○堂本暁子君 とかく翻訳がないという原因もございますが、やはり自環法は生態系を調べることが目的でございました。ですから、生物種の調査ということは目的になっていないということが
一つ今
指摘されたように不十分だった点かと思いますが、やはり今
言葉の原因もございまして、トキだとかパンダだけが生物多様性の対象と思われがちなんですけれ
ども、やはりヨーロッパ、アメリカそれから北欧なんかでも、今持続性という
言葉と同じくらいにバイオダイバーシティーという
言葉は
環境のキーワードになりつつございます。
先ほどからるる申し上げているように、地球の上の生物がなくなったら人類もそこで住んでいかれなくなるんだ、生物と自然界の中の一部、釈迦に説法かもしれませんが、生物としての
人間が自然の一部であるということの理念が今見直されてきている。だものですから、そのことをるる目的のところでも、私は、この目的の書き方は不十分なのではないかという
指摘をさせていただいたわけです。具体的な
政策といたしましても、野生生物を保護すればそれでいいんだというレベルでとかく受け取られがちなのが
日本国内の特殊事情で、大変そこに危惧を抱いております。やはりエコシステムなり、もっと広く、自然とまでは申しませんが、自然そのものに近いニュアンスでバイオダイバーシティーという
言葉が使われているということをぜひ御認識いただいて、
長官としても積極的にこの点での
政策を進めていただきたいというふうに思います。
法律の中ではという御
指摘もございますが、非常にそこのところがないがしろに今まで二十年間されてきた、これからも下手するとないがしろにされかねない要素なので、どんなに言われましても、孫子の代にもうツルもいなければそして秋の七草は秋の五草になり四草になっていくという現状が今あるわけでございますから、それは私
ども政治の場にある
人間の現代の
責任の
一つだというふうに思っておりますので、その点はぜひ、修正という形というか追加という形になるんでしょうか、お入れいただけたら大変いいと思います。現実に今非常に積極的な
行政での対応の御答弁をいただいたので、あらゆる面で対応していただきたいと思います。
例えば、これは外務
委員会でも
質問したことですけれ
ども、昆虫の標本その他も、スミソニアンですとか大英博物館に流出していて、そもそも
日本に国立のそういった標本をきちんと置いておくようなところが青い。そういうのがないからもう遺伝子資源というような形でフォローするときには非常に不便だという現状もございます。それから今の
環境研究所、元の公害研究所ですけれ
ども、そこに三百人のスタッフがいらっしゃるけれ
ども九割方は公害
関係のスタッフだということで、何をとりましても、結局、自然
環境に対しての
施策は弱いわけです。
今そのことで、最初に
環境の保全ということに公害と自然をくるんでしまった、それは
一つ次元が上がったことではなくて、むしろあいまいになってしまったことだというふうに私は感じますし、この
基本法案を読みますときに、どうもそこのところの条文が揺れる。揺れると申しますか、ここでは何を言っているんだろうか、こっちはどっちが
中心なんだろうか。それで、私たち表を持っているんですけれ
ども、一々ここのところは
公害対策基本法からとっている、ここはどっちからとっている、これは両方からこういう理念をとっている、ここは新しいんだという、そういう面倒くさい読み方をしないと、つくった方と違って実際に第三者は非常に読みにくい
法律になっているとしか言いようがないんです。やはり公害という
言葉もきちんと公害として位置づけること、それから自然
環境は自然
環境としてきちんと位置づけながら
環境の保全というものを位置づけていかないと、この
基本法というのは非常に読みにくいということを申し上げなければならないというふうに思います。
今申し上げた研究者の問題ですとかそれから標本の問題は
行政の中で対応していただきたいと思いますので、また
基本法案の中に戻ります。ここに
一つ、
基本的なことで確認させていただきたいことで、「体系的に保全される」というふうな文言があるんですけれ
ども、何項目でしたかしら、体系的ということの体系はどういう体系なのか、生態学的な体系なのか、それとももっと違った
意味の体系なのか、お答えいただきたいと思います。