来たかというのは、知り合いであれば、あなたは先ほど何か私は一見の人に会うのは嫌いだとかいうふうな言い方をしておられましたけれども、もともと知っている人なんですよね。ちょっとおかしいと思うんですよ。一見でも何でもない、二十年来の知り合いでしょう。それをそういうふうにごまかされた。親しい人が来て紹介状を持ってきたけれども、それは親しい人であれば何で来たんだという話をされるはずです。  どういう話をされたんですか。ただ紹介で来たという、普通の話に来られたんでしょうか、わざわざ紹介状を持って。
  697. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  そのときになぜ紹介状の有無にかかわらず会ってやらなかったかと、こういうことになるわけですか。
  698. 北村哲男

    北村哲男君 いや、いや、会って何を話をしたかですよ。
  699. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ああ、会って、私が一時間ぐらい会ったというくだりですね。あなたも、中をこう案内していただいたりして、ばかに立派なギャラリーみたいなものを彼はつくっているので、君も偉くなったものだなという話をいろいろしている。で、そうこうしているうちに、何か株じゃなくてほかの問題に関連して何な言おうとするので、いや、もうそれはそんなきな臭い話はおれは嫌だからもうしないでくれということを言った記憶はあります。  御不満でしょうか。
  700. 北村哲男

    北村哲男君 極めて不満です。  それはあなたが危険を感じたならいいですよ。おれの前でそういうことを言うな、怖い話を持ってくるというふうな意味なら。また後から聞きます。  しかし、何もわからないのにそれは言うなという話はとても不自然であって、何のために来たんだ、わざわざ紹介状まで持ってというふうに言って、一応はかの人に紹介するならば、来た目的を知り合いの真部さんと話をされるのが普通ではないかというふうに言っているんですよ。だから、どういう話をされたのか。よもやま話はいいです。肝心の目的です。お聞きになったはずです。
  701. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ちょっと疲れておりますのでなかなか十分なお答えがしにくいと思うんですけど、真部君はたしか、さっきも申しましたように、私の先輩の紹介でもって来たことは事実です。それから後は、途中までは先生に申し上げたとおり。  あと、一番最後ぐらいに何をやったかということだろうと思うんですけど、私も正確に何年何月何日に何したかにしたって日記なんかつけておりませんから、そういう詳しいことは、まあわかりかねますねと言うしか返事はできないということかと思います。
  702. 北村哲男

    北村哲男君 お疲れのところ失礼します。また、大きい声を出して失礼しました。  最初に真部氏が来たときに、既に真部氏は金屏風を売りつけに来たということは、そういう話が出たんじゃないですか。
  703. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 具体的にそういうものだというぐあいに限定したということは記憶にございません。ただ、何かまた厄介なものをしょってくるかなという感じが一瞬したことは事実です。それは事実です。
  704. 北村哲男

    北村哲男君 もう一つ、このときに真部は、小宮山ファミリーから佐藤茂に渡った二千百六十万株の株を平和相銀は買い取りたくてしようがなかったころですよね。それを買い取るためには自分が間に入らなくちゃだめだ、政治的な折衝あるいは裏の問題が絡まなければだめなんだということを会長であるあなたにしゃべったはずです。思い出しませんか。
  705. 田代一正

    ○証人(田代一正君) いや、その辺の記憶が非常に鮮明じゃございませんので、間違ったことを言いましてもいかがかと思いますので、私はちょっとそれ以上のことはわかりかねると、こういうこと。
  706. 北村哲男

    北村哲男君 証人、まさにその辺を聞きたいわけで、御記憶を思い起こしていただきたいんですが、間違ったことというか、私はそのときにそういう話がなければその後の金屏風事件というのは起こらないと思うんです。話の出発だと思うんです。だから、当然あなたに話があって、おれにこの話は任せろというふうに真部は言ってきたはずなんですよ。そこでひっかかってしまうと。たくさん聞きたいことがあるんだけれども、なかなかその辺は思い出しませんですかね。  自分に任せてくれないかと、間を持ってですね。自分の仕事を、まあそのときに言ったかどうか知らないけれども、自分のところの金屏風を買ってくれれば、そしたら自分が責任を持って佐藤茂から株を買い戻してやるんだと、そういうふうな売り込みをしたんじゃないですか。
  707. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私の理解した範囲じゃ、そこまで明確ではないというぐあいに御理解願ってほしいと思います。
  708. 北村哲男

    北村哲男君 おいおいそういうことになると思うんですけれども、それ以前の問題としまして、証人は真部氏は知っているし、何か大きな画廊を持って立派だねとさっき言われたんですけれども、ということは画廊の存在も知っている、大きな画廊であることも御存じだったということだと思うんですけれども、その画廊を、既にそのとき以前に真部さんの画廊を訪ねたことがあると思うんです。  それで、ある運転手の証言によりますと、あなたと青木伊平さん、すなわち竹下さんの秘書、それから福本邦雄、これも竹下さんの関係の人ですね、それから真部、この四人の人たちがしばしば青山のあの大きな画廊で話を繰り返しておられたというふうに言っている人がいるんですけれども、あなたはその問題の日以前にその人たちと会ったことはあるんじゃないですか。
  709. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 一向に、本当に記憶にないとはこのことかと思うんですけども、私は全然記憶も何もないということでございます。
  710. 北村哲男

    北村哲男君 そうすると、証人は青木伊平さんというのは御存じだと思うんですけれども、会われたことはありますか。竹下さんの秘書の青木伊平さん。
  711. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それは全然知らない。どういうかげんか知りませんけれども
  712. 北村哲男

    北村哲男君 そうすると、福本邦雄というフジインターナショナルアートという画廊を経営している人は御存じですか。
  713. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 存じ上げていません。
  714. 北村哲男

    北村哲男君 そうすると、皆さんみんな御存じないということなんですが、竹下元首相は御存じだと思いますけれども、お会いになったことはありますか。
  715. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そうですね、竹下さんにいつ会ったかということで、これは本当に難問中の難問だろうとは思うんですけど、私がとにかくはっきり申しまして一番最初に竹下さんにお世話になったのは、佐藤内閣の一番最末期に官房長官で、私は防衛庁の経理局長をしておりまして、あのとき国会はたしかもうおかしくなっちゃって、おかしくなったというのは、どうも失礼、これは取り消します。国会予算委員会がたしか二十日間ぐらい休んだときです。そのときが初めで、それ以降も、それはごあいさつとかなんかはいたしますけども、折り入って話をするということはございません。
  716. 北村哲男

