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深田肇君 持ち時間が十五分しかありませんので、大変意識しまして
質問の方も
二つだけにしておきまして、
質問の仕方ももう端的に事務的にどんどん
質問しまして、率直な御
意見を例えればありがたいというふうに思っておりますことを冒頭に申し上げておきたいと思います。
ここに今
新聞があるんですけれ
ども、五月七日ですけれ
ども、「
CO2抑制目標達成に
黄信号」という大きな
見出しの
新聞がばっと出まして、「進まぬ
省エネ対策 原発立地の遅れも一因」とあるんです。これを見て、たまたまこの
委員会に所属しておる
関係上いろんなことを少し
関心持って勉強させてもらったりしたんでありますが、この
記事の中がどこまで本当のことが書いてあるかわかりません。権威ある
新聞の
記事ですからそれなりに尊重したいんでありますが、とにかくこの
達成が危ないよ、黄色いよと。いろんな要素があるが、
一つは
省エネが進まないんだ、もう
一つは
原発の
立地がうまくいかないんだと。この
二つがあって、まあ驚くなかれ、これはそんなことはないという否定の文章もあるし、同時にもう一方では、このことは書かれているんですが、
水面下では
政府が公約した
CO2を二〇〇〇年に向けてという
押さえ込みは不可能だから、この
目標を変えなきゃならぬ、
水面で今もう再検討が始まっておると、こう載っているんですが、そこまで実際
政府当局お考えなのかどうかということも伺いたいところでありますが、それを聞いておりますと時間がありませんから、そんなことも
関心があるということをまず申し上げて、次々と入っていきたいと思います。恐らく想像するところ、
原発の
立地がおくれていること、
省エネが入ったばかりでありますからまだ成果が上がっていないこと等がたくさんあるだろうと思うんです。
そう思っておりましたら、こんなのが出ましたね。
福島原発の中で
被曝を受けた人が出て、そして
労災認定した、初めての
労災認定だとこう書いてあるんですが、ばっと出まして、そしてあれあれと思っていたら、次のほかのところでは、これまたすごい
見出しですね、PKOと違うんですが、「
原発労災 息子の死、無駄にせぬ」、こういう
見出しで、今度は
浜岡の方で原因を究明してもらいたいといって親御さんが
労災申請をしている、こういったのが出てきたんです。
時間がありませんから、もう恐らく
当局は皆読んでおられると思いますから言いませんが、これを見たときに私、しかもこういう解説が下についているんですよ。これも
見出しですよ。「
認定基準おかしい」と
中部電力が言っているんです。
認定基準というのは、要するところはこれ以上はだめですよという
放射能の問題を設定した
国際的認知と、
我が国が決めた
認定基準はおかしいんだと
中部電力が記者にしゃべっている。あげくの
果てが、
中部電力の
浜岡原発の
事業者の方では、ここはちょっと読んでおいた方がいいと思いますけれ
ども、固有名詞は別にしまして、「
被曝線量は
原子炉等規制法などで定められている量の十分の一
程度で、」、
自分たちがやっているのは十分の一
程度で、「業務との
因果関係はない」、そして
孫請をしている
会社からそういうふうに聞いているんだということを
中部電力は言われている。だから、亡くなった方は
孫請の方らしいんですね。今度はその
中部電力の
浜岡の
広報室の
お話が書いてある。「どこの
発電所でも、
法律に定められた
線量を下回る
環境下で働いてもらっている。」
法律よりも低いところで働いてもらっているんだから、「
労災認定の
基準の方がおかしい」、これを
労災だと言うことがおかしいんだと、こう言っている。だから、
労働省が
労災に決めたことがまずいのかと。
被曝ではないのかといえば
被曝であることは事実らしい。しかし、私の方の
企業から言わせてもらえば、
