○栗原君子君 実は、私も長年地方議会の中にいまして、父子家庭の問題にかかわってまいりました。
その中に、例えばこういう例もあるんです。朝六時前にはお父さんが
仕事にもう出ちゃうわけなんです。そうすれば、朝御飯を食べたが食べないかわからない
状況で
子供がいるんですね。そのまま学校に行くわけなんですけれ
ども、中には近くの喫茶店でモーニングを食べて学校に行く子がいるわけなんです。そして、学校から帰りましても家で一人でいる。中には、家で一人でテレビを見たりテレビゲームをしたりして待っている子もいますけれ
ども、そうじゃなくて外に遊びに出たくなるし、出ていったらいつ帰るかわからない。お父さんは残業して帰りますと十時過ぎでないと帰らないという、そういう家庭がありました。
母子家庭の場合は、何とか始末してでも、例えば本当に食費を削ってでもお母ちゃんが頑張ってくれている例もたくさん見てまいりましたけれ
ども、父子家庭の場合はそれすらできないんですね。ついついお金を
子供に千円渡して、
子供がそれで一日、学校給食がなかったものですから昼を食べ、朝も食べるが食べないかわからない、夜はカップラーメンを食べるという、そういう
状況の
子供に私はかかわってきました。
これらを考えていただいたときに、やっぱりここに手を差し伸べていただくことがぬくもりのある厚生行政になるんじゃないかと私は思うんです。この父子家庭の問題は、声としては余り上がっていないかもしれませんけれ
ども、現実に深刻な問題となっておりますので、ぜひ手を尽くしていただきますようにお願いをいたします。
それでは、また再び
母子家庭の関係に返ってまいりたいと思いますが、福祉資金の貸し付けの限度額を見ていただきたいんですけれ
ども、これが大変私は低いと思うわけでございます。ぜひこの限度額を引き上げてほしいと思うんです。
例えば、
私立高校への入学とかあるいはまた予備校への入学などのとき、大学にしてもそうでございますが、入学金が結構がかるようでございまして、そのときにやっぱり手持ちがないからこの貸し付けを
利用するということになっているわけでございます。
それから、就職をする場合に就職支度金というのがありまして、これが特別とあるものを聞いてみましたら二十九万円、これは通勤用の自動車を購入するために
平成四
年度からこれを事業の中に
加えられた、このように伺っているわけでございます。二十九万円で自動車は今買えないのでありますが、これは一部になるんでしょうけれ
ども、もっとこの金額というのは私は上げてもらってもいいんではなかろうかと思います。
それから、住宅資金の場合に、一般の場合百二十五万円、転宅資金二十二万円となっております。今引っ越しをひとつしようと思いましても、五カ月分の家賃を用意しておかないと引っ越しはできないわけでございます。
母子家庭の場合で、一番小さいアパートでも借りようかと思っても、せいぜい六畳と四畳半ぐらいなものを借りようと思いましても五カ月の家賃を用意しようと思えば二十五万円はかかるわけなんですね。これでは到底今言われているものでは足りないし、ぜひここらあたりの引き上げを図ってもらいたいと思うんです。
それから、私が感心したのは、償還率が大変いいわけなんですね。九七%とか、九八%とか、焦げつきができていないんです。だから、この金額を上げて貸してさしあげればちゃんと私は戻ってくるようになっているなと思ったんです。そこらを受ける人を信じてこの貸し付けの額を上げていただけないかどうか、お
伺いいたします。