    北村哲男君 わかりました。御関係は深い、いろいろあるとわかりましたけれども、平和相銀と住友の合併、あるいは平和相銀の中の内紛というかそんなものがあったころ、特にまた小宮山ファミリーの株が佐藤茂にあったこと、これに関連してお会いになったことはありますか。
  717. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ございません。
  718. 北村哲男

    北村哲男君 もう一つ、先ほどから出ております川崎定徳の社長の佐藤茂、この人と会ったことはありますね。
  719. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 会ったことございます。
  720. 北村哲男

    北村哲男君 それは、今の真部さんが最初にあなたの会長室にあらわれたときよりも前でしょうか、後でしょうか。
  721. 田代一正

    ○証人(田代一正君) どうも日付非常に弱いので明確じゃないかもしれませんけども、そうだな、佐藤さんがやっぱり一番遅かったんですかね、月日が。いや、これ不正確です。
  722. 北村哲男

    北村哲男君 佐藤さんがことし一月の毎日新聞のインタビューで、自分は小宮山ファミリーから株を買い取った、すなわち昭和六十年三月の二十九日よりちょっと前、二十数日だと思いますが、その買った直後に竹下事務所を訪れて竹下さんに会ったということを言っております。そして、そのときに既に平和相銀の自主再建は無理だというふうなことを話したというふうに言っている記事があるんですけれども、証人はその記事をごらんになったことがあるかどうか。
  723. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 残念ながら読んでおりません。
  724. 北村哲男

    北村哲男君 それで、そうしますと、そういうまさに株が佐藤茂氏に買い取られたのが昭和六十年三月二十数日だと思うんですけれども、そのころからこの今問題にしている金屏風事件なんかが起こってくるんですけれどもね。そのころを境にして、それ以前に佐藤茂氏を知っていたか、あるいはそれより後になるのかということは記憶はないですか。
  725. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 何分にも佐藤さんとのつき合いが一番新しいものですから、中で。
  726. 北村哲男

    北村哲男君 もう結構です。
  727. 田代一正

    ○証人(田代一正君) いいですか。
  728. 北村哲男

    北村哲男君 金屏風を平和相互銀行がもう買ったということは御存じだと思います。もちろんコンサルティング・フォーラム社を通じてですけれどもね。その金屏風を買うについて、買うことがすなわち佐藤茂氏に移った株の買い戻しとリンケージしている、一緒になっているということは証人はもちろん知っておられたわけですね。
  729. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それは私は何も知ってないですよ。
  730. 北村哲男

    北村哲男君 それを知らないと言われると、あなたは、それではひとつ売買契約書をちょっと示したいと思うんですけれども、(角田義一君資料を手渡す)売買契約書、これは昭和六十年八月十五日付の売買契約書で、問題になっている金屏風の売買契約書なんです。  それには金額四十億円と出ており、そして支払い期が八月、昭和六十年八月十七日に最初の二十億、六十年九月十七日に次の二十億が支払われることになっておると。それで売り主が八重洲画廊、買い主が伊坂重昭となっているんですけれども、これはごらんになったかどうかは別にしても、この売買契約を会長として承認されたということは覚えておるでしょう。直前になると思います。八月、この契約書の数日前のことだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  731. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 会長としてこれを事前に検証してみるとか確認を考えてみるとかいうことは当時なかったと思います。  私はたしか当時まだ常務になっていない。常務会のメンバーにはなっていないということじゃなかったかと思います。
  732. 北村哲男

    北村哲男君 証人は先ほど一番最初の自己紹介でも一九六〇年ごろというふうに間違ったことを言っておられるんですけれども、証人の経歴を見ますと、昭和五十八年に平和相互銀行に会長として入っておられます。そして、ずっと会長としておられて、六十年の十二月三日に今度は社長に就任されたと。ですから、五十八年から六十年ですから約二年間会長としておられたわけですから、当然その会社の最高幹部であられたわけですけれども、そういう大事な契約について知らないというのは脇に落ちないんですけれども、どういうことでしょうか。伊坂さんはあなたに相談したとはっきり言っております。
  733. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  平和相互銀行の一種の内規みたいなものがございまして、何か重要事項が決定するときはこういったメンバーが集まらなきゃいかぬとかいう、例えば、その中で、私は最後までならなかったんですけれども、そのメンバーの一員に私は入ってない。だから、貸し出しの、大きな貸し出しをやるにいたしましても、それはどこかで聞くかもしれませんけど、正式の契約の相手としては不十分な私に関しては時代だったと思うんです。
  734. 北村哲男

    北村哲男君 あなたは、先ほど真部氏を伊坂さんたちに紹介をしたという経過がありましたですね。それで、その後、伊坂さんが真部との間で金屏風を買い取る交渉をしておったということは報告を受けているでしょう。しかも、その金屏風の買い取りは佐藤茂に行った株式を買い取ることとリンケージしているということについても当然認識があって、その経過については逐次報告を受け相談を一緒にしていたというふうに伊坂さんたちは言っておりますけれども、その辺はどうなんですか。
  735. 田代一正

    ○証人(田代一正君) いろんなやり方があると思うんですけど、何月何日にどういった商売をした、そうするとその商売をやった日というものが鮮明に出てくるわけですね。ところが、世の中というのはなかなかそういうわけにもいかないで、物によっては正式な支払いの流れでないにしても、何となしに話でもってこうずっといくという、そういう場合があると思うんですよ。  私は、つらつら考えみるに、結局この契約書は私は見てないです、正直言って。ということは、さっき言ったように、私に権限がないから、だから回さぬで済むということじゃなかったのかと思いたくなりますね。
  736. 北村哲男

    北村哲男君 伊坂氏は経営陣にいたと言っても一監査役で、また顧問弁護士であるわけですよね。会社の意向を受けて仕事をしていた人だと思うんです。  それで、伊坂さんはあなたから依頼を受けて真部と会って、そしてもちろんほかの経営陣からも委任を受けて金屏風の売買について自分が担当したと。それは先ほどあなたもおっしゃったとおりです。その経過については逐一報告をしておったと言ってるんですよ。それはいいでしょう、今までの証言で。  一つ大事なことは、ある時点で真部から、「佐藤15、それから竹下3、伊坂1」その他「1」というメモを見せられたと、そのメモの意味は、この株式を買い取るためにはこれだけの政治工作が必要であるという趣旨だということを言われたと、それを言われたので、これは大事なことだと思って会長である田代さんにその旨を報告したと、先般一月二十六日の東京地裁の法廷でそういうふうに伊坂さんは証言しております。そういうことは覚えておりませんか。
  737. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 記憶してないですね。
  738. 北村哲男