政府等々が決めたものよりも低いところで働いているんだから、働いてもらっているんだと丁寧な言葉で書いておられますね、働いてもらっているんだから問題ないじゃないかと、こういうふうになるんですから。これも時間がありませんから、ここで論争する暇がありませんから、私の見解を言いますが、こうなると、
原発というのは不安だし、どうなるのかなという
感じがすると思うんです。
私は八九年に参議院に当選して以来、ずっとこの
委員会に所属させてもらっているものですから縁がありまして、
浜岡原発も見せてもらいました。せんだって、
社会党の中の
専門のメンバーと一緒になって
柏崎の
原発に行って、
企業別に見せてもらいました。それを見ている限りにおきまして、私
たちは、たまたま
議員になる前は
市民運動としてどんどん
現場へ行っておりますから、そのときに
現場の人の訴えだとかそのときの出てこられる方の、
会社の余り偉い方は出てこないですよ、そういうときは、ぼんぼんぼん話す話を聞いている限りにおいてはどうも不満だなと。今度二回
浜岡と
柏崎に行って、奥の奥へ入らせてもらって、
会社側が丁寧に
説明する話を聞いていますと、なるほどな、
日本の
技術は大したものだなと素人ながら思いますし、それからこれなら本当に大きな事故も起きないだろうし、どこかの国、よその国の話をする必要はありませんから言いませんが、よその国のようなことは起きないなという安全みたいなものもできつつあったことは正直なところです。ところがこういうことが出てきて、しかも
中部電力の
浜岡さんが違う話をわざわざされる。やりとりのことは省略いたしますけれ
ども、どうも聞いていると、
原発はやっぱりまだ危ないぞと。
立地がうまく進まないのは当たり前のことだし、そしてまた同時に、危ないところじゃなくて、こういう
説明までわざわざするのであれば、
不信感をお互います持つようになっちゃうんじゃないか。
現場も
不信感を持つんじゃないかと。しかし、
お話がありましたように、
石油の減る部分を補っているのは
天然ガスと
原発だということは明らかでありますから、今日のこのようなぜいたくとまでは言いませんが、いい
生活をしている
状況は
原発の存在を認めざるを得ないというふうに私
どもは考えるんですね。
そうなりますと、大変信頼したり安心したり、絶対大丈夫だと思っていたのが
被曝が起きた。一人の人が死んだ。一人だからやむを得ないと言えないわけです。時間があれば氷山の一角ですかと聞いて、それで今までの経過の中でどのくらいの方が
被曝で亡くなっていますか、もう
労災認定じゃなくて、
被曝で亡くなっていますか、
被曝で死ななくても、病院に通った方はどんな方がいらっしゃいますか、その方の
年齢構成はどうですかと聞いてみたいですよ。しかも、
電力の
下請下請と言われる
孫請までいくと、どういう
労働条件で働いているんですか。その人のところへ私
たちが、
議員が行ったときに、その
現場までもちろん入れてもらっていないわね。
この前、
柏崎に行ったときなんか、ありがたいことにね、
先生、心配要りません。ここで洋服なんか着がえる必要はありません。こうおっしゃって、このまますっと入って、見て出てきたときは、ぱっとこうやって、全く心配ありませんと。ところが、その裏では人が死んでいる。その死んだのは、
労災の
認定は
労働省の方がどうもおかしいんじゃないか、これは
被曝かどうかわからぬと。あげくの
果てが、降ってくる雨の中にも
放射能が入っているんだよと、こういう
説明までされちゃうと、何をかいわんやじゃないかというふうに思います。そうなってくると、これからの我々の
エネルギー問題はもう少しいろいろと考えていかなきゃいかぬじゃないかと思います。
ここから
質問です。一言で結構なんですが、
中部電力浜岡のこの
記事が正確なものであるとすれば、こういったものについて
国民が持っている不安や
不信感、こういうものがある限りだめなんだと思いますから、その点の
行政当局としての御
説明をいただいて、これからどういうふうに
指導をしてもらえるだろうかというふうに
質問をしておきたいと思います。
その
質問に関連して、こんな話もあるんですよ。
私
どもいろんな
意見をこういうことで聞かせてもらっていますと、
