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1993-03-05 第126回国会 衆議院 予算委員会第八分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年三月五日(金曜日)     午後一時十四分開議  出席分科員   主 査 愛野興一郎君       岡島 正之君    高鳥  修君       三野 優美君    高木 義明君       中野 寛成君    兼務 遠藤  登君 兼務 小川 国彦君    兼務 大畠 章宏君 兼務 北川 昌典君    兼務 常松 裕志君 兼務 野坂 浩賢君    兼務 和田 貞夫君 兼務 倉田 栄喜君    兼務 春田 重昭君 兼務 吉井 光照君    兼務 東中 光雄君  出席国務大臣         建 設 大 臣 中村喜四郎君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 井上  孝君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       藤原 和人君         国土庁長官官房         会計課長    藤田  修君         国土庁地方振興         局長      秋本 敏文君         建設大臣官房長 望月 薫雄君         建設大臣官房会         計課長     木下 博夫君         建設省建設経済         局長      伴   襄君         建設省都市局長 鹿島 尚武君         建設省河川局長 岩井 國臣君         建設省道路局長 藤井 治芳君         建設省住宅局長 三井 康壽君  分科員外出席者         総務庁行政管理         局管理官    市川 祐三君         総務庁行政監察         局監察官    浅井 八郎君         環境庁大気保全         局企画課交通公         害対策室長   斎藤 照夫君         環境庁大気保全         局自動車公害課         長       中島 恒夫君         国土庁長官官房         水資源部水源地         域対策課長   柿沼 宇佐君         国土庁防災局防         災企画課長   仲津 真治君         大蔵省主計局主         計官      坂  篤郎君         大蔵省主計局主         計官      津田 廣喜君         文部省生涯学習         局青少年教育課         長       上杉 道世君         通商産業省生活         産業局紙業印刷         業課長     増田 達夫君         運輸省鉄道局財         務課長     丸山  博君         運輸省自動車交         通局企画課長  洞   駿君         建設大臣官房技         術審議官    小野和日児君         参  考  人         (阪神高速道路         公団理事)   小林 幸藏君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  松原 青美君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   青木 保之君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   田栗昭次郎君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   渡邊純一郎君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ————————————— 分科員の異動 三月五日  辞任         補欠選任   三野 優美君     岡崎トミ子君   中野 寛成君     神田  厚君 同日  辞任         補欠選任   岡崎トミ子君     岩田 順介君   神田  厚君     伊藤 英成君 同日  辞任         補欠選任   岩田 順介君     安田  範君   伊藤 英成君     川端 達夫君 同日  辞任         補欠選任   安田  範君     山中 邦紀君   川端 達夫君     高木 義明君 同日  辞任         補欠選任   山中 邦紀君     加藤 繁秋君   高木 義明君     柳田  稔君 同日  辞任         補欠選任   加藤 繁秋君     菅  直人君   柳田  稔君     小平 忠正君 同日  辞任         補欠選任   菅  直人君     後藤  茂君   小平 忠正君     高木 義明君 同日  辞任         補欠選任   後藤  茂君     三野 優美君   高木 義明君     塚本 三郎君 同日  辞任         補欠選任   塚本 三郎君     中野 寛成君 同日  第一分科員北川昌典君、東中光雄君、第二分科  員野坂浩賢君、第三分科員小川国彦君、吉井光  照君、第四分科員遠藤登君、和田貞夫君、倉田  栄喜君、春田重昭君、第五分科員大畠章宏君及  び第六分科員常松裕志君が本分科兼務となっ  た。 本日の会議に付した案件  平成五年度一般会計予算  平成五年度特別会計予算  平成五年度政府関係機関予算  〔総理府国土庁)及び建設省所管〕      ————◇—————
  2. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。  平成五年度一般会計予算平成五年度特別会計予算及び平成五年度政府関係機関予算総理府所管国土庁並び建設省所管について審査を進めることとし、補充質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いいたします。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  総理府所管国土庁について質疑申し出がありますので、これを許可します。野坂浩賢君。
  3. 野坂浩賢

    野坂分科員 国土庁長官を初め、高官の皆さんに御質問いたします。  去る五月の二十六日だったと思いますけれども地方拠点都市の法案が通過をして、具体的にこれから地方拠点都市づくりが始まろうとしておるという段階であります。これにつきましては、国土庁を初め各省庁省庁協力をしてやる、その窓口集約国土庁がするということになっておると思いますね。それで、知事がこの地方拠点都市指定をして、その指定を受けた都市に対して六省庁が積極的にこれを支援、助長する、こういうことになっておるわけです。これは一極集中排除、十八県に及ぶところの都道府県人口減少を来しておる、この過疎現象というものをなくするという意味を含んでおると思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。
  4. 井上孝

    井上国務大臣 野坂先生ただいま御指摘のとおりでございます。  ただいま国土庁政府といたしましては、第四次全国総合開発計画に基づいていろいろな施策をやっておるわけでございますが、四全総の中心課題は、御指摘のとおり東京一極集中を是正して多極分散型の国土を形成しよう、こういうのが中心課題でございます。制定されましてから約六年近くになるわけでございますが、東京一極集中はやんでおりません。ただ、六十二年に東京社会増が十六万人あったのが、平成三年には八万人に半減したということで、やや鈍化ということは言えるかもしれませんが、やんで、一極集中は是正されておらないという認識でございます。  今も御指摘のように、六十年の国勢調査では秋田県一県だけが人口が減っておったのが、先般の平成二年の国勢調査では十八県も減っておるということでございます。そういうことで、地方人口減少、それから活力の低下というものが顕著に見られますので、昨年の通常国会におきまして、この地方拠点法を成立をさせていただきまして、地方の自主的な計画、自主的な意思によって地方活性化を図ろう、こういうことで作成されたものであると認識をいたしております。
  5. 野坂浩賢

    野坂分科員 よくわかりました。  長官建設省にもおられまして、その実績は高く評価されたわけですけれども、この拠点都市法という法律は、具体的に都市整備するのには五年ないし六年、この程度で整備が完全に終わる。予算は別枠的にあるわけではなしに、それぞれ各省庁要求をしてそれを集大成したものだ、こういうふうに理解していいわけですか。
  6. 秋本敏文

    秋本政府委員 地方拠点都市地域整備につきましては、先生今御指摘ございましたように、知事地域指定を行う、その後、それぞれ関係市町村計画を策定する、その計画に基づく事業実施につきまして、各省の持っている予算その他いろいろ使いまして支援をするという仕組みでございますので、そのためだけの特別の予算措置というよりも、従来からあります予算を重点的にうまく使いながら支援をしていくということが主たるものになろうかと思います。
  7. 野坂浩賢

    野坂分科員 よくわかりました。  ただ、今までに私どもの県でも、定住圏構想といって、そうすればもう立派になるぞといって首長が先頭に立ってやる。しかし、何年たってもかわりばえはない。私の鳥取米子市では、新産都市という名の都市づくり法律の制定を受けたんです。何かできたかなと思うと、補助金の上積みがあるだけで何も見えてこないわけです。鳥取の方を見ると、米子の二倍ぐらい工業出荷額が上がる。この集大成というのは、特別の枠がない場合は余り効果がないじゃないかなと思いますが、今度の新拠点都市法というものはそういう意味では期限が切られておるので、相当の効果が上がる、こういうふうに考えていいでしょうか。     〔主査退席岡島主査代理着席
  8. 秋本敏文

    秋本政府委員 今度の地方拠点期限を切るという御趣旨がどの辺のことを着目しておられるのかでございますけれども期限を切るというよりも、今度の地方拠点をどういうふうにしてうまく成功させていくかということで申し上げますと、ただいま申し上げましたように、知事地域指定を行う、計画市町村が策定して知事が承認するというふうに、地方自主性を尊重するという仕組み基本になっております。地方自主性というのを生かしていく、地方の自主的な発想を生かしていく、そういう中からこの拠点整備を進めていく、それについて国としてもできるだけ応援していく、そういうところで効果が上がるように、私どもとしても精いっぱいやっていかなきゃならぬだろう、こう思っております。
  9. 野坂浩賢

    野坂分科員 そういうことから、なるべく県都を除いて、県都は監督機関官庁等がよく集まりますから、県都ではなしに他の、県都以外の都市を重点的に指定すべきだという行政指導が行われたやに聞いておりますが、そのとおりでしょうか。いかがですか。     〔岡島主査代理退席三野主査代理着席
  10. 秋本敏文

    秋本政府委員 県庁所在地をどうするかということはいろいろ御議論のあるところだと思いますけれども全国で見ますと、県庁所在地と一口に言いましても、地域事情が非常に多様でございます。したがいまして、県庁所在地ということでもってどうするということを決めつけることはなかなか難しいということで、先生も既に御存じのとおりでございますけれども、この拠点法の運用につきまして基本方針を定めておりますが、その基本方針の中で、地域指定の部分につきましては、知事は、都道府県内における均衡ある発展に配慮しつつ、もろもろの点を総合的に判断をして指定をするというようなことにしておりまして、県庁所在地だからどうということにはしておりませんが、県内の均衡には配慮しているということを申し上げております。
  11. 野坂浩賢

    野坂分科員 均等に発展させることを配慮してやる。そこで、指定都市というのは非常に競争が激しいんですよ、率直に言って。夢を描いたものですから、みんな飛びついておるんですね。そこで、そこから外されたところはやはり大きなショックがあると思うんですよ。  そこで、一県に一ないし二つ指定するということで、第一発は一カ所だけ、この次の第二番目というのはいつごろこの受け付けをするということになるでしょうかね。
  12. 秋本敏文

    秋本政府委員 拠点都市地域につきましては、やはり重点的に整備していく必要があるだろうということで、ただいま御指摘ございましたように、各都道府県人口面積等に応じ、原則として一ないし二カ所を限度とするということを基本方針に定めております。  ただいまやっております地域指定関係事務といたしましては、まだ各県一カ所というところまで終わっておりませんで、申し出のあった県につきましての事務、かなりな数についてでございますけれども、進めておるという段階でございまして、まだ二カ所目をどうするというところまでは今のところいっておりません。
  13. 野坂浩賢

    野坂分科員 まず、一カ所が全部集約されていないというのは、こういう表をいただいて、よくわかっております。例えば建設省関係などを同じ県から要求しますと、拠点都市が最優先で、その次に次のところだということで、均衡ある発展から格差がついてくるんじゃないかと思われる節もあるのですが、そういうことはありませんか。両方とも十分配慮できますか。
  14. 秋本敏文

    秋本政府委員 拠点都市指定された地域とその他の地域との関係についてどうされるか、それぞれの予算の執行につきましては、それぞれ各省判断をされるということだと思いますけれども、それぞれ事業必要性とか地域事情とかということは各省において適切に判断をされるのではないかと存じます。     〔三野主査代理退席主査着席
  15. 野坂浩賢

    野坂分科員 窓口国土庁なんですが、建設省とか郵政省とか農水省とか、省庁はそれぞれ、県が要求をしてそれぞれ出していく。国土庁は、指導性はなくて、ただ単に窓口だけで終わるということになるのですか、それとも国土庁が介在をしていろいろと指示していくということになっていきますか。
  16. 井上孝

    井上国務大臣 国土庁といたしましては、主管省庁として一応窓口ということになっておりますが、単なる窓口ではなく、十分知事さんと御相談をして、重点的ないろいろなものの配分その他に当たりたい、そのために各省庁に強く要請をしてまいりたい、こういう決意でございます。
  17. 野坂浩賢

    野坂分科員 局長さん、これからいよいよ始まるわけですね、始まるんです。  そこで、私どものところは全国一の過疎県なんです。私は鳥取県です。隣は有名な竹下登さんのおられるところの島根県なんです。そこで、ほとんど県境米子市と安来市、松江市というのは並んでおるのです。米子市と鳥取市というのは随分、百五十キロも離れておるわけですね。ここの県会や市会の皆さんが、県境を超えて指定してもらって、統一してやろうという非常に活発な動きがあるわけです。また、交通の要衝でもあるわけです。それらについても十分我々から見て、県に一つないし二つという、一つということになっておらぬわけですからね、両県で一致して出してくるということになれば、それは十分に考慮してもらえるのではなかろうかと思いますが、その点はいかがなものでしょうか。どちらでもいいです、大臣でも。
  18. 秋本敏文

    秋本政府委員 地方拠点都市地域指定につきまして、県をまたがる地域についてのことでございますけれども、たびたび申し上げております基本方針におきましても、「地域の広がりが、複数の都府県にまたがることを妨げるものではない」というふうに書いておりまして、複数の県にまたがるもの、それも制度上は可能でございますが、鳥取の場合どうか、あるいは島根の場合どうか、それぞれの地域知事さんがどういうふうに考えておられるかということがまず第一次的な御判断だろうと思います。  鳥取県の場合は、もう既に先生御存じのとおりでございますけれども、この拠点都市地域指定につきまして、私どもの方で、地域指定考えておられるところからは御意向を聞きたいということで昨年その御意向を承りましたけれども、その際には、鳥取からは申し出がございませんでした。したがって、鳥取県につきましては、まだ一地域指定も行われていないという状況でございます。  そういう状況の中で、鳥取県あるいは島根県、知事さんどういうふうに御判断されるか、そのことが第一次的なことだと思いますので、そういうことがどうなってくるか、私どもとしてはそれを見守るということだろうと思います。
  19. 野坂浩賢

    野坂分科員 島根県の場合は出雲ということで、岩國哲人さんのところに決まった。鳥取県の方はみんな競争しておるわけですね、何とか、井上長官のおられたところだから、建設省出身でよくやってもらえるだろうと思って、一生懸命競争しておるわけです。知事も困っておるわけですね。二つ出せば併願をするというようなことがあり得るだろうと思うのですけれども、そういう場合は協議の上二つの場合があり得る。特に過疎を是正していくというためにはそういう措置も必要ではなかろうか、こういうふうに考えるのです。  地方全体の振興局長ですから、一つずつを振興するよりも全体を振興させてもらう、こういうことで、小さな県だから一つだというのではなしに全体を振興地方振興されるという意味で、二つという場合は、無理なことを言っておるわけじゃないのです。二県で一指定というようなことなら十分考えられるじゃないか、そうすれば知事の顔も立つということになるのじゃなかろうかなと思って眺めておるのですが、余り官僚的にこう刻んで、そういう点については十分含みのある対処、対応をすべきではないかなと思うのですが、いかがですか。
  20. 秋本敏文

    秋本政府委員 地方拠点都市地域制度につきましては、これを効果的に運用していくということのためには、重点的に運用していくことが必要だろうということが大方のお考えにあるのだろうと思います。そういうことで、人口面積等に応じながら各県一ないし二カ所を限度としてというようなことを基本方針に定めているわけでございます。  それぞれどの県で一カ所なのか二カ所なのかといったようなことにつきましては、まだ各省相談して詰め切るというところまでいっておりません。しかし、まず地域指定につきましては、一度に二カ所ということでなくて、やはり各県まず一カ所ということでやろうではないかということを前々から相談もいたしておりますし、この拠点都市地域指定等の問題は、先ほど申し上げましたように地方自主性を尊重するということが大事であるということで私どもも思っております。  例えば全国知事会などでもいろいろこのことについて御相談をなさっておられますが、昨年の御相談の中では、やはり最初の指定はまず一カ所ということでいこうではないかというような御相談もなさっておられるように聞いております。そういったことで、各県まず一カ所指定ということで私どもの方に御相談に見えた、その中では鳥取はまだお見えになるに至っておらなかった。これからどうするかということでございますけれども、ほかの県と同じように、まず一カ所どうするかということで御検討願いたいというふうに考えております。
  21. 野坂浩賢

    野坂分科員 わかりました。一カ所をとりあえず決める。それは、第二弾は一カ所の事業がある程度進行する度合いを見て決めるのか、三年後に、あるいは五年後には第二の部類を決めるということになりますか、その辺はいかがでしょうか。
  22. 秋本敏文

    秋本政府委員 私ども今一カ所目の指定ということにつきまして、お申し出のございました県のうち十四の道県につきましては地域指定まで進んでおりますけれども、十八の県につきまして、今各省間での協議に入ったという段階でございます。各省協議を終わって、そして都道府県知事さんとの間で正式な協議を行って、その上で知事指定をされるというところでございますので、まず一カ所の指定軌道に乗せるということを今精いっぱいやっているという段階でございます。したがいまして、二カ所目をどうするといったことにつきましては、各省間での相談もまだ詰まっておりません。  したがって、その二カ所目をいつの段階でやるのかということにつきましては、二カ所目ということを考えるか考えないかということもあるいは含めてのことになるかもしれませんけれども、具体的な相談はしておりません。ただ、一カ所目の指定が終わったら、では直ちにすぐ追っかけて二カ所目ということには恐らくならないだろうと思います。しかし、何年も何年も置いておいて、そして二カ所目ということでいいのだろうかという御意見も当然あるだろうと思いますので、そういったことは一カ所目の計画の策定といったものがどうなってくるか、その辺も見きわめながら各省間でいろいろ相談をしていきたいと思います。
  23. 野坂浩賢

    野坂分科員 そうすると今のお話では、とにかく一カ所をやる、完全にやり上げよう、その道程で二カ所目をやるかやらないかを決めるということですか。二カ所目はやるが、いつになるかということは定かでないということですか。それとも、二カ所目は考えるか考えないかはこれから決めるということですか。冒頭には一カ所ないし二カ所を指定するというふうになっておる。だから二カ所目はあるとみんな思っているのですよ。とりあえず知事会等で一カ所をやろう、その上で二カ所目は考えようということになっておるのじゃないですか。ここで二カ所目はもう否定しますということですか。
  24. 秋本敏文

    秋本政府委員 二カ所目を否定するという趣旨で申し上げておるわけではございません。たびたび申し上げておりますように、人口面積等に応じ、原則として一ないし二カ所を限度とする、こういうことでやっております。  それで、二カ所目をどうするということにつきましては、例えばこれまでお申し出いただきました県の中にも、本県は一カ所ということでここを重点にやるというふうにおっしゃっておる県もありますし、また二カ所ということをお考えになついる、希望しているというようなことを非公式な話ですけれどもども承っているところもございますし、そういったようなところ、いろいろございます。  したがって、二カ所目ということがない、こういう意味ではございませんけれども、あるいは地域事情などによりましてどうするかということもそれぞれの県であると思います。そして、その上でまた時期をいつにするかということになりますと、もう一つ、じゃ、どうするかということが出てまいります。したがいまして私どもとしては、そういったようないろいろな地域事情、これまでの経緯などを踏まえながらいろいろ検討していかなければならぬと思いますけれども、さしあたり、まず一カ所目を指定されるように持っていって、そしてこれを軌道に乗せるということが当面私どもとしてはまずやらなければいかぬ仕事だということで今一生懸命やっておる最中でございます。
  25. 野坂浩賢

    野坂分科員 振興局長お話も理の通った話ですからよくわかりますが、最後に長官にお尋ねをしておきたいと思うのです。  今、一極集中を排除して日本国土全体を平均的に発展させたい、そういう意味法律も出てきた。十八県は人口が減ってきた、その過疎の、減少というものを何とかして直していかなければならぬ。そのためには税金対策もある、そのためには企業が来れば税金も引く、建設省拠点都市の玄関をもっときれいにしていきたい、こういうようなお話がいろいろあります。しかし、全体的に仕上げていくために、地方拠点都市整備することも必要でありますが、落ちたところも同じようにやはり進めていく必要はあろう。長官にぜひお願いしたいのは、一カ所といわず、それに準ずるような要求があればそれらの方式というものは十分考えていただきたいということが一点。  それから二カ所目も、二地区の指定ということも県の、例えば東京二十三区にコンパスを入れて回すと大体十五キロだ、だからコンパスを入れて半径十五キロ周辺ならいいじゃなかろうか、こういうような話が法律ができるまでにありましたけれども、そういうことを含めて、全体の、国土の均衡ある発展という意味で二カ所目の指定、あるいは大きな格差がつかないような方途を国土庁としては十分指導、助成をしていただきたい、こういうふうに思いますが、長官の御答弁をいただいて終わりたいと思います。
  26. 井上孝

    井上国務大臣 私、冒頭申し上げましたように、今回のこの地方拠点都市法は地方自主性、特に知事さんに地域指定していただいて、関係市町村長さんが、市町村計画をつくる、それを国が支援をしていくというのがあくまでもこれの趣旨でございますから、今先生御質問のように、一カ所やって、二カ所目は一カ所目がある程度仕上がってからだというようなことは実は考えておりません。何分知事さんが県内のどこを重点にやられるか。一眼レフでいくのか二眼レフでいくのか、そういうようなそれぞれの県の御都合もあろうかと思いますが、そういうものを十分尊重をして御相談をしながら各省を督励して実施に当たりたい、こう思っております。
  27. 野坂浩賢

    野坂分科員 まだ時間がありますけれども長官の御答弁をいただきましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。
  28. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、総理府所管国土庁についての質疑は終了いたしました。     —————————————
  29. 愛野興一郎

    ○愛野主査 次に、建設省所管について質疑申し出がありますので、順次これを許します。春田重昭君。
  30. 春田重昭

    春田分科員 私は、大阪と京都を結ぶ大規模道路、すなわち第二京阪道路問題につきまして質問をしたいと思います。  まず、この第二京阪道路の事業計画の進捗状況とその見通しを簡潔にお答えいただきたい、こう思います。
  31. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  第二京阪道路、先生御承知のように、京都と大阪を直結するいわゆる国道一号のバイパスという形で計画を立てさせていただいております。北河内地域交通負荷の軽減、それから地域環境の改善、都市機能の向上、こういう欲張った目的を持っておりますが、京都市の伏見区、いわゆる京都外環から大阪府門真市、いわゆる大阪中央環状の三十キロの幹線道路でございまして、六十年の四月に京都府下は都市計画決定をさせていただきました。平成四年には大阪府下の都市計画決定も終わらせていただきました。  このうち、自動車専用道路、真ん中に自動車専用道路が参りますが、これの二十六・四キロにつきましては、道路公団の一般有料道路事業として京都府下が六十一年、大阪府下が六十二年にそれぞれ採択されました。そして平成四年十一月に一括して事業許可をおろしております。サイドに一般道路が併設されますが、この二十九・七キロにつきましては、枚方から門真に至る十六キロが五十八年から、残り京都市伏見区から枚方間十四キロが六十一年から事業をさせていただいております。特に京都府下は現在用地買収及び橋梁工事を進めておりまして、大阪府下につきましても、一部の地域について測量及び用地買収を行わせていただいております。  私ども、この中で、例えば門真市におきましては、門真ジャンクションから上八箇荘水路までの約一・四キロを路線測量中でございますし、あるいは交野市域のところにつきましては、平成五年二月一日から五日の間に路線測量実施のための地元説明会を実施させていただきました。四・四キロのうち私部南、向井田の一部を除く三・九キロについて御了解をいただきまして、さらに路線測量を実施させていただこうということで、一つ一つ今進めさせていただいております。
  32. 春田重昭

    春田分科員 ただいま御答弁ありましたように、全長が二十九・七キロございます。その中で大阪府域が十七・六キロでございまして、関係する市町村は五つの市がございます。それぞれで都市計画が上がってきているわけでございますが、五つの市の中で一番都市計画が遅かったのが枚方市と交野市、平成四年一月三十一日に決定されました。そして、事業認可が随分おくれまして、その年の十一月に許可された。事業主体も、二階建ての高速道路が日本道路公団、下の国道一号線が建設省、こういう形で決まりまして本格的な動きが今なされているわけでございます。  そこで、具体的な問題を質問してまいりますが、この事業完成の予定ですね。建設省は大体いつごろとお考えになっておりますか。
  33. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私ども、このような形で事業化させていただいておりますので、これから一つ一つ地元の方々の御了解を得て仕事をするということで、その間においてかなり見通しがどうなるかということはあるかと思いますが、私どもといたしましては、十一次五カ年計画期間内にも一部分でも供用させていただきまして、この交通のふくそうに少しでも役立てたいと思っております。さらに、可能ならば、一部分が大部分になるように努力させていただきたいと思っております。
  34. 春田重昭

    春田分科員 ところで、都市計画が大阪府域で最初に決定されたのが昭和四十四年なんですね。その後若干変更が出されまして、最終都市計画が上がったのが先ほど述べたように平成四年一月ということでございまして、実は最初に決定されたのが昭和四十四年、最終決定されたのが平成四年一月ということで、何と二十三年の月日がたっているわけです。なぜこんなに年数がたったのか、建設省としては何が問題だったのか、その主たる理由をちょっと述べていただきたいと思うのです。
  35. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生御承知のように、その間ちょうど四十四、五年ごろ、環境という問題が非常に大きな認識論として我が国の社会資本整備に出てまいりました。車社会も、この四十年前後を一つの大きな境として大幅な車社会に入ってまいりました。そしてさらに、大都市周辺地域の開発利用というものがまたこの時期にちょうどぶつかりました。こういったことで、地域の住民と地域のあり方と、そして道路整備を同時に解決していかなければいけないという問題に直面いたしましたので、私どもとしては、従来の道路整備の手法は使えないということから、環境アセスメントあるいはアセスメントの以前としての道路計画そのものにつきましてもいろいろと努力をせざるを得ない、そうしないと、地元の方々に使っていただく道路でございますから、地元の方々が理解しないで強行するような道路整備はあり得ませんので、そういうことのもろもろの状況が、私どもの側から見ましても一見慎重のようでございますが、慎重即早いこと、急がば回れという発想に立ったものと理解をいたしております。
  36. 春田重昭

    春田分科員 それだけ地元住民に対して建設省が配慮しなければならないという大きな理由があるわけでございまして、現在大阪、京都を結ぶ道路としては、高速道路としては名神道路、一般道路としては国道一号線がございますが、非常に慢性的な渋滞を繰り返している。  そこで、この道路建設計画が上がってきたわけでございますけれども、第二京阪道路というのは規模的にも大変大きいし、巨大道路として私たちは認識しております。したがって、今局長がおっしゃったように、当然環境問題、また景観の問題も出てまいりますし、市域を分断するという、市民生活がそういった形で分断されていった問題が出てまいります。こういった問題の中で、とりわけ環境問題というのが大阪府域の地元にとってみては非常に大きな関心となっているわけです。  そこで、建設省は独自で環境アセスメントを実施しなければならないということで実施し、その結果を公表しているわけでございますが、現在の環境が相当悪化してくるという予測が出ているわけでございまして、建設省は、環境基準は一応守られているから、環境はクリアされているからということで大丈夫という御認識みたいでございますけれども、現在の環境に満足している地元住民にとってみては、たとえ環境基準が守られるとしてもそれは不満足であるし耐えられない、したがって支持ができない、そういう声が上がってきているわけですね。  しかも、この事業主体の建設省の独自、個別で行ったアセスメントに対しては住民というのは非常に懐疑的な考え方が強いわけでございまして、やはり数字的になかなか信頼できないのじゃないか、そんな感じがあります。そうした住民の疑いを晴らすためにも、アセスメントにつきましては建設省だけじゃなくして環境庁に意見を求めるべきであると私は従来から主張しているわけでございますけれども、再度この問題についてお答えをいただきたい。
  37. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 沿道環境、幹線道路の特に沿道における環境保全につきましては、環境影響評価を含めまして、従来から環境庁等関係機関と連携を図りながら必要な対策を講じさせていただいております。  例えば、私どもの所管の事業に係る影響評価に関しましては、その対象、手法等を定めた建設省の要綱、調査、予測、評価方法を定めた技術指針についても環境庁と協議の土定めておりますし、また、取りまとめられた環境影響評価書についてもすべて環境庁へ送付してきております。  また、特に自動車のNOx、いわゆる自動車NOx法に基づく特定地域に係る都府県ごとの総量削減計画の策定に当たりましても、こういうものに私どもも参加いたしまして御一緒にいろいろと考えていく、こういうことで環境庁等々の関係機関との連携は私ども特に強化していかなければならないものと常日ごろ考えております。
  38. 春田重昭

    春田分科員 昭和五十九年の八月二十八日に閣議決定された内容によりますと、主務大臣は、規模が大きく、そして環境に及ぼす影響が非常に大きい、そういった道路について特に配慮する必要があるというものについては環境庁に意見を求めるべきであると。この京阪第二道路につきましてはこの規模に合わないという建設省の御認識なんですか。
  39. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私ども、所管事業先生指摘の環境影響評価実施要綱、これに基づいてその評価を実施しているわけでございますが、この閣議決定要綱の三の二のところで、「対象事業のうち、規模が大きく、その実施により環境に及ぼす影響について、特に配慮する必要があると認められる事項」がありましたときは、環境庁長官の意見を求める、こういうことになっております。  この第二京阪道路につきましては、予測方法や環境保全目標など環境庁と事前に協議して定めた技術指針、これに基づいて適切にできておりますので、特に長官の御意見を求める必要がないと判断したわけでございます。
  40. 春田重昭

    春田分科員 環境庁とは事前に十分調整してやっている、技術基準に従ってやっている、こういうお答えでございますけれども、しかし建設省は、これまでいろいろな道路事業をやってきた中で、昭和六十二年の六月から平成五年二月まで既に道路事業については五件について環境庁に意見を求めております。一つ東京湾の横断道路、二つ目は中央環状線の新築線、三番目においては川崎の縦貫道路、四番目については第二東名自動車道、最近では京都高速道路、そういった形で、近々、既にこういった五件の意見を環境庁に求めているじゃないですか。なぜこの京阪第二道路だけ抜けているのですか。
  41. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 今先生指摘のこの五つの件、この対象事業はいずれも規模が特に大きく、その実施により環境に及ぼす影響が特に配慮する必要があるという、先ほど申しました三の二の要件に基づきまして、例えば二、三例を申し上げますと、東京湾横断道路については、東京湾を横断する大規模なものでございます。工事中の水質汚濁対策とか、こういったようなもので非常に専門的な、特にまた科学的知見を要する、通常の今まで環境庁と定めてきた技術指針で具体的な定めがない事項、こういうことを含めて予測評価を私ども行ってまいりましたので、そういう意味で環境庁長官の意見を求めたところでございます。  あるいは川崎縦貫道路におきましても、自治体との協議に基づいて大気の濃度に関する評価の方法を通常行っているものとは異なる方法によって行いましたので、それで意見を求めた。あるいは京都高速道路につきましては、京都市という比較的限られた地域の中で延長二十キロという複数の道路から成り立つネットワークとして計画しておりますから、こういうケースのものは従来の環境指針ではなかなか調整しにくい、評価しにくいということから環境庁と御相談したということで、それぞれ特殊な事情がありましたので御意見を求めて慎重を期した、こういうことでございます。
  42. 春田重昭

    春田分科員 この京阪第二道路は、関西一の巨大プロジェクトの事業であり、道路であろうと私は思うのです。併用されたら恐らく一日十万台は下らないと思うのですよ。そういった面では、建設省が環境庁に意見を求めたこれと同じ、匹敵する、それ以上の道路だと私は思うのです。  それで、建設省の独自のアセスでもNOxも騒音も一応基準は守られていますけれども、現在の数値からやはりはるかに悪化しておりますし、環境基準と比較してもそれにぎりぎりオーバーするぐらいの近い線で一応守られている。したがって、建設省がやるアセスというのは地元民にとってみれば、供用されたときの自動車の台数が果たしてこの数字どおりいくのか、また自動車のスピードの予測についても甘いのではないかと。したがって、こういった台数とかスピードが違ってくれば当然アセスメントの内容も変わってくるわけでありまして、環境基準をオーバーする、こういったようにぬぐい切れない不信感がやはりあるのですよ。  したがって、環境庁に意見を求めた、また第三者の民間機関に求めて出たアセスメントについては恐らく公正に予測されているだろうと住民の方たちは信じて、それをもとにしながらいろいろ話し合い等も進められるわけでございますが、個別の、独自の建設省のアセスについては先入感にどうしてもそれがあるのですよ。そういった面で、今後の大きな事業につきましては、第二京阪道路だけじゃない、手間かかりますけれども、環境庁に意見を求めるとか第三者の機関にアセスを求めていくのが私はスムーズに事業を進めるためにもいいと思うのですよ。今日まで二十三年かかっているというのはこういったところにも原因があるのですよ。大臣どうですか、これ、どう思います。
  43. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  先生から御指摘をいただきました第二京阪の話につきましては、大阪、京都を結ぶ骨格的な道路でございますので、今日大変渋滞を来しているということでこの計画を進めてきたわけでありますが、長い時間を要しているのではないか、こういう御指摘ではございますけれども、確かにこの事業を進めていく上においては、ただいま政府委員が答えましたような事情がございますが、やはり道路を建設しなければならない私たちの立場といたしましては、一日も早く事業を進めていかなければならない。  しかし一方、先生指摘いただきましたように、周辺住民の環境問題をどうするか、こういった問題もございますので、環境問題を十分勘案しながら、事業が一日も早く進捗できるように、そのために関係機関あるいは府、市、こういったところと今まで以上にいろいろ緊密な連絡をとりながら、問題の解決に全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えております。
  44. 春田重昭

    春田分科員 私の質問に、的確にお答えになってないみたいですけれども、時間がないので先に進めたいと思いますが、この大阪府域の中で、地元住民の方たちが環境問題で非常に心配しているのは交野市というところなんです。ただいま局長からも、二月一日ですか、路線測量につきまして地元への説明会を行ったということでございますが、交野市四・四キロのうち三・九キロについては御納得をいただいたけれどもという話でございます。となれば、あと〇・五キロ、五百メートルの地域についてはまだ御納得いただいていないという形になるわけで、これはどういう理由なんですか。
  45. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 御納得いただいてないという、都市計画決定という意味では、一応もう地元の御理解をいただいた、こういうふうには理解しておりますが、私ども事業を進める際に、都市計画決定が終わったからそれでよし、後はどんどんやるんだ、こういう態度はとっておりません。  やはり事業の進め方として、個々の、例えば一街区というような一つの区域ごとに地元への説明を行います。そして、現地での路線測量を実施いたします。そして、それに基づいて詳細な設計とかあるいは地元との設計協議、こういうことを一つ一つ手順を追ってまいります。したがって、そういう細かい地域ごとになりますと、またいろいろと、何といいますか、誤解をしていただいている方々もおられましょうし、それからいろいろな御意見をお持ちの方もおられると思います。そういうことをお聞きしながら、そして、私ども考え方をきちっと御納得いただく努力をした上で、用地測量、幅ぐい、こういうふうに進む。そういう意味で、今言った部分だけはまだ測量に至ってない、こういうふうに申し上げたわけでございます。  今一生懸命私ども考え方を、御納得いただくような努力をさせていただいている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  46. 春田重昭

    春田分科員 交野市からは条件が出されているわけでございまして、私たちは、地元ではこれを三点セットと言っているのですが、一つは道路構造として、一つは築堤方式で行っていただきたい、二番目についてはシェルターを設置していただきたい、三番目には脱硝装置を設置していただきたい、こういった要望が非常にきつく出ているわけでございますが、建設省のお考えを聞きたい。
  47. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘の、いわゆる築堤三条件といったようなお言葉が地元であるようでございます。これはこの都市計画決定に際して、府の都市計画審議会において築堤方式について検討を行う旨の附帯意見が出される、こういったようなこと等いろいろと環境保全についての御意見をいただいたところでございます。この第二京阪、幅も六十から七十六に及ぶ非常に大きな構造でございますし、これをどのような形で最終的な詳細設計をするかというまでに至る間においてはいろいろと工夫も必要になろうかと思います。  そこで、今後私どもは、今この三つの条件ということを、条件というよりも、こういう御要望をどのように、この三つの条件を通じて地元が非常に願っている姿、これをどのような形で私どもが詳細設計の中に生かして、それを御説明して御納得をいただくということで、御納得をいただくということが一番大事なわけでございますから、そういう意味で、今後、府、市とも協力して地元説明会等におきまして、いろいろな機会を通じて御意見を伺って、計画に取り入れるべきところは取り入れながら、こういう最終的な案をつくらせていただこう、こういうふうに思っております。
  48. 春田重昭

