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政府委員(関收君) 先生お尋ねの第二点、
中小企業対策についていろいろな点お尋ねがございましたので、かいつまんで御答弁申し上げたいと思います。
私
どもも、
中小企業が
我が国の
経済で占めるウエートの大きさ、質量ともに極めて重要なものだと
考えております。例えば、企業の数で申し上げますともう九九%が
中小企業でございますし一働いておられる従業員の方も八割は
中小企業で働いておられるわけであります。また、工業の出荷額におきましても五〇%以上が
中小企業が出しているということでございますから、量的に極めて大事であるだけではなく、同時にマーケットの活力をもたらす、あるいは競争環境を活性化するというような意味でも、また地域
経済を支えるというような意味でも、質的な意味でも極めて重要なものだと
考えておるところでございます。したがいまして、それに見合った必要な
施策を講ずるという
考え方でございます。特に、先生最初に御
指摘ございましたように、現在
中小企業をめぐる経営環境も極めて厳しい
状態にございますので、
中小企業対策の重要性はますます高まっておるものと
認識をいたしているところでございます。
私
ども中小企業対策で何をやっているかということでございますが、さまざまなことをやらしていただいておりますが、大きく分けて三つの柱から成り立っておると思っておるわけでございます。
一つは、
中小企業が大企業に比べてさまざまな不利な面がございます。例えば
資金調達をしようと思うときになかなか
資金が借りられない、あるいはなかなか必要な技術を確保できないといったような不利の補正に対するいろんなお手伝いでございます。第二点は、
中小企業を取り巻きますさまざまな環境変化の中で、その環境変化に
対応するさまざまな試み、例えば人手不足にどう
対応するか、あるいは環境問題にどう
対応するかといったような、そういった構造的な問題に対するお手伝い。あるいは三番目には、先ほど申し上げました
中小企業の中でも小規模企業が全体の八割を占めているわけでございますので、そういった小規模企業につきましては、
中小企業基本法の
考え方に基づきましてさらに手厚い措置をするといったようなことが大きな
内容になっているわけでございます。
この三つの柱のどういう中身に重点を置くかということにつきましては、そのときどきの需要、環境といったものを加味しながらいろいろな
施策を講じているというのが現状でございます。
その中で、先生御
指摘のございました
一つは開業率の問題がございます。御
指摘のように、最近におきます
我が国の企業の開業率は徐々に下がってきておる
状態でございます。一方、廃業率、やめる方でございますけれ
ども、これは
景気等によって左右されますがほぼ横ばいという
状態でございます。この中で私
どもが大変心配しておりますのは、四人から十九人といった小規模企業におきましては廃業率が開業率を上回る、すなわち年々歳々企業の数が減ってくるというような事態にまで至っているわけでございます。
これについて、私
ども我が国の起業家の方々の起業家精神が衰えているとは思っていないわけでございますけれ
ども、やはり新たな事業を始めるに当たりまして必要とされる経営資源、例えば
資金でありますとか、あるいは技術でありますとか一あるいは人でありますとか、そういうものを確保することがなかなか難しいということで、また開業率が下がってきているという面もあろうかと思うわけでございます。私
どもとしては、こういったような観点から、新たな創業をいたします場合の特に
資金的な面、技術的な面等々につきましてさまざまな助成措置を講じて新たな開業が促進されるようにお手伝いをさせていただいているところでございます。
それから、地域の問題がございました。御
指摘のように、地域
経済を活性化する上で
中小企業、特に小規模企業の活性化ということが極めて大事なわけでございます。そこでこれまで中心的に地域
経済の振興のための仕事をしてこられた各地の商工会、商工会議所、こういうところの
機能を思い切って
強化いたしまして、小規模企業を初めとする地域
経済、地域企業の振興あるいは創業の促進というようなことについて思い切った
強化をするということで今法案を提出させていただいておるわけでございまして、この法律に基づきまして地域の活性化という観点もさらに
強化してまいりたいと思っているところでございます。
なお、最後に
予算のお話がございました。
私
ども、さっき申し上げましたようなさまざまな御要請に対しましてそのときどきの需要に応じた
予算を計上させていただいているつもりでございまして、極めて厳しい財政事情のもとではございますけれ
ども、
平成五年度におきましては一般の
中小企業対策のほかに
特別会計からも手当てをいただいておりますし、それから今年度は商工会、商工会議所の経営指導員の人件費の一部を一般財源化するということで七十五億ほど地方の方にお願いするというようなことも実施をいたしております。
平成五年度のトータルの
中小企業に向けられます
予算は二千百五十一億ということで、昨年よりはかなりの増加になっておるわけでございます。
それから、財投につきましても、特に最近の
中小企業の
状況から
資金需要が旺盛でございますので、
中小企業金融公庫、
国民金融公庫の貸し付けのもとになります財政投融資については増加をお願いいたしておりまして、この結果、
中小公庫、
国民公庫とも
平成四年度の当初に比べて六%程度貸し付けの増が可能になるような措置を講じさせていただいたわけでございます。
これからも、
中小企業については最大限の重点を置いて実施してまいりたいと思っているところでございます。