○
萩野浩基君 今、社会では時短と省エネというのが非常に注目なんですけれ
ども、本
委員会四時間半、延々と非常に熱心に御討議なされている。もう今の時代はクォンティティーではなくてクォリティーの問題でありますから、皆さんのやはり生理的限界というのもあると思いますから、私も簡潔に
質問いたしますので、要領よくひとつ答えていただきたいと思います。
先ほど来、同僚の
委員の方々がおっしゃっておられましたが、確かに
日本の
科学技術において
世界からよく言われることは、
基礎研究というのがどうもおくれている。ある意味では、私はこの前も
アメリカのウエスト・イーストセンターに行ったんですけれ
ども、そのときでも、
日本人はニュー・ウエーズ・オブ・シンキング、新しい発想というのは弱いけれ
ども、工夫にかけてはすごいと。いや、そんなこともないんだ、このごろは進んでいるんだと。大分頑張って僕やり合ったんですけれ
ども、やはり
基礎研究的な
分野はまだ薄いんじゃないか。
特に、また
エネルギー問題で先ほど来いろいろ討議がありましたけれ
ども、例えば
エネルギーの中でも
原子力の問題、こういうのでも
安全性というものを、本当に実証的にやはり安全なんだというのを科学的にでき得る限り示さなければならないんですが、その辺で
基礎研究というのはまだマンパワーが、そういう
研究者におけるマンパワーが私不足しているんではないかと思います。
これは私見でございますけれ
ども、私など経営しております大学で文科系の場合は余りお金がかからないでできるわけです。だけれ
ども理科系は大変お金がかかる。極端なことを言いますと、国立大学では理科系を重点的にやって文化系は私立大学に任す、そのくらいの思い切った発想がないと、
科学技術の
分野において
原子力は安全なんだと言ったって、これの方に従事、
研究していく人のマンパワーがどんどん減ってきている。これは理科系の私の同僚の教授たちが非常に嘆いております。
また、代替
エネルギーを
研究するにしましても、先ほど来
プルトニウムの
安全性とかなんとかいろんなことが大変問題になっております。簡単に考えれば、
日本は水はたくさんあるわけですから、水素、これを
エネルギーに変える
方法というのは、これはCO2も出ませんですし、一番いいんだけれ
ども、この辺の
研究というのはほとんど進んでいない、北海道大学で少し何かやっているようですけれ
ども。私調べましてもほとんどやらないです。ベストミックスとこう言ったって、みんな各政党でもいろいろこう言っていますけれ
ども、実際にそういう
研究をやっている人というのは非常に現実には少ない。
ここの
委員会でも
調査に出かけましたけれ
ども、産業・
資源エネルギーの方でも私
調査でいろいろ見ておりますけれ
ども、かえって中小企業の方が一生懸命やっているんです。一例を挙げるならば、自動車の排気ガス。大きい二つの会社は結局よう
開発しないんでそれ以外のところがやっていったと。そういうのに
日本がおんぶにだっこしていてこの
科学技術の将来はないんではないか。だから若い者たちが、
研究者がそちらの方に目を向けない。これは政治家の責任でもありますけれ
ども、特に
科学技術庁においては、そういうこれからの人材養成というような点が
基礎研究につな
がっていきますし、それから二十一世紀の未来を明るいものにつくっていく、長官のおっしゃっているようなのを実現するのには、先ほど永野
先生もおっしゃっておられましたけれ
ども、そういう面で特にマンパワー、そういう人材という面が大事だろうと思うんです。
そのために、特に私立大学なんかでは、私の出ました早稲田大学なんかは理工系に文科系のをほとんど持っていっているんですね、文科系のみんなの月謝を理科系で食っている。これは皆さん御存じのとおりです。だからそういう意味で、先ほどちょっと私は言ったんですけれ
ども、いずれにしましても特にこの
科学技術に関しては、これから公害の問題だとか新
エネルギーの問題とかいろんな問題になってくるわけだから、
政府はこの辺はやはり責任を持ってやらなければだめなんで、安全だ安全だなんて言ったって、それは実証性がなかったら安全にはならないわけです。だからその原因とすれば、私はやはりそういう
分野においては
政府がある程度予算を盛るとかいろんな
方法があると思います、人を引きつけるのには。
私が大学に入った当時は理科系の中でも医学の方は三Kの一つ。あの
分野は大変な仕事だったんで、みんな医学部に行こうなんてしなかったんですね。東大の理科の中は農学部とそれから医学部。だけれ
ども、そういう点から考えても、今お医者さんはベストテンの中に入ってくる。私は余りこれはいいこととは、収入でいいとは思いませんが、人の不幸がお金になるというのは。これはちょっと余りいいことではないんですけれ
ども、だけれ
どもあれだけ医学部はみんな行くようになったわけですね。特に私はいとこがみんな医者なもんで感じているんです。だから、私らのときも医学部に行こうと思ったらあんなふうふういわないでもある程度医学部に行けたんですけれ
ども、あのころは専ら関心があったのは
科学技術の方なんですね。だから、今時代は大きく変わってきたというのは、やはりそこに収入が入るんですよ、ある程度。
だからこの
科学技術を進歩させていく、安全な
エネルギーを確保する、そういう面においては、やはりそれなりの予算がなければならない。これ予算のどこどこに何々と出てますけれ
ども、これは
外国で、特に先進国で一体
政府が
科学技術に対してどのくらい出してるのか。
日本と
アメリカなりドイツなり
フランスなりイギリスなり、そういうところの
政府がどのくらい力を、援助を出しておるのか。その辺のお答えをお願いします。