    春田分科員 これから地元住民とのいろいろな協議とか説明会等が数回あると私も聞いているわけでございますので、よく地元の御意見を聞きながら、協議しながらその実現に全力を挙げていただきたい、こう私たち思うんです。  大臣、市民の会という会があって、最近ニュースを出しているんですが、このニュースの中には、シェルターとか脱硝装置が設置できない設計だったら住民とのいわゆる協議とか話し合いも拒否するというような形の、そういった団体もあるわけですよ。そういった点で、今後地元住民の了解を得て納得いただいた中でやはり進める。最初に局長がおっしゃったように、慎重にやっていくんだ、こういうお話でございますから、この三点セットを十分のみ込んでひとつ進めていただきたい、このように私は強く要望する次第でございますが、ちょっとこれ、大臣に見てもらってください。——最後に、ちょっと大臣の御答弁いただきたいと思います。
  49. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  先生から御指摘をいただきました点につきましては、環境問題については私なりにその重要性は認識しておりますが、今までの経緯等を踏まえつつ、今後遺漏なきように対応していきたい、このように考えております。
  50. 春田重昭

    春田分科員 もう一点だけお尋ねしたいと思うんですが、同じく大阪の枚方市域に国道三百七号線があるわけでございますけれども、現在、道路の補修工事が行われているようでございますが、その進捗状況と今後の見通し、時間ございませんので、ひとつ簡潔にお答えいただきたい。
  51. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 国道一号から先生指摘の府道枚方精華線に至る六・八キロの区間につきましては、歩道がない二車線道路でございますが、日交通量が自動車で二万台と非常に多うございます。しかも、大型車も四千台。しかも、小中学校の通学路にもなっているということで、特定交通安全事業等による歩道設置を進めてきておりますが、平成三年度までに全体五・六キロの区間については、両側に歩道を設置いたしました。残り一・二キロが残っておりますので、これは早期完成ということで次期五カ年計画の中でもかなり早い時期にこれを完成させたいと私ども思っております。ただ残念ながら、第二京阪道路の施工区間、ここがラップする部分がちょっとあります。これが約〇・九キロぐらいでございますが、この部分だけは若干それとの調整を経ないといけませんので、それを経て完成させたいと思っております。
  52. 春田重昭

    春田分科員 ただいま局長からも御答弁あったとおり、この国道三百七号線というのは大変な交通煩雑の道路でございまして、最近は沿線における開発で住民が非常にふえてきている。さらに、平日は土砂の搬送等で大型トラックが交差している。週末になると、周辺にゴルフ場がございまして、また、奈良、京都に抜ける道路としてドライブコースとなっているということで大変混雑しております。  しかも、いわゆる片側一車線、両側二車線という極めて狭い国道になっておりますし、住民の生活道路となっておりますけれども、その用を足してないし、また、小学校、中学校の学童の道路ともなっておりますけれども、大変狭い。したがって、今歩道の設置が行われまして、あと残された事業を今鋭意されているわけでございますけれども、やはり抜本的に解決しようと思ったら、片側一車線じゃなくして二車線、それで四車線にするような拡幅をやはりやるべきである、こう私は思っていますけれども建設省のお考えをお聞きしたいと思うんです。
  53. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生、国道三百七号の拡幅をして、きちっとした質の道路をつくった方が結果的に地域にとってもいいじゃないか、こういう御指摘だと思います。私どもも長期的にはそのように考えております。しかし、急というわけにはいきませんので、先ほども申し上げました、まず交通安全事業で歩道を設置する。それからもう一つ、私ども、都計道の枚方東部線というようなのがございます。これについてもあわせて整備考えたいと思っております。  そういう中ではございますが、この多車線化、ここ、先生、三百七号、ぴったりと人家連檐でございますから、恐らく、この地域で拡幅するということは、家屋移転ということでなかなか難しゅうございます。また、国道一号から第二京阪までの間で、並行して南側に四車線の枚方津田線などの計画もありますし、それから京奈和自動車道との関係もあります。したがって、この多車線バイパスというのは、こういったものを全部ひっくるめて、ひとつ考えなければいけないと思っておりますので、大阪府、京都府にもこういう点を私どもからも申し上げて、一緒になってちょっと、どうしたらいいかやってみたいと思います、地域分断になつもいけませんので。
  54. 春田重昭

    春田分科員 終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、都市計画道路の、大阪府と上く相談しながら、また、京阪第二国道の接続点等もよく研究しながら、渋滞解消に向けて一層努力していただきたいと思います。  終わります。
  55. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて春田重昭君の質疑は終了いたしました。  次に、東中光雄君。
  56. 東中光雄

    東中分科員 私は、阪神高速淀川左岸線と、今春田議員が質問しておられた第二京阪国道に関連して、お聞きしたいと思っています。  それで、最初に、環境庁から来ていただいているのですが、この第二京阪なり、大阪左岸線が建設されようとしているその地域、北河内地域と大阪市内の地域ですが、そこにおけるNOxの環境基準はどういうふうになっているか、あるいは、浮遊粒子状物質、SPMの環境基準はどういうふうになっているか、現状をお聞きしたいと思います。
  57. 中島恒夫

    ○中島説明員 第二京阪道路が通過することになっておりまする大阪府に設置されておりまする大気汚染測定局の平成三年度の測定結果によりますと、二酸化窒素につきましては、一般環境大気測定局におきましてもすべて環境基準を達成しておりますけれども、自動車の排出ガス測定局におきましてはすべて超過をしてございました。  また、浮遊粒子状物質につきましては、一般環境大気測定局、また、自動車排気ガス測定局、すべてが環境基準を超過してございました。  また、淀川左岸線が通過することとなりまする大阪府に設置されておりまする大気汚染の測定局の平成三年度の測定結果によりますると、二酸化窒素につきましては、一般環境大気測定局の半数で環境基準を達成しておりましたけれども、自動車の排出ガス測定局におきましてはすべて基準存超過しておりました。また、浮遊粒子状物質につきましては、一般環境大気測定局、また自動車の排出ガス測定局すべてが環境基準を超過しておったという状況にございます。
  58. 東中光雄

    東中分科員 一般環境大気測定局関係では大阪市内で五〇%というようなことが言われましたけれども、この北河内地域においても環境基準を達成していると言われましたが、その数値でいいますと、結局は、〇・〇四から〇・〇六の、しかも六に近い側ですね、そういう基準のゾーンの中だということで、達成したとはいってもぎりぎりだ。しかし、自動車排ガス測定地点では、これはもう全く両地域とも達成していないということですね。だから、大気汚染というのは、北河内地域におきましても、大阪市、特に北大阪地域ですが、淀川左岸線地域におきましても、非常に基準値から基準達成していないという状態、特に沿道ということになればそういうことが言えると思うのですが、そういう現状。
  59. 中島恒夫

    ○中島説明員 おっしゃられましたように、これらの地域におきましては、沿道を中心といたしまして二酸化窒素並びに浮遊粒子状物質、大変環境基準悪うございまして、大気汚染の状況につきましては大変厳しい状況にあるという認識をしてございます。
  60. 東中光雄

    東中分科員 それで、環境庁は、そういうところでの道路建設あるいはトンネルにおける常温排ガスの問題の処理で、八八年からそういう沿道脱硝装置の開発をずっと進めてこられたようですが、現在の到達点、経過をひとつ明らかにしてほしい。
  61. 斎藤照夫

    ○斎藤説明員 お答え申し上げます。  窒素酸化物による大気汚染の改善、特に局地的な汚染の対策の手法といたしまして、環境庁といたしましては、先生指摘のように、昭和六十三年度から公害健康被害補償予防協会の基金、これを活用いたしまして、トンネル排気ガスの脱硝装置の有効性や実用性につきまして検討を行ってきたところでございます。その結果、平成三年度までにトンネル脱硝装置の基本技術について、常温、低濃度のトンネル排気ガスについて七〇から八〇%程度の効率により脱硝を行うシステムが構成可能である、こういうような見通しを得たという土木学会からの報告を得たところでございます。
  62. 東中光雄

    東中分科員 それで実際に、例えば日立造船なんかとタイアップ、タイアップかどうか知らぬが、実験をやってきましたね、私もそれを見に行きましたけれども、現在での時点では、環境庁としては実用化についてどういうふうに思っておられるのですか。
  63. 斎藤照夫

    ○斎藤説明員 私どもの方で、ベンチスケールのテストから、先生今御指摘のように民間メーカーに委託をしまして、実際にパイロットスケールのモデルをつくっていただきまして、そこで試験を行い、調査をし、その結果、先ほどお話ししましたように脱硝システムが技術的に構成可能である、こういう見通しを得たという御報告を得たところでございます。  なお、この後につきましては、私どもの方で各メーカーからヒアリング等も行いながら、その技術の進展状況を把握しておるという状況でございます。
  64. 東中光雄

    東中分科員 七〇%までいくということですから、技術的には可能だ。問題は、そういう脱硝装置をつくるについて、スペースの問題とそれからコストの問題ということをどれだけ詰めるかということなんじゃないですか。
  65. 斎藤照夫

    ○斎藤説明員 そういう御指摘のような、実際、道路に設置する場合にはいろいろ詰めるべき問題がございます。これにつきましては、現在建設省の方におかれまして、実際の道路トンネルのガスを使いまして実験を行っておられるところでございまして、私どもその結果を期待をして見守っているところでございます。  私どもとしましても、沿道脱硝装置の実用化に向けまして、今後とも努力を重ねてまいりたい、こう考えておるところでございます。
  66. 東中光雄

    東中分科員 それでは、今度は建設省にお伺いするのですが、具体的に淀川左岸線、これは此花地域と今第二期の部分と両方がありますけれども、淀川左岸線の予測交通量はどういうふうにアセスで見ておられますか。
  67. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘の淀川左岸線の予測交通量、私どもが御地元に環境影響評価を御提出しておりますが、ここにも書いてございますとおり、淀川左岸線としては一日四万六千百台から五万四千八百台、それから、並行する淀川南岸線の方は二千八百台から六千四百台、このようになっております。
  68. 東中光雄

    東中分科員 左岸線の場合に、これは新御堂とそして湾岸道路とのアクセスだという規定をしておられるようですが、そしてこういう四万ないし五万という交通量予測を出しておられるということじゃございませんか。
  69. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 今私が申し上げました交通量は二期の方でございまして、一期と二期ではおのずからいわゆる交通量の配分が変わってまいりますけれども、いずれにいたしましても、この交通量の予測に際しましては道路交通センサスということで、各地域の現在の発生集中交通量を把握いたします。そして、今度は人口とか保有台数の動き、こういうものを推計いたします。さらに、そういうもので地域間の分布交通量を求めてこのネットワークで交通量を配分して、将来の交通量を求めるというやり方をいたしているわけでございます。
  70. 東中光雄

    東中分科員 この左岸線の高速道路は二種二級道路でありますが、これは先ほど問題になっておった第二京阪を含め、それから湾岸道路、それから新関西空港、そして本四架橋で来たものの通過道路という、第二環状線と言われる一部に入ってしまうということなんで、今言われている新御堂と湾岸線というその部分だけでやったのでは非常に過小なものになりはせぬか。  同じ二種二級の道路で、大阪でいいますと阪神高速の神戸線、阿波座から西宮摩耶線ですが、その阿波座と海老江の間は二種二級線なんですが、これが発表されておるのでは十万一千台ということですね。そして、大阪池田線の通行量は、これは二種二級でも旧二種二級ですが、だから現在の二種二級よりは狭いわけですね。それで十二万台というそれだけの通行量があるわけですね。だから、四万や五万ということでやれば、これはアセスとしては非常に低いのではないか、それも二〇一〇年というようなことでのことですから、これはちょっと設定が低過ぎるのではないかというふうに患うのですが、どうです。
  71. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 この大阪の地区、道路のネットワークが十分完備されておりません。したがって、現在いろいろな問題が起きております。  私どもは、これではまずいということから、道路網の計画を立てております。その一つが、先ほど先生おっしゃられました第二京阪道路であり、本四架橋であり、あるいは第二環状線であり、いろいろなネットワークでございます。このようなものを、一応平成二十二年を予測年次にはいたしておりますが、全部盛り込んだネットワークということで交通量をその時点の状況で配分をいたして、その中でここにございます淀川左岸線の位置づけというものを見させていただいている次第でございます。したがって、一応全部、私どもとしてはどちらかというと大きく見ているというふうに考えております。
  72. 東中光雄

    東中分科員 ですから、大きく見ているということで出てきている予測値というのは、非常に低く見ているということなんですよ。だって現に同じ二種二級ですぐそばで十三万台も走っているという状態なんで、この点は地元の沿線関係の人たちも、いろいろ専門家に意見を聞き、これはちょっと低く見積もり過ぎていると、だから、アセスをやり直せという要求も出ているわけです。その点は、説明は説明としてお伺いしましたけれども、私たちは納得できない。もともと環境基準をずっとオーバーしているわけでしょう。そこへいわば通過道路みたいになるのですよ。京都から第二京阪を通って湾岸道路に行って四国、九州までつながっていくという通過道路、高速道路ですからね、大都市のど真ん中へ。ということにすれば、余りにも短過ぎるのではないか、だから、その点は要望しておきたいわけです。  それで、だからこそ、この設置については、此花関係の第一期の部分では正蓮寺川の掘り割りをやった場合の全面ふたかけを要求しておりますし、事業者も技術的に開発されれば全面ふたかけの方向を追求するという約束もしているわけですが、その点はどうでしょう。左岸線全体についてふたかけをしていく、脱硝装置をつけるという方向はどうですか。
  73. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私ども先生指摘の湾岸左岸線一期、これについても現時点でも環境影響評価は十分守れるという前提で御説明し、事業を進めておりますけれども、今後ともその実施に当たって関係機関と調整の上で最大限の配慮をする、こういうことを従来から申し上げております。そういう意味で、必要な対策が技術的な方策とあわせてその時点で得られるならば、それは当然のことながら、その円滑な事業執行という視点で私どもは取り組んでまいりたいと思います。
  74. 東中光雄

    東中分科員 これは、地元の非常に強い要望があります。淀川左岸線の正蓮寺川関係でいいますと、市議会で何回か議論がされて、それでいわゆる四条件といいますか、「道路トンネルの低濃度排ガスに対する小規模な脱硝装置の実用化」ができ、「正蓮寺川の遊水地としての機能の確保」云々、要するに、四条件があるわけですけれども、その四「条件が解決されれば、掘割構造区間にも全面覆蓋」、ふたかけを「することが可能になる。」という決議があって、それに対して、阪神道路公団が正蓮寺川・六軒家川環境整備推進協議会あてに出した文書があるわけです。  これによりますと、大阪市長が示した、先ほど言いました四条件が解決されれば全区間をふたかけするということで約束しているところでありますが、「昨今の脱硝装置の実験結果等から判断して、正蓮寺川区間の供用開始までには、上記四条件は十分解決できるものと確信して」いる、市議会でのいろいろな答弁を見ますと、五、六年もたてば大体できるからそれの全面ふたかけをするようにしたい、それが進められるように国へも要望したいということをいろいろ言っているわけですが、この脱硝装置設置、実際に動き出すときにはもう設置できるようにいくだろうという、これはもう地元住民に対する公約にもなっているわけですね。これについて、そういう方向でいくということでしょうね。
  75. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私どもいわゆる基本的な考え方は、恐縮でございますけれども、準備書でお示しいたしましたように、現計画でNOxに係る環境評価基準は達成できるもの、こういうふうに思っております。しかし、現実問題として、御地元からいろいろな御要望、御要請が出てまいったことも聞いております。したがって、そういった御意見を踏まえて、現在大阪市の特に環境影響評価専門委員会において地元の意見を踏まえた審議がなされて、そして都市計画原案が策定される、こういうことでございますから、この中でふたかけや脱硝装置の必要性についても議論されるものとは考えております。しかし、現段階でこのふたかけとか脱硝装置の可能性について今申し上げるにはまだまだ技術の過程でございます。したがって、今ここで明確なことを申し上げる段階ではございませんけれども、十分関係機関とも調整の上、必要な検討をしていくべきものと考えております。
  76. 東中光雄

    東中分科員 ここに私持ってきたんですが、平成三年七月五日付阪公大三第三五七号という、阪神道路公団大阪第三建設部長の公式文書で先ほど言ったものを出しているわけですね。要するに、実用化すれば全面ふたかけをする。実用化できる時期はどうかといえば、「正蓮寺川区間の供用開始までには、上記四条件は十分解決できるものと確信しています。」こうなっているんですよ。だから、もう大きな流れはそういう方向へ行っているということなんで、これはぜひ進めてもらわないかぬし、これはもう大臣にお聞きしたいんですが、沿道の脱硝装置を今いろいろ建設省でやっておられますから、それを進めるということと関連がありますので。
  77. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生、一言だけ脱硝装置について御答弁さしていただきたいんですが、脱硝装置、技術的に十分可能なわけでございますが、これはいわゆる工場のような濃縮ガスについての公害対策技術として実用化されております。トンネル排気ガスとかこういったものはいわゆる一般の大気でございますから極めて低濃度でございます。また、工場のガスというのは非常に高い温度でございます。それに対して、常温であります。しかも大風量、風の量も非常に大きいし、かつそれも交通量によって非常に変わります。そういうことから、私ども今現在、首都公団の東京湾岸道路でもって大実験をさせていただいておりますけれども、そういうものをこれから解決しなきゃいけない。  解決する際のポイントが、いわゆる排気ガスに対して本当にちゃんとできるんだな、こういう薄いガスを濃縮させてできるんだな、濃いガスを濃縮することはできているけれども、薄いガスもできるんだな、できるとしたら、どういう性能を加味しなきゃいけない、また技術的にもうちょっとフィルターをふやすとか、何かいろんなことがあると思いますが、そういうこと。それから、設置したのがしょっちゅう壊れたら、これはどうにもなりませんから、耐久性の問題。そして今までの装置はいわゆる物すごい、丸ビルの一つぐらいの大きな装置を必要とすると言われておりましたので、小型化をしなきゃいけない。さらにこれのメンテナンスになりますと、メンテナンスする費用は料金か税金でございますから、御負担を最小限にするために省エネルギー化しなきゃいけない。こういうようなことを含めて私どもなるべく早く、いろんな時代の要請もございますから、なるべく早くそういう解決ができるようにということで、室内実験を若干省いてもう一気に現地実験という形で東京の沈埋トンネルのところに設けたわけでございます。  そういう意味で、先生が御指摘の御趣旨というものを我々十分生かす方向で努力はいたしますが、何せ技術の問題でございますので、そういう特殊性を十分御判断のときに置いていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
  78. 東中光雄

    東中分科員 いやそれは、工場の脱硝装置のことを言っているんじゃないことはもう初めからわかっているじゃないの。だから、常温におけるトンネルとかというところの脱硝装置をつくるということで八八年から始まって、去年から実際上あそこでやっておられるのを私もみんな知っています。だからそれについて大臣、これはもう都市の大気汚染というのはひどい状態ですね。これは私の聞くところでは、ニューヨークやパリなんかでも、高速道路というのはもう大体都市間なんだ。大都市内で高速道路をつくるというような考え方というのは八〇年代になってからはもうほとんどないというんですね、一層悪くしていくから。ところが日本の場合は、まあ今の大阪でもそうですが、どんどん中へ入ってくるんですよ。それをやるんだったら、地下をトンネルにするか、かけるか、そして脱硝をするということをこれは本気に考えないと、環境状況というのはよくなりませんので、そういう方向で、局長今声を大きくして全力を挙げて努力するようにおっしゃいましたけれども、やっぱり世界の大きな流れからいいましても、そういうやつをぜひやってほしいと思うのです。
  79. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えいたします。  先生から御指摘をいただいた我が国の高速道路を含めた道路環境問題は、欧米の国々と比べて立ちおくれているではないか、こういった問題にさらに力を入れろという御指摘だったと思います。  なるほど我が国は欧米の国々と比べまして高速道路網を含めましておくれているということで、今回第十一次道路五カ年計画をお願いしているわけでございますので、そういった面は確かにあろうかと思いますが、その中で、いわゆる道路環境を改善するために今のような装置等はどうするかということにつきましては、装置の規模、そして研究課題あるいは負担、都市の中においてそういった装置をどういった場所に装置できるかということも含めまして、御趣旨を体して検討を続けておりますので、できるだけ早い機会に成果が得られるようにさらに努力をさしていきたい、このように考えております。
  80. 東中光雄

    東中分科員 それで淀川左岸線の二期の部分につきまして、淀川の堤防のスーパー堤防の企画、今はスーパー堤防になっているわけじゃありませんけれども、そこでアセスで出されておるのによりますと、ふたかけにはならない。西行きは一応ふたかけだけれども、それを含めて東行きの二車線については全部外へ出していくということになっているわけですね、三分の二は。三分の一はふたかけしたとしてもということになっているわけですが、地元の、これは中津コーポという非常に大きな府、市が関与してできた住宅があるんです。団地といってもいいと思いますが、それがちょうど二十年前に阪神高速が大阪池田線ですか、つくるということで大反対運動がありまして、私それをちょうど二十年前に金丸さんが建設大臣のときにいろいろ質問をしまして、これだけ自然を、環境を売り物にして市が建てた住宅を、今度は高速道路で汚すのか、阪神では予算化しているということでいろいろやったんですが、金丸さんはそれはもう地元の要求せぬようなものはやる必要はないやんかというようなことを言って、現に見に行こう、それでとうとうこれはさたやみになったことがあるんですよ。そこへ今度こいつが来るんですね。  そういう関係もありまして、ぜひ専門家の意見を聞いてスーパー堤防にすることで地下へ全面ふたかけをするという方向を追求したらどうかという意見書を三月一日に出しておるはずなんですが、ひとつその点について、河川の方ではそれはできないのかできるのかということを含めまして、ぜひそういう方向を追求してほしいと思うのですが。
  81. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 それでは、まず私の方から、そういったことは許可できるのかどうかという点について、考え方を申し上げたいと思います。  先生指摘のとおり、現在実施されております大阪市の環境アセスメントに基づく住民の事前閲覧で、住民の一部からその道路面を下げてほしいという意見が出ておるのは私も聞いております。しかし、その提案の内容につきましては概念的なものでございまして、どのように掘り下げて、そしてまたその結果をどのように堤防としての機能あるいは道路としての機能等を確保していくのかというふうなことが不明な状況でございます。  現在の計画案につきましては、河川管理の通常のルールに基づいて計画されておりますので特に大きな問題はないのでございますけれども、掘り下げるということになりますと、まあそれは掘り下げる程度にもよると思いますが、堤防の安全度確保の観点から種々の影響が出てまいると思っております。したがいまして、河川管理者が許可をできるかどうかの判断をするためには、河川管理施設である堤防のすべり破壊に関する検討、それから洪水時の漏水現象に伴う堤体の湿潤化あるいは地震時における堤体への影響あるいは地下水の影響等々、さまざまな観点からの検討が必要でございます。  そういうことでございますので、現段階では許可できるか否かにつきまして何とも申し上げられない状況にございます。
  82. 東中光雄

    東中分科員 時間ですから終わりますが、これは建設省近畿地建が出している「始まっています  水と緑に恵まれた街づくり スーパー堤防整備事業に参加しませんか」という、イラストみたいなのがあるのですが、ここにちゃんと「土地の立体的活用」といって、この地下に自動車が走るように絵がわざわざかいてあるのですよ。これはスーパー堤防の中でそうしようということですね。こういうものを出しておいて、それで、それは今言われたようなことは検討せないけませんわ。検討せぬで、地下水がどうなっておるかということいかんにかかわらずやってしまうということは、それはわかりますけれども、概念としてはそういうことはできないという問題ではない。要するに堤防の機能をちゃんと維持するということ、そういう設計にすれば、地下にしたからといって、ぐあいが悪いということにはならない。脱硝装置の問題もありますよ。ありますけれども、スーパー堤防自体の構想は、地下も立体的に使えるようにということをわざわざ書いてあるのですよ。どうでしょう。
  83. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 スーパー堤防につきましては、そういったパンフレットにも載っておりますように、一般的にそういうことは当然あり得るわけでございまして、私ども考えの中にあるわけでございますけれども、具体的に淀川左岸線ということでのお話でございますので、その点については先ほど申し上げましたようなことをいろいろと検討しないと、現段階で許可できないとも言えないし、許可しますともちょっと言いにくいということでございますので、もちろん、できないということを言っておるわけではございませんので、御理解を賜りたいと思います。
  84. 東中光雄

    東中分科員 時間ですから終わります。
  85. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。  次に、北川昌典君。
  86. 北川昌典

    北川(昌)分科員 通告いたしました質問の順序が若干違いますけれども、御了解いただきながら質問を申し上げたいと思います。  最初に、地方拠点都市問題についてお尋ねいたしたいと思います。  東京一極集中を排除して地方活性化を図る、こういう目的を持ちまして、昨年、地方拠点都市法が制定をされました。昨年末に全国で十四の地域が第一次の認定を受けたということでございます。さらに、残りが十八地区、年度内に関係各省での協議が行われるというお話を聞いたわけでございますけれども、この十八地区についての指定の時期はいつごろになるのでございましょうか。
  87. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 御指摘がございました地方拠点都市につきましては、三十二の地区のうち十四の地域指定については協議を行って、二月五日に主務大臣から異議のない旨の回答をし、各都道府県指定がなされたところであります。残りの十八につきましては、現在速やかに協議を行って手続を進めているところでございます。また、十五の申し出のなかった都道府県につきましては、今後申し出があれば、十八の地域協議の進捗状況申し出状況等を勘案しながら、できるだけ速やかに対応していきたい、このように考えております。
  88. 北川昌典

    北川(昌)分科員 今協議中の第二次十八地区、これについては大体協議対象の地区は全部指定になるのかどうか、局長さんの方からでも結構ですけれども
  89. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 今答弁させていただいたことと重複いたしますが、手続上、都道府県から連絡があった中で問題のないものは指定できる、このように考えております。
  90. 北川昌典

    北川(昌)分科員 当初の法が施行される以前に、各県大体二カ所、二圏域の指定を目指す、こういうことでございましたが、宮崎県の場合をとりまして恐縮でございますけれども、県北の延岡圏域と県南の方の都城・北諸圏域が候補として挙がってまいりました。知事指定が都城・北諸圏域として決まって国の方に上げたということでございました。今度の二次指定で御指定いただければ地域皆さん方は大変喜ぶだろうと思いますし、地域活性化が大きくスタートするだろうと思うのです。ただ、やはりこの県北の方が県知事指定にまだなっておりませんけれども、この県内で二圏域を対象指定とするということについては、方針としては変わらないわけでございましょうか。そして、いわゆる今回のこの指定で漏れて、後、県知事の方から指定の決定があった場合には、一年以内にとか、そういった形での指定が行われるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  91. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 先ほど建設大臣からお答え申し上げましたとおり、昨年三十二の地域につきまして、知事の御判断に基づきまして中央の方にお申し越しがなされていることは、仰せられたとおりでございます。  さて、それを除いた他の地域を含めましてまだ幾つか残りがあるわけでございます。そして、先生仰せられましたとおり、この地方拠点都市地域指定して、その地域振興策を図る、そしてその周辺にもいろいろ効果を及ぼしていくという大変画期的な法律をつくっていただいておるわけでございますので、私どもといたしましての方針は、当時、法制定の過程におきまして、各県に一、二カ所、そして全国では五十から八十カ所ということで、各省庁こぞってやっておるわけでございますけれども、とりあえずは、まずもって御申請を昨年ちょうだいしました三十二の地域、そしてまた各県一つずっとにかくやってまいろうということで、残った地域につきまして一地域というものを念頭に置きながらこれから進めさせていただこうということでやっております。全体およそ五年ぐらいかけて、その一ないし二地域につきまして指定を進めていこう、こういうことで相談をしつつあるという状況にございます。
  92. 北川昌典

    北川(昌)分科員 できますならば、やはり県の中にもバランスというのがございまして、県知事も大分苦労されると思うのですが、そういった面も考慮いただいて、適合するものについてはできるだけ早く指定をいただいて、両方が活性化するように御配慮をいただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  それから、地方拠点都市整備を進めるに当たってでございますが、指定された地域が中心になって、その周辺の、衛星都市とでもいいましょうか、周辺地域も並行して活性化が実現するような関連する施策というものもぜひお願い申し上げたいと思うのです。  と申しますのは、新産都市指定が、昭和三十八年でございましたか、ございました。宮崎県でも、日向新産都ということで県民挙げて指定をお願いしたわけですが、指定になりました。全国的には新産都市、成功しておるところもございますが、宮崎県の場合は余り成功していない一例ではないだろうか。もう三十年近くになりますが、まだ六割も充足されていないということです。そして、日向市の人口は確かに四万足らずから六万にふえたのですけれども、それを調査してみますと、周辺の町村から新産都の指定を受けた日向市に移動しただけで、いわゆる全体的な圏域での人口の増減はないわけなんですね。そういった面で、地方拠点都市もそういった状態が起きることは、決してこの法の趣旨に沿っていないと思うのです。そういった意味で、拠点都市活性化させていくが、成功させていくが、その周辺の地域にも波及効果が上がるような施策というものをぜひとっていただきたいと思うのですけれども、そういった配慮について、いかがなものでございましょうか。
  93. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  先生指摘をいただきました地方拠点都市の問題につきましては、まず最初に、この拠点都市がいかにして今後きちっとしたスケジュールで充実できるかという一つの大きな課題がある、このように考えております。これをいかに充実させるかということにつきましては、指定すると同時に、関係都道府県と連携をとりながら、まず拠点都市の充実というものに取り組んでいかなければならない、このように考えております。  それと同時に、拠点都市整備されると同時に、周辺の地域とのバランスというものをどうとっていくかという問題につきましても、下水道あるいは生活基盤その他、工場団地の誘致等を含めまして、地域全体が広域的に活性化できるような施策というものは、当然県とも連携をとりながら、具体的な手順も踏まえながら検討していかなければならない重要な課題である、このように考えております。
  94. 北川昌典

    北川(昌)分科員 ひとつ県内で地域のバランスのとれた活性化につながるように、行政水準も上がるように、そういう施策をお願い申し上げておきたいと思います。  次に、交通網、道路の問題でございますけれども、今申し上げましたように、地方拠点都市として都城・北諸圏域が宮崎県の場合は今度十八地域の中に入っております。ぜひ認定をお願い申し上げたいと思いますが、同時に、先ほど申しましたように、県北の方についても今後ひとつ十分な御配意をお願い申し上げたい。  そうした場合に、県北が今度知事指定にならなかったのかといいますと、これは公式な発表ではございませんので、あくまでも私の想像でございますけれども、条件的に、高速自動車道がないのです。ちょっとこの前の繰り返しなので、くどいようでございますけれども、福岡から鹿児島に至る東九州の自動車道が、今、整備線へ昇格いただいている部分もございます、基本計画に設定していただいている部分もございますが、まだ着工されていない線でございます。  この東九州道の予定線の沿線には、先ほど申しましたが、大分の中に鶴崎工業地帯もございますし、さらに南に下っていきますと、旭化成がございます。それから新産都、成功しておりませんけれども、今から充実するだろうと思いますし、さらに南に下っていきますと、テクノポリス学園都市、それから王子製紙、さらには鹿児島の方に、志布志湾の臨海工業地帯とまではいいませんけれども、石油備蓄基地、こういう工場地帯がずっと散在しておるわけです。同時に、リゾートの指定も受けまして、今リゾート開発が着実に進んでおります。さらに農産物、畜産物、林産物の、これはまた資源の豊富な地域でございまして、この高速道ができるかできないかによって、地域的には大きな発展があるか、あるいはおくれをとるか、こういう問題もあるわけでございますので、ぜひこの東九州自動車道については整備を急いでいただきたい。  具体的には、今整備計画に上がっております清武−西都間の着工に向けての、それから西都から延岡間の整備計画への昇格、さらに清武から志布志までにわたる、一部区間は抜けておりますけれども、二十七キロ区間の整備計画への昇格、こういう地元としては非常に強い県民挙げての要望があるわけでございます。  国幹審も、前回ありまして二年目を迎えたわけですが、そういった点で、今度の国幹審の場合には、ぜひこの東九州に十分な御注目をいただいて昇格いただくように力添えをいただきたいと思うのですけれども、この点について御意見をお伺いいたしたいと思います。
  95. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 九州の高速自動車国道は、四十一年に九州縦貫自動車道、それから九州横断自動車道と二本しかございませんでした。六十二年に一万四千キロにするときに、この東九州自動車道を入れていただきました。  現在この東九州自動車道全体の姿を申し上げますと、供用が、事実上の機能供用も含めますと五十一キロ、一一%、整備計画区間が百二十一キロで二七%、基本計画区間が二百三キロで四五%、言ってみれば何もまだ基本計画に上がってない区間が七十六キロの一七%ございます。問題は、これを今後どのようにしていくかということでございます。  第十一次五カ年計画におきましては、私どもこの東九州自動車道のような地域活性化の基幹となる路線については、特に重心を上げたいというふうに思っております。特に、十一次五計ではいよいよ横断道路の時代に入るわけでございますから、ましていわんや縦貫自動車道としておくれている地域、これを特に優先させなければいけないというふうにも考えておる次第でございます。  しかし問題は、採算性というようなもう一つ大きな壁がございますので、東九州自動車道においては宇佐−別府とか国分−隼人とかいったように、整備手法でいろいろな工夫をした経験がございますので、このような経験をフルに生かして今までのおくれを取り戻したいと思っております。  そういう中で、現在予定路線として二カ所残っております。串間−日南、そして延岡−蒲江、この区間は事実上予定路線ではございますけれども、いろいろな意味での基本的な調査は進めさせていただいております。したがって、現在計画として確定している区間につきましては、それぞれ熟度を上げるような努力を今後いたしますし、それからまだ何も決まっていない区間につきましては、次期国幹審に向けてできるだけ調査の熟度を上げたいと思っております。そのようなことで、先生の御趣旨にできるだけ沿うような努力をさせていただきたいと思っております。
  96. 北川昌典