    北村哲男君 先ほどの金屏風の売買契約書を御存じないと言われたんですが、現実に平和相互銀行から八月十七日に二十億円、そして九月十七日に二十億円払われているという事実があるんです。これは小切手の現物もあります。それについて、あなたは支払われたということについても御存じないんですか。
  739. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 不思議なことにこれはある程度鮮明な記憶が何かあるように、鮮明な記憶があるような気がいたします。  と申しますのは、当時常務会とか何かには出れなかったんですけれども、何となしに私のところに係から、審査係とか何かございますね、そういった諸君からいろんな情報が入ってくる。正確じゃないにしても、大体今どんなことが問題になっているかなんということは、どうもそういったところから入ってきたのかなと、今にして考えれば思いますね。そういう理解です、私は。
  740. 北村哲男

    北村哲男君 せっかく思い出していただいたことで、もう一つ、そのときに一緒に佐藤茂氏から問題の二千百六十万株の買い取り資金八十五億についても支払いの、支払いというか、お金を出すことが決まったというふうに言われておるんですけれども、問題のその株の買い取り資金がどこで決まったかということについて御存じですか。八十五億。
  741. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私は正確な記憶はないんですけど、第一、八十五億というのはどこから出てきた数字なのか、それがまたわからないということじゃないかと思います。
  742. 北村哲男

    北村哲男君 そもそも小宮山ファミリーから佐藤茂氏へ二千百六十万株が売られた代金が八十億なんです。これもう既にわかっていることなんですけれども、それから計算された、それからの利息とかその点つけて八十五億というふうに決められたというふうに言われているんですけれども、それについての支払いが会長から、会長及び伊坂さんたちから、支払いするようにというふうなことを言われた。審査規格ですか融資規格、ないし審査部の人がそう言っているようですけど、そういうことはないんでしょうか。
  743. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ただいまの質問、ちょっと正確に、もう一回承ってから返事させていただきたいと思います。
  744. 北村哲男

    北村哲男君 今、八十五億という計算がどこから出たかわからないとおっしゃったんで、この八十五億というのは、その佐藤茂さんが小宮山ファミリーから買った値段がもともとが八十億だったということから算出されたんでしょうと私は言ったんです。そういう説明を申し上げました。ですから、そういう計算をされて、わずか五億円プラスをした額を買い取り資金として支払うようにというふうにされたんではないですかと言ったんです。
  745. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私、勉強不足か何か知りませんけど、ただいまのお話、やっぱり八十五というのは一体どこから出たのかということについてはかなり抵抗を感じますね。
  746. 角田義一

    ○角田義一君 ちょっと最後に私からちょっとお尋ねしますけれども、証人はこの合併問題について、当時大蔵大臣であった竹下さんと一度もお会いになってないと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、例えば合併が成就した後、当然あなた、竹下総理にお会いに行ってごあいさつするというのは当然じゃないんでしょうか。一遍も会ってないということじゃないんじゃないでしょうか。
  747. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 確かに私の舌足らずの表現で非常に悪かったかと思うんですけど、合併が終わった後参りまして合併のごあいさつをしたという記憶はございます。もしそうでないということでしたら私謝りますから、御勘弁願いたいと思います。
  748. 角田義一

    ○角田義一君 終わります。
  749. 北村哲男

    北村哲男君 終わります。
  750. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 北村哲男君、角田義一君の質疑はこれで終わらせていただきます。  木庭健太郎君。
  751. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 公明党・国民会議の木庭健太郎でございます。今の社会党の質問に引き続いてお尋ねをしたいと思います。  証人はただいま四十億円について、金屏風の件ですが、八月十五日、九月十七日、二十億、二十億支払ったということについては鮮明な記憶があるとおっしゃっておりますけれども、これについては、その支払う前の段階でお聞きになったのか、支払いが終わった後にどなたから情報が入って聞いたのか、どちらをおっしゃっているんでしょうか。
  752. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私の当時の記憶、当時来の記憶によりますと、私が聞きましたのは、実際に契約書に契約の調印が終わった後の時点でそういうことがあったんじゃなかろうかというぐあいに思います。
  753. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それと、もともとこの真部氏との関係の問題でございます、お聞きしたいのは。  真部氏を伊坂さんに紹介されましたね、先ほど折衝を任せるということをおっしゃっておりましたから。じゃ何のための折衝を伊坂さんにお願いしたんですか。真部さんと何の交渉をするために伊坂さんにぜひこれをやってくれと言ったんですか。
  754. 田代一正

    ○証人(田代一正君) もう一回ゆっくり説明していただけませんか。
  755. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 先ほど田代証人は折衝事は伊坂さんに任せることが多いとおっしゃいました。任せた折衝は二つあるとおっしゃいました。一つは佐藤さんとの折衝について、これは伊坂へという発言がございました。それともう一つ田代証人から今度は真部さんを伊坂さんへ紹介したわけですね。何のために紹介をされたんですか。
  756. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 記憶に頼った御説明しかできないと思うんですけど、当時やっぱり伊坂さんを中心にしていろんな営業活動が行われた、大きな営業活動が行われたということでございますが、それから類推してどういうぐあいに見るかということがその次の問題だと思うんですけど、これもちょっと私は余り正確に記憶がないんですね。大事な問題かもしれませんけども、まことに申しかねますが、正確な記憶がないというぐあいにお考えおき願えないかと思っております。
  757. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それでは困るわけで、佐藤氏の折衝を伊坂さんにやらした、これはわかりますよね、何のためか。株を要するに佐藤さんがいっぱい握っている、これを何としても取り戻すことを一つの自主再建の条件として考えなければいけないと思う。そうすると、そこに伊坂さんが登場する。しかし、真部さんというのは何のために登場するのかがよくわからないですね、証人のお話では。  そうすると、先ほどのお話ですけれども、やはり真部さんから何か佐藤さんの株の話があり、自分をぜひ通してほしいなり、自分を通さないとこの株は戻らないよというような認識と言いましょう、そのまま聞いたということでなくて、田代証人がそういう認識をした、だからこそ真部さんに、伊坂さんぜひちょっとこれ会ってくださいよという紹介をしたんじゃないですか。
  758. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 言えることは、私が言えることは、真部氏と伊坂さんとの関係でございますが、これはやはりほかの案件もなかなか大変だし忙しいかもしれぬけど、これも忙しいからということで、やはり事実上の問題として、いろいろ応援と言っちゃおかしいんですけど、そういうような関係があったんじゃなかろうかなという気がいたします。
  759. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 何の応援かがそれではやっぱりわからないですよね。私、わかりやすく言ってます。  それはどういう話を聞いたかは別として、田代証人自体が、真部さんと最初に会ったのは田代証人だと先ほどおっしゃいましたが、そうすると、真部さんに会ったときに田代証人はどういう話を聞いたか明確に覚えていらっしゃらないとおっしゃっている。明確に覚えてなくて結構です。ただし、どうも真部さんを通さないと佐藤さんが持っている株は戻りそうにない、それなら一つの応援として、ぜひ伊坂さん、真部さんとこの件についても、中身はわからないけれども交渉してくださいよと、一番緩く言ったらそういうことになるんじゃないですか。これも認められませんか。
  760. 田代一正

