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上田耕一郎君 一パチンコ店の問題のようですけれ
ども、国会でも問題になり、政府答弁書も出ている問題なので、ぜひ総裁も問題が公正に進められるよう措置をいただきたい、要望しておきます。
次に、
住宅問題、特に家賃問題です。
中村
大臣は、所信表明で
住宅政策を非常に重視されて、「そこに住む人々が誇りと生きがいを持ちながら豊かさを実感できる
地域社会をつくるため、国と
地方がそれぞれの
役割と責任を踏まえ一丸となって取り組むことが肝要」、「
住宅は、家族の団らんの場であり国民
生活の基礎となるものであります」、そう述べられております。私
どもも全く同感であります。
住都公団は六十万ですか世界一の大家さんですね。その住都公団を指導監督する責任を
建設省はお持ちなんです。非常に大きな
役割を私は住都公団が果たしてこられたと思うんですが、
昭和三十年代に建て始まって、管理が始まって、もう三十数年たって非常に大きな
社会的な変化が生まれている。
そこで、実態として、当然御存じと思うんですけれ
ども、共通の認識としておきたい問題は、まず
高齢化が進んだことですね。公団自治協の世論
調査によりますと、三割以上が六十歳以上の
高齢者世帯だと。二番目に、
高齢化に伴って、所得、
生活上の変化も不可避的に起きている、年金
生活者がふえてきましてね。自治協の
調査によりますと、第一分位、つまり年収四百十万円未満三五%、第二分位五百三十二万円未満二一・一%。所得五分位のうち、第一、第二分位が五六・一%、六割近くが第一、第二分位に入っておられる、こういう
状況があるわけです。
三番目に、この間に非常な地価暴騰が起きましたので、一時若い間公団に入って、そのうち持ち家をと皆さん思っておられるのがなかなか困難になっているので、ついの住みかにしたいという希望がふえているわけです。自治協の
調査によりますと、永住希望四〇・七%、条件次第では永住したいを入れますと四七・三%、五割近くの方が団地に住み続けたいという希望をお持ちになっている、こういう
状況があるわけです。こういう実態についてはよく御存じでしょうし、
議論するところはないんだと思うんですね。
ところが、こういう世界一の大家さんの住都公団の
住宅で、こういう
社会的変化のもとで非常に重大な不安が今広がりつつある。その
中心は家賃問題です。
まず、第一は三年ごとの家賃の値上げ、三年ごとに家賃の値上げになって、この
建設委員会でも家賃の値上げごとに集中
審議を行ったことがありますけれ
ども、そういうふうになりますと年金
生活者は、いや一回一万円程度と言われても三年ごとに上がってごらんなさい、これ大変ですよ。
この間関西で、家賃滞納して裁判で負けて、その後追い出される直前に老夫婦が心中された非常に悲惨な事件が起きたんですね。これは
大臣の言われる本当に国民
生活の基礎となる
住宅問題で、老夫婦が追い出されそうになったということで死を選ぶ、これはやっぱり国の
住宅政策として非常に悲惨な事件だったと思うんですね。
私は
大臣に、この三年ごとの家賃値上げ問題、これが年金
生活者の
生活を直撃しているという事態をよくお考えになって、今すぐなかなか即答は難しいでしょうけれ
ども、この公団
住宅の三年ごとの家賃値上げ、こういう問題が非常に重大化しているということについて御認識を持っていただいて、ぜひ御
検討をいただきたいという要望をまず最初に申し上げておきたいと思うんです。これは答弁は要りません。ぜひ
検討をしてほしいということです。
二番目は、私はより重大な問題だと思うのは建てかえ問題です。私は、この
建設委員会でこれまで八六年以来七回にわたってこの建てかえ問題の質問をしています。私は率直に申し上げて、今の政府がやっている事業の中でこれは最大の悪政の
一つだと思うんですね。誇張なしに
社会的暴挙だと思うんです。私は七年間質問し続けてきて、きょうも傍聴の古いらっしゃるけれ
ども、去年は三多摩、二十二区、建てかえ対象の団地の方々や自治協の方々とずっと私懇談して歩いたんですけれ
ども、つくづく思うんです。
緑町団地に行ったときはこういう話が老夫婦から出ましたよ。建てかえ指定になってから、目が覚めると二人でこの話だ、家賃の話。三倍になったらどうしようかと。三倍になるまでにはこれは減額措置がありますよ。減額措置はあるけれ
ども、七年たつと三倍になっちゃうんだから、年金
生活でふえないんだから、収入が。だから、それはもういきなり家賃が三倍になって、その分ほかのものを削らなきゃなりませんから、目が覚めると夫婦でその話だという非常につらい
お話などを聞いたんです。
これは前回、九一年十二月十七日の質問でも言ったけれ
ども、家賃が平米当たり三倍、ひどいときは四倍になる。西経堂は十五万を超えるんですよ。そうすると三〇%を超すんだ、家賃
負担率は。
建設省が考えている適正な家賃
負担率というのは、第一分位で二人世帯だと一五%です。それが実際に適正
負担率の二倍以上になっちゃうと、これはやっぱり三倍化四倍化という高家賃だ。
二番目に、その結果住み続けられなくて出ていく方がいらっしゃる。これは公団からいただいたデータを見ますと、
東京でやった蓮根、亀有団地の
調査、七十歳以上の
高齢者世帯の中で団地を出られた方が三六・八%、七十歳以上の方で四割近くが結局住み続けられなくてお出になった。出た方々がどこに住んでいるか。公団
住宅以外に移転した人の六割は親族同居だと。つまり、お子さんのところだとかあるいは親戚のところに転がり込んだということですよ、七十歳を超えた方が。これは今まで公団からいただいたデータに出ているんですから。
それで、こういう点でこれはマスコミでも
大分取り上げられ始めておりますし、今、公団自治協としても大きな問題として運動を展開されておりますけれ
ども、これは何とかして考えていただかなきゃならぬ。これまで
地域リロケーション
住宅だとかあるいは減額措置を
高齢者の場合五年を十年に延ばすとか、あるいは公営
住宅を併設するとかいろいろ公団側としても世論や要求に即した幾つかの措置をおとりになって、これは私
どもも評価します。評価するけれ
ども、一番基本の高家賃、三倍化というこの問題は動いていないんですよ。これが解決されない限りこの建てかえ問題が生む悲劇というのはとまらない。三多摩では今までお二人自殺していますからね、建てかえ問題で。これは、そういうことを国が指導責任を持つ住都公団の施策の結果生み出しているということを、政府だけじゃなくて我々
建設委員会としても本当に真剣に受けとめるべきだ、こう思う。
大臣にまずお伺いしたい。
平成二年六月二十二日、
住宅宅地
審議会で「経済
社会の
発展に
対応したゆとりある住
生活を実現するための
住宅・宅地政策についての答申」が出ました。これは民営借家の
高齢者の三割以上が五年間で移転しちゃった。この多くは立ち退き要求、契約期限切れだと。だから、これらの世帯の居住の安定を図ることが
課題となっていて、つまり
高齢者については公共賃貸
住宅で積極的に受け入れるべきだ、民間でもどんどん三割も
高齢者が立ち退かれているから公共賃貸
住宅で受け入れるべきだ、こう述べているんですよね。受け入れる公共賃貸
住宅が建てかえでは
高齢者をそんな目に遣わすんだろう。これは
住宅宅地
審議会の答申を本気に受け入れようと思ったら住都公団の建てかえ問題、これを考え直すべきだと思いますけれ
ども、いかがでしょうか。