    北川(昌)分科員 ひとつぜひ今のお話のようによい方向への御尽力をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。  さらに地方道問題でございますけれども、先ほど申しました地方拠点都市、都城・北諸圏域と県南を結ぶ牛ノ峠バイパス、これは二百二十二号線でございますけれども、これが着工して二十四、五年になるでしょうか、なかなか供用開始にならないということでございますけれども、県南にあります港の方も平成七年には今の工事が完成をする、こういう時期になっております。したがって、着実に進捗はいたしておりますが、さらにこの工事を急いでいただく、そのことは地方拠点都市をより充実することにもなるわけでございますので、その点。  それから同じく、地方拠点都市とバランスのとれた活性化という意味から、これにつながるところの二百六十八号線の整備もやはり急いでいただくことによって周辺地域の並行したレベルアップができると思いますが、これの見通しについてお伺いいたしたいと思います。  さらにもう一つ、国道二百二十号線、これはいつも申し上げますが、大変国の方のお力添えというか御努力をいただきまして、防災工事が進んでおります。しかし、まだまだ重要な部分が欠落、欠落といいますかおくれているというのも事実であります。  青島、観光地でございますし、総合グラウンドがございまして巨人軍のキャンプもございます。そういったことで、非常に自動車も多い、行事等があるときには多いのですけれども、かなりの渋滞がある、交通事故ももちろん起きるわけでございますが、そういった青島バイパスの整備についての状況、さらにこの防災地域としていろいろ今取り組みをいただいているところの地域の将来の整備の見通し、この点について、三つほどお伺い申し上げたいと思います。
  97. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 まず国道二百二十二号、牛ノ峠の状況でございます。  日南市の酒谷から都城東町に至る二十・六キロのうち、これは一次改築でやっておりますが、都城市側五・八キロと日南市側二キロ、これが供用しておるところでありまして、残りの区間のうち五・七キロを今やっております。そのうち、この区間が橋梁十八橋、トンネル二本、こういうところでございますが、そのうち十六の橋とトンネル一つは終わっております。したがって、十一次五計内には全体の完成をさせたい、かように思っております。  それから、国道二百六十八号の状況でございます。小林市から野尻町の町境の岩瀬川というところに岩瀬橋があります。六十メーターの橋梁でございますが、歩道がありません。それなのに交通量が一万二千二百台ということで、交通安全対策上も非常に急ぎたいということで、かけかえを含めた歩道設置、車道幅員の拡幅、こういったことを水流迫工区として平成二年から着手しております。今現在、用地買収をやっております。そのほか、野尻町の中心部の二・二キロにおいても野尻工区として拡幅工事をやらせていただいたところでございます。いずれにいたしましても、これら、この十一次五計内には全線供用させて、皆さんに喜んでいただきたいと思っております。  それから、二百二十号の青島バイパスでございます。これもボトルネック解消ということで、延長五キロのバイパスを六十二年から事業化しておりまして、特に加江田から青島の駅のところの二・一キロを最重点ということで用地買収をし、今、平成元年から工事に入っておりますが、ことしは用地買収と高架橋の下部ということで、ただ、残念ながら、一部地権者の協力が得られておりません。これを何とかしなければいけないと思っております。そうしないと計画どおり終わりません。そこで、これらとの調整を図りながら、この五カ年の中でこの二・一キロ区間だけはせめて完成させたいと思っておりますし、特にこの宮崎の二百二十号、常に一週間くらい、いざとなるととまるような異常気象の銀座でございますので、私ども非常に気にしております。  そこで、青島−日南局改ということで三十二キロという大延長、非常に長い延長を防災対策事業という形で取り上げました。その中で特に危ないと思われる内海地区と鵜戸地区と立石、小目井地区、こういう四カ所を優先的に取り上げまして、この中から、内海と立石、鵜戸のところが平成三年に供用し、残りの区間、特に小目井地区について、ここは漁業と観光との両立が難しいところなので、今回、宮浦トンネルというこの付近の六百メーターについて工事をやっと着手いたしました。何とか次期五カ年内には完成させたい、このような計画を持っております。
  98. 北川昌典

    北川(昌)分科員 よろしくお願い申し上げておきたいと思います。  次に、河川の整備についてでありますけれども、特に河川の堤防の整備についてでございます。  一級河川になりますと、市街地周辺の堤防は本当にきれいに整備されておるのですが、二級河川になりますと、市街地に隣接しておりましても、何かやぶで、そこの地域の住民の皆さん方が散歩もできない、こういう状態なんですね。川に親しむ、そういう生活をしていく、また川を愛する、河川愛護週間というのもございますが、そういう触れ合いというものを人と河川につくるためには、そういう市街地での堤防は整備されるべきではないだろうかと思うのですけれども、この点、いかがでございましょうか。
  99. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 先生の御指摘のように、直轄河川と補助河川とを比べますと、そういった差が若干あるかもしれません。知事が管理する補助河川につきましても、特に市街地周辺を流れる河川につきましては、先生指摘のとおり、日ごろより河川に親しむ住民の方も非常に多いわけでございまして、それゆえに地域住民の河川に対する関心も非常に高いものがございます。したがいまして、二級河川といいますか補助河川につきましても、より川に親しめる整備というものがこれから極めて大事だと考えております。  従来より補助河川につきましても、河川環境整備事業におきまして市町村の要望に応じました高水敷の整備とかあるいは環境護岸あるいは散策路、そういった整備を行っておるわけでございますが、しかし、近年におきましては、町づくりと一体となった潤いのある川づくりというものをより重点的に進めろ、そういったニーズが大変高まってきておりまして、そういったことを考えまして、補助河川改修事業の中にも昭和六十二年度よりふるさとの川モデル事業というふうな制度制度化したところでございます。以来、河川と一体となった町づくりに極めて高い熱意を持つ市町村につきましては、当該市町村の顔となるような河川をモデル河川として指定いたしまして、河川管理者と市町村と、そして地元とが一体となって潤いのある川づくりを推進していくことにしております。  なお、補助河川に限定したものではございませんけれども、直轄河川でも実施している事業でございますが、堤防補強に合わせました桜並木を整備する桜づつみモデル事業、それから河川管理者と河川愛護団体が一体となって河川環境を改善いたしますラブリバー制度、それから生態系を保全し自然豊かな川づくりを目指そうという多自然型川づくりといったようなことも推進しているところでございます。  そういうことでございまして、先生指摘のとおり、今後とも、地域住民が親しめる、潤いのある川づくりというものを補助河川につきましても推進してまいりたいというふうに考えております。     〔主査退席三野主査代理着席
  100. 北川昌典

    北川(昌)分科員 今おっしゃったようなそれぞれの整備は確かに進んでおりますけれども、部分的には、市街地の近くにあります堤防が整備されていれば皆様方がそこで川に行きましたり川と親しめるという状態ができますので、おくれている部分についての御配慮をお願い申し上げておきたいと思います。  時間がございませんので、最後になりましたが、公営住宅の入居基準について、実態に合わない部分があるのではないかと思いますので、この点の見直しはできないのか、お伺いしたいと思います。  確かに年額の収入基準でいきますと、年額は多いのですが、仮に、これは実例があったわけですけれども、十三万の月収の夫婦が申し込みました。ところが期末・勤勉手当というのがございまして、それが五カ月ぐらいのものでございましょうか、いわゆるボーナス、そうしますと二百十八万四千円をオーバーする、こういうことになるということで、一種にも二種にも入れない。ところが、本人は十三万でございます。税金も引かれます。いわゆる福利の厚生年金掛金等も引かれまして、結果的には九万円ぐらい、二人合わせて十八万。それから車のガソリン代を払っていきますと十二、三万の月給にしかならないけれども、ボーナスがあるので収入オーバーということで住宅に入れない。十三万の月収、賃金です。これは余りにも基準が低過ぎるのではないかというのが一つございます。  それからもう一つは、二種に入居という希望で申し込みますと、二種住宅が満杯だ。一種住宅は家賃が二種住宅よりも安い、昔の住宅でございますから。それに申し込みますと、これは家賃は二種より安いのですが、ところが一種の基準に達しないのでだめだ、こういう矛盾点が出てきているのですね。こういう点をもう一遍点検をいただいて見直しをいただくようなことはできないのかどうか。町村長さんも困っている部分があるのです。
  101. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 ただいまの御質問、公営住宅関係についてでございます。  公営住宅は、低額の所得者に対する、住宅困窮者に対する対策でございまして、したがって助成が厚いということもございまして収入基準はシビルミニマムで全国一律でございます。三三%の収入の分位の方まで対象でございます。  全国一律でございますので、宮崎の場合はどちらかというと県内では所得の高い方がかなり入れるというふうに存じておりますが、ただいまの御指摘の点は多分お二人で働かれたりしますと収入がふえるものでございますので、そういった方々が一種や二種の公営住宅に入れない場合があろうかと思います。これにつきましては、最低二年あるいは四年ぐらいの間には収入基準の改定をいたしましてそういったものに対応させていただきますことのほか、公営住宅よりもやや家賃は高いのでございますけれども、今回御提案をさせていただいております特定優良賃貸住宅、従来地域特別賃貸住宅と申しておりましたが、これを建設促進いたしまして皆さん方の需要にこたえさせていただきたいと思います。  また、一種と二種の逆転の家賃がございます。これは、古い一種の場合は現在新しく建てる二種の家賃よりも安いものが確かにございます。こういう家賃の不均衡を是正する必要があるとは思いますけれども、ただ、古い一種の家賃につきましては、収入の三倍までといいますか、それにつきましては特例の措置がございます。これで、空き家等がございました場合には二種階層でも一種の公営住宅に入ることが可能でございます。現実に宮崎県でもそういった例があると聞いておるところでございます。  いずれにいたしましても、よく御趣旨を体しまして今後対策を進めてまいりたいと存じます。
  102. 北川昌典

    北川(昌)分科員 時間を経過しまして恐縮でございます。どうもありがとうございました。
  103. 三野優美

    三野主査代理 これにて北川昌典君の質疑は終了いたしました。  次に、大畠章宏君。
  104. 大畠章宏

    大畠分科員 日本社会党の大畠章宏でございます。  私は、地元の課題をベースとして何点か建設省の現状並びに御見解等をお伺いしたいと思います。  質問に入る前に、きょうは中村喜四郎大臣がおいででございますが、私も同じ茨城出身でございます。茨城から建設大臣が誕生したこと、心からお祝いを申し上げたいと思います。そういう中で、茨城県では非常に大臣に対する期待もあるわけでありますが、幾つか非常に細かな課題もございますが、何点か建設省の現状についてお伺いをしたいと思います。  まず一つは、昨年拠点都市整備法というのが成立したわけでありますが、この画期的なといいますか、地方分権というものを一つの中心とした法律が制定されたことによりまして、各地方の方でも大変期待をしておるところであります。  茨城県の中では、水戸・日立地区を中心として従来から百万都市構想というのがずっとあったわけでありますが、計画といいますか、なかなか進まないというのも実態であります。そういうことから、茨城県としてはぜひこの地域拠点都市整備法の対象として認定していただきたいということで申請もしているわけでありますが、残念ながら昨年度の認定には漏れてしまいました。  この日立地方あるいは水戸地方を含めた拠点都市整備に対する茨城県の方の対応も一生懸命頑張っていますし、また地元の関係市町村もいろいろと工夫しながらやっているわけであります。中には合併問題なども含めて、その受け入れ態勢を整えようという努力もしていますし、この水戸・日立地方のところには、国策として東京湾の混雑というものを解消しようということで、常陸那珂港、そしてまた清水港に分散しようという国の政策があるわけですが、この常陸那珂港の建設地域も入っているわけであります。  そういう意味から、国としても平成五年度等にぜひこの地域拠点都市整備法の対象地域として認定していただきたいという強い希望があるわけでありますが、建設省として、この水戸・日立地方拠点都市整備についてどのように受けとめておられるのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
  105. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 地方拠点都市指定につきましては、申し出が昨年三十二の地域についてございました。そこで、まず十四の地域指定につきまして協議を行い、本年二月五日、主務大臣から異議のない旨回答申し上げ、各道県におきまして指定がなされたところでございます。ただいま先生仰せられましたとおり、残りの十八の地域につきましては、現在協議に向けての手続を速やかに進めておる最中でございます。  常陸那珂地区につきましては、水戸市を中心として水戸地方拠点都市地域に含まれておるわけでございまして、この十八の地域一つとなっておるわけでございます。そういう意味で、今後関係行政機関ともども協議を鋭意進めて、指定に向けて作業を進めさせていただきたいと考えております。
  106. 大畠章宏

    大畠分科員 今お話しありましたとおり残り十八地域ということでありますから、前年度が十四地域でありましたけれども、ぜひ全部指定として加えるように、特に、いろいろ予算委員会ももめましたが、まさに今内需拡大を国の内外から求められておりますから、そういうことからも建設省としても積極的に、こういう昨年度成立した法というものの趣旨を踏まえて、十八地域を全部この平成五年度あたりに対象として認定できるように全力の取り組みをぜひお願いしたいと思います。  それから次に、今申し上げましたけれども、この地域の中に入っております常陸那珂地区の開発というものが、県北地域、茨城県の北の方の地域では大変大きな課題として注目を集めているところであります。ここも国の予算を随分投下していただいて整備を進めているわけでありますが、この常陸那珂地区の開発の現状、それから、国営公園だったですか、ここには常陸那珂公園が整備を進められておりまして、これも日本一の公園になるだろうということで、県民はもとより関東地方からも大変注目を集めているところであります。  この常陸那珂公園、一部開園されているわけでありますが、まだ五分の四くらいが残っております。そこら辺を含めて、平成五年度あるいは将来にわたってどういう形で取り組まれようとしているのか、お伺いしたいと思います。
  107. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 常陸那珂地区は重要な拠点一つでございまして、現在茨城県におきまして常陸那珂国際港湾公園都市構想が取りまとめられております。その中で、流通業務機能、研究開発生産機能、レクリエーション・リゾート機能、コンベンション機能といったようないろいろな機能の導入をお考えになっておられます。  公園のことは後から触れさせていただきますが、建設省におきましては、現在県が施行しております常陸那珂土地区画整理事業、これが平成元年から九年度という予定でございます。そしてまた都市拠点総合整備事業平成元年からこれまた九年度完成という予定でございます。こういった事業に対しまして積極的に補助と支援を具体に行っておるところでございます。こういったことで、今後ともこれらの促進というものを図ってまいりたいと考えております。  その中で、特に、ただいま先生国営の常陸海浜公園のお話がございました。昭和五十四年度から着手をいたしたわけでございますけれどもお話のございましたとおり、平成三年十月に七十ヘクタール、全体が三百五十ヘクタールございますが、一部について供用を開始したところでございます。現在まで累積で百三十二万余りの人が入場されたというような状況でございまして、その国民的な利用というような需要が大変強くなっていることがうかがえるところでございます。そこで現在は、この七十ヘクタール、南の方の部分になろうかと思いますけれども、こういった地域についての既供用区域の施設の充実をまず図ってまいりたいというふうに考えております。  そこで、今後、平成新時代の幕あけを記念する平成の森、そして県道常陸那珂港線にかかります公園連絡橋等の整備を進めてまいります。そしてまた、新たに広大な砂丘景観を生かしまして砂丘生態植物園等の整備を行う砂丘ゾーン、隣接する阿字ケ浦海水浴場と一体となりました海洋レクリエーションゾーン、こういった事業に対応いたしましての施設整備というものを進めてまいりますが、そのための調査というものを実施させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
  108. 大畠章宏

    大畠分科員 地元としてもこの問題、非常に真剣に対応していますし、先ほどの話と絡みますけれども、何か問題があれば、自治体等、私どもも一生懸命に問題解決に当たりたいと思いますし、また、村民や町民や市民の皆さんのこの公園の整備あるいはまた常陸那珂地区の開発に対する期待は大きなものがありますので、今お話がありましたけれども、ぜひ積極的に国としての対応をお願い申し上げたいと思います。  幾つか質問通告してございますが、時間の関係もございますので、前後するかもしれませんけれども、次の地域の課題についてお伺いしたいと思います。  前回の予算分科会でも質問いたしました日立市の交通渋滞問題、私も県会議員時代からこの日立の交通渋滞問題にずっと取り組んできたわけでありますが、いろいろと積極的な国の方の御支援もあって、少しずつではありますが改善の方向に向かって動いております。その幾つかの課題についてちょっと細かいことをお伺いしたいと思います。  その一つであります国道六号線の日立バイパス事業区間、これは全長が十キロございまして、そのうちの四・七キロを今工事を進めていただいているわけでありますが、この日立バイパスの四・七キロ区間の現状、そしてまた、前回も御質問申し上げて、できるところから開放してほしい、使わせてほしいということを申し上げましたし、またこの日立バイパスの開通の見通し等についてもお伺いしたわけでありますが、現在の建設省としての見通しあるいは現状についてお伺いしたいと思います。
  109. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  先生指摘の日立バイパス、五十九年八月都計が終わり、六十年から早速用地買収に入ったわけでございます。平成二年度から工事にも一部着手したわけでございますが、先生指摘のように、何か工夫がないかということから平成四年度は、急ぐための海上工事への工事用進入路となる鶴首インター、これはいずれにしても必要でございますので、このインターの工事というものにまず先行的に着手したということと、陸上工事の実施、こういうことでございます。  特にこの本工事、海上部を埋め立てて盛り土を構築する部分と海上に高架橋を建設する部分があるわけでございますが、非常に用地がつろうございます。でも、七九%だけは何とか進捗いたしました。ただ、その間に大型店舗がありまして、これの価格提示で折り合わなかったのがやっと解決して今契約に至りました。さらに、神社で所有者が不明のものが一筆ありますし、これも氏子さんがいますので、起工承諾の了解はどうやら得られたように聞いております。それから、相続手続中のものが三筆あります。それから、海中の民地、これが四筆ありまして、これが一番くせ者でございますが、本来海中には民地は存在しないものなんでございますが、民地があります。この問題がまだ未解決でございます。この補償方法をどうしたらいいか、ここら辺が今最大の難関でございます。それから、漁業補償は、もう既に起工承諾もあわせて調整に入っております。それから、文化財の調査も実は二カ所、奈良時代と縄文式の二つの遺跡は終わりました。今古墳時代と平安時代の二つの遺跡に取っかかろうということでございます。  そういうことで、地元の御協力も非常に御熱心でございますので、恐らく今が、こういう準備の山に何とか来ているんじゃないかと思います。今までいろいろな壁にぶつかりましたけれども、もうちょっとかかるかとは思いますが、私ども一生懸命やらせていただきたいと思っております。
  110. 大畠章宏

    大畠分科員 この区間の完成等について、大体どのくらいだろうかということで前回もいろいろやりとりをさせていただきました。平成五年度から始まる次期五カ年計画の中でもそのめどを立てたいというような話をされておりましたけれども、再度ちょっと確認したいと思いますが、この日立バイパスの四・七キロ区間については、この平成五年からの五カ年計画の中では必ず完成すると見てよろしいんでしょうか。
  111. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 今申し上げました諸般の問題が解決できるならばという前提でございますが、そうしましたら、ここは何しろ交通混雑度が二・一一倍でございますから、最優先にさせていただいて、先生の御趣旨に沿うよう努力したいと思っております。
  112. 大畠章宏

    大畠分科員 それから、日立の都市計画決定区間が一〇・四キロありまして、今御答弁ありました日立バイパス部分の四・七キロについては今のような形で進んでいますが、前回の質問でも、あと残りの五・七キロ区間については、この日立バイパスの四・七キロが全部完成してから調査をして着手したのでは、また十五年、二十年かかってしまう。したがって、この調査等は並行してできるわけですから、並行して調査並びに計画等について即着手をしていただきたい。そうじゃないと、十キロがつながらないと交通渋滞の根本的な解消に向けての大きな一歩が前進できないわけでありますので、そういう意味から、残りの五・七キロの都市計画決定済み未事業化区間についても、先行して調査並びに設計にぜひ入っていただきたいという御指摘を申し上げたのですが、この区間については今どういうふうになっているのでしょう。
  113. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 ここについては先生指摘のとおりでございまして、私ども調査を今一生懸命進めさせていただいております。日立バイパスも事業費が相当かかりますので、同時に着工というわけにはまいりませんけれども、日立バイパスが結論が大体いい方向に伸び出したら、すぐにでもかかれるような準備はもうしておかなければいけないということで、調査はかからせていただいております。
  114. 大畠章宏

    大畠分科員 そうすると、未事業化区間については、同じように平成五年度からの五カ年計画の中で調査並びに基礎的な設計等はできるというお話でしょうか。
  115. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生の御指摘に沿うように努力したいと思います。
  116. 大畠章宏

    大畠分科員 この日立の交通渋滞を解消するためにも、大変大きなキーポイントにもなっていますバイパス工事、今お話しありましたような形でぜひ取り組んでいただきたいと思います。  それから、このことは今後のことですが、このバイパス全体が完成したとしても、これは町の中の一部分の十キロ区間の道路ということでありますので、ここを、四車線を一本追加したとしてもその前後のところの解決がなければトータルとしての交通渋滞解消には至りません。そういうことから、日立市の方でも、あるいはその周辺の市町村とも連携をとりながら、この地域交通渋滞をどうしたらいいか。さらには、この日立の二百四十五号線を南の方におりますと常陸那珂港が続いております。  そういう意味から、この常陸那珂地区の開発計画とも結びついてくるわけでありますので、ぜひ常陸那珂港までのこの二百四十五号線の四車線化、あるいは二百四十五号線と六号国道との間に久慈川があるんですが、久慈川を渡る橋を一本追加するとか、そういうことも地元等でいろいろ工夫をしておりますので、今後とも建設省としても、十分連携をとりながら、そういう各市町村協力のもとに行う計画については全面的なバックアップをしていただきたいということを、これは要望をしておきたいと思います。  それから、この二百四十五号線からちょっと離れますが、国道六号の榊橋の改良工事を今進めていただいております。この進捗状況と、これからの完成等を含めて見通し等をお伺いしたいと思います。
  117. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘の榊橋、これは昭和五年に架設されたもので老朽化が激しいということで、私ども、かけかえ及び前後区間の拡幅工事を実施しております。六十一年、事業化いたしました。六十二年は用地買収、二年度から工事に着手して、今取りつけ部そのものの用地買収と橋梁の拡幅のいろいろな用地買収等々やっております。用地の取得率としては七五%まで至っております。したがって、これがうまくいけば両側から仕事をしてまいりますので、どうしても用地買収が先行しなきゃならない性格でございます。したがって、その間に詳細設計とその準備を、いわゆる構造物の準備を十分いたしておいて仕事に滞りがないようにいたしてなるべく早く着工していきたいと思っております。
  118. 大畠章宏

    大畠分科員 この榊橋も、今御答弁ありましたとおり、鋭意工事を進めていただいていますが、現在の橋が老朽化してきて、コンクリート橋なんですが、大分傷んできています。一日も早くこの代替の二車線の橋ができ、そして現在は橋のところを壊して二車線にして、トータルとして四車線の道路をつくっていただく計画で、地元の方でも全面的な協力をしているところであります。いろいろ問題点等も聞いておりますけれども、地元の方でも全面的な協力体制をしいておりますので、この榊橋の工事についても全面的な力を入れての対策をぜひお願いしたいと思います。  交通渋滞の問題に関して今申し上げていますが、この二百四十五号線とそれから国道六号等の交通の渋滞というのが激しいのですが、これを迂回するといいますか、関連する工事で二百四十五号線に取りつける日立北工区の拡幅工事というものも事業化でやっていただいていますが、この事業整備状況と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
  119. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘の特に日立バイパスに接続する日立市の旭町から幸町に至る八百メートルの区間、これが元年から四車化の拡幅事業に着手しました。四年度は用地買収の促進に努めておりますけれども、代替地を要求される件が非常に多くございます。大体その六、七割は調整を終わりましたけれども、まだ御協力が得られないところもございます。したがって、これらを終わらせまして、五年度からは一部用地買収を完了した箇所から事業に着手して、できるだけ早く供用させるようにやってみたいと思っております。
  120. 大畠章宏

    大畠分科員 ここの地域も、住民の方もいろいろ協力して、とにかく交通渋滞を直すために、そして、ここのところは日立バイパスの今事業化していただいているところの取りつけ道路になりますので、この完成時期を一緒にしたいということで地元の市も力いっぱい協力していますので、ぜひ今お話があったとおりの形で努力していただきたいと思います。  さらには、日立市からちょっと離れるんですが、ここら辺も整備すれば日立の交通渋滞対策にも大きく寄与するんじゃないかと思われるところが、三百四十九号線の常陸太田南工区というところがあるんですけれども、この部分の現状と今後の見通し等についてお伺いしたいと思います。
  121. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘の場所というのは、常陸太田市内の渋滞解消と、久慈川を渡る幸久橋、これは幅が五・四メートルということでボトルネックそのものでございます。二百八十五メートルの長さでございますが、これを約八キロの大規模バイパスという形で事業化をいたしております。そのうち五・二キロについては平成四年の末に暫定二車ということで供用をいたしました。  今の先生指摘の残りの二・八キロについて、常陸太田南工区として平成元年度から事業に着手しておりますが、その中の新幸久橋の整備がやはり最大のポイントでございます。これも橋の前後の用地買収に今誠意努力しておりますので、これが終われば、下部工の着工に入りたいということで、その詳細設計といいますか、構造物の詳細設計等準備を万般うまくいくように用意をいたしている最中でございます。
  122. 大畠章宏

    大畠分科員 まだもうちょっと詳しくお伺いしたいと思いましたけれども、今お話がありました工事についても、地元の方でもいろいろ努力をしているところでありますので、なお一層の取り組みをお願いしたいと思います。  次の質問に参りますが、これはちょっと観点が今までの質問の観点とは違いますが、市中公園の問題です。  最近、町の中で子供が遊ぶ姿が見えないということが言われています。うちの中でファミコンをやったり、体を動かす遊びというものが町の中からなくなってきたような感じが非常にするのですが、その一つの原因が、私は現在の児童公園等、市中の公園等の設備なんかが現在の子供たちに合わないんじゃないか。  要するに、行っても、砂場と滑り台とぶらんことか、あるいはそういうものだけの場合は、私は、子供たちが余り興味を持たなくて、もう幼稚園生まで行かないような感じの公園が見受けられるのですが、これからのことを考えますと、子供たちが体を動かし、そして一緒に遊びの中から学ぶということも大変大切と思いますので、この件について建設省はどのような形で公園の設備の見直しを考えておられるのか。  また、これは文部省の方にもきょう来ていただいていますが、文部省の方の管轄でもあるはずなんですね。文部省としても——来ておりますね。子供の教育の問題ですから、単に学校教育だけが文部省の管轄じゃありませんから、文部省としても、子供の遊びあるいは公園とのかかわりについてどう考えておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
  123. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 都市公園等が、先生仰せのとおり子供たちにとりまして身近で安全な遊び場として大変重要な空間であるという認識のもとに、私ども、児童公園等の整備を初めといたしまして今日までその推進に努めてまいったところでございます。  しかし、仰せのとおり、昨今の状況でございますと、アスレチック遊具の設置とか、あるいは原っぱをそのまま公園として開放して飛び回れるようにというような、いろいろ子供の遊び場としての機能の多様性が求められてきておることも事実でございます。また、管理運営の立場から立ちましても、遊び場の遊びについての企画、誘導を行う指導者というようなものを設けまして、屋外で遊ぶ機会が少なくなった現在の子供たちに体を動かしてもらうという、その楽しさを味わってもらうということで取り組みが一部なされ始めているところでもございます。  こういった変化を踏まえまして、子供たちが伸び伸びと遊ぶことのできる都市公園等の整備、管理を地方公共団体がそれぞれの創意工夫に基づいて行うことができるように、国としても地域の実情に即した対応に努めまして、魅力ある公園づくりを進めさせていただきたいと考えております。  昨年十二月九日でございますけれども都市計画中央審議会の方から答申がございまして、こういった先生指摘のような視点を強調いたしまして、いろいろ公園施設の設置の基準についても見直しを図るようにというような答申もちょうだいをしたところでございます。そういった意味で、これから検討をしっかりと進めていきたいというふうに考えおります。
  124. 上杉道世

    ○上杉説明員 お答えいたします。  子供の人間形成を図っていく上で学校教育ももちろん大切でございますけれど、学校以外の場における多様な体験活動をしていくということも大変重要なことでございます。そういう意味で、遊びも子供にとって大変大事な要素であると考えております。しかしながら、今先生指摘のように、子供の遊び場所について最近幾つか調査がございますけれども、いずれも自分の家や友達の家の中で遊んでいる。学校や公園などの外で遊ぶ比率よりもそういうものが高くなっているという傾向が見られているわけでございます。そういうことがございますので、文部省といたしましても、学校以外の場所での活動の充実を図るということで、青少年に関する事業や社会教育の施設の整備等にも努めているところでございます。  御指摘の、公園の関係でございますが、公園あるいは広場、そういったもの、日常生活の中で子供が自由な遊びや運動ができる空間でございまして、大変重要な場所でございます。今後そういう観点に配慮して公園等の整備が進められていくことは大変望ましいことだと私どもとしても思っております。こういった学校以外の子供たちの活動の場の確保ということについては、教育行政だけではなくて各行政分野で協力していただくことが大切であるということを私ども考えておりまして、各都道府県の教育委員会に対しましても、そういった関係行政機関との連携に努めるようにということは指導申し上げているところでございまして、今後ともそういった方向で努力してまいりたいと思っております。
  125. 大畠章宏

    大畠分科員 時間が来たので終わりますが、今の答弁は、長いけれど中身がない。もうちょっと真剣に子供の教育問題、子供が遊ぶという問題を考えて、例えば建設省と話をして公園をもっとやっていきますとか、そういう熱意がちょっと感じられない。そこら辺、ぜひ文部省も真剣にもうちょっとこの問題を取り上げていただきたい。また建設省としても、予算化の措置をしながら、全国の公園をぜひいろいろリフレッシュしながら子供たちが遊ぶところをつくっていただきたいということを要望したいと思います。  大臣とはもっといろいろと御討論させていただきたいと思いましたけれども、時間がなくなりましたので、また別の機会にさせていただきたいと思います。御活躍をお祈りしております。ありがとうございました。
  126. 三野優美

    三野主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。  次に、倉田栄喜君。
  127. 倉田栄喜

    倉田分科員 公明党の倉田でございます。  私は、まず最初に廃棄物処理に関してお伺いをいたしたいと思います。  建設省は、中間処理工場としていわゆる再生工場システムを奨励をしていると聞き及ぶわけですが、これは具体的にどのようなものなのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  128. 伴襄

    ○伴政府委員 お答えを申し上げます。  建設副産物は、建設発生土とかあるいはコンクリートの塊あるいはアスファルトの塊という形で出てまいりますが、特に最近は大都市部を中心に出ております。ただ、こういったものは大量に出ますけれども、大変安全なものでございますので、できる限り資材として再利用可能なものは使うという方針でやっております。  今のお尋ねの再処理工場の方でございますけれども、これは、一つはリサイクル法に基づきまして、建設発生土とかあるいはコンクリート、アスファルトの塊、こういったものについて指定副産物として再利用していこうということを進めております。同時に、厚生省との共管の法律でありますけれども、産業廃棄物の処理の整備促進法というのがございまして、ここで、必要な公共施設を整備しながらそういう再処理プラントをつくっていくというようなことをやっておりまして、こういった方針のもとでそういう整備を進めているところでございます。  ただ、そういうプラントの立地を支援するためにいろんな助成措置が要るかと思いますので、一つには税制上の恩典ですが、そういった再生プラントにつきましては、所得税法、法人税法で特別償却を認めたり、あるいは固定資産税をまけたりといったようなことをやっておりますし、それから、なるべく低利融資が必要かなと思いまして、開銀の特利融資の措置を講じているところでございます。
  129. 倉田栄喜

    倉田分科員 再生工場システム、再処理システムというのか、これは非常にこれから大切なことになってくると思いますので、ぜひまたよろしくお願いをしたいと思います。  それから、不法投棄が相変わらず行われているとの指摘があるわけですけれども、まずこの不法投棄の問題につきまして、建設省の発注工事についても、御自分のところで発注されるわけでございますので、工事廃棄物の処理についていわばどのような監督をなさっておられるのか、どのような対策をとっておられるのか。例えば、工事担当業者と廃棄物処理業者との契約内容等々も細かく監督をされておられるのかどうか、この辺もお伺いをしておきたいと思います。
  130. 小野和日児

    ○小野説明員 お答えいたします。  コンクリート塊、アスファルト塊等の建設副産物は、処分先あるいは搬入する再資源化施設等を工事発注時にあらかじめ指定いたしますいわゆる指定処分を原則として実施しております。また、再生資源の利用をより一層支援するために、極力建設副産物の再利用に努めるために運搬費用あるいは再資源化に要する費用等については適正に積算をしているところでございます。  なお、先生最後にお話しになりました廃棄物処理業者による処分を確実に実施するために、発注者が完成検査時に廃棄物処理業者の発行する処理証明書、あるいは処分場等にダンプカー等で搬入するたびごとに廃棄物処理業者が発行する受け入れ伝票、この双方の提出を施工業者に義務づけまして、確実に処分が行われるよう義務づけているところであります。
  131. 倉田栄喜

    倉田分科員 確実に処分が行われるということだと思うのですけれども、産業廃棄物が建設省発注の工事において適正に投棄をされているのか、処理をされているのかどうか、その辺をきちんとやはり確認をしておくことが大切だと思いますので、ひとつこれもよろしく監督をお願いしておきたいと思います。  そこで、きょうは通産省にもお見えいただいておると思いますが、ごみ問題一般として廃棄物の減量化、それからリサイクルの促進、そういうことで、これも早急に対策を講じていただかなければいけないと思うわけですが、急激な円高によって産業構造が今大きく変化をしているのではないのか。その中で、いわゆるスペースコストがかかり過ぎて、集めるには集めたけれどもどうしたらいいのか、こういう問題が起こっていると思います。そうしますと、この不況の問題も絡みまして、いわゆる再生資源産業というのですか、経営環境が非常に悪化しているのではないのか、これを危惧いたしておるわけですが、通産省としてその対応策はどうなっておるのか、このことが一点。  それから、その中で一つ具体的に申し上げれば、いわゆる古紙リサイクルの問題、これもいわゆる再生紙を使いましようということで、省庁間でいろいろな工夫をなされていると思うのですが、集めるだけ集めたけれどもそれをどう使うかということについて、なかなか使い先がまだまだ少ないのではないのか、需要をどういうふうに拡大するかについて、どういう対策をとっておられるのか、この二点についてお伺いをしておきたいと思います。
  132. 増田達夫

    ○増田説明員 ただいま御指摘いただきましたリサイクルの問題でございます。私ども、リサイクルの促進には三つの大きな要素があると思います。 一つは、古紙の回収、それから、古紙の利用、それと、できた再生紙の使用、この三つの要素がバランスよく円滑に促進されることが非常に重要であるというふうに考えております。  特にこの中でも大きな要素は、御指摘の再生紙の利用の促進でございます。そのためには、古紙利用製品に対する理解が一層深まること、それによってその需要が安定的に拡大することが非常に重要な課題だというふうに考えております。このリサイクルがうまく円滑に進むことによって、御指摘の再生紙に携わる人たちの生活の安定にも大きく寄与するというふうに考えております。  通産省としましては、古紙の再生紙の利用拡大を図るためにリサイクル法の運用とあわせましてグリーンマーク事業、これは特に小中学生に再生紙に対する意識を高めてもらう事業でございます。これを進めることも含めまして、いろいろな普及活動をやっておりますけれども、来年度からは紙以外の分野につきましても、新たに古紙を積極的に利用できるような用途の開発に努めることにいたしております。既に予算を確保させていただいております。  また、政府としましても、政府自身でどんどん再生紙を使おうという観点から、平成二年の三月に全省庁が申し合わせましてみずから使い、また関係政府機関、それから地方公共団体にもその普及に努めるという努力を積み重ねてきております。  日本は、先生指摘のとおり、世界でも利用率は大変高うございまして、現在、世界の最高水準をいっております。ここに来るに至った知恵あるいはノウハウを本当にうまく生かしていけば、再生紙の需要の一層の拡大は可能であり、また、そういうふうにあらねばならないというふうに私は認識いたしております。
  133. 倉田栄喜

