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政府委員(
藤井治芳君)
先生御
指摘のように、現在の東名全線約九五%が混雑度一以上になっております。東名、名神全体足しましても八五%ということで、私どもこの第二東名はいわゆる
我が国の今後の
社会経済のためにも、あるいは
地域における混乱を解消するためにも最優先すべき路線だということで可能な限りの
調査を進めまして、
整備計画も今現在出ている区間がかなりあるわけでございます。
現在、
整備計画が出ていない区間は、例えば静岡から神奈川に至る間でございますが、ここは都市
計画決定をすべく今準備をやっている、こういうようなことで全線にわたって何らかの今準備をやっております。
その際に、現在東名の中で
整備計画が出ている区間、これが約三百三キロございます。現在何をやっているかということでございますが、私どもの項目といたしましては、第二東名のまず構造の詳細検討。言ってみれば全体の六割が橋またはトンネルでございます。現在の東名は二割でございますので、それの約三倍の六割が橋またはトンネルでございます。しかも、六
車線で急峻な山を通りますから、大ざっぱな
調査でも重要ではございましたけれども、今度は実際に工事をやるというレベルになりますとかなり精度のいい
調査といいますか、詰めをしなければなりません。トンネルの断面でも通常の二
車線トンネルの二・五倍ということでございます。それから橋にしても、橋高が四十メートルの非常に高い橋が六十橋もあります。現在の東名は
一つしか橋がありませんが、六十の橋が高さ四十メーター以上の橋脚を立てなきゃいけません。
それから発生土に対しましても、全残土量が六千二百万立米というような、現東名、名神の二十倍の発生土が出てまいります等々、こういったものをどこに捨てるか、またそれに使う土砂はどこからとれば
環境対策上あるいは自然保護上いいかといったような、もう極めて工事に直結した
調査を今やらせていただいております。
さらには用地の
調査についても、用地の鑑定評価や補償物件の算出等、いわゆる価格決定に至る準備のための
調査もやらせていただいております。そういうことで、沿線が長いものですから、なかなかその相互の比較ということもあって若干時間が長くなっているのは事実でございます。
しかし、それと同時に中部横断
自動車道、これも清水のところでは第一東名と第二東名と結びます。この間はどうしても一緒につくらないと、やはりアクセスであり両方の代替の機能を発揮させる重要な区間でございますので、同時に決定をさせていただきたい、かようにも思っております。
そういう
意味で、そういうことを全部やりますと、もう
一つ先ほど
先生から御
指摘があったアクセスの問題。このアクセスのことは実際に地元説明会をやりますと、アクセスはどうするんだ、どことどこをどう結んで何メーターでどういうふうになるんだ、こういう説明が求められます。そのときに、いやこれは
高速道路だけでそれはまた別ですよと、こういう説明では工事の納得をいただけません。したがって、そういう
調査もあわせてやっておかなければいけないというようなことで、非常に現場に即したといいますか、現地に即した
調査をしていただいておりますが、これはもうそういう
意味でございますので、終わり次第私どもなるべく早くやりたいと思っております。
しかし、こういう第二東名・名神、膨大な事業費を要しますし、
全国で今
整備計画を出さなきゃいけない、
整備計画から施行命令を出さなきゃいけない区間も相当の量並びますので、これを今の採算性確保の中でどのようにしたら出せるのか。ただ単純に料金値上げというふうにするならば簡単でございますが、そういうわけにはまいらないと思います。採算性確保をするための国費の投入、いろんな手法を考えながら、その中でじゃ料金というものはどういうふうな形でこの問題に対して考えるのかということもあわせて同時に考えた上で施行命令を出さなきゃいけない、こういう非常に難しい問題にも直面しております。したがって、渋滞ということが非常に目の前にあるということを
承知しておりますので、これらを整え次第なるべく早く出すように努力させていただきたいと思います。