    ○証人(田代一正君) まことに申しわけないんですけど、真相のイメージがなかなかわかないものですから、なかなか表現があれなんでまことに申しわけないと思います。
  761. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私は、記憶にないという形で証言を拒否されているように正直感じます。質問したことに対して、それは違うなら違うとおっしゃっていただきたいし、記憶にないなら記憶にないとおっしゃっていただきたいし、その辺が非常に不明確であるし、わかる限りで正確に答えていただきたい、そう思えてなりません。  それじゃ、お尋ねしますけれども、証人が金屏風ということを初めて知られたのはいつのことですか。この契約した後のことでございますか。それ以前からだれかから話を聞いたことがございますか。
  762. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私の記憶によりますと、金屏風というものの存在がわかりましたのは契約とか何かの後じゃなかったかなというぐあいにしか考えられないんです。
  763. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうすると、証人は、真部氏と伊坂氏がどういう交渉をしているかについては一切知らされてなかったということでしょうか。
  764. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ほとんどと言った方がいいかもしれませんけど、私はそういうようなことを何回か経験しておりますもので余り気にはいたしませんけど、そういうことです。
  765. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 証人は伊坂氏の事務所まで行き、この真部氏との取引について何とか早くまとまりませんかというようなことを言いに行かれたことがございますか。
  766. 田代一正

    ○証人(田代一正君) これも、伊坂さんの部屋に行ってどうこうしたということですけど、御本人はどうかは知りませんが、私も二度ほど伊坂さんの部屋に行っていろんな話をしたことがございますが、本件につきましては、何とかなりませんかということを、ではなくて、(「事実をそのまま言えば楽ですよ」と呼ぶ者あり)はい、いや、そう努めておりますけど、後どういう追加になりますか。いや、この追加じゃないですよ。
  767. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 ちょっと時間がないんで話を変えます。  証人は、時間とかそういういつというのはなかなか記憶がないとおっしゃっております。ひとつお聞きしたいんですけれども、佐藤茂さんと会われた、比較的新しいとおっしゃっておりますけれども、それは平和相銀の中間決算の発表の後ですね。いわゆる稲井田社長の更迭が決まったという報道があったその翌日が昭和六十年の十一月二十七日なんですけれども、その日に、ホテルオークラでございますけれども、そこで佐藤さん、真部さん、そして証人、三人で会った御記憶はございますか。
  768. 田代一正

    ○証人(田代一正君) よく覚えております。
  769. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 どんな話をされたんですか。
  770. 田代一正

    ○証人(田代一正君) どうも人の悪口に入ってくるんでなかなか言いにくいですけど、先方で言っていたことは、何か伊坂さんがだれかと会っていると、面会していると。ということは、今の趣旨に、こうですね、で、何回か、もうこれで株の出し入れについて何回か会ったんだけど、今度おっしゃることは、何回か会ったって株の話のカの字も出なかったよということを佐藤さんは言っておりました。つまり、伊坂さんと佐藤さんとの間の話し合いの総決算みたいな物の言い方ではなかったかと思います。  それから、真部さんは来ておられましたけども、これは行ってみてびっくりしたんですが、大株主という資格でもって片一方の佐藤さんが来られることはわかっていましたけど、真部さんが来られることはわからなかった。そういうのがそのときの話し合いであります。  ただ、このことに関連いたしまして、もう一つ大きな問題は、雑談をしている過程で佐藤さんがおっしゃったことは、平和相互銀行が盛んに正常化というんですか、そういう対策に乗って仕事をしていこうとしているんだけれど、やはり事柄はそうなかなか甘いものじゃないと、だからそういう点については十分心に入れてこれからの仕事に当たっていただきたい、こういう趣旨のお話をされました。そういう記憶がございます。
  771. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一つ、伊坂さんと青木伊平氏、竹下さんの秘書でございますけれども、この方がこの平和相銀の問題をめぐりまして昭和六十年六月十八日、銀座の「松山」でお会いになっております。伊坂氏は、これは非常に大事な話だったのでその後、事後報告であったけれども田代証人にこの件を報告したと言っておりますけれども、伊坂、青木両氏が会ったということを報告を受けたことはございますか。
  772. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そもそも青木さんという方を知らないんです。ですから、青木さんに関連したことがどこかに入ってくるということは私の場合にはあり得ないということになるんではないかと思います。
  773. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 会ったことはなくても、電話で青木さんと連絡をとったことはございますか。
  774. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それもございません。
  775. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 青木伊平さんというのは、竹下さんのまあ長い秘書でもございます。分身とも言われている。竹下さんをよく御存じの田代証人が、青木という名前すら知らないとおっしゃる。私は非常にそこに矛盾を感じてならないんですけれども、その竹下さんの秘書で青木伊平というのがいるというのも知らないということでございましょうか。
  776. 田代一正