    倉田分科員 この問題も、やはりリサイクルにかかわる人たちがもうこれではやっていけないということでいなくなってしまえば、制度を幾ら整えてもどうしようもないわけですから、この人たちがきちんとやっていけるようにひとつお願いしておきたいと思います。  そこで、次の問題に移りたいと思います。  いわゆる中央分離帯あるいは交通島、ここにおける植栽の問題でございます。この植栽は、いわゆる環境の問題であるとか、あるいは遮断効果の問題であるとかそういうことで中央帯に中低木、芝生が植えられておるわけですけれども交通安全の観点から見た場合に、見通しが果たしてきちんと確保されているのかどうか、この辺が地元からのお話の中でもまだまだどうも不十分なところがあるのではないか、こういうふうな話を聞くことがあるわけです。  この中央分離帯あるいは交通島、それぞれの交差点における植栽についての見通しの確保はどんなふうに図られているのか、この辺の対策がきちんとなされているのかどうか、まずそれをお聞きしておきたいと思います。
  134. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私ども、緑化はいろいろな意味で非常に大事だと思っております。  そこで、今先生の御指摘のようなことがあればあるほどより気を引き締めるわけですが、一般国道及び都道府県道の全延長に占めるこの緑化済みの道路の延長の比率は、現在八%でございます。これをこの第十一次五カ年で一〇%に引き上げよう、こう思っております。  したがって、その緑化に際しましての考え方は、基本的には対向車の前照灯からの光を遮光する機能、ドライバーに線形を予知させる視線誘導機能、人や自転車と車を分離する機能、それから交通の安全性を高める機能といったものがあるわけですけれども、こういう緑化を進めるに当たってこれらの機能を効果的に発揮させるようにという視点から、緑化の方法については道路緑化技術基準というものを六十三年の六月に通達として流しております。  この中で、先生指摘の、中央分離帯の緑化につきまして、分離帯及び交通島について、この幅員が原則として一・五メートルある場合には交通視距の確保に障害にならない範囲で植栽地を設置してもいい。だから、狭い場合は置いてはいけない、大きければ置いていい。そして、例えば都市部の住居系地域における分離帯の植栽構成については、中木または低木によることが望ましい、しかし、広幅員の場合は高木あるいは中木と低木を組み合わせて、高木だけではだめなんで、高木に中木、低木を組み合わせることもできる、こういうようなことで基本は中木、低木にいたしております。そして、特に分離帯の交差部では低木によることが望ましい、こういうふうなことで具体的な事例ごとにいろいろと設計をさせていただいているところでございます。
  135. 倉田栄喜

    倉田分科員 高木、低木ということでいわゆる植栽がなされておるわけですけれども、これが今局長お答えいただいたように、やはりグリーン化が先みたいな形になってしまうとどうしようもないと思うんですね。確かに対向車線において遮断光、光の遮断ということは、これは交通安全上特に重要ではあろうかと思いますけれども、例えば幹線道路に一般生活道路から入ってくる、そういう場合にもやはり中央分離帯に植栽がされておる、そうすると反対側に出ていくときに非常にまだまだ見通しというのか、その視距の問題が不十分なところがある。これは危ないですよと結構来るんです。  こういうところにおいて、じゃあそこはもう入るのやめてもらいましようとかいうことになるのもまた問題だと思いますし、そうだとすればやはりこの見通しということは第一義に置いて考えていただかなければいけないんではないのか、これを特に御要望申し上げておきたいと思いますし、現地の中でやはりここは危ないですよというふうにいろいろ要望があったらこれはやはりしかるべくすぐ見ていただいて、確かにそのとおりだなということであれば芝生に変えるとかそういう対応をしていただきたいと強く御要望申し上げたいんですが、この点についてもお答えをいただいておきたいと思います。
  136. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生の御指摘、十分踏まえさせていただきます。特に交差点というのは、丁字の交差点も十字の交差点も含めて死亡事故が約四割集中するということで、非常に私ども交差点というものを重要視しております。したがって、その設計とか施工とか管理に当たりましては関係機関、要するに警察等々と協力していろいろと検討するわけでございますけれども、交差点だと適当な隅切りをして、例えば車が出てきても左右が見えるようにするというようなことも大事だと思います。あるいは植栽の高さを一定限度に抑えるというような見通しの確保も大事だと思います。  そういうことで、私ども交通安全対策事業でこういった事業ができることにいたしておりますので、具体的に危ない箇所の点検を適宜やっておりますので、そういう中でやる。さらに加えてどうしてもそれだけじゃ不足する場合には、道路照明は特にそういうところだけは特別につけるというようなあわせ対策もあわせてやらせていただきたいと思っております。  いずれにいたしましても、先生の御趣旨は十分私ども踏まえながら検討させていただきたいと思います。
  137. 倉田栄喜

    倉田分科員 ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、三点目の問題に移りたいと思いますが、熊本市内を白川という一級河川が流れております。平成二年の七月には阿蘇地方に非常に大きな雨が降りまして、この白川の河川、本当にもう一歩で熊本市内が水浸しになるのではないかという状況まで大はんらんになりました。  この白川河川、まず白川本川の一般の改修工事計画、これが順調に進んでおるのかどうか、これをまずお伺いいたしまして、これに関連してもう一点、全国あちこちでいわゆる河川改修計画が進んでいると思いますが、どうも見ていてコンクリート擁壁でびたっと固めてしまう。例えば昔、石垣でそこに穴があり、そこにカニがすみ、ウナギがすみという状況がだんだんだんだん消えていってしまっているんではないのかな、そういう思いもまた一方でしないではありません。そこで、これもあわせてこの白川河川計画においてそういうことも考慮されておられるかどうか、この二点、ちょっと先にお伺いをしておきたいと思います。
  138. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 まず、白川の改修計画でございますけれども先生も御承知のように、古い話ですけれども、昭和二十八年に梅雨前線によります豪雨によりまして大出水になりまして、死者が四百二十二名、浸水家屋が約四万棟、浸水面積が約四万三千ヘクタールという大変な水害になったわけであります。これを契機にいたしまして昭和三十一年から直轄改修に着手いたしまして、昭和二十八年の洪水規模に対処するよう今計画ができております。基本高水流量三千四百、計画高水流量三千という計画によりまして段階的に治水対策を推進してきているということでございます。  近年では、昭和五十五年八月に毎秒千五百立米という出水によりましてこれも大変大規模な浸水被害が発生いたしました。で、再度災害防止という観点から毎秒千五百立米の洪水が流れても大丈夫なように熊本市市街地を中心にいた一まして河川激甚災害対策特別緊急事業を実施いにしまして、昭和六十年度にほぼ概成しております。  そういう状況の中で、先生指摘平成二年七月にまた集中豪雨がございまして、このときは出水の規模が毎秒千八百立米ということであったわけです。白川の十三カ所から溢水が生じまして、熊本市の市街部におきまして三百二十四戸が浸水するという、これも結構大変な水害であったわけでございます。  さて、現在それに対処すべく河床の掘削、河道の拡幅等によりまして何とか毎秒二千立米という洪水が安全に流下できるようにやりたいということで、用地買収など緊急的に事業を進めておるということでございます。  それから、改修に当たりましての環境面といいますか潤いといいますか、そういう点についての御指摘がありました。先生指摘のとおりでございまして、ややもいたしますと従前は災害対策に重点が移りまして、余り環境面に対する配慮が十分でなかったという面もございますが、もちろん場所によりまして、大変水衝部に当たるようなところは余りそういった環境面の配慮の余地がございませんけれども、場所によりましてできるだけ環境面に配慮していこうということで、例えば多自然型工法というようなことも現在実施しておるわけでございまして、白川につきましてもそういった面に今後配慮してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
  139. 倉田栄喜

    倉田分科員 平成二年の七月の水害のときは白川本川自体は辛うじてはんらんは免れたという状況だったと思うんですが、いわゆるその支流、白川本川に流れてくる支流については、今御答弁いただきましたように結構溢水をし、はんらんをしたところが多かったわけです。  そこで、その白川に流れている支流の中に大井手川という川がございますが、この大井手川は農業用水になっておりまして、この大井手川一帯、まあ両方あるわけですけれども、九本寺あたりの方面、非常に低地になっておりまして、白川の水量がふえてくると、この白川の水量が大井手川の方に逆に逆流をしてはんらんをしてしまう、こういう状況がございます。これはもう相当前からの懸案事項でございまして、何とかしていただきたいという地元からの強い要望が届いていると思うんですが、実は一方で農業用水、一方で建設省の一級河川、どちらがどうやるんだ、最初その辺の問題から実は戸惑いがあってなかなか進まなかったというお話を聞いております。多分これはやっぱりはんらんの防止ということからいけば建設省の方で管轄をしていただいて、そして白川本川の計画ともかかわる部分もあると思うのですけれども、地元の要望としてはそこに水門をつくっていただきたい、こういうふうな話が出ております。  そこで、これは建設省管轄として水門をつくる工事であるのかどうか、これを確認をしておきたいと思いますし、またずうっと長い要望ですが、これがなかなか実現をできなかったということは実は一体どんな障害があったのか、そして現在の時点においてこれをきちんとできるようにその事業計画が進んでいるのかどうか、これをまずお尋ねをしておきたいと思います。
  140. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 白川の改修につきましては、先ほども御説明いたしましたように、二十八年の大水害、それから五十五年の大水害にかんがみまして、まず本川の対策が何よりも急がれるということで本川対策に重点が置かれてきたところでございます。それで、平成二年七月の水害につきましても、本川におきまして十三カ所からやはり溢水が生じております。そういうことで、引き続き本川対策が急がれる。これも先ほど御説明いたしましたように、当面毎秒二千立米というものを念頭に置きまして、その対策を急ぎたい。これが最重点かと思います。そういうことで大井手川の改修がおくれてきたといいますか、手がつかなかったのではないかと思います。  諸般、内水被害もいろいろなところで生じておるわけでございますけれども、内水対策について今まで余り手がつかなかったというのは本川対策にともかく重点が置かれてきたということでございますので、御理解賜りたいと思います。  それで、大井手川でございますが、先生指摘のとおり、逆流防止のための水門といいますか樋門といいますか樋管といいますか、施設がございません。そういうことで、平成二年七月の洪水におきましては白川からの逆流が生じまして、家屋の浸水被害が生じたということでございます。それで、そういった逆流防止の施設につきましては、当然、河川管理者、建設省が設置するのが適当であると私は考えております。
  141. 倉田栄喜

    倉田分科員 その大井手川は具体的に逆流防止のための水門をつくってほしいという強い要望がある。これについては建設省が責任を持って対応していきたい、こういう御返事の御答弁とお伺いをしておきたいと思いますが、今河川管理者という言葉がありました。この河川管理者という言葉を言っていきますと、大井手川そのものは、いわゆる農業用水として根本は農水省の方に行ってしまうのだろう、そういう危惧感も持つわけですね。  この問題を詰めていくと、例えば熊本市がやはり一つは動いていただかなければいけないわけでございますけれども、主として動くについては、今それが農業用水だけれども、これを普通河川として認定をしてもらわなければなかなか動けない。普通河川として認定をするためには、やはり農業用水でございますので、何といいましょうか、土地改良事業団の御同意がなければ、なかなか着工できない、こういうふうな問題がある。  一方で、今まで本川計画の方が進んできたということで多分実現できなかったと思うのですね。しかし、やはりその地域に住んでおられる方々については、水が、大雨が降るたびに御心配でたまらないだろうと思うのです。その普通河川認定の問題、その改良区事業団の同意の問題。農水省本省としては、このこと自体に対していろいろ言われることは多分ないだろうと思いますので、あとは建設省の方で逆流を防止するためにはやっていかなければいけない。そして、普通河川認定の問題も積極的に詰めていかなければいけない。河床の問題、その地権者は一体だれなんだということも含めて積極的に取り組んでいただかなければ、これはなかなか、また十年待つような形になると思うのです。そういうことで、もう一度その辺の水門をきちっとやるんだという御答弁をいただきたいと思います。
  142. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 工事の実施に当たりましては、もちろんその地元の住民の方々あるいは熊本市等との調整といいますか、必要になってまいりますけれども、実施に当たりましては、御案内のとおり、現地に熊本工事事務所という直轄の事務所がございます。直轄の事務所におきまして大井手川の逆流防止対策につきましては責任を持って実施してまいりたい、そのように思います。  それで、対策といたしましては、逆流防止の水門といいますか樋門といいますか樋管といいますか、そういう施設をつくることが基本でございますけれども、同時に本川の水位を下げるということも極めて大事でございます。そうでないと、ゲートが閉まっているときはやはり内水問題が生じますから、本川の水位を下げるということもあわせてやらなければならないということで、河床掘削を行って本川の水位を下げるというふうなことも同時にあわせてやっていきたい。いずれにいたしましても、関係機関と調整を図りながら建設省の方で責任を持って対応してまいりたいと思います。
  143. 倉田栄喜

    倉田分科員 ぜひともこれはよろしくお願いいたしたいと思います。  大井手川は一の井手、二の井手、三の井手と分かれていて、一の井手、二の井手は農業用水として非常に重要な役目を果たしている。これは私も承知いたしておりますが、三の井手の方は既に生活排水みたいな形で白川に流れているという状況になっているわけですね。余りにも大雨が降るたびに心配をされるものですから、そこの三の井手の付近に住む方々には、もう埋めてしまえ、こういうある意味では乱暴だなという意見も出るくらい切実な問題でございますので、ぜひとも早急に実現できるようにお取り計らいをお願いをしたいと思います。  それでは、もう大分時間もなくなってまいりましたので、最後に、運輸省にお見えをいただいておると思います。いわゆる中山間地域対策の一環としての問題もあると思うのですが、これは全国的な問題でもあろうかと思うのですが、過疎地域における生活バス路線、これがなかなか、今まで二つあった停留所が一カ所になるとか、あるいはそのバス路線そのものが運行上、民間でございますので、経営上もう廃止をしてしまおうとか、あるいは今まで二本通っていたのを一本にしてしまうとか、これは恐らくこういう決定をなさるときは、それぞれ交通調査をなされた上での決定であろうと思いますし、よくその辺も、やむを得ない部分もあるということはわかるのですが、御高齢でなかなか自分の車を持てない、しかし病院には行かなければいけない、そういう方々にとってはやはり物すごい切実な生活の足だ、こういうふうに思うわけです。  そこで、もう非常に一般論的になってしまいましたけれども、運輸省としてこういう地方バスの生活路線に対してこれをどういうふうに維持をしていく、あるいは高齢者の方々、生活に密着した方々の足を守っていくということについて今どのような対策を立てておられるのか最後にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  144. 洞駿

    ○洞説明員 先生指摘のとおり、地方バス事業は、過疎化の進行とか自家用車の増加等による需要の減少等によりまして年々採算をとることが困難になってきております。一方、地方バスは地域住民の生活にとっては必要不可欠な交通機関として極めて重要な役割を果たしております。このため、生活上不可欠なバス路線につきましては、従来から国と地方公共団体が協調して助成することによってその維持を図ってきているところでございます。  平成五年度につきましては、厳しい財政状況のもとではございますが、対前年度比二億六千二百万円増、合計で百九億八千四百万円を計上しているところでございますけれども、今後とも本制度の充実強化というものについて努力してまいりたいと考えております。
  145. 倉田栄喜

    倉田分科員 時間が参りましたので、以上で終わります。
  146. 三野優美

    三野主査代理 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。  次に、遠藤登君。
  147. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 主に住宅問題についてお伺いいたします。  まず一つ最初にお礼を申し上げたいのでありますが、山形県の西村山郡大江町というところに、いわば指定第一号のUターンの住宅団地をつくっていただきまして、大変な好評の中であっという間に分譲されたということについてお礼を申し上げたいわけでありますが、そういう住宅政策を地方に積極的につくっていただきたいという強い要請がそれぞれ地域から出ているのであります。これらの対応、これに類似する種類などもいろいろあろうかと思いますが、これらの問題についての対応などについてもお聞かせをいただきたい。  それから、平成五年度予算の中での住宅政策、経済が非常に厳しい状況の中で、最も波及効果の高い住宅政策についてそれぞれ計画がされ、予算措置もされているようでありますが、また新しい政策なども提起をされているようでありますけれども、時間がございませんので、なるべく簡潔に、具体的ないわば公営、公団、公庫住宅を初めとしての住宅建設、あるいは供給の対応方法などについて、また、特定優良住宅の制度化なども提起をされているようでありますが、これらの内容についてお聞かせをいただきたい。     〔三野主査代理退席岡島主査代理着席
  148. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 ただいま平成五年度の住宅対策予算についてのお尋ねと承りました。  まず、平成五年度の住宅対策予算でお願いをしております戸数でございます。公営住宅につきましては、公営住宅と、後ほど申し上げますけれども、特定優良賃貸住宅合わせまして六万八千戸、前年度よりも一万戸増でございます。それから、住宅・都市整備公団住宅は前年度と同の二万六千戸、それから公庫住宅でございますけれども、前年度よりも一万戸増の五十五万戸、こういうことで予算案を提出させていただいて、御審議いただいているところでございます。  また、来年度の住宅政策の主要な課題といいますか、新規施策でございます。便宜上持ち家と借家に分けて御説明をさせていただきたいと思います。  まず持ち家対策でございますが、その第一が、住宅金融公庫の融資制度の拡充でございます。ゆったりマイホーム加算制度、これは主として大都市を中心といたしております。それから、若年層の初期負担を軽くするという意味で、当初の負担額を少なくします、従来ステップ償還制度といっておりました、これを拡充いたしまして、ゆとり償還制度ということで、さらに初年度負担が軽くなるようにいたしました。  それから、居住水準向上対策では、金利区分の面積を、中間金利区分を引き上げまして、より広い住宅を建てやすくさせていただく。それから所得要件も、従来は所得一千万、いわゆる粗収入でいうと一千二百万ぐらいでございますけれども、これを所得要件で千二百万、粗収入で千四百万強に引き上げさせていただきました。それから、地域の優良分譲住宅制度、これについても創設をさせていただいております。  また、税制につきましては税法でお願いしているところでございますけれども、居住水準の向上対策といたしましての居住用財産の買いかえ特例の一部復活、また中古住宅につきましては、ローン減税等におきまして、従来十五年未満の、十五年よりも若いといいますか、住宅につきまして対象といたしておりましたが、二十年以下まで対象にできるようにいたしました。また固定資産税につきましても、これは居住水準向上対策でございますけれども、従来百平米までが減額対象であったわけでございますが、これは百二十平米まで減額対象にさせていただくというふうにさせていただいております。  借家対策でございますけれども、借家対策の一番大きな目玉は、後ほどまた申し上げさせていただきたいと思いますが、特定優良賃貸住宅供給促進制度というのをつくらせていただきたいと思っております。  二つ目が、公営住宅制度についてでございますけれども、市街化区域の農地を公営住宅の事業主体である市町村、県が買われる場合に、用地費の利子分につきまして五カ年間に限り二分の一国が助成する、用地費に対しては国は基本的には助成いたさないのでございますけれども、緊急にやろうということで、こういった制度。あるいは建てかえを促進いたしておりますが、高齢者のために、高齢者が規模増の部分につきましても家賃負担が激変緩和になるような措置予算の中に組み込ませていただいております。  また、公団住宅につきましても、家賃負担を軽減するための出資を増額させていただいておりますことのほか、高齢化対策といたしまして、シニア住宅というのを平成四年度からさせていただいているわけでございます。これの拡充等々を予算案の中で盛り込まさせていただいて御審議を賜っているところでございます。  ところで、特にお尋ねの特定優良賃貸住宅供給促進制度でございます。  現在、我が国は、居住水準向上対策に住宅政策として取り組んでいるところでございますけれども、借家世帯の居住水準が大変立ちおくれております。そこで、中堅層向けのより規模の広い、そして家賃も適正な負担でお入りいただくような賃貸住宅を、主として地主の方々の御協力を得ながらつくっていこうという制度でございます。  具体的な助成措置でございますけれども、民間の地主の方がお建てになる場合には、本体工事につきまして、地方公共団体が利子補給をするという前提で、金融公庫の一番低い金利で実質八割まで融資をさせていただきます。さらに、本体工事のうち共用の部分、例えば廊下でございますとか階段といった共同で利用されるような部分につきましては、国と地方で三分の一ずつ補助を出させていただく。それから三つ目が、家賃に対する補助でございまして、事業主体につきまして、事業主体が一般の入居者にお貸しする際に、その入居者の収入等々を考えまして、適正な家賃負担になるまでに国と地方で減額をさせていただきます。なお、減額につきましては、一定のルールで、年々五%ずつ上がっていくという前提で家賃負担の補助をさせていただく。これが特定優良賃貸住宅制度の概要でございます。     〔岡島主査代理退席三野主査代理着席
  149. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大変きめ細かい対応が政策として策定をされているようでありますが、これはまことに結構だと思います。特に大都市の場合の、公団にしても公庫にしても、いわば収入に見合う適正な家賃、これはそこにねらいを置いていろいろ、出資の問題とか税の問題とか補助の問題とか利子に対する補助の問題とか考慮をされていると思いますが、いわばそれぞれ地方によって違うと思うのです。一般的に、大都市の場合、あるいは大都市付近、地方、三種類ぐらいに分けるとすれば、適正な家賃というのは那辺に想定されているのか、ちょっとお聞かせください。
  150. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 まず、公庫とか公団とか公営住宅等につきまして、それぞれの地域の特性といいますか、それぞれございまして、例えば建設費につきましくあるいは融資の限度額につきましても、その地域の実情に応じた建設費あるいは限度額を決めさせていただいておりまして、それによりまして建設費の補助あるいは融資をさせていただくということでございます。  ただいまお尋ねの家賃についてでございます。  まず、公営住宅の家賃につきましては、家賃限度額方式というのをとっております。したがいまして、各地域の差というのは建設費の差が主として出てくるというふうにお考えいただきたいわけでございます。  今回御提案をさせていただきます特定優良賃貸住宅につきましては、家賃は家賃限度額方式ではございません。家賃限度額は建設費を主として計算の根拠にいたしておるわけでございますけれども、この特定優良賃貸住宅につきましては、家賃限度額方式ではなくて、市場家賃を基本として家賃を決めていくというふうにしております。したがいまして、地方都市、それぞれの地域におきます市場家賃というのを適正に都道府県知事が御判断いただきまして、そこで家賃が決まる、そしてそれぞれの地方の収入等を勘案いたしまして家賃の減免額をまた知事が決めていただく、こういうふうな仕組みが今回の特定優良賃貸住宅の家賃の決定の仕組みでございます。
  151. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大体このゆとり住宅、あるいはお年寄りも含めて、相当その規格、対象が拡大をされてきている。一つは、どのような規模、平米数、延べ数ということになりますか、これもまた、それぞれ、近郊都市地方では違うという部分があると思います。そのことと、それから、大都市の場合は、線引き、宅地並み課税との関連があったりして、いわば緑地制度の見直し、そういう状況の中で、バブルがはじけたというけれども、相当な地価にある。最近は若干上昇、若干ですが、上昇にあるんじゃないかということも言われております。それで莫大な用地費がかかる。それに対する利子補給なり財源手当てをやる、あるいは公団の場合は出資をやる、建物に対しても本体部分以外の部分については補助するということでありますが、大体建設費用として、大都市の場合とか地方の場合は、いわば総体的にどのように建設費用等の積算についてお考えになっているのか。それは、公団とか住宅公庫、いろいろ違うと思いますが、お聞かせをいただきたい。
  152. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 まず第一のお尋ねの、今度の特定優良賃貸住宅の規模をどういうふうに考えているかというお尋ねについてお答えをさせていただきますけれども、今回の特定優良賃貸住宅の規模は、五十平米から百二十五平米、こういうふうに建設基準を決めさせていただく予定でございます。五十平米は最低居住水準の四人世帯、それから百二十五平米は、誘導居住水準の百二十三平米というのがございますが、それを使わせていただいているところでございます。そして、これは全国一律でございますので、大都市でも地方都市でも同じ基準でございます。ただし、事業主体によりまして、どういうふうな規模をお建てになるか、何人世帯でどういう方が入るということも想定しながら決めていただくことになりますので、この五十から百二十五の間で決めていただくということでございます。  それから、今回の特定優良賃貸住宅の建設の費用でございます。いわゆる土地費は今回この中に入ってございませんので、建築費が主体というふうに考えておりますけれども全国平均で一戸当たり千五百万円ぐらいというところを想定をさせていただいているところでございます。それを大都市地方都市で幾らかというところまで区分けはまだいたしておりません。現実には、建てられる地域地域によりましては、安いところは千五百万円以下で当然いくと思いますし、やや高いところはそれをかなり上回るというふうになっていこうかと思います。
  153. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 それから、初期における家賃の補助という制度も創設をされているようでありますが、さっきもちょっと説明があったと思いますが、その内容について、特に大都市圏だと思いますが。  それから、いわば民活の賃貸住宅を積極的に、財政の面からの補助等の問題を含めてということでありますが、特に、大都会もさることながら、地方のいわば活性化、民活住宅政策などについて、これは、先ほどの私のお礼も申し上げた一例と関連をしながら、地方の強い要請があるのでありますが、その辺について、お示しをいただきたい。
  154. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 まず、今回の特定優良賃貸住宅につきましては、全国で御利用いただこうという前提でございます。我々の見込みでは、平成五年度二万戸、予算を計上させていただいているところでございますけれども、一万五千戸が大都市で、残りの五千戸が地方都市、そういうふうに予想をしているところでございます。これは地方都市の、市町村にもぜひお使いいただきたいということでお勧めをさせていただきたいと思っております。こんなことを考えているところでございます。  それから地域振興の住宅につきましてもお答え申し上げますか。——では、それにつきましてお答えをさせていただきたいと思います。  先ほどもいろいろお褒めをちょうだいいたしまして、ありがとうございます。私どもの住宅建設五カ年計画、現在第六期に入っているわけでございますけれども、重要な柱を四つ立てております。その一つ地域活性化に資する住宅政策ということでございます。それに基づきまして、現在まで私ども地方の住宅政策というように特に銘打ってやっているものを幾つか御紹介させていただきたいわけでございますけれども、その第一が、昭和五十八年度からやっておりますHOPE計画でございます。地方の伝統や文化等を生かしまして、地方自治体が主体的にその地域の文化、伝統を考慮しながら、さらに地場の木材等を使いながらつくっていただこう、こういったものをHOPE計画と称しておるわけでございますけれども、これが十年をたちまして約百七十の市町村でやっていただいております。山形県におきましても、長井市あるいは高畠町、そういったところでこれをやっていただいております。また、特に克雪地域といいますか、豪雪地域におきましては克雪タウン計画というのをやらせていただいておりまして、小国町、朝日村というところでこれをやっていただいております。  二つ目が生涯学習のむらという制度でございまして、これは地域地域がそれぞれ、皆様方生涯学習しながら生活をしていっていただこうということでございまして、生涯学習センターというのを団地の中につくっていただいて、読書とか講演会に限らずに伝統工芸の集会をするとか、そういった形を推奨する生涯学習のむらというのを文部省と協力してやっておりまして、これは昭和六十三年度からやらせていただいております。全国で現在約五土地区が事業に取り組んでいるところでございます。山形県におきましても、山形市、西川町、それから朝日村、こういったところでやっていただいているところでございます。先ほど御紹介があったと思います。  それからさらに、平成四年度になりまして地域活性化住宅、すなわち若者が東京とかそれ以外の都市に出られてUターンをする、あるいはJターンをする、その受け皿づくりのために公庫の融資率を引き上げる等々の、助成の少し手厚い地域活性化住宅というのをつくりまして、これは賃貸住宅も分譲住宅も両方あるわけでございます。これにつきましても、山形県では、山形市で平成四年度から事業に取り組んでいただいているところでございます。  さらにまた、平成五年度におきましては、地域優良分譲住宅制度、これは先ほどちょっと触れさせていただきました。公庫融資を相当増額をいたします。これは地方公共団体に利子補給をしていただくわけでございますけれども、相当増額をさせていただきまして、地域での優良な分譲住宅というのは主として公社を、地方住宅供給公社でございます、これを事業主体としていい住宅、いい住宅地をつくっていこうという制度を今度の予算で御提案し、お願いしているところでございます。  また、地方拠点都市が昨年の末から指定されたわけでございますけれども地方拠点都市指定された地域におきましては、住宅対策といたしまして、関連公共施設整備の促進でございますとか、あるいは農地所有者等の賃貸住宅建設利子補給の事業の対象地域等にするようなことも平成五年度の予算案につきまして盛り込みまして、お願いをしておるところでございます。
  155. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大変きめの細かい対応だと思いますが、無税にしても、特に大都市あるいは普通のサラリーではなかなか大変だ。もっともっと、例えばヨーロッパ、ドイツとかフランスのように、特に感じるのは、大都市圏の家賃対策あるいは建設費の対策です。これは用地の買収、建設費、それに見合ういわば固定資産税、税の問題から、市民税、都道府県税を含めて、あるいは水道のことから保険のことから総合的にかかわりになってくるけれども、サラリーマンの平均的な月収で安心して——例えば家賃が占める、いわば居住費というのが借家にかかる割合というのはどの程度になっているのかだけでも、特に大都市では相当上回っている、それぞれ地方によって違うと思いますが。そういう総合的な意味から家賃の補助、総合的に政策が強められなければならないけれども、そういう意味では住宅基本法的なものをつくって中長期的に対処をする必要があるのではないか、制度として法的に基本的な方向を創設をしながら、策定をしながら対応する必要があるのではないか、いろいろ強い声もそれぞれ高まってきている状況がありますが、その辺についてお聞かせをいただきたい。
  156. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 ただいま、家賃補助をさらに進めてその先にまた住宅基本法をというお尋ねでございます。  私どもの今やっております住宅政策の基本的な柱は、居住水準をいかに引き上げていくかということでございまして、そのために諸施策あるいは諸財政措置、税制措置をつぎ込まさせていただいているところでございます。第六期の住宅建設五カ年計画の後に第七期をつくらせていただく予定なのでございますけれども、第七期が終わりますといわゆる二十一世紀、二〇〇〇年になるわけでございます。それに向けまして、現在はまだ一戸当たりの規模は全体で九十平米でありますものを、二〇〇〇年に百平米にしよう、そういったところに特に重点を置かせていただいております。  したがいまして、家賃に対する補助をしたらどうかという御意見につきましても、新たにつくりまして、それはいい住宅ができる、賃貸住宅も持ち家住宅もいい住宅ができるというところに着目いたしまして補助を出す、あるいは税制で手当てをする、これが現在私ども考えでいる政策の中心でございます。  住宅基本法の御議論の中には、そういった居住水準の向上ということとは理屈上は無関係に一定の収入の方に一定の家賃を、こういうお考えがあるわけでございまして、これにつきましては国民の皆様方の中にも相当いろいろ御議論があるわけでございます。今とり得るものは、先ほど申し上げました居住水準が現実に向上するという前提におきまして家賃の対策補助を出すというのが最も適当ではないかという意味におきまして、先生今おっしゃられたような住宅基本法につきましての御議論にまだなかなかいきつかないというのが現状であろうかと思っておるわけでございます。
  157. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 時間がありませんので、二、三一括して申し上げます。  これは端的に言えない部分がありますが、こういう不況状況の中で不況対策、景気対策として住宅政策が強く求められている。その波及効果が非常に大きい。その波及効果についてどのようなお考えを持っているのか。これは簡単で結構であります。  それから、左官屋さん初め大工さん、板金屋さん、今、この日本の風土につくり上げてきた文化、いわば非常に大きな文化だと私は思うのであります。特に木造の住宅文化、それが廃れていく、なくなっていくのではないか。いろいろ事業のあり方、展開のあり方にも問題があると思いますが、このことについて、例えば職訓その他でやっているにしてもなかなか後継者が育たない、これは極めて重大な問題だと思いますので、住宅産業のいわば技能者の確保、養成、これは抜本的な対応が求められているのではないかということについて、ちょっとお聞かせをいただきたい。  それから木材の関係ですが、外材が環境問題を含めて非常に厳しい状況にある。いよいよ国産材の時代を迎えていくのではないか。そういう意味では、特に日本の風土にかなってはこの木材文化、木材が最も健康な生活に適しているのではないか、学校教育を含めて。したがって、国産材の時代の到来もあろうと思いますが、木材の住宅建設の枠の拡大、あるいは木材利用の拡大ということが強く求められているのでありますが、その辺等に対するお考えをお聞かせいただきたい。
  158. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 まず住宅投資と経済効果についてでございます。  住宅投資については、平成四年度の実績見込み、これは国民所得統計でございますが、経済見通してございますけれども、二十四兆円ということでございます。したがいまして、GNPに占める比率は約五%でございまして、一つの項目としましてはかなり大きなウエートがございます。例えば自動車が二十兆、これは平成三年度でございますけれども、民生の電子機器が四兆等々から比べますと消費の中では非常に大きな項目になっていようかと思います。しかも、自動車の二十兆は海外向けが半分ございますので、そういったことを考えますと、住宅というのは、もしこれがどんどん建設されますと経済効果は非常に大きい。そして、ちょっと難しい議論になるのですけれども、生産誘発効果ということからいいますと、一億円投資をいたしますと全体でその二・〇三倍、二億三百万円の効果がある、こういうふうにも言われているわけでございます。これは簡単に御説明させていただきました。  それから次に、大工さんとか生産技能者が大変不足してございます。木造は日本の文化の一つであるわけでございますけれども、残念ながら、特に大工さんの数が大幅に減少しておりまして、昭和六十年の国勢調査のときには八十万ございました大工さんが、平成二年では七十一万に減っているわけでございます。そして年齢も年々歳々高くなっておる。昭和五十五年に三十九・六歳であった大工さんの平均年齢が昭和六十年時点では四十二・四歳になった、こういった状況になっているわけでございまして、これは私ども住宅局の行政ばかりではいかんともしがたいわけではございますけれども、私どももこれに対しては、何とかこういった方々が、特に若年層が参入できるようにしたいということで住宅建設技能者養成対策指針というのを、昨年の七月に私どもでお願いしまして、委員会によって答申をいただきました。  一つは、職場環境の改善や若者が参入しやすい条件を整備するということでございます。そのために部材や部品の工場生産化を促進しまして、これはプレハブの会社などでやっておるわけでございますけれども、これを大工さん、工務店にも回そうということを今進めております。新世代木造住宅開発事業という名前で国の予算で進めさせていただいております。  また、二つ目といたしましては、労働力をなるべく節約していこう、少ない労働力で合理的な生産をしていこうということを考えておりまして、例えば公共団体や協同組合が養成機関を設立するという際に、それに国も助成をしましてその支援を続けていく、こういったことを地域木造住宅供給促進事業という形でやらせていただいているところでございます。  それから、第三の御質問の材木の関係でございます。  確かに外国材につきましては、北米材、南洋材がそれぞれ環境問題で生産といいますか出荷が相当厳しく制限をされてきつつございます。これに応じまして最近、特に昨年の暮れから外材の値段が上がってきております。長期的には安定的な安価な木材の供給が必要でございますので、国産材にこれから頼るという時代が出てくると思いますが、まだ国産材は伐期に来ておらないのが多いわけでございまして、伐期に来た際に、なるべくコストのかからない木材を供給していただくような環境を整えていくというのが大事ではないかというふうに考えております。
  159. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 恐縮でありますが、山形市において、いわば二百ヘクタールのニュータウン建設構想が具体化されようとしております。強く御配慮をお願いしまして、終わります。ありがとうございました。
  160. 三野優美

    三野主査代理 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。  次に、常松裕志君。
  161. 常松裕志

