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下稲葉耕吉君 いろいろな国会の都合もあることだと思いますが、私は今申し上げましたような立場で、積極的に総理初め
関係の閣僚の方々が我が国の重要案件につきまして論議し討議する場が余り難しいことを言わないで済むような形になることが望ましい、このように思います。
そこで、アメリカのクリントン政権ができました。昨日の外務大臣の御答弁を伺っておりますと、役所の
局長以上の方々がごそっとかわる、まあ革命じゃないけれ
ども、それに似たようなものだというふうなお話もございました。体制を整えられるのは大変なことだと思うのでございます。
十二年間も共和党政権が続いたわけでございまして、新しく民主党政権ができました。選挙の結果、民主党の政権ができたわけでございますけれ
ども、実は湾岸戦争のときにはブッシュさんが再選されるであろうというふうなことは、アメリカはもちろん、世界の人たちは疑わなかったと思うんです。当時の世論
調査の結果を見ましても、九〇%を超えるアメリカ
国民の支持があったというふうに伝えられております。
じゃなぜブッシュさんが負けてクリントンさんになったんだと。いろいろ言われておりますが、私なりに考えておりますのは、ブッシュさんが外交では点数を上げたけれ
ども内政で点数を上げられなかった。
〔
委員長退席、理事柳川
覺治君着席〕
その点をクリントンさんが巧みに主張されまして、そして内政重視の訴えが
国民の支持を得たと、このように思うわけでございます。事実、アメリカの実情を見てみますと、財政あるいは貿易の赤字を初めといたしまして、医療の問題、教育の問題、麻薬の問題、あるいは
犯罪の問題、いろいろございます。要は、アメリカの
国民の一人一人が職を失う、あるいは家計が乏しくなる、あるいは病院に行っても金がかかる、あるいは一人一人の御家庭、そういうふうな不満がブッシュさんを敗北に追い込んだものだと、私はこのように考えます。そして、逆にそういうふうな立場を理解しているというふうなことでクリントンさんが勝利をかち取ることができた、こういうようなことではなかろうかと思うんです。
そこで、日米
関係というものを考えてみますと、先般も総理お会いになったようでございますが、下院の議長さんもお見えになりましたし、それから民主党のみならず共和党の
議員の方々もお見えになりました。そういうふうな方々とのお話し合いを通じても私自身感ずるわけでございますが、要するに当面アメリカは、何と申しますか、内政を重視して、まあ言葉は悪いですが、外交というふうなものは今までみたいな、ブッシュさんみたいな形でなかなか出てこないんじゃないか。まずとにかく自分の党、
国民の理解というものをから得るために重視せざるを得ないということが結果的に大変厳しい形で日米
関係にもあらわれてくるんじゃないだろうか。
もちろん、外交の問題でございますから外交辞令なりなんなりもございます。日米
関係で解決しなければならない問題は、お米の問題、その他たくさんございます。きょうは各論に入る気持ちはございませんけれ
ども、そういうふうなことでアメリカは日本に対して従来よりも厳しい形で出てくるんじゃないだろうか。また、そういうふうなことを
国民がひしひしと感ずるんじゃなかろうか。大変な問題だと思います。
総理、大変御苦労さまでございますけれ
ども、その辺に対する総理の御決意をひとつお伺いいたしたいと思います。