    ○証人(田代一正君) もう少し砕いて申しますと、僕らは大蔵省の出入りでいろんな情報をこう傍受するわけでございます。  あるとき、大蔵省に行きましたら、青木さんという名前を知っているかと言うから、知らないと言ったら、どんな人だと言ったら、いや大変な政治力のある方でかくかくしかじかであるということを言われまして、それでああなるほどそんな方がおられたかと、周辺に、ということでびっくりしたという記憶があります。  したがって、そういった意味で鮮明な記憶があるということです。
  777. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 本来、私は、証人がおっしゃっていることは非常に理解ができない面がございます。  竹下さんをよく知っている田代証人が、今度は伊坂さんは青木さんという秘書を使って交渉を始めるわけですよ。そうすれば、証人に当然連絡する。証人と竹下さんの親しい関係もわかっているわけですから、そういう関係になると思うのであります。  そういう意味で、私は最後に証人に、もう先ほどお年をとられたと、私の父よりも少し年齢、大体同じぐらいでございますけれども、話を聞いていてお墓まで真相を持っていかれる気かなとも思いました。率直に今後お答えをいただきたいということを最後にお話をして、私の喚問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  778. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 木庭健太郎君の質疑は終わらせていただきます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  779. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 速記を起こしてください。  寺崎君。
  780. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 証人は、五十八年六月、日本証券金融の副社長辞任されまして、それで平和相互銀行入りをされたわけですが、平和相互銀行入りを勧められたのはどなたですか。
  781. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  勧められたというのは、挙げ方によっちゃ随分人数もふえますので要約して申し上げますと、一つの柱はそのときの銀行局長をしていた男ですね。それから、そういった銀行局の行政に大きな影響を持っている人たちということじゃないかと思うんです。  たしか一番最初は、その当時平和相互銀行が非常にどちらかというと微弱になってきているところだし、何か支えにゃいかぬなという下地が当時ございまして、それでいろんな人を考えたりなんかしているうちに、そういう一連の人たちが私に目をつけたわけです。  それで、私、目をつけられて、どうかねと言われたんですけれども、初めのうちはもうこの年になってね、どうかなという気も当時はしたんですけど、どうしても時の銀行局長が私に行ってくれと言うものですから、おまえ本気でそういうことをおれに言っているんだなといったら、本気だと言うから、君が本気だと言うなら僕はそれに従おうということで最初のステップは踏んだわけでございます。
  782. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 平和相互銀行が簿外保証額を四百三十五億円も持っているということが表面化したのは五十四年の四月でございます。したがって、証人に平和相互銀行く行ってくれと銀行局長がお願いする以上、目的、こういう目的で行っていただきたいということを話されたと思いますが、そのときの目的というのは何だったんでしょうか。
  783. 田代一正

    ○証人(田代一正君) よくそういうことを聞かれるのでございますけど、目的を指示してどうのこうのということは普通はやらないんで、しっかりやれよと、後は着任した後で自分の考えを中心にいろいろと展開していくという過程をとるわけでございまして、あらかじめ何と何はどうしろとか何と何はこうしろということは普通の行政としてはない。
  784. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 先ほど来のお話ですと、社長に就任されるまで常務会からも外されていたというお話でしたが、銀行局長が行ってくれと頼んでいるような状況の中で、私はにわかに信じがたいんですが、本当にそうだったんでしょうか。
  785. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 本当にそういった事態が起こったわけでございます。
  786. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 話を変えます。  五十九年三月から六十年三月期にかけて、平和相互銀行の株主が大幅に異動しております。つまり、佐藤社長のところに移っだということですが、この事実を承知されたのはいつごろでございましょうか。
  787. 田代一正

    ○証人(田代一正君) さあ、明確にいつごろであったということはなかなを言いにくいんでございます。しかし、ある早い時期にそういうことがわかったのではなかろうかと、これは推定でございますけど、されます。
  788. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 佐藤社長の株式購入資金は住友銀行系のイトマンファイナンスから出ているという報道がございますが、それも無担保で出されているという報道がありますが、そのことは当時御存じだったでしょうか。
  789. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 当時、そういうことがあろうとは夢にも思わなかった、正直言って。双方は違うけど、私は私で一つの一家言を持っているし、皆さんは皆さんで一家言を持っているということで、そういうことになります。
  790. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 証人は預金保険法という法律を御存じでしょうか。
  791. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 話せば非常に長くなるんですけど、預金保険機構をつくるについて、私は銀行局の審議官をしておるときに、ドラフトつくってもらった記憶がございます。そういう意味で、預金保険についてはそれだけの見識は持っているつもりでございます。
  792. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 よく御存じのように、この法律が改正されたのは六十一年の五月の国会でございますので、そのとき衆参の大蔵委員会で審議されたわけでありますが、衆議院の堀昌雄委員は、平和相互銀行にしても、銀行は定期検査をやっているから、経営が危ういという状態になるのはそういう状態が実際にあらわれる前につかめるはずだと、把握できるはずだと、したがって、監督権はそのまま残しておくわ、この改正によって例えば救済策を講じられるようになるわというのはちょっとやり過ぎじゃないかというような話をされております。  法律というのは、御存じのように、急にできるわけじゃなくて、一年なり半年なり準備期間があって法案ができてくるわけですが、この法律についても、六十年五月の金融制度調査会の答申を受けた格好で出てきております。つまり、将来の平和相互銀行、住友銀行の合併あり得べしということを念頭に置いた法案改正ではなかったのかと思いますが、証人はどのように認識されておりますか。
  793. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 大変思い過ごしの面があるんじゃないかと思います。行政というのはそこまでの視野はきかないんで、私も長年の経験がございますが。したがって、長い将来を見通して今のうちに何をしておこうというようなお話かと思いますけれども、それはそういうことはないというぐあいに私は理解したいと思っております。
  794. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 寺崎君の質疑は、これをもって終わらせていただきます。  次は、吉川春子君。
  795. 吉川春子

    吉川春子君 日本共産党の吉川です。  私がここに持っております写真は、証人もよく御存じの金屏風の立派な写真です。(写真を示す)あなたは、契約の事後であったとしても、なぜ四十億も出してこの金屏風を買うことを了解されたんですか。
  796. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  物の値段と申しますのは、主観的価値と客観的な価値があると普通言われております。私は、金屏風のような場合には特殊異例のことで、普通ならマーケットプライスというやつがあって、あれ二十億か三十億かそれは知りませんけど、それが主観価値になると急に上がってくる。これはやっぱり経済学でも教科書に載っておるような現象であると思います。  私は、この問題のときに初めて世の中に主観的価値というのはどういうことかということを教えたものじゃないかと思います。つまり、ある程度話をしてみると、結果的にこの辺ぐらいがいいんじゃないかというやっぱりゾーンが出るようでございます。そのゾーンに目を向けながら値段を、大体この程度じゃないかというぐあいになる。それは大体高いに決まっている。高いところでとまる。そういった現象がやっぱり起こっているんじゃないか。大変生意気な物の言い方をして恐縮でございますけれども、そういうぐあいに考えたわけでございます。したがって、そうめちゃくちゃに高いものかどうかということも言えるんじゃないかというぐあいに思ったわけでございます。
  797. 吉川春子