    常松分科員 きょうは建設大臣に、精神障害者の方々の公営住宅への入居問題について、まず最初に御質問をさせていただきます。  国際障害者年の十年をきっかけといたしまして、障害者と健常者がともに生きるという、そういう社会の実現に向かってさまざまな施策が行われました。障害者福祉について一定の前進が図られてきたところでございます。  しかし、その中にありまして、精神障害者の方々に対する問題は、他の障害者に比べて大変対策がおくれております。全国大臣、約百六十万人精神障害者の方々がいるというふうに言われておりますが、そういう精神障害者の方々に対する差別とか偏見というのは今もって相当根深いものが、正直言ってございます。  私の地元でも、精神障害者の方々の社会福祉施設、精神病院から退院されてきた方々が社会復帰のための、リハビリのための施設なんですけれども、そういうものを市が、家族の方々とかあるいは理解のある地主さんの協力を得てっくろうとしたのですけれども、とにかく周りが全部反対、住民がみんな反対して、署名をやって、地主さんや地権者に、つくらせないでくれ、こういうような動きがございまして、そうした社会復帰の施設ができなかったというふうな事実、非常に悲しい現実ですけれども、ございます。  それで、そういう精神障害者の方々にとっての一番深刻な問題は、実は住宅問題なんです。実はなかなか住むところが見つからないというのが現実でございます。精神障害者の方々の場合は、病院に入院する場合には、県では県知事ですけれども東京でいえば都知事による措置入院、いわば強制的な入院が行われるわけです。その方が、病状がよくなった、退院をしようといたします、ところがその退院をするときに、保証人がないのです。入院のときは都知事がいわば強制的に入院させるわけですけれども、退院するときに都知事が保証人になってくれればいいのですけれども、そうならないものですから、結局入院している間、二年とか三年とか精神病院で治療を受けますね、そこから退院してきても、住むところが見つからないという問題がございます。  今、実は精神病院に入院している患者さんは全国で三十五万人と言われています。しかし、その三十五万人の入院患者がいらっしゃいますけれども、厚生省の話によりますと、そのうち二十万人は退院することができる、退院して普通の方々と一緒に生活をすることができるということなんです。しかし、現実には、三十五万人は精神病院の中にいる。それはなぜかというと、その一番大きな要因の一つは住宅の問題だ、住むところがない、これが最大の問題だというふうに言われているわけです。  そこで、こうした問題を解決するためには、大臣に幾つかお尋ねをし、また問題提起もさせてもらうわけですが、公営住宅法の第十七条は、「入居者資格」として「現に同居し、又は同居しようとする親族があること。」というふうに定めているわけです。しかし、精神障害者の方の特徴は、大体思春期に発病する場合が非常に多いものですから、単身者である場合が多いのです。  そこで、単身者であっても都営住宅あるいは県営住宅等、公営住宅に入居することができるのはどんな場合なのか、これは局長の方からお答えください。できるだけ短く簡単にお願いいたします。
  162. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 もうよく御承知なんで簡単に申し上げます。  公営住宅は同居親族を条件としておりますのは、やはり同居親族の多い方の方が住宅取得が大変だ、困窮している、こういうことでございます。単身は例外だ、例外の場合は六十歳以上の男性の方、五十歳以上の女性の方、身障手帳を持っておられる身障者、それから戦傷病者の手帳を持っておられる方、生活保護を受けられている方、公的な機関できちっと証明されておられるような方を例外的に、しかも常時介護する必要がない、自立てきると、こういう方を例外的に入居を認めさせていただいているということでございます。
  163. 常松裕志

    常松分科員 今お話があったのは、公営住宅法の施行令第四条の七でございますが、そこになぜ精神障害者は該当しないのかという問題なんです。  それで、障害者手帳を持っている身体障害者については単身でも入居が認められているわけですから、同じ障害者として精神障害者の方も当然、単身で入居できるように認めるべきだと私は思うのです。今第四条の七に、いわゆる常時介護の必要とする者は除かれているわけですね。ところが、病院から退院をしてきた精神障害を持っている患者さん、退院されてから先生が常時介護する必要がないというふうに認めているから退院しているわけなんですけれども、どうもその部分で単身での入居が認められていないのかというふうに思うのですけれども、どうなんでしょうか。
  164. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 常時介護という問題に至る前に例外的に公営住宅に入居として列記されておりますのは、公営住宅の管理者では判断はできないわけでございまして、例えば身体障害者ですと、私は身体障害者ですと公営住宅のサイドにおっしゃっていただいても、本当にそうなのかどうかわからない、したがって、身体障害者の行政をやっておる厚生省の方で、これはこういう手帳を差し上げているような、こういう基準で身体障害者でございますという公的な証明がきちっとしている、それが大前提で、それを私どもが受けさせていただく。受けさせていただくに当たりまして、本当に公営住宅にお入りいただくことがいいのかどうかとか、いろいろなことも考えなければいけません。  しかし、精神薄弱者ですとか精神病患者とかそう言われる方につきましては、そこのところの基準が私どもとしてはなかなか判定はしにくいわけでございます。このところがまず第一の議論でございます。そこがまだ突破できていないといいますか、議論が進んでいないというふうに私ども認識しているわけでございます。
  165. 常松裕志

    常松分科員 局長のお答えですが、後でこれから質問しようとしている優先入居の場合には、精薄の方々と並んで精神的欠陥を有する方々という形で、一定の医師、その他公的な証明があれば優先入居の対象としては、この場合は単身じゃありませんね、世帯を持っているのですけれども、その場合は優先入居の対象には別のところでなっているわけです。ですから、私は、それと同じように、優先入居の対象になっているわけですから、それは局長がおっしゃるように、同じように公的な証明が必要とされていますし、また出ているわけですから、したがって、単身で入居できることにも同じような証明で道を開くことは十分に可能なのではないかと思うのですよ。
  166. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 単身で御入居される場合と御家族の方がそういった方を、心身障害の方を介護といいますか面倒を見ていられる方とではかなり公営住宅の管理という面から見ますと違うというふうに考えているわけでございます。単身でございますと、当然お一人でずっと住んでいるわけでございますので、要件としては私どもも厳しく見させていただきたい。しかし、そういった心身障害者をお持ちの御家族の御負担は大変でございますし、その御家族は当然そういった障害者の方の身の回りのお世話もしておられるわけでございますし、また公営住宅の管理上も、そういった方がおられれば特に管理上問題がないということで、それを中間的なといいますか、単身では多少厳しい条件でございますけれども、世帯でお入りになっている場合はややそのところを受け入れさせていただく、そこが基本的に違うところだと考えております。
  167. 常松裕志

    常松分科員 先ほど言いましたように、大臣、思春期にどうしても発病する。ですから、単身者の場合が非常に多いわけなのですね。親と同居している間はいいのですけれども、親もどんどん高齢化をしてまいります。高齢化をしていって、その親が自分の子供と一緒に住むことができなくなったような状況のときに実は精神障害者の方々の住宅問題が起こってくる。親の高齢化問題というのが一つあるのです。  もう一つ、私などの東京に特殊な問題は、こういう問題があるのです。高度成長の時期に地方からたくさんの若い青年が上京してまいりました。そういう若い青年が東京に来て発病する。発病して今そういう方々は精神病院に入院されておる。それで退院できる状態にあるのです。先ほど言ったように、三十五万人のうち二十万人は退院できるわけですから、住むところさえあれば退院できるのです。  ところが、仮に青森から出てきているとすれば、青森の親も高齢化しています。ちょうど私ぐらいの年齢ですから四十代、五十代。高度成長期に地方から出てきた青年は今四十とか五十になつておりますから、親がふるさとで高齢化している、それで単身だ、したがって退院したくても東京に住む場所がない、こういう地方から出てきている方々の問題があるわけなのですね。  ですから、こういう二つの問題から、東京ではそういう方々の住宅問題は非常に深刻になっている。  先ほど局長の答弁はあるのですけれども、これは大臣にぜひお答えいただきたいのですが、精神障害者の方々は優先入居の対象にはなっているのです。結婚している場合あるいは親が一緒に住んでいる場合には対象になっている。しかし、病院の方は、もう退院していいですよ、健常の人たちと一緒に住む方がむしろ回復にはいいのですよという認定をしている患者さんが、単身であるためだけの理由で退院できない。したがって、社会復帰できないで病院にいるわけですから、こういう方々に住宅を提供するという意味では、最も住宅困窮者ですから、ここに単身の精神障害者の方々に何とか道を開いてやるように、大臣、検討してもらえないでしょうか。これはぜひ大臣からお答えいただきたいのです。
  168. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 先生から御指摘をいただきましたこの問題につきましては、現在我が国におきましては精神障害及び薄弱の方々を合わせますと百四十七万人おると聞いております。だんだん我が国の経済また社会構造が複雑になりますと、こういった障害を持たれる方がどんどんふえてくると心配されておりますので、そういう面では、医療施設が果たして今十分にあるのかどうかということについては若干私は疑問も持っております。と申しますのは、それをつくろうと思っても、精神病院をつくるということになると地域の方々の賛成が得られないで、なかなか思うように進まない、そういった問題もございますし、また、家族の方にとっては患者の方を持っているということによって、また患者の方が家族からもある面で非常に厳しい立場に立たされているということも私も想像できます。  ですから、そういう問題を今後考えていくためには、第一義的にはやはりこうした問題を厚生行政の中でどのようにしてとらえていくのかということがきちっとした位置づけがなされていきませんと、いたずらに社会に帰ってきた、ところが十分な治療が行われていなかったためにまたいろいろな事故が起こってしまった、こういうようなことが起こってはならないわけでありますので、精神医学の分野においてこういった問題が多発しないような環境というものをどう指導していくかという問題は、非常に基本的な問題として必要なことだと私は考えています。  そして、御指摘をいただいた精神障害者の公営住宅への単身入居につきましては、多数の住宅を画一的に管理するという点と、本人が自活をしていかなければならないという前提、こうした問題を基本的に考えていきますと、現時点においてはなかなか厳しい問題である、このように考えております。参考にして、今後検討をさせていただきたい、このように考えております。
  169. 常松裕志

    常松分科員 今大臣がおっしゃった御答弁の中で、失礼ですが幾つか反論したいこともあるのですが、ここで大臣からとにかく検討してみたいというお答えをいただきました。非常にくどくて申しわけないのですが、優先入居の対象には精神障害者がなっているのだから、そして同時に、困っているのは単身の精神障害者が入るところがなくて困っているわけですから、公営住宅に入居ということになりますと、これは当然厚生行政あるいは保健所などとの連携もとりやすくなるし、また優先入居の場合にはちゃんと精神科の先生なり公的施設の証明書が必要ですから、そういう意味では、公営住宅のここは精神障害者の方が入居しているということもはっきりするわけです。そういう意味ではむしろフォローもしやすいわけでありますから、ぜひもう一歩前向きに検討してみる、勉強してみるということで、ひとつ御研究をいただけないものでしょうか。
  170. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 実は、こんなこと、こういう席ではどうですかわかりませんが、私の実兄もこういう病院を経営しておりまして、その実情についてはある程度詳しく聞いておるつもりであります。そういう中で、この問題を建設省の住宅政策の中の公営住宅としてどのぐらいフォローできるかという問題については、私が現在承知している限りにおいてはまだ難しい問題がたくさんある、このように認識しておりますが、せっかくの先生の御指摘でございますので、関係機関とさらに検討しながら、この問題について勉強していきたい、このように考えております。
  171. 常松裕志

    常松分科員 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いを申し上げる次第でございます。  次に、優先入居について規定されております「心身障害者世帯向公営住宅の建設等について」という通達の中に、別紙として実施要領があるのは大臣御存じのとおりです。ここの実施要領の中の「第二 心身障害者世帯の範囲」というのがございます。戦傷病者あるいは身体障害者が列記されていますが、その中に精神薄弱者及び精神障害者の規定が第三番目にあるわけですけれども、この規定が非常にあいまいだといいますか非科学的だということで非常に評判が悪いんです。まあ読み上げましょうか。「重度又は中度の精神薄弱者と同程度の精神的欠陥を有している」、こういうふうな表現になっているんですね。ところが、精神障害者の方の場合は、病院から退院してきているということは、いわば社会に復帰できるということなんですから、そういう点でいうと、精神薄弱者の方々とはその点でいえばもう全く違うわけなんですね。したがって、こういう表現になっておりますと実際はこの項での対象には精神障害者の方の場合、非常になりにくいんです。ここもひとつ、せっかく大臣の先ほどの御答弁ありましたから、厚生省その他と話し合っていただいて、ここの部分をもう少し現在の精神医学から見て妥当な表現に変えていただくようにひとつ局長、お願いしたいんですけれども、どうでしょうか。
  172. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 ただいま先生のおっしゃいました実施要領は、昭和四十六年に厚生省の社会局、それから援護局、児童家庭局、そういった担当局、これは精神障害に限らないのでございますけれども、そういったところとの御相談で決めさせていただきました。その後、厚生省から特に御議論が出ているわけではございません。しかし、多分昭和四十六年からもう二十年たっておりますから、いろいろ医学の進歩とかあるいは社会情勢の進歩等あると思います。厚生省の方にも少し確かめたりしながら勉強してまいりたいと思っております。
  173. 常松裕志

    常松分科員 精神薄弱者の方々については公営住宅におけるグループホームの試みが行われていますけれども、この精神障害者の方々についても一気に、まあなかなか私の目標まで進まないでしょうが、ひとつグループホームの試みを精神障害者についても適用してみるということについては、ひとつ来年ぐらいから踏み切ってもらえないんでしょうか。
  174. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 公営住宅の制度としては、先ほど来申し上げておりますとおりに、かねて政令できちっと書いてあるものでございますので、公営住宅制度としてはちょっとできない。現在試行的に北海道のある町でやっておりますのは、公営住宅として建てたものではございますけれども、自治法の例外許可という、自治法に基づいて若干公営住宅以外の用途として使った形で実験をさせていただいている、そういった状況一つの実験でございますので、先ほど大臣が今後勉強していくという勉強の一つとして我々もやっていきたいと考えておるところでございます。
  175. 常松裕志

    常松分科員 もう一つ、精神障害者の方々の社会復帰施設と建築基準法のことで一つだけお尋ねをいたしますが、建築基準法の第四十八条の一項の用途制限の場合にもかかわらず社会福祉施設については建築が可能とされているわけですが、第一種、第二種の住居専用地区、いわゆる精神保健法による法内施設であります精神障害者の生活訓練施設とか精神障害者の授産施設については、これは他の社会福祉施設と同じように用途制限にもかかわらず建設可能かどうか。可能か可能じゃない、それだけ答えてください。
  176. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 一種住専とおっしゃいましたか。(常松分科員「一種、二種、両方です」と呼ぶ)はい、一種住専につきましても、二種住専につきましても、精神障害者社会福祉施設につきましては許可対象でございます。ただし、一種の住専におきましては延べ面積が六百平米以内、二種はその規模の制限はない、こういうことでございます。
  177. 常松裕志

    常松分科員 許可対象ということは建築が可能だということですか、それとも許可を要するということですか。
  178. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 一種住専につきましては六百平米以内のもの、それからその他の地域、二種住専については規模にかかわらずこれは確認でできるということでございます。
  179. 常松裕志

    常松分科員 他の施設と同じだということですね。他の社会福祉施設と同じだというふうに理解していいですね。
  180. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 同じでございます。
  181. 常松裕志

    常松分科員 それで、実はこれから東京その他ではこちらの面でも、公設民営というのですけれども東京都なら東京都、市なら市が建物をつくって、そしてその実際の運営は家族会なんかが行うようなそういう場合がふえてくると思うんです。これらについても、精神障害者のこうした施設についても対象にしていくようにぜひ前向きに——東京都なんかの場合はほとんど第一種住専、第二種住専ばっかですから、ひとつそういう形で道を開いていくようにお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  182. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 いわゆる規模の小さい施設というふうなお尋ねだと思います。公設民営のそういったものにつきましても、個別の施設の実態に応じまして適切に判断していくように考えていきたいと思いますし、また、そういったことで指導してまいりたいと考えております。
  183. 常松裕志

    常松分科員 精神障害者の方々の問題、以上といたしまして、次に少し地元の問題について二、三お尋ねをいたします。  大臣には、例の私の地元の立川と三鷹の間の立体化、高架化事業について、石川要三代議士や都知事と一緒に暮れに陳情に行きましたけれども、英断を奮っていただいて、ことしの四月一日から事業化ということで踏み切っていただいて大変感激をしております。ところで、実際には三鷹と立川なんですけれども、ちょん切られちゃいまして、立川と国分寺、ここしか今回は事業化されなかったんですけれども、ぜひ来年には全体——真ん中が事業化、立体化されないということですから、ちょうどパイプのどっちか、真ん中が詰まっちゃうということですからこれはぜひ事業化してもらいたいと思うのです。ぜひ御協力をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
  184. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 もう先生つとに御案内のとおり、連続立体交差事業と申しますのは、単に踏切の除却を行うとか鉄道を高架に上げるということ、それによりまして都市交通の円滑化を図るということだけではなくて、それをきっかけといたしましてその地域全体、市街地の整備というのを進めていただきたいというのが実はその制度趣旨であるわけでございます。  そこで、大変先生から強くお話ちょうだいしたことも記憶いたしてございますけれども、中央線の連続立体事業につきましては、関連する町づくりの進捗状況というものを勘案いたしまして、仰せのとおり国立−立川間、約二・八キロの事業を、平成五年度から事業を進められるようにということでやったわけでございます。  さて、三鷹−国分寺間につきましては、現在東京都、そして沿線市におきまして関連する区画整理事業とかあるいは再開発事業という形で面的に地域整備をするということを今計画面で御検討を実はちょうだいをいたしております最中でありますので、これらの町づくりの進捗状況というものを見ながら関係方面とも相談をさしていただきまして、事業化について適切に対応をこれから図ってまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
  185. 常松裕志

    常松分科員 東京都も各市も非常に前向きに取り組んでおりますから、ぜひひとつ来年度事業化をお認めいただきますように早目に検討していただきたいと思います。  次に、国道十六号線が物すごく込みます。特に昭島市内がもう大変な込み方でございます。そこでひとつ、拝島橋の北詰から堂方上交差点付近の買収計画が非常におくれているわけでございますが、これを今度の五カ年計画の中できちっとやっていただけるのかどうか、これが一つ。  もう一つは、同じ十六号線の小荷田交差点から武蔵野陸橋までということになりますが、十六号線と新五日市街道が交差をする武蔵野陸橋のところが東京都の計画が必ずしも確定してないものですから、小荷田から武蔵野陸橋までの都市計画がおくれているわけなんです。ここも東京都を指導していただいて、できるだけ早くこの計画を決めていただかなきゃならないわけなんですけれども、この二点ひとつお答えいただきたいと思います。
  186. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  まず堂方上交差点のことでございますが、先生御承知のように、拝島交差点、拝島橋から新奥多摩街道と交差するこの交差点までの〇・五キロが平成四年四月に暫定三車線で供用したわけです。要するに、拝島交差点から堂方上交差点間〇・七キロ、この問題でございますが、これは三年の十一月に構造の都市計画変更をいたしまして、平成五年の一月地元説明会を開催させていただきました。私ども全線にわたって用地買収を促進しております。現在のところ五一・三%ということでございます。したがって、いつまでにということは今確約できませんけれども、用地の問題一つでございますので、私どもはこの十一次五カ年計画の最重点事項ということで取り組ませていただきたいと思います。  それからもう一点、五日市街道との問題でございますが、都道五日市街道の四車化の計画との調整、ちょうど一部分だけが両方併用いたします。したがって、どうしてもこれは両方一緒に直さなければいけない部分があります。したがって、今東京都に対して非常にお願いしてやっておりますが、場合によると環境アセスメントをしなければいけない部分が出てくるかもしれません。したがって、どうしても東京都とその計画を合わさなければいけない、これがありますので、そこの部分を含めて全体を何とか早く、平成五年度を目標に私ども今そういう調整の熟度を上げる準備をしております。うまくいけば平成五年度にはまとまるのかなと思っておりますが、あるいは環境アセスとなりますと約小一年かかりますから六年度にかかるかもしれません。  いずれにいたしましても、私ども先生の御趣旨は十一次五計の中でよく承らせて対応させていただきたいと思います。
  187. 常松裕志

    常松分科員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
  188. 三野優美

    三野主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。  次に、和田貞夫君。
  189. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 限られた時間でございますので、私も簡単に質問いたしますので、答弁の方もできるだけ簡略に、しかし明瞭にひとつお答えいただきたい、このように思います。  ことしの一月の二十一日に中央心身障害者対策協議会が、「「国連・障害者の十年」以降の障害者対策の在り方について」という表題で意見具申が行われております。これには多岐にわたって基本的な考え方、あるいはどのような施策が必要であるというようなことがつまびらかに明記されておるわけでございます。その中に「障害者の皆さんの自立と社会経済活動への参加を促進するための基礎的な条件」として、各種の生活環境面で改善をすることが必要であるということで、以下具体にどのような方策が必要であるか等々が羅列されておるわけでございまして、その意見具申の「結語」といたしまして、「政府においては、当協議会の意見を十分尊重し、速やかに今後十年の行動計画を策定するとともに、関係省庁において、その具体的実施について検討するよう要望する。」こういうふうに結ばれておるわけであります。当然のことでございますが、道路あるいは建築物の直接建設あるいは行政指導に当たっておられる建設省としては、極めて重要な位置にあると思います。  御案内のとおり、大阪府はこれに先んじて、昨年の三月には障害者のために大阪府建築基準法施行条例の改正を行いまして、対象物を今までよりも多岐にわたって広めております。あるいは十月には、今回福祉の街づくり条例というのをつくりまして、なおこの建築基準法の施行条例の対象になっておらない駅舎であるとか、そういうものにまで広げて、できるだけ財政面の援助、裏づけを含めて障害者の皆さんの社会参加が行えるように施策を講じようという姿勢を示しておるわけでございます。大臣、この点についてどのように評価されますか。
  190. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま先生から御指摘をいただきました、障害者及び高齢者の方々に対して建築物等につきましてきめの細かい生活しやすい環境をつくっていくということは、御指摘のとおりだろう、このように思います。  ただ、先生からお話をいただきましたように、このことをすべて民間の建物も含めて建築基準法を改正して強制的にやらしたらどうかというようなことは、基準とかあるいは熟度、いろいろの面で総合的に考えていかなければならない問題だろう、このように考えております。  ただ、先生からお話をいただきました中で、今後建設省としては、官庁の建築物については障害者の利用に配慮した整備を行うとともに、将来、民間の建築物についても設計指針を策定してその普及等には努めていかなければならない、このように考えております。  そして、最後に御指摘をいただきました大阪府等において条例等の整備や中央心身障害者対策協議会の意見具申については承知しております。建設省としても、今後、障害者、高齢者対応の建築物の整備の促進の観点から、その方策については総合的に検討を進めていきたい、このように考えております。
  191. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 この意見具申では、今大臣がそうはおっしゃいましたが、できる限り法律、条例によってその改善のための実施を担保するように努めるべきである、これが一点ですね。そして、国または地方自治体の設置する建築物については、原則として、新築の場合は当然でございますが、既設の場合であっても一定の基準というものを決めてその基準に合うようにやっていくべきである、そして民間等を含めての不特定多数の人々が利用する建築物の場合に、これは民間の施設もあるわけでございますが、新築の場合はやはり事前に行政官庁が協議をさせて、そして決めた一定の基準に合うように行政指導する、既存の場合は、これは一定の調査を行って、そして改善する計画を立てさせて漸次その基準に合うように行政指導していく、こういう三つの柱を立てて意見具申をしているわけですね。  したがって、国のものであり、あるいは自治体のものであれば、これは当然のことでございますが、やはり例えば百貨店であるとか、大型店舗であるとか、あるいは民鉄の駅舎あるいはこの駅舎の中の売店、あるいは障害者の皆さんも健常者の皆さんも一様に利用しなければならない便所、そういうようなものは、これは民営だから放置しておってもいいということにはならぬと私は思うわけなんですね。その点が、全体を通じてやろうと思いましたならば、今評価されましたように、大阪府が先んじてやっているわけでございますから、やはり一番の問題は現行の建築基準法ですね。建築基準法には、確かに「公共の福祉の増進に資する」ということは目的にうたっておるわけでございますが、法の体系というものは、これは福祉規定というのが、安全とか衛生面とかいう面で指導しておりますが、基準というのがありますが、福祉の規定というのがないところに、私はこの建築基準法の問題があるのじゃないか。それを大阪府が補って、福祉の街づくり条例だとかあるいは建築基準法の施行条例というのを独自につくっているわけですから、そういう先進的な自治体の取り組んでおることを全体に広げていくために、建築基準法というのをやはり積極的に改正をしていく、こういうことが私は必要じゃなかろうかというように思うのですが、どんなものですか。
  192. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま先生から御指摘をいただいた点でございますが、確かに大阪府の場合はそのようなことになっているということは、ただいま御答弁をさせていただきましたが、これを全体的に広めていくということにはいろいろの段階のとり方があろうと私は思っています。  福祉政策としてこういったものを国民の中に、まず大阪の例のようなものを普及していく。そしてまた、民間もそういうものをやろうじゃないかというような環境づくりというものをやはり世論の中からも盛り上げていく。そして、そういう世論の合意形成が行われるような環境の中で、建築基準法というものもやはり並行的に進めていく、こういうようなものを段階的に経ていかないと、これだけのものを画一的に進めていくということには今の段階ではなかなか難しい点もあろうか、このように私は考えております。
  193. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 私は、今の大臣の御答弁に対しまして少し不満があるわけです。  今私は心身障害者というように言いましたけれども、これは単に心身障害者という方々を対象にする問題じゃなくて、高齢化社会になっていっているわけでありますから、やがては我々の問題になるのです。我々や皆さん方の問題なんです。その施設というものは必ず、心身障害者だけではなくて、高齢者の皆さんがやはりこれからの社会生活の中でぜひとも必要なのです。あるいは妊産婦の御婦人の方々、この方々もそういう施設があることによって社会生活というのが安心してできるし、施設を利用することができるわけですね。だから、心身障害者を対象にというようなことだけを考えると、ちょっと一挙にいかぬからということでございますが、やがて我々の問題であり、やがて皆さん方の問題であるということであれば、この際は建築基準法を、特にこの四十条に利用の安全という概念を位置づける必要があるのじゃないかと私は思うのですが、それはどうですか。
  194. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 先生も御承知のとおりでございますけれども、建築基準法は最低の建築基準を決める、それは最低の基準を守っていただく、これが基準法の基本的な趣旨になるわけでございます。  したがいまして、今先生おっしゃられておりました福祉という観点がないじゃないか、こういった御議論だと思います。当然、福祉をどういうふうに建築基準法の最低基準に組み込んでいくか、こういう議論ではないかと思いまして、確かに今いろいろ御議論されております福祉の時代、高齢化時代あるいは障害者に優しい行政を、こういった御議論が進む中で、建築基準法自体もそれを検討対象に加えるというのは当然ではございますけれども、建物を建てられる方につきましては、それだけの強制といいますか、それがかかるわけでございまして、そういった全体の合意も必要ではないか。  そういった状況の中で、確かに大阪府は先進的におやりいただきました。これも、建築基準条例の方は、建築基準法の中に四十条という規定がございまして、特殊建築物につきましてはどの公共団体でも基準をつくれる、この障害者対策とか高齢者対策につきましてできる、こういう規定がございます。それでやっているわけでございますが、ただほかの県、府に、あるいは市町村に先んじておつくりいただいたわけでございまして、先進的だと思いますけれども、そういった機運がさらに盛り上がりまして、最低基準としてできるような状況がある程度必要ではないかというふうに考えているわけでございます。
  195. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 きょうは建設大臣しかおられないわけでございますが、今のような消極的なことでは、これは宮澤内閣の生活大国、ちょっと疑問視しますよ。建築基準法というのは確かに言われるとおり。労働基準法も確かにそのとおりだ。そういう基準というのは、確かにその最低の基準になる。その最低の基準以上に行政指導をやっていくならばやはり効果があるのだけれども、建築基準法でも労働基準法でも同じこと、最低の基準、これさえやったら法の屋根になるのだからというようなことでは、少しも行政は前進しませんよ。そこには政治というものはないですよ。私は、行政を前進させ、政治というものがある限りにおいては、そんなにこの法律の解釈をしゃくし定規に言って生活大国と言われても、国民が納得するわけにはいかぬわけです。これは建築基準法の改正をしようという、最低だから、最低だからというその最低の基準を引き上げていくようにしなければいかぬのじゃないですか。いつまでもこのまま最低の基準を後生大事にしておくのですか。改正するという気持ちはないのですか。
  196. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 今、大変おしかりを受けて恐縮でございます。  最低の基準というのは最低の権利義務を課するという意味でございますので、そういった意味ではおしかりを受ける部分があると思います。しかし、それだけでいいのかということになりますと、私どももやはり行政というのは前進すべきだと考えておりますので、先ほど大臣からも御答弁をさせていただきましたけれども、官公庁施設につきましては設計の指針をつくりまして、これでやってくださいということをお願いをしております。また、民間の建築物につきましてもやはり指針を出させていただきまして、昭和五十七年からでございますけれども、これは身体障害者を前提にしました設計基準だったわけでございますけれども、そういったものを出させていただきまして、これで民間の建築物も誘導するといいますか、こういったことを考慮しながら設計をし、実施していただきたいということをお願いをして、こういった積み重ねの上に立って最低基準というものを考えていく、こういうふうに私ども考えておるところでございます。
  197. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 時間がありませんので、これはまた建設委員会に機会をつくってもらって私は議論したいと思いますが、大阪府がつくった建築基準条例をさらに対象を広げる福祉の街づくり条例というのをつくって、先ほど申し上げたように、JRの沿線であろうが、民鉄の沿線であろうが、その駅舎に障害者が十分利用できるようにエレベーターをつくってもらう。つくってもらう民間の施設の経営者に対しまして、企業に対しましては、三分の一の補助をしましょう、こういう積極姿勢を出しているわけですよ。  きょう、運輸省、来てもらっていると思いますが、ところが、大阪府は三分の一出しましても、小さな民鉄じゃ、直ちに三分の二を出してエレベーターをつくるということにはならぬわけだから。そこに所在の市町村も、それじゃひとつ三分の一出してやろうか。その市町村が三分の一を出す財政力のある自治体であればなんだけれども、やはり財政力のない町村に至りましては、それはないわけですね。そうすると、その財政力のない町村も、県がこういうようにやってくるのであればおれのところもやろうか。そうすると、企業は、あとはその三分の一だから出せばいい、こういうようになるためには、国が、この場合は、具体に運輸省が、それを促進させるために、積極的に取り上げる自治体に対しては、国の方が、運輸省が補助金を出すとか、あるいは助成金を出すとかというようなことはひとつぜひとも必要だと私は思うのですが、せっかく運輸省来てもらっておりますので、そういう考え方はみじんもございませんか。
  198. 丸山博

    ○丸山説明員 御説明申し上げます。  鉄道駅舎などにおきますエレベーター、エスカレーターの整備についての助成についてのお尋ねだと思いますが、交通弱者のためのいわゆるエレベーターでございますとかエスカレーターにつきましては、一般の利用者にとりましてもそれが利便の増進につながるということで、基本的には運賃の原価の中で算定させていただきまして、利用者負担によって整備を進めております。ただ、利用者全体に余りにも過重な負担をかけるということになりませんよう、開発銀行が民鉄、国鉄に対して行っております融資の対象といたしまして、このようなエレベーター、エスカレーターも加えております。また、地下鉄のように、国が直接補助を出しておりますものにつきましては、新線建設の場合の補助対象経費にそのような施設を加えております。  運輸省といたしましては、鉄道事業者がただいま申し上げましたような助成制度を使いまして、身体障害者などの交通弱者のための施設の整備が推進されますよう今後とも指導してまいりたいと思っております。
  199. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 これは指導だけじゃだめなんです。口先だけでやれと言ったってやはり出すべき能力をつくってやらぬと、力をつくってやらぬと、やれやれと言うたところでどうにもならない。  きょうは運輸大臣に私質問しようと思ったんだけれども、国会がややこしくなってそこの場所に行くのが削られてしまいましたので、ひとつあなたが運輸大臣に伝えてほしいと思いますが、JRが、これは旧国鉄でございますが、これは確かに沿線距離も長いわけでございますが、これが一番悪いです。これはもう大臣もおわかりのとおりと思う。それは、エレベーターのある駅というのは北海道から九州まで数えてみなさい。  ところが、民鉄の場合は、これは積極的なんですよ。新しい駅をつくったら、つくるだけじゃない、既存の駅もちゃんとエレベーターを設置するように努力しておる。それはやはり運輸省の今日までのそういう障害者に対する、障害者の社会参加という、施設の利用ということについての余りにも無情さというもののあらわれじゃないかと私は思うんです。この際、それを、名誉を挽回するためにも、せっかくこれだけの意見具申が出たわけでございますから、しかも、大阪府がやっているから、これはいいんだ、また、どこかの県がやったら、それはいいんだということじゃなくて、この種の問題は、この具申にも出ているように、できるだけ法律なりあるいは条例によって地域的に差が出ないように担保すべきであるというところまでうたっておるわけでございますから、それには、国の方が積極的になってもらう以外にはないわけなんですよ。だから、運輸省、ひとつそれ以上の答弁せいと言うたところで無理だと思いますが、大臣にひとつあなたからこれ伝えてくださいよ。頼みますよ。  そこで、時間があと六分ほどしかありませんので、私はもとに戻りますが、あなたもひとつ非常にお若い大臣でございますので、もう古くさった考え方持っているような大臣以上に積極的な気持ちに立っていただいて、先ほどちょっと私が不満の御答弁がございましたけれども、どうなんですか、やはり行政というのは限られた限界がある。限界がある。建築基準法という法律は、これは最低の基準だ、そのとおりなんです。その最低の基準というものを引き上げていくのが行政でなくてはいかぬけれども、そこに行政が目が届かなければ、これを解決するのは政治しかないわけなんですよ。そういう意味で、もう一度私はくどくどしくお願いしますが、いつまでも、この建築基準法がこうであるからということで大事に手もつけないで、いらわないで、これがあくまでも建築基準法で、これ以外に引き上げる必要がないんだ、これ以上にレベルを上げる必要がないんだ、これ以上に改正する必要がないんだというように、大臣、本気で思っておるんですか。
  200. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  私は、建築基準法に対しましては、その必要性というものが、やはり実態に適したものであることが望ましいと思っておりますので、なお今後関係方面からいろいろな意見を聴取しながら検討していく必要性については否定しておりません。ただ、この点につきましては、先ほど答弁したことが前提となっておりますので、先生の御意見も一つの意見として、今までの経緯を踏まえながら検討させていただきたい、このように考えております。
  201. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 すべての民間の建物を言うとるんじゃないんですから。例えば百貨店という建物があるでしょう、スーパーという、あなた、大型店という建物があるでしょう。そういうように不特定多数の皆さんが利用する建物。もちろん、それ以外の小さな売店もあるでしょう、小さなサービスを、役務を提供するような施設もあるでしょう。そこまで徹底的にということを言うとるんじゃなくて、大阪府の場合も、こういうものはすべてを対象にする、こういうものは五百平米以上のものを対象にする、こういうものは千平米以上のものを対象とするということで、しかとやはり対象物件を、利用の度合いというものを考えて変えているわけですね。だから、そういうようにすれば——画一的にひとつ全部やってしまえ、私が障害者であったとして、あなたの家庭を訪問するのにあなたの家庭までそうせいというようなことを私は言うとるんじゃないんですよ。  だから、私は決してわからぬことを言っているんじゃないと私自身は思っているわけなんでございますが、せっかくこの具申というのが出たわけですから、しかも、これは政府がひとつ積極的にこの具申に基づいてやってくれ、こういうように出されているのですが、これをほごにするというようなことじゃ、これは生活大国を掲げておる宮澤内閣としては余りにもお粗末じゃないかと私は思いますよ。その構成員の大臣である建設大臣、もう一度、くどくどしい言い方でございますが、ひとつこの具申を積極的に受けて、建築基準法の改正を速やかに検討するように強く要望したいと思いますけれども、もう一度大臣の所見をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
  202. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お言葉を何度も繰り返すようで恐縮でありますが、先生の意見を一つの意見として、今までの経緯等を踏まえながら、私どももこのことについては勉強させていただいて、検討していきたい、このように考えております。
  203. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 改正を強く要望して、質問を終わります。
  204. 三野優美

    三野主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。  次に、吉井光照君。     〔三野主査代理退席岡島主査代理着     席〕
  205. 吉井光照

