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本岡昭次君 ぜひとも
環境庁が
環境の面からこの問題のバックアップをしていただきたいと思うんですが、そうした森林は、外材を持ってくるということの立場だけじゃなくて、
日本の国内にある森林の持つ多様な機能をどう持続的に発展させていくかという問題もあるわけです。ある
意味では、森林がそうした生産なんかをしていくための天然
資源とかいうことではなくて、ある
意味では
人間の
生活に欠くことのできない
社会資本というふうな観点を強く押し出していくということが必要じゃないかと思うんです。
先ほどから言っておりますように、洪水を防ぐ、あるいは土壌の崩壊を防ぐ、あるいはまた
酸性雨を防いでいく、森林そのものが持つ
人間との多様なかかわり、だから
林野庁の方は、森も単に木を切るための森じゃなくて、
人間の暮らしとどうかかわるかということをいろいろと追求されておるようです。だから私は、森林というものが持つ重要な機能に対して
社会的コストを含む負担というものをみんながしていくんだという、こういう
国民的合意形成をもっともっと真剣にやっていく必要があると思うんです。
だから、あるときに出してつぶれた水源税というのがありましたね、私のところの
社会党も反対したんじゃないかと思うんですが、私は個人的にはあの水源税というものの発想はいいと思っているんですよ。川上があって川下があって、川下の
人間は川上があることによってそれだけの潤いを受けているんですよ。川上がひとたび荒れればもう川下はだめになるんですよ。その川上が過疎になり、人がいなくなって荒れるに任せたらどうなるかという問題は、川下の人の問題であるわけでしょう。だから、川下の人が安全に快適に住むために、それでは川上に対するどういう
社会的コストをうちの方では負担するのか、こういう発想が全体に出てこなければ、私は
環境保全というような問題なんか解決しない、こう思っておるんです。
ところが、この
社会的コストとなると、税金、新税は悪税だ、こうなって、できるだけ負担せぬ方がいい、こうくる。私はここの
社会的コストをどうするのかという問題をもう少しみんなが真剣に
——先ほど来、
人間の問題とおっしゃったけれ
ども、やっぱりそことかかわるんです、
環境庁長官。だから、そうしたことも
環境庁がもっと声を大にして、
環境という問題に対してどうでもいいとだれも思っていないわけですし、私が言ったように、これは先祖から譲り受けたものじゃなしに、これから生きる子孫、将来の
人たちのために預かっているものをこれ以上どう、という問題があるわけでしょう。だからそういう
意味でぜひとも積極的にかかわってほしいと思うんです。
そういう
意味で、
社会的コストの問題と、それからもう
一つは、海外にどんどん商社が、アメリカがだめならアフリカがあるじゃないか、北欧があるじゃないか、それがあかぬなら中南米があるじゃないかと、
世界至るところ森林のあるところを荒し回って、結局
日本が国内の森林を保存するために海外の森林を荒し回っている、こういう
状況も一方海外から大きな批判をされるということもあってはならぬ、こう
思います。
そしてまた今度は、ODAで五年間にわたって一千億ドルを貿易黒字の対策のためにやるんだ、こうなったときに、そのODAが、今言いました森林とか天然
資源の問題と企業の方で深くかかわってくるわけですよね。そういうことになってきますと、本当に
日本の立場というものが大変なことになってくると思う。
だから、国内におけるそうした問題と、海外におけるそういうさまざまな対応の問題を総合的に
環境庁がしっかりとかかわっていただかなければならぬし、これから
審議する
環境基本法が恐らくそういったこと全体を網羅するような形になっているんじゃないかと私は期待をしているんですけれ
ども、そうした点について最後に
長官の
言葉をいただいて、もう時間が一分しかありませんので、私の
質問を終わらせていただきます。