    吉川春子君 大変な経営状態にあった平和相互銀行にとって、この金屏風を買うことは価値がある、四十億でも高くないと、そういうふうに思ったということですか。簡単にお答えいただきたいと思います。
  798. 田代一正

    ○証人(田代一正君) まあ、そういうぐあいにお考え願ってもいいんじゃないかと思います。
  799. 吉川春子

    吉川春子君 あなたは、さっきもお話出ましたけれども昭和六十年の十一月二十七日、真部氏、佐藤茂氏とホテルオークラで会っていますが、これは金屏風と株の買い戻しの件で話し合ったこと以外考えられませんけれども、そうですね。
  800. 田代一正

    ○証人(田代一正君) これは、よく、少し私が早まった物の言い方をしているかもしれませんけど、私に出てこいというぐあいに佐藤さんがおっしゃった、それで行ってくれということで行ったわけでございますけど、話の内容とかその他を聞いてみますと、そういうことじゃなくて、もう少しスケールの大きな話で、今後一体日本の国の中小金融機関というのは一体どうなるんだろうとかそんなような話が随分出ていて、それで個々にどうこうという話はほとんどなかったように思います。強いてあるとしたならば、私の記憶によると、伊坂さんのことを批判しておりまして、伊坂さんが佐藤さんとお話をしていたわけですね。ところが伊坂さんは、やってますやってますということをどうも陣営に帰ると言うらしいけど、実を言うと田代さん違いますよ、あれ、二十回会って五回ぐらいしか本件についての話はしてないんですよ、だからその辺についてはお間違えないようにと、こんな話だったと思います。  余り人様に申し上げる話じゃないんですけど、だんだんそういうこともよろしいかと思って申し上げておるわけです。
  801. 吉川春子

    吉川春子君 スケールの大きな話ということで言えば、不相銀の自主再建というよりは合併の方に移行すると、そういうようなスケールの大きな話も出たんですか、出ないんですか。一言で結構です。
  802. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そのときにはそういう合併の話に関係したことはなかったと思います。
  803. 吉川春子

    吉川春子君 不相銀の伊坂重昭氏の言によると、あなたは元竹下首相秘書の青木氏と独自に頻繁に電話連絡をとっていたと文春の四月号に載っておりますけれども、これは否定されるわけですか。電話連絡をしたことはないとはっきり否定されるんですか。
  804. 田代一正

    ○証人(田代一正君) はっきり否定いたします。
  805. 吉川春子

    吉川春子君 伊坂氏は東京地裁の証言で、竹下元首相の秘書の青木さんと「松山」で会ったと、自主再建について説明し、私としては十分理解していただいたと思ったと青木氏に言ったことは竹下氏に報告され、当然竹下氏も自主再建に理解を示してくれているものと思っていたとありますけれども、こういう報告を伊坂さんからあなたは受けていなかったんですか。
  806. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 大変残念ながら、正式なチャネルとして私は聞いていないということでございます。
  807. 吉川春子

    吉川春子君 正式じゃなくて、じゃ非公式には聞いていたんですね。
  808. 田代一正

    ○証人(田代一正君) それは実は明確な知識がないものですから、それ以上のことを何かもっともらしく申し上げるのはいかがかと思いまして私はそういう言い方をしているのでございます。
  809. 吉川春子

    吉川春子君 不相銀は、伊坂氏の関連会社のコンサルティング・フォーラムに二十一億、もっとですね、融資をしていますけれども、これは事前に大蔵省の承認を得たんでしょうか。
  810. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私の所管外であったかどうか知りませんけども、私はその辺についての明確な知識はございません。
  811. 吉川春子

    吉川春子君 決算承認銀行ですから、当然大きな融資する場合には大蔵省の承認が必要ですよね。それはもう証人の経歴からいって十分御存じだと思いますけれども、こういうような融資について大蔵省の承認も得てないというのはおかしいんじゃないですか。
  812. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 得てないということを申し上げたことじゃ……
  813. 吉川春子

    吉川春子君 得ましたかと聞いたんです。得ているんですか。
  814. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 記憶がないということを私は申し上げたんです、どっちにしても。だから答えようがないということです。
  815. 吉川春子

    吉川春子君 おかしいじゃない。  委員長、ちょっと済みません。質問の意味がわからなかったと思います。  記憶がないと言っても、今もう明らかになっていることでしょう、この不相銀の事件。それで、この融資のときに大蔵省の承認を得たのかどうかということをあなたに聞いているんです。それは決算承認銀行だから得るべきじゃなかったのかと、こういうことを聞いているんです。どうでしょう。
  816. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 実を申しますと、私は当時どんなポストにいたんですか、正当に処理するポストには私はいなかったんじゃないか。だから、そういった事実があるにいたしましても、私との関係は違う問題があるということじゃないでしょうか。
  817. 吉川春子

    吉川春子君 終わります。
  818. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 以上で吉川春子君の質疑は終了させていただきます。  次に、池田治君。
  819. 池田治

    池田治君 早速お尋ねしますが、あなたは平和相互銀行幹部が特別背任罪容疑で東京地検特捜部の捜査を受けた際、その後あなたも事情聴取を受けておりますが、この点につきまして神戸の土地に関する融資問題、これが主たるものだったと思いますけれども、それ以外にもお尋ねになったと思っておりますが、金屏風についても事情聴取がございましたか、どうですか。
  820. 田代一正

    ○証人(田代一正君) なかなかそういうことに対してお答えするのは難しいんですけど。
  821. 池田治

    池田治君 調べはあったかどうか。
  822. 田代一正

    ○証人(田代一正君) だから、それは調べがあったかどうかですね。それはあったと言わざるを得ないでしょう。
  823. 池田治

    池田治君 その金屏風事件につきましては、きょうのこの予算委員会でいろいろ質問がなされましたが、忘れたとか記憶にないとかというお答えばかりのようでありますが、このときにはまだ生々しい時代でございますから鮮明な記憶があったと思いますが、どういうことを述べられたと記憶していますか。
  824. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 忘れましたね。申しわけない。
  825. 池田治

