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国務大臣(森喜朗君) 先ほどの
総理と
星野委員との間の御論議にすべて尽きておりますし、
景気全体から見て、船田
長官の
景気に対する御判断、私どもそれに基づいて進めていくべきだと
考えております。
今の御質問とちょっと違うかもしれませんが、私ども通商
産業政策を預かっておる立場といたしましては、常に、
景気動向を見る上において、
一つには鉱工業
生産指数というものを重要に見ておりますし、それから先ほど
委員からもお話がございましたように在庫というものをやはり見ていかなきゃなりません。この在庫の
調整というのは非常に大事でございます。
このところ、
耐久消費財、資本財、
生産財、こう見てまいりますと、やはりまだもう
一つはかばかしくないんです。そのことを企業が全体的に業況のやはり障りというふうにとっているんだろうと思います。少し順調だったなと思っておりました
生産財も少しまた変化が見えておりまして、先ほど私が四−六の底打ちというようなことを発言したということの御指摘がございましたが、本来で言えば一−三月が底を打ったなという感じを出してほしいという神にも祈るような気持ちでおりましたけれども、先般のQEを見ましても〇・一%、そして、この三月というのはあと十日ばかりでございますけれども、そこから一−三月にかなりの伸びというものは肌で感じられない、それは先ほど申し上げたような在庫などを見ているとそんな感じ。
そこで、四−六というところに本当に希望を持っておりますけれども、先ほど
委員が細かく御研究なさった資料をお話しになっておられましたように、やはり車でありますとか電気製品でございますとかそうしたいわゆる
耐久消費財の動きというものの指数を見ておりますと必ずしも期待感が出てこないということでございます。
そういう面で、私どもは
産業政策をお預かりしているということを申し上げましたけれども、企業というのはやっぱり生々はつらつと動いてくれるということが大事でございまして、これは自由主義社会でございますから企業が独自性で自分たちで動いていくことが大事なんですが、やはり行政の立場からいえば、金融面でありますとか税政面でありますとか、あるいは貿易がございますので通商問題での環境を整えてあげるということが私ども
政府の大事な立場だと
考えております。
ですから、生々はつらつと企業が動いてくれるということもございますが、やはり一番大事なことは、もう
一つは企業が倒産をしたりあるいは失業ということが社会に対して大きな不安感をもたらす、そういう
意味で、十分に
財政出動等も期待をされるというのはそこにあるんだろう、こう思っております。
しかし一方には、
政府としても
財政当局から見ましても、やっぱりインフレなき
成長を持続するということがこれは一番大事なことでございますから、
委員のおっしゃりたいお気持ちは、
日本はそんなにほかから見ても悪くないんじゃないか、余りそうじたばたしなさんなというようなことも私は御発言の中にも少し含まれておったような気がします。
しかし、一方におきましては大変な実は黒字を抱えておりますということがございますし、それから世界全体から見て、貿易のインバランスという面から見ても国際貢献という立場からも、またあるいは世界
経済全体に対する
日本の責任というものから
考えても、いろんな
意味で大変難しいかじ取りを今
総理がなさっておられるというふうに私ども
考えておるわけでございます。
そういう
意味で、従来の公共事業はそれなりの速効性もございますしまた
景気の下支え的な役割をずっと果たしてきたことは間違いございませんが、今私が長々と申し上げましたように、在庫
調整とかそういうものから見てまいりますと、今までの型の公共事業では波及効果がやはり少し足りないのではないか。世の中はさまざまな変化をしておりますから、そういう
意味では
短期的には
景気の浮揚、中長期的には生活大国ということから
考えて、新たな社会資本、むしろおくれておる社会資本などの整備をすることの方が
国民に明るい、また
経済界にも先々明るいマインドを与えるのではないか。
同時にまた、そのことがやはり私どもが一番の願いでございます在庫の変化が出てくるのではないか。つまり、最終
需要の変化が起きてくるのではないかという
考え方でこのような
考え方を、多少他省庁のことにまで少し手を伸ばしつつでございますが最終的には
産業界全体が明るくなることでございますので、そういう希望も含めて新社会資本の整備ということをお願い申し上げておるところでございます。