基準を何ぼつくってみても、今のようなことで、国がつくった
基準よりもっと下の
基準で働いてもらっていてもこういうことが起きているんだというふうに
電力会社がわざわざ
説明されるとすれば、
基準とはどういう役割になるのかということを素朴に
感じますよね。
それから同時に、従来のとにかく
被曝を受けて高い量を浴びている
人たちはどうも
下請の方々に集中しているとなると、
労働省の
仕事かもわからぬけれ
ども、いわゆる親と
下請との
関係、親子の
企業の
関係はどうなっているのか。この辺のところをどこまで、
エネ庁の
仕事じゃないのかもわからぬけれ
ども、これは本格的に調べないといけないのじゃないかなという
感じもします。
同時にまた、
放射能に当たっちゃ危ないよということの
教育だとかいうものは、やっていることは今までパンフレットで見たり、
現地視察に行って
会社の方の
説明を聞いて納得して帰ってきた私でなおかつその
程度じゃこれは危ないんじゃないかと。それで、行ったところでは今までそういう
申請は出ましたという話は聞いてないわけだからね。だから、そうなると、我々に言わない話があるのかなと思ったりします。どういうふうな
教育や
労働日程をつくっているのか。心配ありません、ここは七人が皆向こうを向いてやっています。それでちゃんと時間交代をしてやっています。
説明だけ聞いて帰ってきたけれ
ども、それで安心なのかなというふうに率直に思います。同時に、
立入検査というものがあるようだけれ
ども、本当に
立入検査をやっているんだろうかなという
感じがしますよ、それは率直のところ。
そういうことを全部申し上げた上で、どのようなこれから
指導や、そして全
国民に対して
原発に対してのいろいろ
安全性の
確保の問題や、そしてその
意味における
理解を高めるためのことだとか不安を解消するためにどうあるべきなのかということについての御
説明をいただきたいと思います。
もう続いて第二問もやっちゃいます。
そういうことを申し上げた上で、なおかつ
省エネをやらなきゃいかぬ、しかも新しい
エネルギーも開発しなきゃいかぬと思うんです。
日本社会党はまだまだ完全な
理論化をしておりませんが、脱
原発社会を目指そうというんですから、
原発社会から脱却しようというわけですから、こうなると
省エネだとか新
エネルギーのことがあります。
そこで、いろんなことをここで勉強させてもらいました。きょうも
お話がありましたように、
天然ガスの問題にえらい
関心があるんですね、私は。この
天然ガスの問題ではっと心が動いたのは、後でいろいろ聞かせてもらいますと、私の心の動いたのは夢物語であってなかなかできない話らしいんです。国内で
天然ガスのパイプを埋めたりすることはできても、ここで
先生がおっしゃったような北から南まで他の国から持ってくるなんて理想的だし、
アジア全体が
日本のノウハウで、
技術で、資金で、そして
アジア全体が仲よくて
協力関係というものをつくって、うまくいけばいいなと思うけれ
ども、心配だなという御
質問もありました。もしどこかの国とおかしくなるとどうなるかという御
質問がありましたが、うまくいくならば、我々の平和的なあり方として言うなら、大変いいなと思ってたら、これはなかなか先の先の話で夢物語で、そんなことは今のところまだ長官の頭の中ではだれか担当者を決めて
仕事をしていくような
状況になってないらしいんですが、私はこれはひとつ本格的に
政府として、
原発の問題は別に置いたとしても、積極的に我々が
アジアと仲よくやろうということと経済協力と
アジア外交を進める観点も含めて、
天然ガスのパイプラインの構想問題については積極的にやったらどうかなと。なかなか大変なことのようですね、資金的に言っても、
技術的に言っても、それと政治的にも大変だと思いますが、そういうことをこの間ここで聞いただけに
関心があります。
政府はそのことについては本当に冷たい反応なのか、今はできないけれ
どもやろうという気持ちをお持ちなのか等々を含めて、率直な感想を伺っておきたいと思います。
以上で終わります。