    池田治君 忘れたら忘れたでいい、調書は後で見るから。忘れたんですか。
  826. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 済みませんけど、質問を。
  827. 池田治

    池田治君 立って。
  828. 田代一正

    ○証人(田代一正君) どうも済みません。  今、あったかなかったかということでございましょう。あったということ、あったと言わざるを得ないでしょうと、という言い方をしたと思います。
  829. 池田治

    池田治君 その中身はどういうことを述べたか、覚えている範囲で答えてください。
  830. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 中身については、もう本当によく記憶しておりません。申しわけない。
  831. 池田治

    池田治君 そのときの検事はだれで、何回ぐらい取り調べは受けましたか。
  832. 田代一正

    ○証人(田代一正君) さあ、そういうことは大体四、五回かな。
  833. 池田治

    池田治君 四、五回。
  834. 田代一正

    ○証人(田代一正君) ぐらいだったと思います。しかし、これはまた違いますし、いろんなこともございますので、またその辺についてはよろしく御配慮願います。
  835. 池田治

    池田治君 検事はだれかと聞いている。検事はだれだったか。
  836. 田代一正

    ○証人(田代一正君) これも本当を言ったら秘密委員会でやっていただきたいと思うんですけども、高野という検事です、私に対してはね。
  837. 池田治

    池田治君 今、言ってください。
  838. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 今、申し上げたでしょう。
  839. 池田治

    池田治君 検察官の名前。
  840. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 検察官、高野検事。
  841. 池田治

    池田治君 そこで、金屏風の値段の問題に入りますけれども、これは文化的なもの、芸術的なものは価値のつけようがないと、主観的なものであると言われましたが、もともとこの金屏風というのは三井家が持っていたものを昭和の後半になって東洋バルヴが二億七千万円で買っております。それを昭和五十六年ごろから八重洲画廊の真部さんが買い取っておるということでございまして、この四十億と比べれば本当の少ない金額の価値しかないものなんですが、あなたはそういうことは知りませんでしたか。
  842. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 何か割合にマーケットバリューなんかに比べると高いという式な意見はあったかもしれません。
  843. 池田治

    池田治君 売買契約の前には知らなかったということですが、契約の後お知りになったとき、どうしてこの高いものをだれから何の目的でお買いになったか、お尋ねになったことございますか。
  844. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答えいたします。  やっぱり当時のことでございますので、そういうことを勘案しながら物事を決めていったということでございますが、それ以上何か先生に申し上げることございますでしょうか。
  845. 池田治

    池田治君 それじゃ困るんですよ。
  846. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そうですか。
  847. 池田治

    池田治君 高いようなものを買うたような気がすると言われましたからね、なぜそんな高いものを買わないけなかったかと。何か高いものを買えば後のお土産がつくのかというようなことがあったから高いものでも買ったというような話をお聞きになったことはございませんか。
  848. 田代一正

    ○証人(田代一正君) そういうよりも、やはりさっき主観価値ということで申し上げたんですけど、そういった物の考え方の方が当時としては通りやすい理屈じゃなかったかと私は思います。
  849. 池田治

    池田治君 二億七千万か三億程度のものを四十億で買って主観と言うのは、これはちょっと通用しない非常識な話じゃないかと思いますが、あなたがそうおっしゃるなら仕方ございません。  私がいろいろ調べたところでは、小宮山家が持っていた二千百六十三万株、これが自主再建派にとってはぜひ欲しいので何とか株を買い戻したいということでいろいろ伊坂さんや鶴岡さんが走り回っておられるとき、あなたから、この真部というのに会え、真部はこの絵を買えば何とかなると言っているんだがと、こういう話があったというような趣旨を伊坂さんは法廷で述べておられますが、この点についてあなたはどうお感じになりますか。
  850. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 役に立つからもう少しつき合えということだと思うんですけど。
  851. 池田治

    池田治君 役人じゃありませんよ。真部さんは民間人ですよ。
  852. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 役に立つと。
  853. 池田治

    池田治君 それはどういう意味にですか。
  854. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 役に立つということは、非常にお役に立ちますお方であるということです。だから、もしお役に立つという判断のもとならばいろいろおつき合いをするのもいいことじゃないかと、こういうことですね。
  855. 池田治

    池田治君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、証人ですからもう少し、とぼけないで、真実を述べると誓約されたんですから、もうはっきり言わぬとだめですよ。  時間がありませんので、私はこれで終わります。
  856. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 下村泰君。
  857. 下村泰

    下村泰君 田代さんとは初めてじゃないんです。本当はあんまり私はここでこういうお会いの仕方はしたくなかったんです、本当は。  いずれにしてもわかることですから申し上げますけれども、あゆみの箱の事務所というのは平和相互銀行にずっと無料でお借りしているんです。あの八重洲の一等地のビルディングの一角もお借りしておりまして、今度住友になっても、また今度は目黒の方のやはり元平和相互銀行の一室をお借りしているんです。そういう関係がありますので、どうもあなたのお顔を見ていろんなことを言うのは非常につらい。下手して出ていけと言われると困りますよ、これは。そんな関係があるんですけれども、これはこれ、それはそれとしてお尋ねいたします。  田代さんの御趣味を拝見すると、ゴルフと読書と美術鑑賞となっているんですよ。美術鑑賞をするだけの識鑑のある方が何で数億円にしかならないような屏風があの四十億というようなことになったのか、ここらあたりをちょっと聞かせていただきたいと思うんです。
  858. 田代一正

    ○証人(田代一正君) こういうことはなかなかまことに説明のしにくい問題でございますが、いずれにしても、さっき申しましたように、いろんな名分のもとに我々行動していたものですから、その名分に合う合わぬということもまた大事なことなんで、そういうことではかり直してみると、やっぱりあながち高過ぎるということも物事については言えないんじゃなかろうかと。まあ物の言い方が非常に悪くて申しわけないんですけど、そんなような気持ちで当時いたんじゃないかなと。  したがって、絵をたくさん知っているからそれだけでもって判断できるかというと、必ずしもそうでないかもしれない。そんなような現象がやっぱり起こったんじゃないかと。あんまり説明のしにくい問題といたしましてね。そうとしか、そばで見ている私には判断のしようがなかったということだと思います。
  859. 下村泰

