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関根則之君 答申の出方との兼ね合いもあると思いますし、実際問題、
法律にしていくということになりますと、いろいろ難しい各省折衝を初めとしてございますから簡単にはいかないとは思いますけれ
ども、ぜひひとつできるだけ早い機会に法案としてまとめて
制度化できるように御努力をお願い申し上げます。
大臣がお見えになったようでございますので、
大臣にまず御所見をお伺いしたいと思います。
先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、地方分権、地方重視の
政治をこれからやっていかなければならない、これも大方の
国民がそのように
考えていることではないかと思います。残念ながら、それが遅々として進まない。ことしは明治百二十六年ですか。明治二十二年に市制、町村制が施行され、また昭和二十二年に地方
自治法が施行されましてから正確には四十六年、約半世紀を間もなく迎えるわけでございます。そういう地方
自治の歴史から
考えましても、そろそろこの辺で本当に名実ともに充実した地方
自治制度というものを実現していかなければいけない、私
どもそれを悲願としているわけでございます。そういうことを
実施していく上で、今の時期というものは私は非常に絶好のチャンスではなかろうか、そんなふうにも実は
考えているわけでございます。
先ほど
大臣の御答弁の中に、天の時だというお話が二回ほど出てまいりまして、ああ
大臣もやっぱり同じような
考え方をなさっているのかな、そんなふうに理解をさせていただいたわけでございます。私なりに最近の世界の情勢というものを振り返ってみましても、戦後長い間続きました米ソの冷戦構造というものが世界史的には終えんを見たわけでございます。しかし、それで終わったかと思いましたらとんでもない話でございまして、あと
地域的な紛争でありますとか民族的な紛争、こういうものが多発をいたしているわけでございます。
人類というのは発生が一つのところから出てきているようでございまして、世界各地に散らばって生活をし、国をつくり町をつくっているようでございますけれ
ども、何か見えざる手みたいなもので信号があるのかわかりませんが、お互いに相呼応しているようなそういう面があるんじゃないかと思います。
けさの
新聞などでも、アゼルバイジャンでまた内紛が起こっているようでございますし、セルビア、ボスニア、これも国内の紛争というのは大変な問題が起こっております。ソマリアでありますとか、あるいはカンボジアへ我が自衛隊を出しておりますけれ
ども、こういった
地域で、世界で同時多発的にいろんな問題が噴き出してきてしまっているわけでございます。
そういう政権抗争というものが起こっているわけですけれ
ども、単にこれは政権だけの争いの世界史的な問題の発生じゃないんじゃないかと私は思っておりまして、
政治や経済や社会のあらゆる面にわたりましてシステムの転換が今行われている。また行われようとしているんではないか。言ってみますと、世界の大変車の時代の真っただ中に私
どもはいるんじゃないか。ソ連のこと、東欧のことだと思っていたら大間違いなんであって、日本自身もそういったシステムの大転換の波に洗われていると言ってもいいんではないか。そんな感じが実はしているわけでございます。
例えば
政治改革が今我が国の最大の
政治課題になってきているわけでございますけれ
ども、これは何も我が国だけの問題だけじゃなくて、お隣の韓国とかイタリアで
政治的なスキャンダルを契機といたしまして
政治システムの見直しをやろうではないかという機運が起こっているわけでございますし、また
選挙制度の
改革は、今小
選挙区制を軸として
自民党案ができましてこれから取りかかろうとしているわけでございますけれ
ども、聞くところによりますと、
イギリスでは小
選挙区制のもとで余りにも死票が多いためにそろそろ見直したらどうか、そういう議論が行われているということも物の本で読ませていただいたわけでございます。
そういう中にありまして、今度の我が国の
政治改革というのは、単に
選挙制度の
改革だとか
政治資金の
改革だとかこういう問題、もちろん大きな問題ではございますけれ
ども、ただそれだけに終わらせてしまってはいけないんじゃないか。
政治の
仕組み、国と地方を通じての
政治のあり方、行政の
仕組みをどうしていくんだと、そういうところまで発展をさせて、もちろん行政
改革を当然その中に含みまして見直しをしていく。そういう機会として受けとめて、そのために必要な
改革をこの際思い切って
実施をしていくべきではないか。そんな感じがしてならないわけでございます。
そういう意味から申し上げまして、長い間の懸案であります中央の権限を地方に移譲していく、
そしてそれに見合った財源を地方に渡していく、自主的な行財政運営が地方により余計できるようにしていく、そういう
改革をぜひひとつこの際大きく前進をさせる機会としてとらえていくことができないのか。
時あたかも、長い間
自治省や地方
自治の現場で経験を積まれ大変な見識をお持ちの村田
自治大臣を私
どもはお迎えすることができまして、地方
自治関係者は、大変喜んでお迎えをしたわけでございます。
大臣に対します期待は極めて大きいわけでございますので、ぜひひとつ
大臣に、この
自治大臣御就任をいただきまして懸案でございます地方分権の進展のために御努力をいただきたいと思うわけでございまして、そのことにつきます
大臣の取り組みにつきましての御見解、御所見を賜れればありがたいと思っております。