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金子(満)
委員 私は大変だと思うのですね。一年のものを今度適用するというのに、三カ月のものを、これは丸五年たっているのですよ、それで
傾向も出ない。地方の労基署にいっているだろう、これは無責任だと思う。これは
労働省何をやっていると言われますよ。三カ月の方はいいかげんにしておいて今度は一年にしますという、これじゃ済まないですよ。一年にやるという責任でもってあなた方は言っているのだから、そういう
実態ははっきりさしていただきます。
そうでなければ、今度変形一年になったらどういう産業に、どういう企業にこれが拡大し、適用されていくかという
傾向すら見えないじゃないですか。大変だと思うのですね。だれも知らなかったら、
労働大臣は、前のことだから、今、
村上さんがそれを知らないのはしょうがないけれ
ども、これは行政としては大問題だと私は思うのですよ。このくらいの
傾向、我々だってつかんでいるのですから、こういうような職種にこのように広がっているだろうくらいのことは言えると思うので、私はこれは厳しく
指摘しておきたいと思うのです。
今度変形一年ということになりますと、私
どもも随分の
職場を
調査し、いろいろの専門家や、そしてまた実際に
職場へ出かけていって聞いたこともありますし、また、この労基法の
改正案が本院で審議が始まって以後、自由法曹団な
ども多くの
職場からアンケートをとり、出向いて
調査をしてやっています。自由法曹団のはきのう発表されましたけれ
ども、私は、そこでこういう点を聞きたいと思うのですね。
変形一年というのが導入されれば、
労働組合や組合のない
職場でもどういう事態が予想、予測されるかということです。
一番多いのは、その
特徴というのは、広範な企業の中にこれが適用されるであろうというのは疑いを挟むところはほとんどないです。これは法自体がそうなっているからね。こういう点が
一つ。もう
一つは、どこでも共通に
指摘されるのは、残業手当が大幅に削られるようなシステムだということです。
こういう点から、例えば自由法曹団がきのう発表したものの中にこういうことがあります。
既に三カ月ないし一カ月単位の変形
労働時間制の導入されている
職場での経験に照らして、一年単位の変形
労働時間制が残業手当の大幅な減収の結果をもたらすことを明らかにしている(私鉄、タクシー業界、紙パ産業、自治体
職場など)。もともと変形
労働時間制の導入は、
労働者の必要からではなく企業の必要に応じて所定
労働時間を自由に伸縮しようとする目的のもとに行われてきた以上、残業手当の大幅減収は明らかといえる。
この点は私も
指摘したわけですが、こういう
指摘が現実にあるのです。これは非常に大きい問題だと私は思います。
そういう中で、具体的に今
指摘した職種でこういう
傾向が出ています。
一つは、
観光貸し切りバスのように季節の繁閑の差がある業務で、日または週の
労働時間をあらかじめ定めておくことが困難、かつ業務の都合で協定時間が通常に変更される業務にも適用し、残業時間賃金の大幅削減。これは私鉄総連が
指摘しています。
また、もう
一つは、これはタクシー
労働者の問題ですが、
繁忙期(七月、十二月)に長時間を取り入れ、五月の連休等暇な時期に時短を取り入れられると運転手は生活のため暇なときでもいっそう長時間働く。結局年間を通して今以上の長時間
労働となる。
これは自交総連神奈川です。
変形で残業手当が減るのか減らないかというのは
労働者にとっては死活問題なのですが、これはだれが計算しても減るのです。企業の側も減ると言うのだから、減らすために適用があるのだから。こういう点はどう
考えますか。それと、実際に
労働組合、
労働者の
職場で私
どもが聞いても、これは素直に出てくる言葉です。だから、国会で審議すると同時に、
職場や地域、専門家の中でもいろいろ検討、研究されているのですから、その点でお答え願いたいと思います。