    下村泰君 こういうものは見る人によって、また欲しがる人によっては全然ばか高い値段もつけられましょうし、ただ、常識的にこういうものがこのくらいだというように、事実この屏風は田代さんごらんになったんですか。
  860. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 拝見いたしました。
  861. 下村泰

    下村泰君 そうしますと、田代さんのその美術の鑑賞眼、鑑識眼から見て、こんなにするのかなというようなことはお感じになりませんでしたか。
  862. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 私もそれ以上のことは、余り美術のことに詳しくない、鑑賞はうまいけれどもそういうことについては余り得意じゃありませんので、あるいは間違うかもしれませんけど、やっぱりそういうようなこともあるんじゃなかろうかと。  現にそれ以降のいろんな美術に関係した問題を見ますと、日本では常識じゃないと思われることも常識になってみたり、やっぱり世の中が変わってきているのかなというふうにも思ってみたりしたわけでございますけど、結局、正式に申しますと、よくわかってはいないということになるのかもしれませんけど、その程度お答えでここは御勘弁願います。
  863. 下村泰

    下村泰君 お亡くなりになりました青木さんという秘書の方がいらっしゃいますけれども、これは週刊時事というところの記事なんですが、五億円の問題が起きた当時、小沢元幹事長は生原秘書にお前は青木になれないのかと胸ぐらをつかんで詰め寄ったと伝えられておるんですがね。ここのところ非常にこれはもう意味深な、ひっくり返して考えればいろいろ言われるところでしょうけれども、そのときに「生原はオレの秘書だ。余計なことを言うな」と言ったその金丸さんが、しまいには「あんなやつを秘書にしたのはオレの不徳だった」と、こういうことが書かれているんですけれども。しかし、すべてのことをしょっていって亡くなった青木さんという方は非常に私はお気の毒な方だと思いますけれども、もし久しいおつき合いであったならば、今その青木さんのお亡くなりになったことに対してどういうお感じをお持ちでしょうか、聞かせてください。それで終わります。
  864. 田代一正

    ○証人(田代一正君) お答え申し上げます。  青木さんと私が関係がないということをさっきから何回も申し上げておりますので、それはその前提でお聞き取りいただきたいと思うんです。  やはり、そうですね、これなかなか言いにくいんですけど、やっぱり秘書と政治家といいますか、そういう関係一つのサンプルじゃなかろうかと私は思います。だから、そういった事件が起こらぬようにするためにはどうしたらいいかということをもう少しお考えになってもいい御時世になっているんじゃなかろうかなというぐあいに、これは提言でしたら取り消しいたします。  ほかに何かございますか。
  865. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 下村泰君の質疑は終わらせていただきます。  次に寺澤芳男君。
  866. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 佐藤茂さんが三三・五%の株式を保有されたのが金屏風事件の発端になっているわけですが、そもそも三三・五%という比率は過半数ではないわけで、残る六六・五%というのは安定株主のいろんな銀行金融機関が所有していたわけです。住友銀行が佐藤さんからの株式を支配下に置いたとしても商法上株主としてできることは限られているし、またその逆に、平和相銀の四人組の役員がそれを佐藤さんから買い戻したとしても同じようなことが言える。しかも、この銀行は大蔵省の厳しい監督下にあって株主の影響力は及びにくいし、仮に、株主が合併に動き出したとしても大蔵大臣の承認を必要とするわけであります。  そこで、証人はそうした中でなぜ株式の買い戻しをそのように焦ったのか、教えてください。
  867. 田代一正

    ○証人(田代一正君) やはり、当時の状況として、なるべく早くマジョリティーを、なるべく早くマジョリティーをという気持ちじゃなかったんでしょうか。私も端近にいたものですから、その当時の銀行の中枢部の方の御意見は正確にはお伝えできないんですけど、おやりになっていることを見て要約すると、そういうことになるんじゃないかと思います。
  868. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 証人は、佐藤さんに株式保有のねらいを確認しておりますか。
  869. 田代一正

    ○証人(田代一正君) さあ、そういうことはよく存じませんけど。
  870. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 銀行の合併問題というのは、大蔵省は非常に深い関心を持つところであります。かなり早い時期に、当時の大蔵大臣は竹下さん、あるいはその周辺または大蔵大臣の意向を受けた大蔵省が介在していたのではないんでしょうか。証人は大蔵省出身として非常にビビッドに情報を把握していたと思いますので、率直にお伺いしたいと思います。
  871. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 事前にビビッドな資料を持ってやったかやらぬかということでございますけど、これはまあなかなか口で言うには難しいいろいろな問題が含まれておると思います、合併に関しての問題はですね。  そこで、一般論的に申し上げるということがなかなかはばかられるとも思うんです。したがいまして、大変恐縮なんですけど、もう少し場を広げて、議論を広げてお話をする機会があれば大変よろしいと思うんですけど、また、そういった性格の問題だと私は思うんです。そういったことを、勝手なことも申し上げてもまことに申しわけございませんけど。
  872. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 いつだれから合併の話が出たのかとか、あるいはいつだれが住友銀行に接触したのか、それをお伺いしたいと思います。
  873. 田代一正

    ○証人(田代一正君) 合併と申しますのは平和相互銀行と住友銀行の合併と、こういう具合にもちろん御理解するわけですね。  まあこれも、さっきも申しましたように、アヒルの水かきじゃありませんけど、何かある一定の現象が起こる、その現象に応じて例えば合併とかなんかのうわさが伝わる、そうすると、そうかそうかということで、それじゃ一体どことどこが合併したらいいんだろうかと、自分のことも含めてですね、そうすると何とはなしにどことどこが合併するということがだんだん煮詰まっていくようですね、私どもも自分の経験でもってわかったんですけれども。理屈じゃないんです。やっぱり池に水を垂らし、そこでどんな魚が寄ってくるかを見る、で、見たところでもってだんだん集約していくというようなことがやっぱり合併の姿じゃないかと思います。だから、相当に詳密なデータというものをしょっちゅう持ってなきゃいかぬということは言えるし、ということじゃないでしょうか。
  874. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 どうもありがとうございました。
  875. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 寺澤芳男君の質疑はこれを もって終了させていただきます。  これをもって田代一正証人に対する証言の聴取は終了いたしました。  証人には、長時間にわたり御証言をいただきまことにありがとうございました。御退席くださって結構でございます。  明日は午前十時から開会することとして、これにて散会いたします。    午後六時散会