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国務大臣(
森喜朗君) 井上
委員の個人的なソ連観、
お話を伺いますと、やはり今の新聞の論調といいますか世論などを見ておりましてもそのような傾向が強いですし、まして最近のような海洋投棄などの事件がございますものですから、
日本の
国民にとってはいろんな複雑な気持ちがあるというのは十分理解はできます。だからこそかえって
ロシアを、やはりマクロ、ミクロ含めて自助努力をしていくことをお手伝いしていくということも私は大事だと思っております。
余計なことを申し上げるようでございますが、私は
日本海側でございますから極めて今の
ロシアの人たちとおつき合いが多いんですけれ
ども、人々はやはりおおらかで明るくて非常にいい御性格をみんな持っておられると私は思います。なぜこんなふうになったのかといえばやはり仕組みが悪かった、政治の仕組みや行政の仕組みがおかしくなったんだということであれば、まず人間本位で考えていって、
ロシアの
国民にでき得る限り頑張ってもらいましょうということで応援をしてさしあげることも隣国として大事なことではないか、生意気なようでございますが、このように考えておるところでございます。
そういう中で、先般
G7の緊急外相・
蔵相会議がございました。そのときに、ある新聞記者から
ロシアばかりやっているんではないかというようなそういう
お話もございましたので、いやそうではございません、実は二十四、二十五日、東西
経済大臣会合を開く予定でございます、これは
ロシアも含めて旧
計画経済のもとにございましたいわゆる
改革国八カ国、この自立
支援をあらゆる面でミクロの面で応援をしていこうというそういう
考え方でこの会合を開くものです、こう申し上げておったわけでございます。
午前中からたびたび申し上げておりますように、旧ソ連やあるいは東欧の
経済改革の円滑な推進というのは極めてグローバルな
課題でございます。この
課題に西側
G7、逆にまた
ロシアを含めます東側が
協力して、東西間で
協力しながら取り組むということが極めて重要だと考えております。これらの諸国、いわゆる東側の諸国の
経済改革の推進に当たりましては、財政赤字の削減などマクロ
経済の安定化と並びまして、企業
改革、軍民転換、
投資促進等のミクロの側面の構造
改革がこれもまた極めて重要だ、このように
認識をいたしております。
この土曜日から土、日と開かれます会合は、こうした見地からミクロ面の構造
改革に関しまして望ましい政策を示唆するとともに、東西間の
協力のあり方を
検討することを目的といたしております。たびたび申し上げて恐縮ですが、二十四日、二十五日両日、
我が国の主宰におきましてこの東京で開催するものでございまして、これは昨年ドイツで第一回目の会合を開いておりますことに引き続き、第二回目として
日本側の主宰で開催して行うものでございます。
今般の会合には、西側
G7の国々の
経済大臣、
通産大臣に当たる方々がお見えになりまして、ドイツからはレックスロート
経済大臣、
アメリカからはブラウン商務長官、イタリアからはビタローネ
貿易大臣等それぞれの
経済担当の
大臣がお見えになりますし、ECはまた議長国でございますのでぜひ参加させてほしいということで、デンマークのダイン開発
協力大臣も出席されることになりました。また、いわゆる
改革をします東側八カ国、
ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア、こうした国々、八カ国のそれぞれ担当
大臣が御出席になりますし、そのほかにEC
委員会あるいはOECDなどの
国際機関も参加をする、こういう予定でございます。
同会合におきましてどんなことをやるかということを御説明申し上げたかったんですが、時間も限られておりますので、項目だけ申し上げますと、企業部門の構造
改革、それから軍民転換、
貿易振興、
投資促進、こうしたことを柱にいたしまして、ことしは特に
民間の企業家たちも加えまして討論会をやったりフォーラムをやりましたり、あるいは各国の転換しました実例などを体験談として
お話をいただくなど、かなり突っ込んだ具体的な議論が進んでいくのではないか、このように思っております。
我が国といたしましては、この
大臣会合の成果を踏まえまして、他の
G7諸国と強調しながら、旧ソビエトそれから東欧のこうした
経済改革を進めていく国々に対して積極的に
支援をしてまいりたい、このように考えております。また、この会合が終わりましたら、何かの機会を得ましてこの成果な
どもまた御報告をさせていただきたいと思っております。