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及川一夫君 今のような話は、多少のニュアンスの違いはあっても、新聞紙上、報道ではにぎわしていることでもある。我々もその点は同感なんですよ。多少幾つかの問題、言わなければいかぬという問題もありますけれ
ども、トータル的に非常に筋の通った話であるし、ある
意味では国民自体が疑問を抱いていることをそのまま率直に述べたというふうに思いますから、それはそれとして多とするんですよ。
問題は、ならば一体どうすべきかということですよ。我々は国際的地位なんかどうでもいいなんというようなことは言いませんよ。そういうものを全部踏まえながら
我が国は一体どういう態度をとるべきなのかということが問題だし、そうなっていかなければ
郵政大臣の言われた気持ちというものが生きていかないんですよね。少なくとも今の宮澤総理の答弁だけでは生きたものには私はなっていないというふうに思うんですよ。
しかもこの問題は、
日本人が殺された、血を流したという観点だけで私はとらえるべきではないと思いますよ。宮澤総理は責任を感ずると言うけれ
ども、これから先また同じように高田さんのようなことが出てきたら一体どうするんだということがありますよね。今度は自衛隊は小銃を持ってしょう、今の状況では持たざるを得なくなっちゃう。やられたから撃ち返すという事態だって想定されますよ。
相手はだれであるか、ポト派であるか何かというようなことはあるけれ
ども、とにかくカンボジア人が自衛隊の防戦という形の発砲によって相手も死んだということになってまいる。それから、選挙を強行したために、ポト派か何か知らぬけれ
ども、爆弾が投げられて多くのカンボジア人が死んだり選挙監視要員というものが死亡したなんというような事態になったら、その責任というのは、やめりゃいいというものじゃないが、深く責任を感ずるということが一体どういう事態になるのか、そういう心配が今ここに現存するのに、あのような答弁に終わっているということは、私は
郵政大臣の
発言というものを生かしたということにはならないというように思うんです。まあ議論のあるところでしょう。
ですから、席をかえて議論することになるんですが、ただ、この問題をとらえるに当たって、こういったことも今現実に各地方で起こっているということをぜひ
郵政大臣に知っておいてもらいたいんですよ。福岡県の春日原基地の自衛隊員の奥さんから我が県本あるいは地方自治体に対して涙の訴えが実はされているわけです。
それは何かというと、もう端的に言えば、アフリカといえばモザンビークの話だと思うんですが、あるいはカンボジアというものの情勢についてとにかく克明に知らしてもらいたいと。これを知らないと妻としてとにかく決断ができないという
意味だというふうに私は思うんですが、なぜそういう気持ちになったかというと、夫は別に希望したわけじゃないが、マラリアの予防注射が隊員に対して今行われているというわけです。どういう理由なのかわかりませんけれ
ども。それから、緊急事態に備えた緊急援助のため自衛隊としての夜間演習が始まった。それが現実に行われているんだそうです。
そして、初めのうちは妻帯者は除いて独身者の自衛隊員だけだったけれ
ども、妻帯者も枠の中に入れられたというふうに言われて訴えられているわけですよ。そして、拒否の権限はどうも与えられていないという。恐らく夫たる御本人がそう妻と相談をしているんじゃないですか。拒否したらいい、こう言ったって、そんなもの拒否なんかできないよ、そんな権限は与えられていないという夫婦の会話なんですよね。そういう中から与えられていないという御
発言、訴えなんですよ。そして、
海外に行くかもわからないということを夫が話をしているということなんです。
そして、街頭で
海外派兵反対などというチラシがまかれている。そういったものを受け取って隊に持ち帰ったら、そしてそれを隊に出したら勤務成績が上がるということまでも言われている状況にあるというんですよ。心配で心配でしょうがないということなんですな。
そうしますと、こういったことも、非常にささいな問題のようだけれ
ども、それこそ
大臣がおっしゃる国会論議との関係は一体どうなるんだと。そんなことを勝手気ままにやっていいのかどうか。PKO法自体だって、それからバリ協定に対してだって、だれがどう見たってこれが崩壊していないとは言い切れないと思うんだが、UNTACだって国連だっておかしいじゃないか、おかしいということを
日本の国が感じたら、それを直接なぜ意見として言うことができないのか。
大きく大きくそれが話題になるような国連での、あるいはUNTACでの議論というものをさせるようなことを最低しながら、そういう中での結論というものが出てきて、さて
日本はどうしたらいいのかという議論になるならいざ知らず、もう最初から
日本の枠内で、
日本という観点からのみパリ協定は崩壊をしていない、五原則も破られていない――五原則の問題は
我が国の問題だから勝手なことが言えぬのかもしらぬけれ
ども、少なくともそういう国際的な視点と言われるなら国際的な視点で世界平和のために、カンボジア平和のためにどうすべきかという論議なしに、撤退をしない、監視要員の派遣はするということを既定方針どおりどんどん進めるというのは、国民の疑問に対して答えることに私はなっていないと思うんですよね。
ぜひ
郵政大臣には、別に
逓信委員会代表ではないんですけれ
ども、閣僚の一員という立場で、あなたもおっしゃられているように、選挙民に公約をしたこともあるわけですわね。そういったことを踏まえて、ぜひ私
どももそういう立場から真剣に考えていきたいというふうに思うので、ひとつ全力を挙げて努力をしてもらいたいということを申し上げます。先ほど十分間回答もらったので、どんどん過ぎちゃっていくのであれですが、この辺はお答えは要りませんけれ
ども、ぜひ腹を固めて対応していただきたいことを要請しておきます。
それで、法案自体の問題と、
郵便事業自体の問題でございますが、ごく簡単でよろしいんですけれ
ども、臨調の中間報告というのがございましたね。これは省としては一体どういうふうに受けとめられているのか。新聞と中間報告の言葉だけをとらえると大変乖離があるものですから、しかも
逓信委員会とは大分違った議論になっているものですから、大変気になる問題なので、事務当局としての省としては一体これをどう受けとめておられるのか。