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高崎裕子君 佐川グループの
トラックターミナルをめぐってはさまざまな法違反が
指摘されてきました。文字どおり佐川グループ急成長の背景には、数々の法を無視し、政官の便宜があったればこそと言えるわけですけれ
ども、きょう私が問題として
指摘したいのは、佐川の
トラックターミナルが一等地である
高速道路の
インターチェンジの至近距離にあるということが私
どもの
調査の中で明らかになりました。
第一に、佐川は八百九十一カ所、今お話がありましたように
トラックターミナルがあるわけですが、この位置を全部私
どもは地図に落として
調査をしてみて驚いたわけですけれ
ども、半分に当たる四百五十二カ所の
トラックターミナルが高速
インターの近くにあるということがわかりました。
トラックターミナルが全国に急展開していったその背景に、政官の便宜が図られていなければこれはやっぱりできないものであるというふうに思うんです。同時に、法違反も見逃せないということで、わかっただけでも全国で
都市計画法違反が十カ所、国土法違反が五カ所というふうになっております。
私
どもの
調査では、富山で北陸自動車道小杉
インターの隣接地に佐川側が営業所をつくりたい、こう希望して県とか町が
都市計画法、農地法、土地改良法、森林法などの法的規制を次々と撤廃して佐川のために道路まで
建設してあげている、佐川にとっては至れり尽くせり、だからそのお礼として六千万円の寄附を町に対して行っているということが明らかになりました。
また、岩手の南部佐川の本社営業所のケースで見ますと、農地であるために農業振興
地域の
指定解除をしなければならない調整
区域での開発のための
許可など、県や役場などに便宜を図ってもらわなければならないわけです。これに佐川清氏が来てお礼の席を設けるなど、まあ猛烈な陳情攻勢を行っているということも明らかになりました。
私も決算
委員会で新潟の中条店、黒埼ターミナルの件を取り上げました。また、私
どもの党で山梨の農地法違反の問題も取り上げ、これは農地法違反であるということが明らかになってもおります。
そして第二に、私
どもの
調査の中で明らかになったのは、このように私
どもまとめたわけですけれ
ども、全国三十一道府県、百十カ所のターミナルについて土地の登記簿謄本をとって土地取得を調べてみました。
一つは、これは実際に現地に行って調べたわけですけれ
ども、札幌の北海道
貨物本社営業所ですけれ
ども、もう
インターが決定される以前に土地を取得しているわけです。
インターができることがわかっていなければ取得などはあり得ないということで、実際に
インターは五百メートルしか離れていない目と鼻の先のところに本社があるということです。
それからもう
一つは、この百十カ所の土地のうち、実に五割が農地からの転用になっているわけです。これは松山佐川の濱田元社長が言われておりますが、佐川がなぜ政界工作をしたか、その最大の理由は土地だ、ターミナル用の土地取得、農地からの転用への便宜だと。佐川会長の言葉を引用してこうも言います。例えば坪十万の農地を買い、政治家に頼んでターミナル用に転用してもらうと地価がすぐに三倍、四倍にはね上がり簡単に数十億もうかる、政治家に数億使ったとしても十分採算がとれるのだ、佐川は土地を担保にすれば数千億の借金など何ということはない、こう述べているわけです。
これも私
どもの百十カ所の謄本の中で明らかになったことですけれ
ども、たくさんあるんですが、二つ例に挙げてお話ししますと、福島佐川の白河営業所、これは農地だったんですけれ
ども、農地のときには二百五十万程度の担保だったんです。これが佐川が取得してすぐ、極度額にして七千四百万が、その後数年の間に極度額六億六千万というところまで膨大な数に膨れ上がって、農地のときに比べると二百六十四倍という莫大な数字になるわけです。
それから、岩手の南部佐川の花巻営業所で見ますと、これもやっぱり農地のときには百四十二万の担保でしたが、佐川が取得した時点で五千万円、そしてそれが数年の間に四億になるということで、農地のときに比べると二百八十一倍というとてつもない数字になっている。農地から宅地に転用して担保価値がどんと上がるわけです。それを担保に銀行から融資を受ける、そしてそれを資本にしてまた新たに土地を取得するなど進出して
事業を拡大していくという、こういう構図が私
どもの
調査の中でもうはっきりと浮き彫りになったわけです。
その中で、第三に明らかになったのは、こういう金融の支えがあったればこその急成長なんだということが明らかになったということなんです。百十カ所で何と合計しますと八百四十六億になるんです。実はこの百十カ所の中には東京、大阪の
大都市は除外しています。それを入れるともう莫大な数字になることは、これははっきりしていると思うんです。私はこの中でも重要だと思うのは、そのうちの四十億が
商工中金とか農林中金、
中小企業金融公庫など政府系の金融機関があるという事実です。
大臣にお尋ねいたします。私は、今、私
どもの
調査の中で具体的に例を挙げてお話しいたしました。こういうことがあったからこそ佐川の異常な急成長があったというふうに思うわけですけれ
ども、今私が
調査に基づいて
指摘した事実、これは一部ですけれ
ども、その全体像をお聞きになって
大臣としてはどう受けとめられましたでしょうか。