○立木洋君 きょうは時間が五分ですから、PKOの問題をめぐってまた大臣にゆっくり
質疑ができる時間を私はとりたいと思っておりますが、この間モザンビークにPKOを派遣した問題について、私たちはもうこれは反対だと言ったのは大臣御承知のとおりですが、モザンビークの情勢
認識ですね。今、同僚委員も言われましたけれ
ども、これは私も非常に重要な問題じゃないかと思うのです。つまり派遣をするのに反対だとか賛成だとかという
立場を抜きにして、情勢をどう見るかということは
一つはっきりさせておくことが私は必要だろうと思います。
御承知のように、十六年間にわたって内戦が続いてきたわけですね。そして、去年の十月四日に協定が
合意しました。ところが、その二年前からローマでいろいろ話し合いをやっていたのだけれ
ども、なかなか曲折があったのですね、これは。そして、十月の四日にいわゆる和平協定が実現したけれ
ども、その後に大規模な戦闘が起こっているのです。ですから、この問題については今度のこの
合意の
内容をどう見るかという問題点としてよく考える必要があるだろうと思うのです。
それからもう
一つの点は、和平協定ができてから半年間で武装解除をして、そして軍隊を統合して三万の軍隊にするというのをほぼ六カ月間でやろうという
内容だったのが、それは全く今、武装解除も何もできていない。それで、四十九の地点に集合すると言ったけれ
ども、九つの地点が
決定されただけでどの
一つの地点にもまだ集合が開始されていない。これは現地の情報によると、双方とも自分に有利なようにと、自分の軍隊にとって有利なように集合地点なんかの問題も考え合って取引が続いて、駆け引きが続いてなかなか定まらないというふうな
状況等もあるのですね。
それから地雷なんかも大変な、二百万個の地雷が存在しているというようなことも言われておりますし、これの撤去も進んでいない。結局これは報告書の中でも、両者の間でのいわゆる不信感というのが存在していると。これも現地に行かれた同僚議員の猪木議員の話を聞いても、両方の間での不信感というのはなかなか根強いものだというふうなことも述べておりました。
それで今、PKOが幾つかのところに派遣されておりますけれ
ども、これじゃなかなかうまくいかない。私は、内戦に関するかかわり方というのは、いわゆるそこで武力、武装部隊を統合して集合させて、そしてその武装解除が進行するかしないかということがある
意味では重要なポイントになっているだろうと思うのです。
御承知のように、アンゴラの場合には和平協定ができてから大統領選挙までやって、武装解除もするという話もあったのだけれ
ども、実際には武装解除が進まないで戦闘が再開されたのですね。だけれ
ども先ほどの
お話では、そういう内戦が再開される
状態、そういう
可能性は極めて少ないという判断を
局長が言われたのですが、アンゴラでああいう
事態になっているのにモザンビークの
事態では極めてそういう
条件が少ないなどというふうなことはどういう根拠で言えるのだろうか。
先ほど言われたように、あそこは
大使館もないわけですから十分に
状況もつかめていない。それから
調査団が派遣されていきましたけれ
ども、現地で
調査した期間は六日間です。モザンビークの面積というのは
日本の倍以上の面積があるのに、こういうところを六日間で
調査したと言われる。それは一定の
調査はできたかもしれないけれ
ども、本当に情勢の正確な把握という見地からできたのかどうかという問題なんかもどうしても疑問が残るわけです。
それで今、御承知のように、PKOの問題というのはきょうの午前中もいろいろ
議論になりましたけれ
ども、いろいろとやっぱり変化が出てきている。力に頼らない国連というのはもう時代おくれだというふうな
議論も、御承知のように、ユーゴの
事態から起こってきている。ソマリアみたいな
状況も新しい展開として出てきている。そういう問題が存在している
状況の中でなぜ急いで自衛隊を派遣するというふうにしなければならなかったのか。
もっとあそこは飢餓もあり貧困もあり人道的な救援も必要だというふうなことが問題になっているわけですから、PKOの
一つの
内容としては。だから、そういう面に援助の手を差し伸べるというふうなことも考えて、当然もっと情勢をよくつかみ、本当に憲法の問題について我々は違反になるというふうに思っているわけですけれ
ども、そういう国連自体、PKOの
内容自体が変わり得るという
可能性があるのですから、そこらあたりの問題で、急いで自衛隊を派遣するというのは私たちとしてはどうしても同意できない。根本的には憲法の問題での我々の賛成できないという問題がありますけれ
ども、今回のやり方自体を見てもやっぱりどうしても問題が残るという点は厳しく指摘しなければならない点じゃないかと思うのです。
ですから大臣に、情勢についての
認識と、急速自衛隊を送る、人道的な救援ではなくて急速自衛隊を送るということに踏み切った根本的な
考え方というのはどこにあったのか、この点についてのお答えをいただいて、私の質問を終わります。