    吉井(光)分科員 私は、最初に、精薄児者への有料道路の割引適用についてお尋ねをするわけでございます。  この有料道路通行料金に関します身体障害者割引制度の精神薄弱児者への適用拡大につきまして、私は、建設委員会、それから予算委員会分科会等でも質問し、今回で四回目となるわけでございますが、それに加えまして、建設、運輸各大臣への申し入れも何度か行ってきたわけでございます。さらに、第十一次五計の策定に当たりましても、党の建設部会長として提言もさせていただいたわけでございますが、この中でもこの問題につきまして訴えてまいりました。今さらくどくど内容等について説明する必要もございませんが、ひとつ大臣の誠意ある答弁をお願いいたしたいと思うわけでございます。  御承知のように、昨年六月の道路審議会の有料道路部会の中間答申が出されました。この答申によりますと、この身障者の割引制度の適用範囲の拡大を求める社会的な要請が強いこと、そして、国連身障者十年の宣言等に見られる障害者福祉に関する社会情勢の変化を踏まえ、現行の身障者割引制度について具体的な適用要件を含めて見直す必要がある、このように指摘がされているわけでございます。  この問題につきまして幾つかの検討課題があることは私もよく承知はいたしておるわけでございますが、この道路審の結論が一応出ている以上、あと残るはやはり政治決断、いわば大臣の決断のみではないか、私はこのような気がするわけでございます。  この問題に関しまして、前の山崎大臣は、私の質問に対しましてこのように答弁をされたわけです。「道路につきましては、人に優しい道路というキャッチフレーズがございますとおり一とりわけ精薄者に対して優しい道路をつくるべきであると基本的には考えております。」そして、「道路審議会にこの件も諮問いたしておりまして、ぜひ結論を得たい、」このように前置きをされた上で、「先生のお考えに対して、私どもも決して後ろ向きではないということは申し上げておきたいと思います。」このような、いわば実現に非常に前向きと思われるような答弁があったわけでございますが、中村大臣のひとつ御勇断をぜひともお聞きしたいと思います。
  206. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 御指摘をいただきました点につきましては、先般の道路審議会におきまして、具体的な適用要件も含め検討する必要性がある旨の答申をいただいておりますし、また、第百二十三回国会においては、その趣旨の請願が採択されていることも承知しております。そして、ただいま御紹介ありました、前大臣がそのような発言をされたということに対しましても、行政の一貫性ということから考えても、私もその同一線上にありますが、ただ、有料道路の場合は、料金の割引は他の利用者の負担になるということ、そして一台一台の自動車を対象にして料金を徴収しているということは、鉄道の場合とは若干事情が違うだろう、このように考えております。  他の利用者の理解が得られるような対象範囲を設定する必要があり、答申も踏まえて、障害者、介護者及び自動車の要件等、具体的な割引対象範囲等について、今後関係機関と調整を図りつつ検討を進めてまいりたいと思います。そして検討結果がまとまり次第、所要の措置をとっていきたい、このように考えております。
  207. 吉井光照

    吉井(光)分科員 確かにこれは難しい問題が横たわっていると思いますが、言うまでもございませんが、関係者の願いといいますか、思いというのは、もう一日千秋の思いであろうと思います。したがって、ぜひともひとつ早急に結論を出していただいて、そして早い実施をお願いをしておきたいと思います。  では次に、退職者の終身住宅制度の創設についてでございます。  御承知のように、二〇二〇年には四人に一人が高齢者となる本格的な高齢化社会の到来に対応するために、政府は、在宅福祉を中心に据えたところの施策を推進をしているわけでございます。いわゆるゴールドプランがその代表的なものでございます。ところが、このプランの中核、土台をなすものが在宅福祉、この在宅が非常に不足をして、あっても古く、そして狭いといった住環境、特に大都市圏で深刻であることは、これはもう言うまでもないわけでございます。建設省がこうした事態に対応した種々の住宅施策を積極的に推進をされていることは存じ上げておりますし、また、私も非常に評価しておるわけでございます。  ところで、我が党が昨年七月にサラリーマン向け住宅対策の提言をいたしました。その中に、退職者終身住宅制度の創設がございます。これは、大都市圏の中堅サラリーマンにとって持ち家取得は絶望的に近い、せめて退職後、わずかな年金暮らしでも賃貸住宅の家賃支払いに心配がないよう、老後における住居の安定を図るために、退職者が一時金と低額家賃の併用払い、あるいは住宅財形貯蓄を改善をして入居金支払いに充当できるようにして、そして終身入居できる住宅を公的に建設し賃貸する制度でございます。また、高齢者に配慮した設計、設備にして、かつ医療、介護サービスも受けられるような、いわば高齢者に優しい住居環境の整備も附帯をしております。  この退職者終身住宅制度について、建設省ではどのように御検討をいただいたのか。特に、五年度予算でもって一千戸を目標とされているようですが、一千戸といえばちょっと少ないような気もするわけでございます。また、平成十二年度末までに高齢者向け公共賃貸住宅の整備目標が二十万戸となっておるわけですが、このうち、退職者終身住宅をどの程度整備することを目標とされているのか。これも今からいえば非常に難しい問題かとも思います。いずれにいたしましても、この退職者終身住宅、いわばシニアのB型ですね、このいわゆる整備目標を拡大していく方向で考えていらっしゃると私は理解をするわけですが、こうした点について、ひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  208. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 高齢者に対する住宅対策は、第六期住宅建設五カ年計画でも四本柱の一つでございまして、私どもも大変重視をして進めさせていただいているところでございます。  ただ、現在が高齢者の人口割合が一〇%ぐらいでございますので、今御指摘のありました二〇二五年に二五%、これから本当の高齢化社会を迎えるわけでございまして、そういった意味では、高齢者住宅対策のスタート時期はまあまあそれなりに適切な時期に行われ始めたと考えておるところでございます。  ところで、従来から、公営住宅、公団住宅では高齢者仕様の住宅、公庫住宅では高齢者の割り増し等の融資住宅をやってきたわけでございますけれども、特に昭和六十二年度から、シルバーハウジング・プロジェクトという高齢者用の公営住宅をつくりまして、そこに生活相談員、厚生省の補助金が出ます、やや福祉の仕事をしていただける方を管理人に、一緒になっていただいて、そうしたものをしてきたところでございます。  そして、平成二年度から、シニア住宅という制度をつくらせていただきまして、このシニア住宅制度をつくりましたもとの制度は一時払いで、生命保険とかそういうようなことを使いながら一時に三千万ぐらい払っていただく、場合によっては四千万ぐらい払っていただいて、それをもとに福祉的なサービス、医療的な基礎的なサービス、こういったことをしていく制度でございます。  ところで、昨年来、今先生指摘、御提案のございました退職者終身住宅制度という御提案が熱心にございまして、その制度の御意見を承っておりますと、一時金が高くてはなかなか入れないじゃないか、三千万、四千万というのは大変だ、なるべく一時金を少なくして、しかし、入ってから月々の家賃を、まあそう高くなく払っていく方式はないものか、こういう御提案というふうに受けとめました。  私ども、高齢化時代に向けての高齢者住宅もそういったいろいろなパターンがあってしかるべきじゃないかと、真剣に受けとめさせていただきまして、一時払い、それから月払いの併用方式のシニア住宅のB型というのを、平成五年度の予算案で提案させていただいたところでございます。もとより、先生の御提案のように、さらに安くというところまでなかなか、コストといいますか採算を考えますと、いかないわけでございますけれども、こういった制度を提案させていただいているところでございます。  そして、どのくらいの戸数を考えているかということでございます。この制度は、福祉施設との連携が大切でございまして、単に住宅だけでできるというわけではございません。すなわち、医療施設とのサービス、連携できるようにしなければいけませんし、それの連携できるような人員配置もしなければいけません。それは住宅の棟の中で設置しなければいけないわけでございます。そういったいろいろな連携のうまくいかないところですと成立いたしませんので、現在、シニア住宅のA型というのも、住宅・都市整備公団が横浜市でやろうとしているのが初めてでございまして、まだ二号がきちっと固まっておりません。しかし、こういった各公共団体との連携、あるいは福祉部局との連携をさらに積み重ねまして、年々歳々、これをふやしていきたいと考えておるところでございます。  ところで、シニア住宅の目標はどうかということでございますけれども、先ほど先生の御指摘の中に、高齢者住宅の二十万戸計画お話が出ました。十カ年で二十万戸、高齢者用の住宅を建てていきたいという目標を立てまして、各公共団体で今精査をしていただいているところでございますけれども、その中でシニア住宅幾らかという内訳はまだはっきりとして積み上げてございません。しかし、私どもは、こういったものが将来的に非常に大事になっていくということでございますので、もう少しお時間をいただきまして、目標の数字もきちんと積み重ねるように公共団体とも相談をし、あるいは事業主体とも相談を重ねていきたいと考えているところでございます。
  209. 吉井光照

    吉井(光)分科員 高齢者の住宅問題というのは、今からの一つの大きい課題になってくることはもう間違いないと思います。ゴールドプラン、これは三本柱で今スタートをしておるわけでございますが、このゴールドプランの三本柱の中に、ぜひとも高齢者の住宅も一本今度は加えるべきである、私はこのように考えておるわけでございます。そうした意味で、ぜひとも、こういった住宅制度についてはひとつ拡大の方向で進んでいただきたい、このように強く要望をしておきたいと思います。  次に、新借り上げ賃貸住宅の家賃設定についてでございますが、平成三年度からスタートをいたしました借り上げ公共賃貸住宅制度、これは借り上げ主体が地方自治体か住宅供給公社に限定をされていたために建設戸数が伸び悩んでおった、こういうことでございますが、今回、それが改善をされました。すなわち、従来の借り上げ主体に、新たに第三セクター、公益法人、民間までこれを広げて、そして家賃補助と組み合わせた点に非常に特徴があるわけでございます。  これによりまして大幅な建設戸数の拡大と景気のてこ入れというものが期待をされているわけですが、建設大臣は、今国会で特定優良賃貸住宅供給促進法としていわゆる法制化をして、そして五年度目標として二万戸供給をする、このような答弁があったわけでございますが、借りる方は、安くて広い住宅を、貸す方は、管理は任せ、家賃収入は保証され、しかも多量に供給されれば、無理をしてサラリーマンが持ち家取得に狂奔をしなくても済む。また賃貸生活を見直せば土地神話というものもなくすことができるし、異常な地価高騰も避けることになるわけでございます。したがって、私もこれは大いに評価をし、また期待をしたいところでございますが、ただ、一つ心配なことは、ここで確認をしておきたいわけですが、それは、施策の目玉であるところの、安い家賃で広いところに本当に入居できるのかどうかということでございます。  家賃設定は、その周辺の市場価格、それから時価をもとに知事が決めることになっているわけですが、まず、知事はその適正な市場価格をどのようにして判断をするのか。また、家賃が高騰しないよう市場価格のコントロールがどのようにされているのか。さらに、設定される家賃次第では、たとえ国、地方の家賃補助が二十年間あるにせよ、入居者の自己負担額に年五%ずつ家賃がアップされれば、二十年間かけて本来の市場家賃相当額に持っていく前に到達してしまうケースも出てくるわけでございます。この場合、建設省の説明によりますと、到達した時点で五%アップは打ち切られる、こういうことでございますが、そうなりますと、これは極端な話かもしれませんが、二十年の家賃補助と傾斜家賃、これは入る人にとってはもう非常に魅力的な商品価値でございます。ところが、いろいろ考えてみると、こういった一番の商品価値が半減するのではないか、このような気もいたしますが、こうした心配は起こらないのかどうか、この点についてはいかがでしょう。
  210. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 特定優良賃貸住宅につきまして、今先生が御質問なさいましたように、民間事業主体がおつくりになる場合には、供給計画を立てていただいてその供給計画の中に家賃はどうするかというのを書いていただくわけでございます。そして、それを知事が認定をいたしますけれども知事が認定する際の条件といいますか基準が市場家賃ということでございます。  そういたしますと、知事は、その周辺の立地状況あるいは住宅の規模等々から勘案いたしまして、周辺の市場家賃というのを算定いたします。それに基づいて家賃を決めていく、こういうことでございますので、そこのところは地域の実情をそれなりに各公共団体を統括しております知事判断をすることになろうかと思います。  そして、この家賃がどういうふうに減額をされるかということでございますけれども、これにつきましても知事の方で判断をしていただく、すなわち入居者の収入でございますとか、それから周辺の同種、同規模の賃貸住宅の実際の家賃とかそういったことを考慮いたしまして入居者負担額を決めさせていただく、こういったことになってくるわけでございます。  したがいまして、需要と供給の関係が賃貸住宅には当然ございますので、余り供給量が多いところで供給されるということは好ましくないと思うわけでございますけれども、一般的には広目の住宅でサラリーマンがある程度無理なく入っていただけるような家賃、そういった形でこの特定優良賃貸住宅の建設を促進され、入居者も安心してお入りになれるのじゃないかと期待しているところでございます。
  211. 吉井光照

    吉井(光)分科員 この制度は非常にすばらしい制度であろうと思います。ぜひとも推進をしていただきたい、このように強く要望をしておきたいと思います。  では、最後に住宅基本法の早期制定についてお尋ねをしておきたいのです。  御承知のように我が党は、国民の住宅権を保障するために、昭和四十四年以来九回にわたりましてこの住宅基本法を他覚に先駆けて我が国会へ提出しております。現在も継続審議中になっているわけでございますが、私も建設委員といたしまして、この法案の重要性を初め種々の論議を四回、歴代建設大臣などと重ねてまいりました。そして一日も早い早期実現を訴えてきたわけでございますが、残念ながら前進が見られないわけでございます。  そこで、真の豊かさ、それからゆとり、こういったものが現在非常に問われておるわけですが、年収の五倍で住宅をとか、そういった生活大国づくりというのを政府も目指しているわけでございます。であるならば、いつまでも住宅基本法の実現に難色を示しているばかりではなくして、少なくとも基本法の必要性認識されているのであるならば、また今回のように特定優良賃貸住宅供給促進法案、こういったものによって法整備をして賃貸住宅の推進をしようとおっしゃるのであるならば、ここで一歩前進と評価できるような何らかの歩み寄り、または提言ができないものか。  せんだって本会議で宮澤総理も、この住宅基本法の制定については各界各層で非常に意見が分かれておる、こういった段階で、現状では非常に難しいというふうな答弁もあったわけでございますが、こういった意見、見解というのはなかなか一致しないわけでございます。したがって、そこにはどうしても建設省として、また建設大臣としての勇断といいますか、そういったものが必要ではないかと思うのです。  今住宅問題が我が国の一番大きい政治課題、生活大国をなし遂げるためには、何といったって優良な住宅というものが必要なわけでございますので、ぜひとも一日も早くこの住宅基本法の制定をしていただきたい、このように考えているわけでございますが、ひとつ建設省サイドのお考え、また大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  212. 三井康壽

    ○三井(康壽政府委員 住宅基本法をめぐるいろいろな御議論、各党の御提案は先生もよく御承知でございます。政府側の答弁も昔から余り変わっていなくて甚だ恐縮でございますけれども、住宅政策は基本法の御議論がたくさんある中でもそれなりに前進をさせていただいているところでございます。公営住宅、公団住宅、公庫住宅、それぞれ一生懸命努力させていただきましたし、また最近では、いわゆる大都市法と言っております、大都市地域におきます住宅、住宅地の供給計画をつくって広域的な住宅供給体制をつくったとか、あるいは今回、今御指摘のございましたように優良な民間の賃貸住宅を公共賃貸住宅として供給するという特定優良賃貸住宅の法案を出させていただくとか、各種の住宅政策はそれなりにやらせていただいているところでございます。  そういった中で住宅政策自体は前進させていただいているところでございますけれども基本法となりますと非常に哲学的な部分もございますし、住宅政策の目標でございますとか、あるいは家賃の保障の問題、補助の問題等々いろいろな御議論がございまして、先生の御指摘のような前進がなかなか難しい状況にあるといまだ認識しているわけでございまして、甚だ恐縮でございますけれども、繰り返しの答弁をさせていただきたいわけでございます。
  213. 吉井光照

    吉井(光)分科員 大臣、どうですか。
  214. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま政府委員の方から答弁したことがこの問題に対する従来の建設省基本的な方針で、残念ながら私もこのことを踏み出す状況にはまだ至ってない、このように考えております。  ただ、御指摘をいただきましたように、我が国は非常に豊かな国になったといいながらも、豊かさが実感できないというような、国民のそういった豊かさに対する物差しというものが、欧米の国々と比べて共通した豊かさが実感できない一つの理由には社会資本の整備がおくれている、そして住宅、居住環境、こうしたものが立ちおくれているということが最大の理由である、このように考えますので、住宅政策の充実というものは今後国として非常に力を入れなければならない課題でありますし、その中の一つ基本的な大きな議論のポイントに住宅基本法があるということは承知しておりますので、今後いろいろな方面から意見を聞きながらこの問題について検討していきたい、このように考えております。
  215. 吉井光照

    吉井(光)分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
  216. 岡島正之

    岡島主査代理 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。  次に、高木義明君。
  217. 高木義明

    高木分科員 私は、道路行政並びに災害関連についてお尋ねをいたします。  まず初めに、道路についてであります。  国におかれましては、国民生活のゆとりと豊かさを向上させ国土の均衡ある発展を図るために、第十一次道路整備五カ年計画を推進しようといたしております。私どもも、生活先進国づくりを目指し、その重要な柱であります社会資本としての全国の幹線道路網あるいは都市間、地域内道路の整備をさらに推進すべきものと考えております。とりわけ、地方の活力を引き出して多極分散地域振興を実現するためには、比較的整備のおくれておると言われる地方の道路建設に今以上の政治の光を当てなければならない、このような考えをいたしております。  そこで、具体的にお尋ねに入りますが、九州横断自動車道の整備について、いわゆるこの道路は九州中部地域を横断する幹線高速道路でございますが、現在、長崎−大分間の整備が図られております。この全線についてのただいまのところの進捗状況、さらに長崎多良見から長崎間の延伸について今後の見通しをお尋ねしてみたいと思います。
  218. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  九州横断自動車道長崎大分線、長崎から佐賀、鳥栖を経まして大分に至る二百五十四キロのうち、長崎多良見から日田及び湯布院から大分、この間の百八十八キロ、七四%が供用させていただいております。その後の状況としましては、日田−湯布院間の四十七キロと大分−米良間の八キロ、合わせて五十五キロでございますが、これはもう現在事業中でございますので、第十一次五カ年計画期間中には何とか完成させたいという気持ちでやっております。  先生指摘の問題の、平成三年十二月三日の国幹審におきまして、長崎−長崎多良見聞の十二キロは整備計画が初めて定められたわけでございまして、現在、道路公団において施行命令を出す準備のためのいろいろな詳細な調査を実施いたしております。これには用地単価の問題から始まっていろいろな問題がございます。したがって、これが終われば十一次五計の中におきまして測量、設計、用地買収ということで、次々に事業に着手してまいりたいと私どもは思っております。既に多良見インターから長崎市街地へのアクセス道路として確保されております国道三十四号長崎バイパス、あるいはこの中間にございます芒塚IC、これは仮称でございます、それから、端末の田上IC、これも仮称でございますが、それぞれで国道三十四号の日見バイパスあるいは国道三百二十四号バイパス等で市街地へのバランスのとれたアクセスを確保することを考えておりますので、これらもあわせて事業を進展させていきたいと思っております。
  219. 高木義明

    高木分科員 さらに、私は今日までの取り組みに加えまして、それぞれの各調査が進展をされ、早期にこの重要な道路の建設が達成できますように、この点については促進方をお願い申し上げておきます。  この道路に関連をいたしまして、東彼杵−嬉野間につきましては暫定二車線ということになっております。もちろん全線の開通が大きな課題であることは私も重々承知をいたしておりますが、安全性の問題あるいは高速性の確保、こういう見地から考えますと、一日も早い四車線化というのが必要であろうと思っておりますが、この点についていかがお取り組みなのか。そしてまた、その見通しにつきましてもお示しをいただきたいと思います。     〔岡島主査代理退席主査着席
  220. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  先生指摘の四車化と二車化の問題は、高速自動車国道全体の採算性を確保しながら早くネットワークをつくるという目的と、その中で少しでも質のいいものをつくる、この二つ関係で取り込んでいる制度でございます。用地は四車線確保いたしますけれども、工事は、利用交通量が必ずしも当初から四車線なくとも何とかいけるものについては、暫定的に二車線を施工して、そしてネットワークだけは早く確保しよう、こういうことでやってきております。  今先生指摘の東彼杵から嬉野間もそのような観点から二車線で採択したものでございます。構造物がこの間六七%ということでございますから、非常に多額の事業費を要する区間でございます。しかし、現在の交通量が一万二千四百台ということでございますので、私ども、今後この間の利用交通量の進展の状況等々を踏まえながら検討させていただきたいと思っております。  なお、暫定二車線施工に際して、インターチェンジ付近や連続急勾配区間等での付加車線を設けるというようなことで、安全については円滑な交通の確保に努力をいたしておりますし、特に嬉野トンネルについては開通後、トンネル内に不陸が生じまして、交通の走行の安全性を確保するための不陸整正をやっておりますけれども、現トンネルの本格的な補修工事を将来行う必要があります。  そこで、トンネル区間一・五キロにつきましては、新たなトンネルの工事に着手すべく現在準備を進めております。場合によりましては早々にも着手することが必要になろうか、こういうことで準備をいたしておる次第でございます。
  221. 高木義明

    高木分科員 次に、長崎県の県央と島原半島を結びます一般国道五十七号線、いわゆる森山拡幅と呼ばれておりますが、この事業は既に建設省より着手されておりまして、局部的な事業の実施で効果の上がる尾崎交差点の整備が鋭意行われております。後ほども申し上げますけれども、この道路は今なお継続中であります雲仙・普賢岳災害にかかわる災害復興に大変重要な道路でもありますし、今後いわゆる半島地域振興のためにもこの幹線は拡幅等が強く望まれておるところでございます。この森山拡幅の進捗状況について、この際お尋ねしておきます。
  222. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  この事業は、全長七・六キロで昭和六十三年から事業に着手いたしました。平成元年度に都市計画決定し、諌早市の赤崎町から長野町の三・一キロは路線測量を行い、調査設計を実施しております。  何はともあれ、特にその中で混雑の著しい尾崎交差点というのが先生御承知のようにございます。延長は八百八十メーターですが、ここがまず大事でございますので、この尾崎高架橋と尾崎交差点の設計と用地買収を今もう始めております。何しろここをまず片づけるということで今始めている次第でございます。
  223. 高木義明

    高木分科員 この際、要望いたしておきますが、いわゆる諌早側の尾崎交差点というのが今お話にありましたが、この促進とともに反対の愛野町側からも同時並行的に用地買収等を進めていくことが、財源の兼ね合いもありますけれども、私は、工事進捗については非常に効果が上がるのではないか、こういうふうに思うわけでございますので、その点も十分念頭に置かれましてさらに促進方をお願いしておきたいと思います。  先ほども申し上げましたけれども、島原半島というのは御承知のとおり半島地域でございます。県央の高速道路あるいは空港へのアクセスがかなり厳しい環境にあるわけでありまして、特に長崎県におきましても規格の高い道路の整備が強く求められております。防災都市づくりあるいは島原地域振興のためには、このような道路の建設、整備が大きな今後の課題ではないかと私は思っております。  構想から始めて計画、建設に至るまでかなりの年月がかかることを考えてみますと、私は、早い機会にこのような問題の結論を出して、そして取り組んでいただきたい、このように思うわけでありますが、こういった計画並びに構想につきまして建設省としての御見解を賜っておきます。
  224. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 私ども今現在全国で一万四千キロの高規格幹線道路をつくっておりますが、これに加えて地域における高規格道路網をつくる必要がある、こういう御要望をいただいております。そういうことも含めまして、私ども、現在、広域道路整備基本計画という計画を策定すべく県、市等と一緒になって調査を進めております。  これはどういうことかといいますと、広域的な地域における道路ネットワークの構想を地域ごとにつくる、こういう目的でございまして、御指摘の島原半島におきましても、その高速性を含めたアクセスをどのようにするかということもこういう計画の中で御検討いただくべく、一般国道五十七号、二百五十一号、こういったものが中心になろうかと思いますが、私ども今検討を進めている段階でございます。  そういう意味では、島原深江道路といったような私どもが四年の秋に採択いたしました事業もこういったものの一環になる路線かと思っております。
  225. 高木義明

    高木分科員 規格の高い道路、いわゆる地域高規格道路の整備につきましては、第十一次道路整備五カ年計画のある意味では目玉の一つになるのではないかと私は思っておりますので、どうかその中心的な課題としてとらえていただきたいと思っております。  そこで、局長の方からお話が出ました島原深江道路についてでございます。この道路は、これ主で島原−深江間の土石流対策として、災害に強く広域的交通を確保できる道路網として国に要望序いたしておりましたこの一つの現実の対応でございます。  これにつきましては、既に地元の測量に当たっての説明会等々が進められております。あとは地元の協力、合意を得ながら早急に道路の完成が待たれるわけでありますが、この推進に当たりましては地元の地権者等の意向を十二分に参酌されて推進をされたい、このように思いますけれども、この道路の見通しあるいはまた地元の連携についてお尋ねをいたします。
  226. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生指摘のとおりだと思っております。  ただ、島原深江道路は、先生御承知のとおり、雲仙の噴火に当たりまして緊急連絡路を国道二百五十一号につくりました。しかし、やはりこれでは危ない、恒久的なネットワークが欲しい、こういう御要望が出てまいりました。しかし、山側につくろうと思ってもこれは危険で、まだ将来の見通しが立ちません。  そこで、島原−深江の湾岸道路、こういうような意味合いから海に出しまして、今回の島原深江道路四・六キロの計画を急遽立てたわけでございます。高架構造、四車線ということで、規格の高い道路でございます。したがって、昨年の十二月、ことしの一月にかけて計画に関する地元説明会を開催いたしまして、おかげさまで必要な測量、地質調査の立ち入りの了解をいただきました。現在、この一月から現地立ち入りを開始いたしております。私ども、この結果をもとにまた地元関係者と協議に入って、具体的な構想の御同意を得てから用地買収等にも入るつもりでございます。
  227. 高木義明

    高木分科員 この問題につきましては、災害に強い道路ということで、その必要については異論のないところでございます。したがって、その推進に当たりましてはどうしても地元の協力、理解が大切でございます。地元の方々も県、市、町等を含めまして今御努力いただいておるわけでありますけれども、災害道路だからといって、その方々も農地を被災で失った、残るところの貴重な田地田畑等でございますので、今後の将来の生活設計等を考えますと大変な心情もあろうと思うわけでございます。そういうものにつきまして重ねて考慮いただきまして、円滑に進められていきますように御努力をお願いしておきたいと思います。  次に、道路の問題に関連しまして、長崎市の長崎港をまたぐ仮称女神大橋というのがございまして、これは既に建設省と運輸省両省の協力によりまして県におきましては今年度から具体的な仕事を始める、こういう段階に至っております。この道路は、長崎都市圏に当たりましても重要な環状道路ともなりますし、もちろん港湾の関係もそうでありますが、農林水産業等におきましても今後かなり需要が見込めるのではないかと思っております。  そういう意味で、建設省がせっかくこの事業の推進に当たられるわけでありますので、この仮称女神大橋の取り組みにつきまして、今後の見通しを含めてその姿勢をこの点で明らかにしていただきたいと思っております。
  228. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生の御指摘の女神大橋、これは都市計画道路長崎外環状線と一般国道二〇二号を連絡する長崎南環状線が長崎湾を横断する、こういう意味合いの橋梁でございます。平成三年度に本橋を含む延長二・四キロで事業化をさせていただきました。そして、何よりも重要なことは、これを含めて長崎南環状線全線を完成させなければ意味がない、こういう性格の橋梁でございます。  ただ、この女神大橋は延長九百メートルということでございますから、しかも幅員が二十五メートルという長大橋でございます。そこで、この設計は相当難しゅうございますので、長崎県に橋梁技術検討委員会を設けていただきまして今検討していただいております。平成三年度はその基本的な調査を行いまして、平成四年度に橋梁の基本設計、取りつけ部の一部用地買収も行いました。五年度は引き続き道路部の実施設計と用地買収及び橋梁部の基本設計をさらに促進させて、詳細設計のための準備をいたそうと思っております。  いずれにいたしましても、港湾機能と一致しながら港湾地区全体の地域開発に役立つ、こういうネットワークでございますので、有料道路事業の活用を含めないとなかなか事業の促進もまいらないかと思っております。今後ともそのようなことも含めて整備の促進のための検討をさせていただこうと思っております。
  229. 高木義明

    高木分科員 次に、雲仙・普賢岳関連についてお尋ねいたします。  きょうは国土庁も来ていただいておりますので、まず防災都市づくりということで、今長崎県、島原市、深江町では災害からの復興、島原半島の振興について、まず災害に強い町づくり、また被災者の自立復興、農林水産業、商工業者などの経済的復興、こういう三つの柱を立てながら一生懸命頑張っておるのは御承知のとおりでございます。  前例のない長期かつ危険性の高い災害のために、この問題は国の全面的な支援が何よりも必要であります。ことしに入りまして島原市、深江町におきましても具体的な復興計画が練り上げられております。今後事業実施に当たっては適切な国の指導あるいは財政支援、これが欠かせないのでございます。  そこで、現地復興に当たりまして、国の今日現在の取り組み姿勢について、この際お伺いをしておきたいと思います。
  230. 仲津真治

    仲津説明員 雲仙・普賢岳災害に対しましては、政府は二十一分野にわたります総合的かつ体系的な被災者等救済対策というものを決定いたしまして、県及び地元市町と一体となって強力に推進しているところでございます。噴火活動が長期化してございますので、とりわけこういう時点では地域の再建、復興といったことがその対策の重点になってこようかと思います。  このため、まず安全ということで、安全の第一でございます恒久的な措置、砂防ダム等の恒久的な安全対策、そして人々は今かなりの方がなお仮設住宅にお住まいであるということで、相当程度努力いただいて住宅の供給は進んでおりますが、被災者の方々に対する恒久的な住まいの確保、それから地域の復興の基盤となる幹線道路等の整備、先ほどこれについて御質問等ございましたけれども。それから農地の整備、それから宅地を含めた町づくり、こういったところに重点を置いて、これらの施策を推進しているところでございます。さらに平成五年度の予算におきましては、安全対策のかなめでございます砂防事業につきまして直轄化ということを決めまして、国自身が強力なる施策を推進していく、こういうことで対策の一段の充実を図っているところでございます。  ただ、こういう施策を進めるに当たりましては、事業の早期かつ円滑な推進が何よりも必要である。そのためには地元の皆さんの御理解と御協力が何ほど大切だということで、砂防事業、河川事業、道路事業につきましては既に現地で詳細な説明会が開かれているところでございます。今後とも関係の皆様方の御理解と御協力を得まして、関係機関と一体となりまして地域の復興対策に万全を期してまいりたいと考えております。
  231. 高木義明

    高木分科員 次は建設省にお伺いしますが、最近では雲仙・普賢岳も鎮静化の兆しがある、こういうことを言われておりますが、これまでの噴火によりまして大量の火山灰等が堆積をされておると言われております。今後土石流による大規模な災害があるということもまだ懸念されておりまして、早急な火山砂防事業が必要である、このように考えております。  その事業に当たりましては大規模かつ広範囲なことから多額の費用あるいは集中的な投資、こういったものが必要でありますし、予想されるわけであります。国は直轄事業としてこの事業を推進をするということについては評価をいたしておりますが、この火山砂防事業の現況、そして今後の見通しについてお尋ねをしておきます。
  232. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 先生指摘のとおり、大変な火山からの噴出物が今堆積しておりまして、それが今後集中豪雨のたびごとに土石流となって出てくるということで、恒久的な対策が最も重要な課題であると思っております。  恒久的な対策につきましては、まず土石流を捕捉するための大規模砂防ダム、それから導流堤でございますが、そういったものから成ります砂防計画基本構想というものを昨年の二月二十二日に地元に説明いたしましたところでございます。その後の状況変化も踏まえまして、赤松谷川につきまして計画の一部見直しを行って、平成四年十月十三日に再度地元に説明しております。そういうことで基本的な構想はほぼ固まったのではないか、こういうふうに考えております。  そこで、これをいかに実施していくかということでございますが、先生指摘のとおり大変な事業でございまして、規模も非常に大きい、かつ高度な技術力を要するということで、しかも集中的に工事を実施していく必要があるわけでございまして、そういう観点から平成五年度より国の直轄事業として実施したいと考えておるところでございます。  これからの予定でございますが、警戒区域外の導流堤につきましては、住民の方々の理解と協力を得てできるだけ早期に着手したい、それからまた、警戒区域内の砂防ダム等につきましても、現地への立入調査が可能になり次第できるだけ早く着手したいと考えておりまして、そのような準備をいろいろと進めておるところでございます。  で、事業の実施に当たりましての私どもの心構えといたしまして、できるだけ早期に地域の安全確保を図るとともに、あわせまして地域の復興と振興活性化に役立つような形での事業の進め方というものを考えていきたい、そのように考えております。また、住民の方々の生活再建に関しましては、長崎県や島原市、深江町とも十分連絡を密にしながら適正に対処してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
  233. 高木義明

    高木分科員 時間も参りましたので、この際せっかくの機会でございますから、大臣、私が先ほどからとりわけ地方の道路整備あるいは雲仙・普賢岳関連の砂防事業等のお尋ねをいたしましたが、ひとつ、この際大臣の決意などがありましたらお聞かせをいただきたいと思っております。
  234. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  先生が今まで御指摘をいただきました地方道路の整備につきましては、やはり我が国がさらに多極分散型の国土形成を行っていくためにはこうした道路網の整備というものは非常に重要であり緊急である、このように考えております。限られた財源の中でありますが、適切に効果的にこうした整備が進められるようにこの問題については取り組んでいきたい、このように考えております。  また、雲仙・普賢岳の問題につきましては、私どももこの問題に対しては、非常に長期化いたしまして、地域の住民の方々に対しては本当にお慰めの言葉がないほどこの問題に対して、生活あるいは教育すべてにわたって御不自由な思いをおかけしていることに対しては心からお見舞い申し上げますが、この問題につきましては建設省といたしましても直轄で取り上げていくという基本方針を固めましたので、関係省庁と対応いたしまして一日も早く地元の方々に御不自由な思いをかけないような生活環境のために全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えております。
  235. 高木義明

    高木分科員 どうもありがとうございました。
  236. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて高木義明君の質疑は終了いたしました。  次に、小川国彦君。
  237. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は、建設省所管首都高速道路公団の二重構造的な機構の問題と、それから運営の中におけるむだ遣いの問題、それから最後に料金値上げの見通しについてお伺いしたいと思います。  これまで私は、首都高速道路公団のあり方について既に十回にわたりまして、その機構の問題、むだ遣いの問題、経営の改革の問題を要求してきたわけであります。特にその中で、首都高速道路公団の無料券、わかりやすく言うとただ券、この発行についてその是正を要求してきたところであります。  そこで、業務用としては、昭和六十二年度百十六万六千枚、国会・役所関係では、昭和六十二年度四万六百枚、それから昭和六十二年度、警察関係百三十八万枚、消防署関係六万八千枚等の無料券があったわけでありますが、その後この無料券はどのように改善されましたか。
  238. 渡邊純一郎

    ○渡邊参考人 お答え申し上げます。  従来のいわゆる無料通行券につきましては、社会的に誤解を招くおそれがあるということで、公団といたしましては、建設省の指示を踏まえまして、昭和六十三年十月以降、モニター用通行券を除きましていわゆる無料通行券を廃止しております。また、道路管理等業務用通行券につきましては、使用者、車両番号等が特定できる通行証方式にモニター通行券とともに、同年十二月一日以降変更しております。
  239. 小川国彦

