○井上計君 大いに期待しておりますから、ひとつ長官ぜひよろしく
お願いをいたします。
時間が余りありませんので、最後に通産
大臣並びに
貿易局長にもお伺いすべき点だと思いますが、対米黒字が非常に大きな問題になっております。当然のことこの対米黒字をどうするかということは、今後の
日米関係をさらに良好に持っていくために必要なことであることは当然であります。同時に、余り公の問題として論議されませんけれ
ども、対台湾の黒字が非常にふえていることはもう御
承知のとおりであるわけであります。
対米黒字は十年前と比べると約四倍弱、しかし五年前と比べると実は減っておるわけであります。ところが、台湾との
貿易収支は十年前二十四億ドルであったのが五年前には三十七億ドルにふえて、ついに昨年は百二十九億ドル強、実は
インバランスがますますひどくなっておるわけであります。この原因はいろいろありますし、またやむを得ぬ点もありますけれ
ども、これを何とか
日本政府は考えていかなくちゃいけないということを私は再三この
委員会でも今まで
お願いをし、また提言したことがあるわけでありますが、そこでどうするかは非常に難しい問題であります。
一方では中国という相手方がありますから、特に
外務省は顔色をうかがっておりますからなかなか容易なことではないということもありますが、しかし
大臣御
承知のように、二十一年前に中国と国交を回復し、そこで台湾と国交を断絶しましたときに交流協会と亜東
関係協会との間の取り決めがあります。
この取り決めを最近また改めて見ますと、十四項目の取り決めの中に「双方間の
貿易を円滑に発展させるため、
関係当局との連絡、あっせん等必要な便宜をはかる」、「双方間の
貿易の
均衡的発展をはかるため、相手方の
経済、
貿易、観光等の事項に関する
調査及び自国の上記事項に関する紹介を行なう」、同時にまた「
貿易、
投資、
技術協力等に関し、民間諸取決めを締結し、」云々というふうなことがあるわけです。
したがって、外交問題でなければ、
政府間レベルの、言えば
政府高官の台湾との間の交流がもっと盛んになってもいいんではないか、このように強く
感じておるわけであります。事実最近では、
日本との
貿易収支アンバランスによって、それがまた
拡大することによっていわば台湾自体に、台湾の民間人の中にも
日本が大変冷たいというふうな声があるんですね。その冷たいという声をいろいろと聞いてみますと、その一番大きなものは、現在
日本では公用旅券で台湾に来る人は中央官庁の
課長クラスまでだと。最近通産省からの審議官が一人、審議官は公用旅券が出なかったんですね、
課長は出ましたけれ
ども。
ところが、国交がない
アメリカあるいはヨーロッパ各国は、最近頻繁に元首も閣僚も台湾を訪問しているんですね。昨年でありましたか、
アメリカの通商代表、ヒルズ代表も行きました。それからフランスの工業
大臣等々も盛んに台湾へ行っておる。それは台湾の
経済発展、台湾がさらにこれから考えておりますところの国家建設六カ年計画等の膨大ないわば
投資に対して、
アメリカもフランスもその他のEC各国も大変な色気があるわけですね。約四十一兆円のこれからの六カ年計画というプロジェクトを組んでおりますが、
日本政府のもっと積極的な高官の訪問があれば台湾としても
日本に発注したい、
日本に参加してほしいという
要望があるわけですね。
特に新幹線計画なんかは、台湾に私の親しい要人がいますけれ
ども、
森通産大臣が来ていただければそれこそもう感情一遍に好転して、
日本の新幹線の
技術を入れてほしいんだと言っているわけですね。今のままでは、やはりフランスの新幹線
技術を入れざるを得ないと、こんなふうな声も聞いております。
それからもう
一つは、時間がなくて恐縮でありますが、
ガットヘの台湾の加盟についてもぜひ
協力をしていただきたい。幸い一昨年APECには台湾は加盟ができました。今度は
ガットに台湾が加盟することが、台湾は当面はそのプラスはない、逆にマイナスだと思いますが、
日本の
経済界にとっては、台湾が
ガットに加盟をすることによって台湾の国際入札にもどんどん積極的に参加できるわけであります。
それらの面で
大臣にもまた通産省にも、台湾との今後のそのような交流について格段にひとつ御
努力とまた御検討をいただきたい。このことを最後に
お願いし質問をして、時間がありませんから私の質問を終わることにしますので、よろしく
お願いします。