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政府委員(伴襄君) 一つは宅地
供給量の問題でございますが、確かに御指摘のとおり、特に宅地需給が逼迫している
大都市圏において、最近少し市街化区域内農地の転用増がございますので若干ふえているところはございますけれども、長期的には停滞傾向あるいは低落傾向にあるわけでございます。
その理由といたしましては、御指摘ございましたけれども、一つはやはり
土地所有者が保有指向、
土地を持っていきたいというようなことの高まりによりましてなかなか素地を取得できないというのがございます。それから二つ目には、これまで地価高騰だとかそれからいろんな折衝あるいは
地方公共団体の指導あるいは住民対策等々がありまして、
事業が非常に長期化する、
事業期間がかかるといったようなことで
事業採算性が悪くなってきているということがございます。こういったことを背景にいたしまして、特に民間
事業者の方で
供給意欲が減退してきているということが一番大きな問題でございます。
住宅問題を考えるときにその基礎となる宅地
供給が減ってくるというのは大変大事な問題でございまして、この状況を何とか打開する必要があろうかと思っております。そのためにいろんな場面で、例えば市街化区域内あるいは新市街地あるいは
地方部、それぞれのところで対策を講じているわけでございますが、例えば市街化区域内農地は
計画的に宅地化をしていこうとか、あるいは常磐新線の例がございますけれども、新線をつくりましてそういったような形で大規模プロジェクトを積極的に広げていこうというようなこととか、あるいは宅地造成しますときには大体大規模な関連の公共公益施設が要ります。そういった関連公共公益施設の
整備を
促進していこうとか、各般の
施策を総合的に講じていくという姿勢が必要がなと思っております。
特に
平成五年度におきましては、後ばと御
説明しますが、住都公団で宅地
開発用地出
資金制度というようなものを設けて宅地の先行取得をしやすくするといったようなこともやっておりますし、また
住宅金融公庫融資では
事業費をふやしましたり融資条件を緩和するといったようなこともやっております。それから、
関連公共施設の補助
制度とか、あるいはその
関連公共施設の特に
地方財政措置でやっていただくものにつきましても充実を図っていく、これは自治省を中心としてやっていただいておるといったようなことで政策を講じているわけでございます。
いずれにいたしましても、今後何とかその転換を図っていくために、現在、
住宅宅地審議会におきましても宅地
供給を緊急に
促進していくためにはどういう
施策があるかといったようなことを御検討いただいておりまして、これもできればこの六月ぐらいを目途に出していただき、その検討緒
果を踏まえてまた別の新たな
施策を展開していきたいというふうに考えております。
それから、もう一つのお尋ねの宅地
開発用地の先行取得
制度として
住宅・
都市整備公団に新しい
制度をつくった、これはどういう内容かというお話でございますが、これも住都公団の方でそういう素地取得というんでしょうか、宅地の取得をしやすくしようということで
平成五年度
予算でお願いしているものでございますけれども、宅地
開発用地の先行取得
制度として宅地
開発用地出
資金制度というふうに銘打っております。これは鉄道新線、例えば常磐新線でございますか、そういったような鉄道新線の沿線だとかあるいは既設の線路がございますけれども、駅間が長いところに新駅をつくる、そういった新駅の
整備が
計画されている、そういったようなところで将来
宅地開発事業の
事業化が確実に見込まれるといったような
地域を選びまして、住都公団が早めに手を打とう、取得しようというものございます。そのために
土地保有コストを少し低減させよう、下げさせようということで、用地取得
資金、これは通常は財投でやるわけでございますが、そこに国の出
資金を充当いたしまして、
事業着手までの間の
土地保有コストを低減させる。そういうことによりまして、従来より早い時期に、早い時期というのはすなわち用地取得が容易な時期でございますから、そういったときにまとまった用地を買ってしまおうという
制度でございます。
こういうことによりまして
資金コストを下げて買いやすくなるということでございますので、こういった
制度を積極的に
活用いたしまして、住都公団におきましても長期安定的な宅地
供給を進めていきたいというふうに考えているところでございます。