    小川(国)分科員 大変問題のあった業務用、いろいろな整備、補修、清掃、そういう関係であそこの公団の道路に入ってくる自動車に一枚一枚券を出していたというのは大変なむだ遣いで、カードにして標識のあるものにすればそのむだが省けるということで、百十六万六千枚をおやめになったことは私はよかったと思うのです。それから国会・役所関係でも、例えば国会で首都高速道路公団の行政に功績のあった人に配られていたということですが、国民のための公団とあるように、国会議員全員が公団のためには貢献しているわけで、それが一部の国会議員とか役所に配られていた四万六百枚、これがゼロになったことは私はこれも結構だと思うのです。  なお、現在警察が百三十八万枚、消防署が六万八千枚ですね。私の調査によると、これはその後、警察署は平成四年度で百七十八万枚、消防は平成三年度で七万二千枚、こういうふうになっておりますが、数字はそのとおりでございますか。
  240. 渡邊純一郎

    ○渡邊参考人 ただいま御指摘の警察、消防等の緊急自動車、法令に基づく車両につきましては、道路整備特別措置法の十二条一項ただし書きにより料金を徴収しない車両と定められておりまして、従来から御指摘のいわゆる無料通行券は発行していないところでございます。  これらの法令に基づく車両の通行台数でございますが、年間約百万台でございまして、ちなみに最新の平成三年度につきましては、数字を申し上げますと百九万四十三台ということになってございます。
  241. 小川国彦

    小川(国)分科員 これは台数で百九万四十三台ということでございますか。
  242. 渡邊純一郎

    ○渡邊参考人 そのとおりでございます。
  243. 小川国彦

    小川(国)分科員 今おっしゃるように、道路整備特別措置法によるところの、公務によって車が運行される、公正に適正に運営されている、それぞれ警察も消防も、それから日赤も検察庁もいわゆる道路特別措置法によるところの券を使っているわけでありますが、私一つ脇に落ちないのは、これらの発行枚数を、首都高なり建設省はこの数をきちんと把握しているのでしょうか。
  244. 渡邊純一郎

    ○渡邊参考人 先ほど申し上げましたけれども、こういった法令上の緊急自動車等に基づく通行に関しましては御指摘のいわゆる無料通行券というものは発行してございません。
  245. 小川国彦

    小川(国)分科員 私、この問題を深くあれするつもりはないのですが、それはまあ警察にしても消防署にしてもですが、ただ、一つ、緊急用自動車が通るのだ、通るのだから何かマーカーをつけて通るというのならわかるのですが、やはりこういう一般の回数券と同じような券をつくってそれで通っていらっしゃるわけですね。  それで、それを建設省も公団もその発行については承知していないということなんですが、現実には消防庁も警察署もみんなそれぞれでこういう公務の使用券というのをつくっているわけですね。それは言うならば、首都高速道路公団の道路を警察にしても消防にしても、公務と言いながらその券を使っているのですから、その数は皆さんの方で把握していなければならぬわけですね。これは把握していますね。
  246. 松原青美

    ○松原参考人 ただいま渡邊理事の方から御答弁申し上げましたように、それらの通行車両は本来私どもが料金を徴収することができないことと定められた車両でございます。ただ、私ども先生御承知でございますが、業務管理上の必要から料金ブースのところに車両の通過台数をチェックする装置をつけてございます。したがいまして当日通過した台数が何台であるかということは記録に残ります。それといただきました料金等と照合いたしまして、誤差のないようにきちんとチェックする必要がございます。その点で、法令に基づきまして私どもが料金を徴収することができない車両が何台通ったかということを確認する必要があるわけでございます。  そういうことから、警察、消防その他の法令によります通行車両につきましてその通行を証明するものをひとつ出していただきたい、お渡しいただきたい、こういうことで私どもいただいておるわけでございます。ですから、それぞれ信用性の高い機関でございますし、私どもも一々これをチェックする立場にはございませんので、それが本来目的以外で使われているというようなことは想定しがたいわけでございますので、御了解をお願いいたします。
  247. 小川国彦

    小川(国)分科員 私も、警察署とか消防庁とか検察庁ですから、最も公務の中の重要な公務をつかさどっているところですから、それなりに使用目的というものをきちっと定めて使っていらっしゃると思うのですよ。ですが、何となくこの枚数が多いのですよ。私が業務用とか国会・役所関係を取り上げてそれがゼロになっているのに、こういう関係のものがふえている。  それからもう一つは、消防署の方は、使用券何回というのと、それから補助券何枚となっているのですね。これはどういう使い方をなすっていらっしゃるのですか。
  248. 松原青美

    ○松原参考人 恐らく各消防本部あるいは東京の消防庁等で必ずしも同じではないかとも思いますが、一般的な形としましては、それぞれの車両にそういう公務に従事する車であるという証明書を携帯しそれを掲出していただいております。それと、その車が料金所を通過したということを私どもに示していただく、いわば料金徴収の対象外の車であるということを証明するものをいただいておる、こういうことだろうと思います。
  249. 小川国彦

    小川(国)分科員 ここに「消防緊急用務車両通行証」というのがあるのですね。消防庁のマークですか、これがあって、こういう通行証のカードのようなものがあって、ここに消防緊急車両の通行証、こういうチケットがあるのですね。皆さんの方の説明によると、これが何枚あって補助券が何枚、こういう報告をいただいているんですよね。警察庁の方は、ここに「警察緊急用務車両通行券」、警視庁総務部企画課というのが発行したこういう券が一枚だけなんですよ。だから、消防庁のやり方と警視庁のやり方と公務の確認の上ではどう違っているのか。
  250. 松原青美

    ○松原参考人 基本的には、先ほど申し上げましたように、この車がそういう公務に従事している車であるという証明書と、それからそこを通ったということを確認するための証拠証票でございますか、そのようなものとの組み合わせになっている点につきましては、警察の方も消防の方も変わりないと思っておりますが。
  251. 小川国彦

    小川(国)分科員 そうすると、警視庁とか各県警が使っておりますね、警察庁関係、それもこういう通行証をお持ちになっていらっしゃる、こういうことですね。
  252. 松原青美

    ○松原参考人 私どもはそのように伺っております。
  253. 小川国彦

    小川(国)分科員 そういうことであれば、私、その警視庁のものはまだ見たことがないし、前回の質疑のときに資料をいただいた中ではそういうものがなかったので、どっちのシステムが本当に公務を確認しながらそれを使っていただく上で適正なのかというのは、これは建設省なり公団がしっかり把握していっていただきたいと思うのです。公務のために適正に使われるものは結構なんです。しかし、その枚数がやたらとふえていくというのはいかがなものか。  それから、この前申し上げましたように、業者の人に百万枚も無料通行券を出していました。それを皆さんの方でカードにかえたら百万枚使わなくてゼロにすることができたわけでしょう。あの上を通る車は、入り口でカードを見せれば、これは公務だ、あるいはこれは業務で入る車だと判定ができれば、一々こういう小さな券を発行しなくても済むのじゃないかなというふうに思うのですが、これはもう一遍、建設省を含めて公団でよく御検討をいただきたい、こういうふうに思います。  それから、総務庁行政監察局によりまして、昭和五十九年四月から九月にかけまして実施された監察ですね。昭和六十一年七月十九日勧告によって、建設省に対し、首都高に関して幾つかの勧告が出されているわけです。  その一つに料金収受業務というのがありまして、料金収受業務については基本的にすべてを外部委託し、公団は管理部の下に現場管理組織として十九カ所の営業管理所を設置しているわけです。行政監察局の勧告では、その管理事務所の配置を見直し、再編整理するように指導した。それに対し、建設省は、昭和六十二年度から統合縮減すると回答している。しかし、平成二年四月から六月実施、平成三年九月にまた勧告があった。再度の行政監察においても、この料金収受業務体制についてまた再度勧告が出されております。  その勧告内容は、営業管理事務所が実施している業務の中には、「受託者が料金徴収の清算過程で行った作業の繰り返しとなっているものや、今後の料金収受業務の機械化・オンライン化により業務の簡素化が図ることができる」、「したがって、建設省は、料金収受の審査業務等の簡素化を図り、営業管理所の統合など合理化を検討するよう首都公団を指導する必要がある。」と、また前回と同じようなことを再度勧告しているわけです。  これに対して建設省は、料金収受業務の機械化の促進、料金所と営業管理所等との間のオンライン化を踏まえ、営業管理所の統合などの合理化を検討するよう首都高を指導すると、また前回と同じような回答を繰り返しているわけですね。  それで、この料金収受業務について外部委託をする一方、三管理部のもとに十九の営業管理所を設け、二重、三重の管理体制をしいていることに関して、二回も同じような内容の行政監察局の勧告を受けているが、首都高は具体的にどのような改善をしたのですか。この二回の回答に見る限り、改善の跡は全く見られない。今後、いつ、どこをどう改善するのかという問題がございます。  それからもう一つ、首都高は、自動車駐車場事業として都内に五カ所の駐車場を設置し、民間三社に駐車場管理業務を委託しております。この駐車場の経営管理体制についても、行政監察局から二回の監察においても合理化の必要性を勧告されております。すなわち、昭和六十一年の勧告では、首都高の「駐車場管理体制の縮減等経営の合理化を行うよう指導する必要がある。」と指摘され、それに対し、建設省は、オフィスオートメーションの導入等により事務の効率化を図り、駐車場管理体制の縮減を実施すると回答した。  しかし、改善された形跡がないと思われ、平成二年の勧告でもまた再度同じようなことが指摘された。すなわち、「駐車場管理部の職員配置についてみると、庶務、人事等の総務関係業務を実施する要員に過重な配置となっており、なお合理化の余地がみられる。したがって、建設省は、」「要員の縮減等駐車場経営の合理化を更に推進するよう首都公団を指導する必要がある。」と、前回とほぼ同様の指摘を行っているわけです。これに対して、建設省は、またもや同じように、人員の縮減と合理化について検討するよう首都高を指導すると回答しているわけであります。  首都高は二回の勧告を受けて具体的にどのような改善を行ったのか。また、これからいっ、どのような改善を行おうとしているのか。  時間がないからもう少し説明をさせていただきますと、行政監察局の指摘は、私からいえば身内的勧告というようなかなり甘い部分もあるというふうに思われるのですが、それでも二度の監察で二度勧告を行っている。その勧告に対していつも同じような手先だけの変更で、根本的な改善は何一つされてないのです。  例えば料金収受業務について言えば、料金収受業務を管理する管理部が地域別に三つに分割されており、その三管理部によって直接料金収受業務委託会社を管理監督することは十分に可能である。したがって、十九の管理事務所そのものすべてがなくても十分に機能すると思われる点がある。そういう点は一体どのように考えているのか。私は、管理に三重構造は必要ないと思うが、この簡素化の方向は一体どう実行するつもりか。  それから、駐車場の経営管理について言えば、駐車場管理部要員の過重配置は、行政監察局より何度も指摘されたように非常に過剰になっておりますが、現在駐車場管理の委託費として支払う営業業務経費の中の人件費を積算する場合、その要員数として、各駐車場一カ所につき現場代理人一人、副代理人一人、事務デスク三人、徴収員として、開放ブースの延べ時間掛ける一ブース当たり二人、さらに電話交換手一人、場内放送員一人の配置を基本としております。例えばそのうち事務職の一人を首都高の出向社員として管理すれば、駐車場管理部そのものさえ必要なくなるのではないだろうか、こういうふうにも考えられるのでありますが、この点をどうお考えになっておりますか。  非常に詳細に述べましたけれども、要は私の言っていることは、首都高の持っている料金徴収所というのが民間会社に委託してあって、その上にまた首都公団の出先の営業所がある、これは二重構造じゃないのか。料金徴収所の会社は、集金をしてきちっとそれを計算をして、極めて合理的、適切に管理してそれを出している。そこへまたその料金徴収所を管理する営業所がたくさんあって、同じように計算してきたお金をまた計算して管理してやっている、これを行監は二重構造だ、こう言ったわけですね。  それから、駐車場も私は全部見て回りましたけれども、民間の会社に委託してあるわけですから、そこにまた駐車場管理部をつくって、支店長か支店長代理か、そういうものを役所がみんなつくって監督する必要は全くないのじゃないか。これも二重構造になっている。これは私も国会で指摘したところなんですが、その同じことを行政監察局が二回にわたって勧告しているのです。それに対して建設省も公団も毎回、努力する、努力すると言っているのですが、全く改善の気配はない。  この二点について、経過は、私、もう十分にわかっていますから、皆さんは行政監察局の勧告を受けてこれの改革をどういうふうにおやりになるか、簡潔にひとつ。一つは料金徴収所の問題、一つは駐車場の管理の問題、行監の指摘したこの二点についてお答えをいただきたいと思うのです。
  254. 渡邊純一郎

    ○渡邊参考人 御指摘の六十一年七月及び平成三年九月の勧告につきまして、当公団として措置した内容について御説明申し上げます。  まず、営業管理所の再編整理合理化、これは六十一年勧告、平成三年勧告にあるわけでございますが、私どもの五営業管理所を統合いたしました。さらに、人員につきましては五名減ということにさせていただきました。  次に、駐車場の経営管理体制の合理化でございますが、これは六十一年勧告、それから平成三年勧告にあるわけでございますが、まず一つは駐車場管理部の人員の減、四名削減してございます。それから、委託先要員についても御指摘ございますが、都合二十四名の減ということでございます。  なお、そのほか、勧告の中で指摘されております「料金収受業務の機械化の推進」ということでございますが、昨年の十一月から東京東地区と神奈川地区全線の料金所におきましてプリペイドカードが使用可能となってございます。今後とも勧告の趣旨に沿いまして業務の整理再編合理化を進めていきたい、かように考えております。
  255. 小川国彦

    小川(国)分科員 行政監察局の方、今の御答弁で行政監察局としては満足すべき回答である、こういうふうに御理解されますか。
  256. 浅井八郎

    ○浅井説明員 今首都高の方からお答えになったことにつきましては、おおむね勧告事項の趣旨に沿ったものと考えております。
  257. 小川国彦

    小川(国)分科員 やはり身内の御回答はその辺ではなかろうかと思っておりましたけれども。  私ども徹底的に調査した中では、今首都高が行った改革というのは、十八ある営業所の二つぐらいを統合するというぐらいで、私どもから言わせれば、今の合理的な、いろいろな組織の経営なり運営から考えたら、五カ所の駐車場を見て歩いたけれども、駐車場管理会社に委託してあれば、そこから報告を受け、料金を受ければもう十分済むのに、駐車場管理部というのがあって、さっき申し上げた膨大な機構、組織を持っているわけですよ。これだけの組織があったら、委託会社を全部やめさせて公団自身がおやりになるか、あるいは委託会社に出しているなら、その上に管理部なんて組織が要るかどうか。  きょうは時間がないから申し上げませんが、その駐車場の、皆さんの収入と管理費が幾らかかっているかという実態も言うと、こんな駐車場会社をやっているのは日本にないんじゃないかと私は思うのですね。その点は行政監察局、もう少し勉強してしっかり監察の中身というものを確認していただきたいと私は思います。これは要望しておきます。  それから次に、平成四年十月に駐車料金を値上げしたのでありますが、いや、この点はまた次に触れましょう。  その次に首都高の回数券販売についてでございますが、指定された業者だけが取り扱っている。本来、公団が直接その販売業者に対して回数券販売を行えばよいところを、販売店に委託する前に首都高速道路協会にすべての回数券販売を委託している。そこから販売業者に再委託されるという形式をとっている。何のことはない、全く意味のないお金が販売手数料として首都高速道路協会におろされ、その金額は平成二年で二十七億五千八百七十九万三千円、平成三年で二十八億五千百四十九万五千円であります。  また、首都高池袋線高架下の南池袋地先にある二十九店舗から成るサンロード商店街の貸し付けに関して、この商店街の店舗は、本来、貸借人と公団との間で直接に賃貸借契約をすべきであるにもかかわらず、同店舗の賃貸借契約をわざわざ道路協会と結ばせている。すなわち、同所の同店舗を安い占有料で一たん協会に貸し付け、協会がユーザーに又貸しするという形態をとって、協会に多大な利益が入る仕組みになっている。また、このようなことが他の場所でも行われている。一九八八年九月二日及び十月二十五日の決算委員会で追及したわけですが、その後、このような矛盾の解消の努力は行われたのか、こういうことです。  端的に言えば、首都高速道路公団があって、そして回数券を販売している一般の業者がある。一般の業者の人たちは、回数券を売れば手数料をいただけるわけですから、首都高速道路公団に券をもらいに来れば、ここに、その間に首都高の協会というものをつくって、二十七億も二十八億も手数料を払う必要はないんですね。首都高速道路公団に立派な機構、組織があり、本社もあり、出先もあって、そこへ首都圏の業者の皆さんがみんな買いに来られれば、その間のトンネルのような道路協会にお金を払う必要はないんじゃないか。それから、池袋の方の店舗についても、首都高速道路協会を通して貸す必要は毛頭ないんじゃないか。  これは、言うなれば建設省や首都高の皆さんが、役員の皆さんが天下りして首都高速道路協会をつくっているから、そこの人件費や運営費を出すためにわざわざ回数券をそこを通して一般の業者に販売している。こういうことは即刻やめるべきだと私は思うんですね。これは、まさに建設省と公団がこういうような協会を温存することによってむだ遣いしている、そして値上げをする。これは国民や利用者から見ればやはり納得できないことになりますね。この道路協会に払っている手数料はいつまでお続けになる考えですか。
  258. 松原青美

    ○松原参考人 私どもは、公団の職員が直接やる必要がない現業的な仕事につきましてはなるべく委託に出しまして、経費を節減、人員の合理化を図っているところでございます。私どもの建設事業の拡大あるいは営業路線の延長にもかかわりませず、人員はほとんどふえない、十年ぐらい前と同じような状態で対応しているわけでございます。そういう点から、いろいろ業務の合理化を進めていかなきゃいかぬということは先生指摘のとおりだろうと思います。  お尋ねの回数券の販売の件でございますが、私どもが直接回数券を販売いたしますと、これまたかなりの人員といろいろな費用がかかります。私どもは、回数券の利用につきましては、回数券の発行というのは頻繁に利用される方に対する一つの割引制度でもございますし、また、道路管理上の問題としましては、回数券による通行がふえることによって料金所での渋滞を防ぐことができるわけでございます。ちなみに、回数券で通行いたしますと、料金所の通過時間は四秒から五秒ぐらいでございますが、現金になりますと、これが十一秒から十三秒ぐらいになります。回数券の利用率がかなり高いことが私どもの料金所の渋滞を防ぐために非常に有効でございますので、この積極的な販売活動というものを展開していきたいと思っておるわけでございます。  そういう意味で、そういうことを行いますものを、今先生お名前出ました首都高速道路協会に委託しているわけでございまして、ちなみに、その首都高速道路協会に対して私どもが支払っております回数券の販売手数料はまず三・九%でございますが、販売店に対しましては約三・一%の手数料を払っております。そういう中で、その販売経費を見ますと、おおむねバランスがとれておりまして、決してそれが高いわけではございませんし、三・九%という取り扱い手数料というのは、いろいろな各種の類似の手数料の中では一番安いのではないかと思っているわけでございます。  また、南池袋の高架下の、私ども関係者で土地を譲っていただいた方々の入っておられる店舗等がございます。これは私どもが直接やることがあるいは建前なのかもわかりません。ただ、私どもも非常に仕事がふえておりますので、そういう高架下の店舗なり住宅というものをつくるのは非常に手間が大変でございます。人員の関係からできませんので、その協会に要望しましてつくってもらったわけでございます。したがいまして、その建物につきましては協会が資金を調達してっくったわけでございまして、私どもの方がいただいておりますのはその道路の占有料でございます。その店舗等の建設費を償却するのに必要な家賃を協会がいただいておる、こういうことでございます。なお、創立当初のころは私どもの方もまだ余裕がございましたので、高速二号線の古川橋の近郊には私どもが直接店舗等をつくりまして関係者に入っていただいている、これはございますが、私どもの施行能力の問題でございます。
  259. 小川国彦

    小川(国)分科員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、大臣なり建設省の担当者にお尋ねしますけれども、今の理事長の御答弁は全く理不尽な御答弁で、例えば、この料金を取り扱う人を、仮に五百万円払う人を五人雇っても二千五百万。それを二十七億も二十八億も払わなくても、あるいは、私は今の現有の職員でこれは解決できる問題だと思いますよ。この問題を、ここのこの場だから通るけれども、国民の場に、こういうやり方をしている、どうですかと皆さんに聞いたら、十人が十人やっぱり首都高はおかしいことをやっているなと思うと思うのですね。その点、いかがでしょうか、大臣建設省の責任者の方は、こういう首都高の運営状況をこれでいいとお思いになるのかどうか。
  260. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 もう先生御案内のとおり、首都高速道路というのは、現在使われております延長二百二十キロに達しております。毎日百十三万台もの車両が通行しておるわけでございます。首都圏の産業経済、日常生活の基盤として大変重要な役割を果たしているところでございます。  こういった首都高速道路を効率的に管理運営するということになりますれば、道路管理が大変重要な職務であるという認識のもとに、公団の職員全力を挙げてその職務を遂行する必要があることは申すまでもないわけでございます。その際、業務運営の合理化に努めるという配慮をしろということは仰せられるとおりでございます。私ども、今後とも、首都高速道路の業務運営につきまして、一層の適正化、効率化を図るよう公団を指導してまいりたいと考えております。
  261. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま都市局長が答弁したことに尽きますが、先生から御指摘をいただいたことも一つの意見として今後検討させていただきたいと思います。
  262. 小川国彦

    小川(国)分科員 終わります。
  263. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。  次に、三野優美君。
  264. 三野優美

    三野分科員 どうも遅くまで皆さん御苦労さまです。私がトリですから、できるだけ早くやめるようにしたいと思います。  まず最初に、きょうは大蔵省と総務庁に御出席いただいているんじゃないかと思うのですが、来ていただいておりますか。まず、建設省の職員の要員確保について、大蔵省と総務庁にお尋ねをしたいと思うのであります。  これはもう既に御承知のとおり、私もう今は建設委員会、大臣がかわったら追い出されましたけれども、かつて建設委員会におりまして、平成四年六月三日に、当時の建設委員会の古賀委員長、そして自民党の北村理事、社会党の私と公明党の吉井理事、委員長以下共産党を除く各党の理事がそろって、今日まで私どもが建設委員会で建設行政について勉強させていただいた過程の中で、今のままでは必ずしも建設行政が、予算を随分確保していただいておりますけれども、スムーズにいっていないということから、当時の建設大臣及び大蔵省、総務庁に御配慮をしてもらうようにお願いを申し入れいたしました。この申し入れについて、大蔵省、総務庁はどういうように理解をされて、どう対応されたのか、まずお尋ねしたいと思います。
  265. 市川祐三

    ○市川説明員 行政管理局の管理官、市川でございます。  昨年六月、建設委員会の申し合わせに基づきまして、当方の行政管理局長のところに先生方おいでになりまして、建設省の公共事業にかかわる要員の確保についてのお申し入れがあったということは、我々も十分理解しているところでございます。  建設省平成五年の増員の要求につきましては、先生御案内のように、今後十年、公共投資の大幅な増ということも念頭に置きまして、御要求の内容につきまして十分御相談し、またその内容につきましても十分精査させていただきまして、公共事業の執行を担うという観点からいいますと、まさにその中核となるべき地方建設局の第一線の工事事務所を重点といたしまして、所要の増員措置を行ったところでございます。  ちなみに数字で申し上げますと、平成四年度におきましては、増員につきましては八十七名の増員でございますが、平成五年におきましては、他省庁からの配置転換による定員化ということも含めまして、全体で百十六名の増員を認めるということを決定した次第でございます。
  266. 津田廣喜

    ○津田説明員 今総務庁の方から御答弁があったことに本質的につけ加えることはございませんが、若干補足させていただきますと、全体としての国家公務員の定員管理というものが行政改革の推進という大きな枠組みの中で行われるということでもございまして、余り余裕のあるような定員にはどうしてもなりにくい面があるわけでございますが、今総務庁から御答弁がありましたように、平成五年度は百十六名の新規増員ということになっておりまして、十年ほど前に十名強の新規増員であったのに比べますと十倍ぐらいの数字になっておりまして、総務庁あるいは大蔵省としても、それなりの配慮をしているということでございます。
  267. 三野優美

    三野分科員 それなりの御配慮はいただいたということを私聞いておりますけれども、もっと実態を本当は、建設省からも報告聞いていると思いますが、やはり見てもらいたいと思うのです。私も全国的なことを知っているわけじゃありませんけれども、例えば私の四国地方建設局などを見てみますと、実はこれはちょっと統計古いのですけれども、九〇年などを見ると、職員数が四国地建で千二百四十一人のところに、いわば業務委託なりアルバイト的なものが五百七十九、四七%ぐらい業務委託という人がおるわけです。  これは、実はどんな仕事をしているかというと、書類の整理、それから積算、見積もりですね、計数の積算もやっているわけです。あるいは計画もやっているわけです。まさに職員がやるべきことを部外の人がやっているわけですね。現場へ行ってみますと、職員とこの業務委託、部外の人がデスクを並べて、実際には設計書をにらんでみたり積算をやっているわけです。  公務員には秘密を守る義務があると私は思う、守秘義務があると思うんですが、守秘義務などという問題ではないんですね。私は率直に言いまして、それが地域にも影響しているわけです。  例えば、これは全部とは言いませんよ、私は去年からことしにかけて現場を歩いてみて、国道もそうだし県道もそうだけれども、のり起こしがいっぱいあるのです。大蔵省はのり起こしと言っていたけれども、道路にこう、のりがあるでしょう、のり起こししてしまうというんです。これは用地買収は要らないんです。交通安全で、それは歩道をつくればいいには決まっているわな。金を消化するためにそういうところに金を突っ込むわけ。もちろんそれも大事なんだけれども、もっと緊急、必要なことがあってみても、実際には要員不足でできないみたいなことがいっぱいあるわけですね。ですから私は、そういう点から見ると、ことしも公共事業で随分組んでいるけれども、それが、むだとは言いませんけれども、十分に機能するだけの職員の配置ができてない。  これは建設省は、いやそんなことはないと言いたいんだろうけれども、実際にはそうなんです。あるいは、けさからもいろいろと出ている。そうしたら、道路局長の方は、いや用地買収が難航している、それは本当だ、難しいと思いますよ。それがおくれるために計画がどんどんおくれていくという形も含めまして、ここまで来ると、私はちょっとひど過ぎるのではないか。いわば出先機関だけ見ると、全体として三十何%を部外者がやっているわけ、職員でない者が。実はこれはただじゃないのです。それで、厳密に言いますと、必ずしも安上がりにはなってない。定数を締め上げるものですから、事業費はどんどんふえちゃう。これはやはり必要に応じてふえざるを得ませんわな。  公共事業の拡大、前倒しをやれやれ、こう言うわけね。それで、恐らくもう既に、この予算が通るのを受けてすぐにかかれるように準備していると思うのです。毎晩毎晩、十二時過ぎてもどの事務所も現場の方は灯がついていますわ。日曜日も土曜日も出てくる。こういう状況の中で、実は部外者を雇ってやっているわけです。これは決して安く上がらないんです。安く上がってないのです、調べてみると。  ですから、そういう点から見ると、私はやはりもう限度を超しているのではないのか。したがって、もう少し現場を、実は行政監察庁にもあるいは総務庁にも洗い直してもらいたい、大蔵省ももう一遍現場を見てもらいたい、こう思うのです。今、平成四年、五年の増員の実態を報告いただいたんですが、建設省はこの時点でどういう要求をしましたか。
  268. 望月薫雄

    ○望月(薫)政府委員 三野先生から建設省の現場を十二分に踏まえた御質問を賜ったわけでございますが、その間において、先ほどもお話ありましたように、昨年は、建設委員会の理事会申し合わせなどなど、その他また含めて、あらゆる場で広く建設省の職員問題について大変な御心配をいただいている現状でございます。私ども、言うまでもありませんけれども、公共事業の執行、社会資本整備ということについて、建設省二万五千職員が一丸となって取り組んでいるさなかでございますが、とりわけ、昨今の景気対策に的確に対応するニーズというものも含めまして、正直言いまして、八地方建設局の現場は大変忙しい状況にあります。  そういった中でございますけれども、一方では八次定削問題が当然かかっておるわけでございまして、建設省も五カ年間で、第八次期間中に千四百名余りを削減するということが決まっておりますが、これは当然、政府の言貝として守るべきものでございます。が、一方で、必要な要員についてはぜひ確保をお願いしたいということで、要求させていただいております。  具体的には、公共事業の現場は、本当に御指摘のように、調査、測量、あるいは環境影響調査、用地買収、施工管理、設計はもとより、さらにまた、でき上がったものについては的確なサービスの確保、供給、こういったものまで考えますと、私どもの職場の実態は先生の御指摘のとおりでございます。そういったことを踏まえまして、私ども平成五年度に向けましては、いわゆる要求シーリングいっぱいの九十六名をお願い申し上げましたが、その結果、先ほどお話ございましたように、他省庁からの受け入れも含めまして百十六名いただいたということでございます。  これが適当な数字かどうかということについては、私どもの今後の取り組みが当然問題になりますけれども、いずれにしましても、七次の定削期間中は五十数名の増であったのが平成四年度で八十七名をお認めいただき、平成五年度は今申しました百十六名ということで、着実に大蔵省なり総務庁の御理解もいただいておる、こういうふうに私ども、受けとめさせていただいております。が、いずれにしましても、今後本当に重要な仕事をしっかりとやっていくために、私どもの職場の要員の確保については引き続き関係方面の御理解を賜るべく最大限の努力をしていきたい。  あわせて、一方では、今先生お話ございましたように、単純業務等については、やはり合理化、委託等のこともできる範囲ではさらに引き続いて努力させていただきますが、所によってはもう限界を超えるという現象も出ておりますので、その辺も十分踏まえながらさらなる努力を引き続きさせていただきたい、このように思っております。
  269. 三野優美

    三野分科員 今言ったように、もちろん、私は合理化できるところはしなければならぬと思いますよ。しかし、その合理化が安く上がっていないということなんです。これが一つ。  それともう一つは、今官房長、単純業務なんて言った。単純業務とは何を指すのだというと、多分運転手なんかをいうんですね、なるほど単純業務に入っておる。私は、一番危ないというのです、一番危ない。例えば、夜、用地買収に行くでしょう。車に乗って、夜でなかったら用地買収に行きませんからね。用地買収に行くのに、車の中で、さあ、今晩行って、あそこは、奥さん難しいぞ、どういうようにして説得するか、幾らからいくかなんて言って、車の中で打ち合わせして行くわけ。  車というのは、割と秘密が守れると思って、だれでも、それは議員でもどんどんしゃべるんですよ、実際には。一番危ないわけ。それが部外者の運転手だと必ずしも守秘義務が保証されるとは私は思ってないわけ。そういう点からいうと、単純業務と簡単に言うけれども、それは非常に危険なことなんだということを申し上げておきたいと思うのです。  で、もう実際には、例えば道路をつくるでしょう。家がのく、工場がのくでしょう。現場の調査は全部民間なんですね。これはもう、県でもどこでも民間なんです。それをチェックするのは建設省の職員がしなければならぬ。ところが、責任ある現場の課長は、もうチェックをできる能力もないという実態なんです。現場に行ってみると、噴き上がってくる。私も現場へ行ったことがあります、文句言ってきたものですからね。それで、課長を呼んできたら、いやあ、実は三野さん、私は見ておらぬのだ、もうそんな暇などないと言うんですね。ですから、現場の方は、公共事業を早期発注で予算を確保というけれども、本音からいうと、ぼっぱつしてくれや、そろそろ、ちょっと身に余るがなという現状もあるわけですね。  ですから、そういう点からいうと、これほど国が、景気対策と公共事業とを一括するのは私はおかしいと思うのだけれども、公共事業に力を入れて、早期発注や早期発注やとやるならば、私はやはりそれなりの人の確保をしないと、あなたのところ、この間も新聞に載っておったけれども、どこかの現場の課長か何かにしても、病気になったり死んだなんて次々と出ている。割と建設省、悪いけれども、病人多いわな。ですから、そういう点も含めて、私はやはり現場主義でもう少し考えないと、今のままでは、せっかく予算を組んで投じた金が十分機能を果たしませんよ。  この間、実はこんな話があった。ある業者が、建設省にぜひ仕事をさせてくれとずっとやってきたけれども、大体、年間二千万ぐらいの仕事しかくれぬわけ。五百万とか六百万とか二千万のちょっとした修理ですね。八千万くれた、八千万。びっくりしちゃった。何かと思ったら、要するにのり起こしなんだ。これならば用地買収要らぬけんね、端だけしておればできるからね。  だから、今言ったように、私はのり起こしがいかぬと言っているのではない。必要なんだけれども、もっと緊急に必要なことがあるんだけれども、手軽なものだからそういう処理をするという実態があることもぜひお考えいただきまして、私どもが申し入れたことは、単に一年だけではなしに、私は建設省がやはりちょっと性根を入れてやってもらわなければいかぬと思うし、総務庁、大蔵省も今日の実態というものをぜひ御理解いただいて配慮してもらいたいということをまずお願いをしておきたいと思います。忙しいところをどうもありがとうございました。  次に、少し道路問題についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、大臣、私はいつも言うように、学がないので余り難しいことはわからぬのだけれども、このごろ時々耳に入るのに、高速道路、高速道路、高速道路をやっているでしょう。高速道路をやっているのに、どうも何か、道路審議会とか何かがあって、そこが、東名や名神は早くからもう無料になっておらなければいかぬのにいつまでも金を取ってけしからぬ、地方の道路の分を担がされているんではないか、おかしいなんという話が出たり、ほかからも出ているという話なんですが、そういう話はあるんですか。
  270. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 現在、高速道路はプール制のもとに有料道路制度を活用させていただいております。そのプール制について、先発で整備をされた第一東名の方々が、我々のところは、当初のときからもう相当、三十年近くたっているんだから、そろそろただにしてもいいじゃないかというような視点からの御意見があったことは事実でございます。  それに対しましては、私ども、いろいろなところで御説明をし、道路審議会でも御審議いただきまして、たまたま先発路線で早くできたからといって我が国は、じゃ、おくれた人はいいのか、みんなが同じように、国民がひとしく負担し合いながら、そして地域活性化も含めてやる、そういう足らざるところをみんなでもたれ合いながらという整備のことを申し上げまして御理解をいただいているのが現状でございます。
  271. 三野優美

    三野分科員 そのことについてはもう決着がついたわけですね。もしついていないとするならば、羽田空港でおりて、モノレールをおりたら、あそこに流通センターというのがありますね。あそこに九州や四国から車が物積んで来てないかどうか見てもらってくださいよ。日本列島は、隅々からさまざまな荷物を持って首都東京に向かって、あるいは西日本であれば大阪に向かって来ているわけ。皆さんの食糧から衣料からみんな補給しているわけ。また、東京から生産されたものを地方に送っているわけです。もしそういう議論があるとするならば、もう東京の人は東京の上に降った雨で水を我慢してもらって、地方からの水は飲まぬようにしてもらわな困る。私はやはり、そういう日本列島全体が行き来をしながらお互いに生きているという物の考え方をとらないと、そういうことがあるから地方の高速道路については、その問題、決着したらいくのいかぬのという話は時々聞くけれども、それはやはりまかりならぬのであって、その点はそういうふうに一つ一つ大臣考えてもらわぬと、そういう議論するんだったら、水ももう東京の人は東京の上に降った分だけ、大阪の人は大阪のおてんとうさんから降ってきた分だけ、地方の分は野菜も果物ももう食いもせぬわね、そういうことになっちゃうので、こういう暴論がもし道路行政の中にあるとしたら重大な過ちだと私は思うのですが、大臣、どうですか。
  272. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま先生から御指摘をいただきましたこの高速道路の整備の問題の中において、一部の方の中からはこういった指摘があったということは、私もいろいろの角度から聞いておりまして、実はこの問題はこれから非常に大きな問題になっていくのではないかということを正直に言って心配をしていることも否定できないわけであります。私は、高速道路というのはこれからますます必要性が高まってきますし、特に地方において整備をしなければならないという、このことに対して対応していくためには、料金プール制というものは堅持しなければなりませんし、また料金の値上げというのも国民の皆さん方の御理解をいただきながら進めていきませんと、やはり財政的な大きな負担、そして高速道路そのものが維持できないという状況になっていくということも非常に心配しております。  先生の御指摘をいただいたことは私も全く同感でございますので、ぜひこういったことについてもっと国民的に完全なコンセンサスができるように建設省としても大いに努力していきたいと思いますので、先生の御指導と御協力をいただきたい、このように思います。
  273. 三野優美

