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国務大臣(
森喜朗君) 与野党の理事、
委員長のお許しをいただいて十五分に少し退席をさせていただきますので、その前に私からお答えをさせていただきます。
当
委員会で
総理もきめ細かく御答弁をなさっておられますように、今回のこの景気低迷の特色というのは幾つかございますが、我々通産省の立場で
考えてみますと、どうしてもハイテク型産業あるいは
自動車、家電というような
日本の
経済を牽引していった、引っ張っていった産業がやはり大きな打撃を受けているということでございます。
もう一つは、資産価額の大幅な下落がございました。そのために、実体
経済から見てどうも企業マインドが先行きに不安感を持っているということはございます。
もう一つは、消費者や今申し上げました企業がどうしても全般的な冷え込みというものを感じておりまして、先ほど日銀の副
総裁からも御答弁ございましたように、それがどうも景気全体から見て、最終需要の約四分の三を占めております個人消費と設備投資の低迷によって非常に厳しい
状況にある。したがって、日銀の短観によりましても、私
ども通産省としましてはまだ産業界全体に非常に厳しい
状況が続くだろう、こう見ておるわけでございます。
そういう
意味で、私はきのうもここで新しい社会資本の整備ということを申し上げたちょっと言い出しっぺで恐縮でございますが、今建設
大臣御答弁をなさいましたように、
日本の国の社会資本はまだやらなきゃならぬことがたくさんございます。道路も河川も無尽蔵にあるとは思いますが、公共事業費のこの五年度の
予算を見ましても、全体としては公共事業費七兆一千四百四十六億円でございますが、いわゆる公共事業
関係としての多くは土木
関係が占めておりますのが六兆九百九十八億円ございます。
したがいまして、その他の施設、つまり公立文教や国立病院や社会福祉、公務員宿舎のようなものを合わせまして一兆四百四十八億というふうになっておりますから、そういう面から見ますと、景気浮揚、先ほど前提として申し上げました最終需要が動いてくれるということから見ますと、私はやはり少しまだ懸念されるところがあるんではないかなということを実は心配いたすものでありますから、少し幅広く、今までの社会資本の整備にプラスをして、もう少しすそ野の広がりのある、産業界に波及効果のある、そうした公共事業というものは
考えられないだろうか。つまり、いわゆる建設国債としての対象としてお
考えいただくことができないだろうか。
もう少し簡単に言えば、建設国債の発行対象の
弾力化というものをぜひ
考えてみる必要があるのではないか。そういう中に情報通信基盤や教育の情報化やあるいは行政の情報化などというものを、これはもちろん他省庁にまたがるものでございますが、ぜひお
考えをいただいた新たなやはり公共事業というものを追加的に準備をしておく必要があるのではないか、このように私は申し上げておるところでございます。
通産省といたしまして、
東京一極集中にどう取り組むのかということでございますが、これは従来からテクノポリス施策等あるいは産業再配置施策を講じてまいっておりますし、さらに近年の
東京一極集中が産業業務機能の過度の集中に起因しているということから、いわゆる拠点都市法の中にございますが、産業業務施設の地方分散を強力に図っていきたいなどが通産省としては
考えているところでございます。