    三野分科員 よろしくお願いします。何だったら私、道路審議会の委員に入れてくれたら、そういうふうに話しますから、ひとつお願いします。  少し地元のことで、きょうはローカルなことをひとつぜひお願いしたいと思うのです。  これは建設省、どこが窓口になるか、明石海峡大橋が今できていますね。これは平成九年というのですけれども平成九年度中に完成するんでしょうな。
  274. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 平成九年度に完成する予定でやっております。その証拠に、この四月には、今もう現実に神戸側と淡路側にタワーが立っておりますが、これが全部完成いたします。ことしの秋にはいよいよパイロットロープですが、ロープが渡ります。今のところ順調でございますから、よほどのことがない限り九年度ということは守れると私は思います。
  275. 三野優美

    三野分科員 さて、それが九年度中に完成することは非常にありがたいのありますけれども、問題は、これは四国にかかわるのでありまして、京阪神の大きな経済力と人口、実は九州の人も来ておる、四国の人もほとんどあそこへ行っているわけです。これが四国へ渡ってくるわけですね。問題はその四国の受け皿ですよ。受け皿の状況について、率直に言って、きょうは余りお世辞ではなしに本音で話したいと思うのですが、とりわけ高知へ向けての吉野川を上るあの徳島県側の道路、徳島と香川県を結ぶ香川県側の高規格を含めた高速道路、これについての状況を教えてくれますか。
  276. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 本四の完成が、明石ルートが平成九年、そしてEルートと言われている尾道−今治ルートが十年でございますが、これに合わせまして、四国の内陸部のネットワークも完成すべく、または整備すべく準備をいたしております。その中で先生指摘の、先生の御地元であられます香川県が一番おくれております。まことに申しわけないことだと思っておりますが、これにはいろいろと事情があります。私ども今それを何とか挽回しようと思ってやっております。  若干申し上げますと、御承知のように、坂出から高松インターまでは高速道路ができ上がっております。問題は高松インターから高松市内に向けて、そして津田に向けての部分でございます。このうち、高松市の上天神町から三木インターの間八キロは用地買収もほとんど終わっております。したがってこれはどんどん仕事ができる状況でございます。この前後、高松インターから高松上天神町の間の四キロ、これは今三十二メートルの道路を四十メーターに広げなければいけません。八メートルですけれども、意外にこういうのが難しゅうございます。それから三木インターから津田町にかけて、これは四十メートルと二十二メートルにそれぞれ引き上げなければいけません。この二つの区間は国幹道として実は整備をする、こういうことになっております。現在、整備計画が出て、これの施行命令のための準備を今道路公団でしていただいております。  では、何をやっているかということでございますが、測量といいましても、今までは都市計画とかその他でございますから、二千五百分の一でございました。これを、特に千分の一の細かい平面図を作成中でございます。さらに、国道十一号と並行区間がありますから、こういうところは施行計画もあわせてやらなければいけませんから、そういうことを含めた設計調査をやっております。それから用地も、用地価格、土地価格の鑑定を含めたそういう準備をいたしております。  その中で問題になりますのは、この高松市の土地区画整理事業との関係、これが若干問題が引きずるかとは思っておりますけれども、これはそれとして、市とも合わせてやっております。一般道路との交差部の橋梁スパン割りも地域との関係がありますから、その分断だとか横断道路との不便さだとか、こういう細かい詳細設計も全部やっております。そういうことで、私ども前に御報告申し上げましたが、事業が、施行命令が出たらすぐにでも仕事にかかれるように準備を今のうちにやっておけ、こういう調査をやっております。そこで私ども、そういう準備ができましたら、施行命令が出せましたら、すぐにでもこの第十一次五カ年計画の中で用地買収その他、事業費の確保は最優先だと思っております、本四との合わせた事業でございますから。そういう意味の準備をおさおさ怠らないようにやらせていただいております。  残念ながら、津田から鳴門の間、ここが一番問題でございます。ここはいろいろないきさつがございまして、鳴門からの関係のルートの決定が非常におくれました。したがってここが最大の問題ではございますけれども、ここも今のようなことで、今事業アセスというアセスメントの準備をやっております。これが終わりましたら、今のような手続をさらに追加いたしまして内容を詰めていこうと思っておりまして、先生に言われるまでもなく、先生に褒められたいと思って今一生懸命やっておりますので、もうちょっとお待ちいただきたいと思います。
  277. 三野優美

    三野分科員 Eルートも大事なんですが、これは御承知のように実際には観光ルートなんですね。産業的な機能というのは非常に弱いところなんです、尾道−今治というのは。いずれにしても、明石海峡が三本の柱の中で何といっても一番でしょう。私は、逆に言えば、明石ができれば瀬戸大橋は閑古鳥が鳴くのじゃないかと心配するくらいな位置づけなんですね。これは単に徳島、高知だけでなしに、四国全体にとっての一番重要な橋になるだろうと思っているわけです。  さてそこで、これが平成九年にできるということになった。そこで率直に言いまして、高松のいわば中間から前田の間、これは二階建てでいきますね。これは、当時私は、年度内に施行命令が出るのではないかと思ったのだけれども、私の感触からいえばおくれてしまった。そのおくれた原因の中に、今局長が言ったように、いわゆる市の都市計画の問題、区画整理事業の問題その他があるというのですけれども、私も少しこれにかかわっているのですけれども、とにもかくにも急ぐわけだから、まず道路をやらしてくれと、その後、市の都市計画については市独自でじっくりと考えてもらえばいいのではないのかと、それが足を引っ張るようなことでは、かえって高松市の発展のためにも、香川県全体のためにもならぬ、こう言っているわけなんです。  ですから、私は率直にいいまして、そのおくれた障害というのは一体何なのかということを、平場で言うわけにいくのかいかぬのか知らぬけれども、少し、やはりこれはどうやって、何かやる場合に、建設省に一生懸命努力してもらわなければいかぬけれども、地元が対応しなければこれはできない。失礼だけれども建設省の、高知や徳島の人やあるいは本土の人が来て、月給高い安いは別として、えっこらえっこらと知らぬところに行って、田んぼを分けてくれと言ってもなかなかいかぬわけ。ですから、あなたのところは委託しまして、県なりそこらにお願いしているわけでしょう。やはり重要なところは県なり市が乗り出さなければいかぬと、それを私は言っているわけだ。  御承知のように、電車も交差しなければならぬわけでしょう。この問題だって、ほとんど私は片がついていないと思う。ですから、その点は建設省も市なり県にちゃんと言って、私もともに汗かきますけれども、障害はここなんだ、このために協力してくれということは、やはり言わなきゃならぬと思うのですがね。率直に言いまして、施行命令が出ればというのだが、実は施行命令を出せる状況にはまだ到達してない、高松が。この点をひとつはっきり言ってもらいたい。これは言わないと、何か知事や地元の市長が建設省へ陳情だけ来て、施行命令早く出せと言ったって、出る体制ができていなければ、何ぼ言ったって出せないわけです。そのために、やはり地元も協力するという体制がなければいかぬわけですから、まだ出る体制が十分整ってないのだというのか、そこらのところをはっきりしてもらいたい、これが一つ。  それと、もう一つ。津田−鳴門間、率直に言いまして、かなりおくれますね、そういう意味で、これもおくらせてはいけぬ、早うやれ、早うやれ、こう言うだけではどうにもならぬので、私は、この点については、もう率直に言いまして、あなた、どのくらいおくれると思っているの、技術屋さんだから、あなたはわかっている、どのくらいおくれるのか。
  278. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 まず最初の施行命令の点でございますが、正直言いまして、十分まだ整っておりません。したがって、市、県とこれから一生懸命汗をかかせていただこうと思って、焦点を明確にして汗をかかせようということを考えております。それが一点。  それから、津田、鳴門でございますが、正直言いまして、今、図面の詳細が、あの辺が非常に変わっております。特に、土を物すごく必要とするのです。これは百万立米ほど必要とするようなルートでございますから、そうなると、環境問題だとか事業アセスが非常に重要になるということは、いろいろとあの辺のものを崩さなければいけない、そういうことも含めると、道路だけの問題じゃなくて、どの土をどこからとってくるか、とれなければその計画がなかなか固められない。どこから持ってくるか、本州から持ってくるわけにいきませんから、そういうことも含めたもので、トンネルも橋も、トンネルが七本、橋が五十橋あります。こういうことでございますので、これ歩全部含めて今環境アセスの準備は何とかしようと思っています。したがって、それができれば、糸とは正直言いまして市街地ではございません。津田、鳴門は、市街地というよりも都市間でございますから、かなり技術的なスピードで今度は進むだろうと思いますと、市街地の工事と比べればかなりスピードが上げられるということは、もし準備が整えば十年以内には可能だ、こういうことを考えております。
  279. 三野優美

    三野分科員 道路局長、十年以内には可能だという、今から十年たっと平成十五年になる。大体それで計算できたからもういい、それ以上もう言うのはやめておこう、これは余り言うと知事が目を回すから。  実際には、私はそこまでとは思わなかったけれども、かなりおくれるなと。技術上のことは今の日本の土木技術でできぬことはないと思っている。問題は、そこに至るまでの調査、地元の対応、ここのところだろうと思いますから、ここのところは県の土本部長もあなたのところの籍のある人だから、知事も含めてそこのところは腹を割って話して、もし土本部長が十分なことができなかったら、香川県にもおりますから、別にあなたの方から送ってくれなくても、だから、そこのところは腹を割って話をして、東京へ陳情に来るよりも、むしろ地元の対応をどうするかということを本気でやらすように、やはりこれはちゃんと言った方がいいと思う。私はそういう言い方をしている。そのために汗をかけと、こういうふうに言っていますので、大体方向はわかりました。  ただ、今の、局長が言った施行命令、何というかアセスができたら十年のうちにはできるというのはちょっとどくっとした、十年と言ったら僕が思っておったよりか、明石がついたから大分延びてしまうものですから、ちょっとびっくりしたのですが、これはもう一遍検討し直してください。  それで、私が、はい、わかりましたということで言ったら、知事に、おまえ、何言うたんやと、こうなりますから、それは検討し直してもらうということをお願いして、それを縮めるために何歩するのかということをきょう平場で言えなくても、県に対してやはりちゃんと言う、このことをお願いします。そうすると、施行命令はかなりおくれる、これはわかりました。  それで、問題は高松東道路ですね、前田まで。これの完成はいつまでですか。
  280. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 高松東、現在、御承知のように五十九年度に用地買収に入っておりますし、六十三年度に工事に着手しております。三木−高松市間八キロの一般部は今全面的に工事していることは先生御承知のとおりでございます。  そこで、私どもとしては、平成五年現在の用地取得率を見ますと、いわゆる専用道路部で七三%、一般部で九八%でございますから、少なくともこの一般道路部分については、ということは六・九キロの分でございますが、平成五年八月ごろまでには一部供用させていただこうと思っております。さらに、残る区間についても平成五年度末までにも供用したいということで今工事を促進しております。専用部は、先ほど言いましたように、国幹道として整備いたしますので、これは全体の計画の中でやらしていただきたいと思っております。  それから、大川郡の津田町から高松市の前田西町の間の十七・六キロ、これは十一次五計内で供用したいということで今用地買収にかかっております。
  281. 三野優美

    三野分科員 ありがとうございました。かなりおくれそうですから、ひとつできるだけ全力を挙げてもらいたいと思うのですね。できるだけ明石に近づけるようにお願いしたい。  そこで、もう一つぜひお願いしたいと思うのは、上天神から前田東、これまではいわば六車線で十一号バイパスが行きますね。それから向こうは、だれが考えたかいわゆる高規格道路に入って自動車専用道路です。そうしますと、これは今から工事にかかっていただいているわけですけれども、できてみれば有料なものですから、地元の日常生活とはちょっとかけ離れる。言ってみれば、この道は御承知のとおり、明石海峡を渡ってきた人たちが県都高松に入ってくる、あるいは瀬戸大橋を渡ったり、松山の人がこれを通って明石を渡って阪神に渡る、いわば高速道路ですね。そうすると、日常道路ではないわけです。  御承知のように、香川県は西の方は既に高速道路が完成しておるし、十一号バイパスも完成しておるし、三十二号も順次やっている。東の方は、今の十一号はもうとても動ける状況にはないわけですね。私が高松から大川郡に向いていくのはこの十一号は通らないわけです。動かない。徳島県に行くのもどこを通るかというと、農道を通る、農免道路というところを。下がぐしゃぐしゃになっているあれを通る。十一号は機能しないわけです。  そこで、今とにかく急ぐ急ぐということで東の三町を含めて決起大会をやって、早うやってくれ、やってくれという。それで、田んぼを売って家を立ち退きしてできるわね。できてみたら頭の上を通ってよそ様が通るわけです。自分の通る道はできていない、こういうことになるわけです。  そこで、建設省の方も頭の中にはあるんだろうと思うが、前田東から徳島に向けての十一号バイパス、これはいわば香川県東部の人の生活道路ですね。これについてはあなたのところに構想があるのかないのか、あるとすればどういう段取りでやろうとしているのか、それを聞かせてくれますか。
  282. 藤井治芳

    ○藤井(治)政府委員 先生、現在の第一東名をごらんになっていただけばわかるように、第一東名は専用道路区間しかありません。しかし、国道一号ないしは国道一号バイパスが一般道路の役をしております。そういう意味で、先生おっしゃった現在の高松東道路も、単断面の高速道路だけの断面と、それから横に一般道路を抱えた市街地の部分と二つあるのは御承知のとおりです。  そこで、先生がおっしゃるのは、専用道路しかないところは何とかならないのかという御指摘だろうと思いますが、私どもの現時点での発想は、今の込んでいる十一号の通過交通の大半は高速道路、四車線ですから、これに乗って、いずれ十分十一号はすいてくるだろうと予測しております。しかし、その段階でも、その十一号だけではなくて主要地方道の高松長尾大内線を基本的な交通軸として要するに地域のネットワークができるものと思っております。そういうものができた段階でさらに国道十一号が非常に込んでくるという状態が予測されるのであれば、これは当然のことながら、東名と国道一号のときに国道一号のバイパスを静清バイパスという形で計画しておりますから、これは当然そういう議論があるかと思います。  現時点での計画は、先生が今御指摘の部分は十分十一号がすいてくるというふうに予測しておりますので、私どもは今のところ、そういうふうには考えておりません。
  283. 三野優美

    三野分科員 それは困るんだわ。  あなた、大川郡から高松へ日稼ぎに来る人が毎日毎日銭を払うかな。農家の人が大根や白菜を積んで高松の市場に来るのに、毎日銭を払うかな。そういうことはもう考えないでいてよ。だから私は地建に対しては、とにかく十一号を準備しろ、準備にかかっても、それこそ準備に十年もかかってしまう、今から準備しても十年かかるんだよ。  恐らく知事建設省も、とにかく高松東の自動車専用道路ができて、津田から向こうは道路公団ですから、鳴門へ通じてからぼつぼつ、それからでもいいではないかという考え方があると思う。これは地元から噴き上がる。特に高松の西、西讃とのバランスから考えてみて、とてもじゃないけれども、もたぬよ、知事はこう言っているわけです。また、地元もどうにもならぬような状況にある。高松長尾大内があります。これも御承知のとおり途中でとまっている、まだ東へ行かないわけです。これは早く東をやれ、せめてこれを早くやって、建設省にも協力してもらって早急にこれをやって引田まで行くしかないのじゃないか。  とりわけ明石が九年にできるでしょう。できますと、観光業者は、高松の市内がどうであろうとやはりお客さんを積んでどっと入ってくると私は思う。大川郡の東部は動けないですよ、今だって十一号は動けないわけですから。ですから今から準備をしたらどうや、こう言っているわけです。今のところ建設省はとにかく津田までは仕事はありますよ、それが済んで、それから十年準備するなどといったら、香川工事事務所は閉めなければいかぬ。香川工事事務所が十分機能する能力を持つためにも今から準備すべきだというのが私の考え方。あれは閉めるわけじゃないのでしょう。閉めるつもり、一時は。閉めるつもりはないでしょう、香川工事事務所は。だから、そんなことを考えたら今から準備していいのです。そうでなければ東と対応できないということも頭に入れて、これは地建の方で検討しなければいけない。香川工事事務所の中には一部考えなければいかぬなというのがあるわけです。あなたのところにまだ上がってないみたいだから、それはぜひ検討するようにお願いをしておきたいと思います。私は、やはり十一号バイパスというのは同時並行的に考えるべきだ、今からやったって二十年かかってしまう。だから、それをぜひお願いしておきたいと思います。  それから次に、さっきからも言っていますけれども、香川県もおくればせながら地方拠点都市指定をお願いしているという話を聞いたのですが、都市局長、いつ来て、これからの扱いはどうなりますか。
  284. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 地方拠点都市地域指定につきましては、昨年三十二の地域からお申し越しがありまして、これに基づきましていろいろ検討を重ね、十四の地域についてまず協議を行い、ことし二月五日、主務大臣から異議がない旨を知事に回答を申し上げて、各道県におきまして指定が進められておるところでございます。そこで、残りの十八の地域について、まず速やかに協議に向けての手続を現在進めておるところでございます。  ただいま先生が仰せられました香川県初め、計算上あり得る十五の都府県につきましてはお申し越しがなかったわけでございます。そこで、今後お申し越しがあれば、十八地域協議の進みぐあい、あるいはまた各十五都府県からのお申し越しの状況等を勘案いたしまして、できるだけ速やかに対応したいというふうに考えているところでございます。
  285. 三野優美

    三野分科員 そうすると、これは今のところはヒアリングの資料を提出した程度ですね。そうだろうと思う。全然相談にも来てないですか。
  286. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 仰せのとおり、下ヒアリングと申しますか、事務的には担当に参っておるかもしれませんけれども、いわゆる申請という形にはまだなっていないのではないかと思います。少なくとも私めはまだ見せていただいていないわけであります。
  287. 三野優美

    三野分科員 そのうち来るだろうと思う、私のところへちょっと送ってきたものですからね。  この法案を審議するときに私も一緒に参加させてもらって議論しているのですけれども、大体考え方としては、県都に次ぐ第二の都市を軸にしてという考えがあった。そのときに私は申し上げた。私のところの香川県なんというのは全国で一番小さい県ですからね。そうすると、それは観音寺というわけにいかぬわけですね。善通寺というわけにもいかないわけです。やはり高松を軸としながら、あそこは国の出先が全部集中しておるし、千何百の商社その他の支店、営業所があるわけですから、ここがやはりある程度力を持っていますから、これが周辺を引っ張らなければならぬわけで、このことは頭に入れておいてもらいたいのが一つ。  もう一つは、県の今の構想の中では、さっき言ったように、将来の明石大橋の展望というものがどうもこの中にないみたいなことがありますから、その点は、もちろん知事が大体考える、地元が考えるのが中心だろうと思うけれども建設省の方も、将来展望も含めてもし抜けている点があったら目配りをしていただきたいということだけお願いしておきたいと思うのです、香川県もそのうち出てくると思いますから。これは恐らく一カ所で終わるだろうと思う、小さい県ですから。とにかくその点を御配慮だけお願いをしておいて、それはこれでおきます。ありがとうございました。  続いて、ダム建設は建設省がやるわけですね。大体これは僻地にできますね。私は、ダムを建設した場合の地域対策、とりわけダムが建設されてダムより上流に上る村落についての対応についてぜひ考える必要があるのではないかということで、建設省の方へ話をしたところ、いや、それは国土庁の話だと言う。つくるのは建設省がつくりますね。つくって、管理もあなたのところがするわな。しかし、そのほかの地域の対応は、おれのところはせぬので国土庁だと言う。国土庁は胸を張って、いや、おれがする、こう言うのですね。  具体的にいきますが、私の生まれたところはダムの上流なんです。香川県の塩江町の内場ダムという、阿讃山脈のふもとなんです。戦争中に着手して、朝鮮人と囚人でかかったわけです。たくさん死にましたけれどもね。戦争で一たん中断して、戦後またやったわけ。これは鹿島建設がやったんですけれどもね。その私の生まれた町はダムの上流で、ダムに水没したのが、今、私大抵間違ってないと思うけれども九十二戸か三戸、ダムに沈んだわけ。今だったらできませんわな、九十何戸も立ち退きなんてのはね。当時だからできたんでしょう。実は、私のおやじもこれにかかわってちょっと責任あるけれども、買収して、実は追い出したわけ。  問題は残ったその村、一つの村なんですよ、そこは。村の入り口のところへダムをつくっちゃった。だから上流が残っちゃったわけ。出ていくのは大変だ、親の代から住んでいたところを大変だ、大変だと言ったんだけれども、出ていった人はそれより上には行きません。下流へ行きますから、高松及び高松周辺へ行ったわけ。今振り返ってみると、三分の一はもとよりいいわ、山の中へおったからね。三分の一はまあまあだな。あとの三分の一はどこへ行ったかもう消えてわからぬわね。持ったことない金もらってやね、ふらふらしておりますから、若い衆は酒飲んで……。大体そういう実態です。それはそれとして、自分がちゃんとしなかったというのもあるでしょう。問題は残った方なんです。  その私の出てきた内場ダムのところには、これはまあ一つの例として申し上げますが、ダムには私の卒業した香山小学校という小学校があった、尋常高等小学校がね。それから西山小学校、東山小学校、三つ学校があったわけ。ダムで九十何戸のいて、そのうち過疎も進みますわね。だんだんだんだん三つの学校を統合しちゃったわけ。三つの学校を一つにして、この間電話をかけてみたところが、この安原、上西村には二百六十三戸、六百九十七人残っていると言うんですね。  小学校はと言ったところが、一年生が二人、二年生が二人、三年生が六人、四年生も六人、五年生は八人、六年生は二人、計二十六人の複式学級です、こう言うんですね。そうかよと。中学校はもう当然なくなりました。中学校は合併した。ダムの下へ行くわけ。ちょうどもう今ごろになると、ダムをつくりますとダムサイトがあるものですから道をつけ直しますね。日陰のところつけ直して、前ががけの急な道になるでしょう、凍っちゃうわけ。学生は通えない。したがって下宿するわけですわな、中学の子供は。  そういう状況の中でバスもだんだん通らなくて減便されるということで、もう村としての維持ができない。学校も今やそういう状況、役場もなくなった、郵便局も簡易郵便局があったのがなくなったということになっちゃうわけですね。利は、よくよく考えてみると、ダムをつくって出ていく人も大変なんだけれども、いや考えてみろと残る人が大変なんだな、こういう気がしたわけ。  そこで、今度また新しいもう一本ダムの話が出てきよるらしいがな。この間、高松の工事事務所へ行ったら、三野さん、あんたの村はもう一つダムの話があるらしい、聞いとるか、いや、余り聞かぬことにしとくわなとしたんですけれども、ダムを建設した場合の後の村対策、これについて一体どういう考え方なのか。つくる建設省の側の意見も聞きたいし、国土庁も、いや、後のことはおらに任せてくれと言うんやけど、そっちの意見も両方聞きたいんですが。
  288. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 先生の地元のダムあるいはその上流域の個別の状況につきましては、多分今先生のおっしゃったとおりだろうと思いますが、ちょっと詳しい状況がわかりませんので、それはともかく、全国的な問題として私ども建設省としてどう認識し、どのように対策を進めようとしておるのかということをお話しさしていただきたいと思います。  現在、御案内のとおり、全国各地で多くの山村が大変な過疎に悩んでおるわけでございますけれども、ダム上流域におきます村落につきましても社会的あるいは経済的に地域が崩壊していくというふうな問題があるわけですが、そういった問題につきましては、基本的には全国的に進行しております過疎問題と同様な要因によるものが大変大きいのではないかな、そんなふうに思っております。もちろんダムが無関係とは言い切れませんので、私どもダム事業者といたしましてはダム建設による影響を極力少なくするということが肝心ですけれども、それのみならず地域活性化にできるだけ寄与したいというふうなことで種々の施策を現在積極的に進めているところでございます。  で、戦前の話も今出たわけですけれども、戦前から戦後、戦後も三十年代から四十年代、五十年代、そして今平成ですが、時代の変遷とともにそういった施策も逐一整備されてきておりまして、昔と昨今ではかなり様子も違ってきておるのではないか、こんなふうに思います。  まず、建設中のダムと既設のダムに分けましてちょっと御説明いたしますが、建設中のダムにつきましては、まずは水源地域対策特別措置法に基づく整備事業、それから水源地域対策基金というのがございますけれども、基金に基づく事業とによりましていろいろやっておるわけでございまして、水源地域の生活環境、産業基盤等の整備を行いますとともに、ダム事業におきましても、ダム事業費の中でダム周辺環境の整備を実施しているところでございます。それからまた、ダム建設によりまして上流に取り残される方々に対しましては事情により少数残存者補償等も行うというふうなことで対応しております。  次に、既設ダムにつきましても魅力あるものにしていくことが地域活性化に寄与するものと考えております。そういった観点から昭和五十年度にダム周辺環境整備事業を、そして昭和六十三年度にダム湖活用促進事業なるものを創設いたしまして、ダム周辺の良好な環境の整備に努めますとともに、河川の維持流量の確保やダム水環境の改善にも努力しているところでございます。  それからまた、ダム所在市町村の財政措置、これも大変大事なところでございますが、財政措置といたしましては、昭和四十九年にダムの発電にかかわる部分に加えまして、水道及び工業用水道にかかわる部分につきましても固定資産税あるいは国有資産等所在市町村に対します交付金の対象となりますよう措置が講ぜられておるところでございます。  それからまた、従前から水源地域対策基金あるいは河川整備基金等の活用によりまして、さまざまな形での上下流交流とかあるいは地域活性化に資する支援を行ってきておるわけでございますけれども、さらに昭和六十二年度より森と湖に親しむ旬間という旬間を設けまして、全国の森林や既設ダムにおいて多彩なイベントを実施いたしまして、上下流交流等をより強力に推進しているところでございます。  そういったことで、今後とも水源地域の実情に応じまして関係市町村と連携を密にしながらダム周辺環境整備事業等を実施するなどいたしまして水源地域活性化に積極的に取り組んでまいりたい、そんなふうに考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  289. 柿沼宇佐

    ○柿沼説明員 ダムの建設によりまして著しい影響が予想されます地域につきましては、水源地域対策を講ずることが極めて重要だと考えておるわけでございます。このため、現在、水源地域対策特別措置法に基づきまして生活環境の改善、産業基盤等の整備ということで関係住民の方の生活の安定と福祉の向上を図っておるところでございます。この法律に基づきまして指定ダムを指定いたしまして、水源地域整備計画を策定し、水源地域整備事業というものを実施いたすわけでございます。  さらに、水没関係住民の方の生活再建及び水没関係地域振興対策を推進するため、関係地方公共団体により設立されます水源地域対策基金に対しまして助成あるいは指導というものも行っております。また、地域活性化のための調査あるいは水源地域アドバイザーの派遣等を実施しておるところでございます。
  290. 三野優美

    三野分科員 環境整備でなぎさのところへ中の土を持っていって公園つくって、公園というか運動場をつくったり私よう知っておる。よその人ばっかりが来て使うので、地元に残った年寄りは、また人がこれだけしかおらぬのだからね、なんちゃ使わぬの。缶々残していんでいくだけなんだ。それで、息子たちはここでは生活できぬものだから向こうへ出ていくわけ。子供の教育のことがあるからみんなおらぬようになるわけだね。実は、残念ながら、町はいろいろなことをやっていると言うけれども、それは林道つけたりなんかしたりするでしょう。しかし、それではもう環境整備というか、現実はその残った人たちの生活を支えることになっていないのです。  そこで、私はさっきもちょっと打ち合わせのときに国土庁に言ったのですが、ダムつくったけれども、ダムの水も大分汚れ出したわね。すぐ町が考えるのは、もし冷泉でもあったら温泉つくってお客さん呼ぼうか、こう考えるわけ。よその人が来るんじゃがな。それでダムを汚すのだがな。公園つくったりあるいはグラウンドつくったらば、よその若い衆が来て遊んでくれればそれはいいわ。地元とは関係ないわけ。それで私は、いろいろと考えてみて、息子がじいさん、ばあさん置いているものだから時たま来るわな。来ても残念ながら昔の生活の実態で、し尿はくみ取りでえいこらえいこらやはり腰曲げてしよるわけ。  ですから、少し、せめて若い人もまた帰ってこられるように、あるいは親のところへ戻ってきても、少しでもまあ昔よりましな生活ができるようにということで、ダムの水の浄化も含めていろいろと考えてみたのです。余り智恵がわかぬものですから、合併浄化槽ぐらいをダムの上流には、今県と国とが補助しますな、合併浄化槽。それに、ダムの上流については、ひとつ国が一〇%出すから県も一〇%出せ、二割上積みしましょうや、ほんなら、息子が戻ってきても、やはり、おいうちも浄化槽でうまくなっているわなと。それで、そのことは生活排水で、ダムの水をきれいにする意味においても私は機能するのではないのかと。  やはり少しはそんなことを考えたらどうやと言って、さっきも、昼も国土庁が来たから言ったのですが、道だってダムのサイトをつくればこんなにゆがんだ道になるのです。それをさっき説明したのですが、いや海抜は昔と変わらぬ。変わらぬわな、海抜は。そういう説明を役所の人がするようではもう生活の実態はわかっておらぬ。ダムをつくれば道をつけかえて、日陰のところを通ってな。それならもう、昔は自転車に乗れたところが今はもう自転車に乗れぬわけですわな。押さなければいかぬ。私もお墓参りに行くときは、自転車で行ったら押さなければいかぬ。今は息子が自動車に乗せてくれるからいいけれどもね。ですから、そんなことを含めて、もっと残っている人の実態を見ながら、大したことせいとは言わぬから、だからそんなことを考えたらどうや、こういうふうに言っているので、今直ちにどうということにはならぬでしょうが、ぜひ検討してもらいたいということが一つ。  それから、ちょっとさっき言った、時間がないですから申し上げますが、これとは別に、私、香川県、実は香東川の流域下水道の調査費を去年つけてもらった。つけてもらってまことに言いにくいのだけれども、流域下水道つけてもらったものの、後からちょっと勉強してみて、これ、はたと困ったなと。流域下水道やってしまうとやるのに何十年もかかるわな。借金をして県がやるとしますわ。これの負担がもうすごいわけ。もう一つは、それにつなぐ町村の対応というのはこれまた十五年も二十年もかかるわけね。  同時に、奥の方で降った雨を生活排水に使う。それを流域下水道で、管で海の方まで引っ張る。山に降った後、全部海へ行ってしまうわけ。そこで降った雨がそこで使えないことになってしまうわね。川がもうがらがらになってしまうのです。これは私はすべてとは言わぬが、下水道のあり方について、これ厚生省、建設省、農林省と、まあ建設省が中心ですけれども、これどうですか、もうちょっと建設省が軸になって、今言ったように、ここは合併浄化槽でやりなさいよ、ここは農林省が農村村落何とか費でやりなさいよ、ここは建設省がやるけれどもミニでいいですよ、都市下水でやりますよ、こういうことで分担をしてやらないと、私、調査費つけてもらって言いにくいのだけれども、これやってしまうと大変なことになるなという気がしますので、そこらのことについて、そういう意見が出てないか、それだけ聞いておいて私は終わります。
  291. 岩井國臣

    ○岩井政府委員 流域下水道の話は後ほど都市局長にお答えしていただくといたしまして、ダムの関係でございます。  先ほど現在取り組んでおる中身につきましてるる御説明させていただいたわけですけれども、それではまだ不十分という先生の御指摘かと思います。浄化槽の話も出ておりましたが、これはちょっと所管外でございますので触れることできませんが、とにかく何か新しい知恵を出して積極的に取り組め、こういう御趣旨かと思います。いろいろ難しい問題あるかと思いますけれども、これからの課題として受けとめさせていただきたいと思います。
  292. 鹿島尚武

    ○鹿島政府委員 流域下水道の件につきましてお尋ねがございました。地域全域の整備が整うということになりますと整備までに長期の時間がかかるということ、そして負担も県、地元に対しまして伴うということ、仰せのとおりであろうかと思っております。  ただ、やはり地域全体を整えて水質の管理を進めようということになりますと、生活排水全般にわたりまして処理をしていくということが大変重要であろうかと思います。そこでその負担の軽減ということがまず大きな課題になってまいろうと思っておりますが、本年度、実は昨年度補正予算の過程からと申し上げさせていただきますが、緊急下水道整備特定事業ということで、自治省とタイアップをいたしまして地方の負担について財源措置、財政措置というものを進めていこうということをやってまいっております。補助事業だけですとなかなか裏の負担が大変だということでございますので、地方の単独事業とあわせて財政の措置を講じていただこうというものでございます。中身について一々申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、これによりましてかなり整備は進めさせていただけるものと思っております。  それから、その地域の特性にかんがみまして、一々流域下水道とか公共下水道が果たして必要なものかどうか、集落が小さいとかいろいろ地域の特性に応じまして、農村集落の排水の整備でいいものもあろうかど思います。そういったものにつきましては、現在私ども、農水省あるいはまた厚生省とも話をいたしまして、そういった手法につきましても計画面でいろいろ調整をしながら進めさせていただいておるところでございます。今後とも一生懸命やってまいります。
  293. 柿沼宇佐

    ○柿沼説明員 水源地域対策の充実につきましては、地域の実態を十分把握いたしまして、地元関係者の方々との連携も十分図りつつ地元の御要望等も十分尊重いたしまして、水源地域対策特別措置法の運用等につきまして万全を期してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  294. 三野優美

    三野分科員 これで終わりますけれども、河川局長、例えば僕が今言ったように、ダムの上流、水が流れ込むんだから、そこへは合併浄化槽で少し上積みして対応してあげたらどうや、こう言ったら、それはうちと違うけん、こう言うんじゃがな。それはそうなんだ。しかし、つくるのはあなたのところなんだ。管理もあなたのところなんだ。  したがって、それは制度としては厚生省かもわからぬけれども、厚生省の分について、ダム建設するについては、地元で対応してくれるならばこれだけ建設省が上積みしますよというような形で、建設省のある今の政策というものを活用して対応するということを考えられたらどうですと言っているわけ。あんたらすぐ厚生省やと言うたら、またその方角出なくちゃならぬのだから、あなたのところがダムをつくって、あなたのところが管理するわけ。国土庁と話してみると、やはり気の遠くなるみたいな話になるわけなんだよ、さっき言ったようにね。だから、やはりつくったところが責任持たにゃいかぬ、そういうことをお願いしたい。  それから、都市計画の方は、社会党、不十分だけれども今度水政策の草案を発表しておるのです。下水道の分、この中に僕も少しかんでいますので、入っていますから、今言ったように、これも農林省があったり厚生省があったり、なかなかいかぬのだわな。しかし、私は、本来下水というのはあなたのところが手がけたものだから、分担するのはいいけれども、軸は建設省が軸になってやはり進めるという構えだけお願いをして、私は終わります。ありがとうございました。
  295. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 ただいま水源対策の点について先生から御指摘をいただいた、いろいろの施設をつくっても地元にいる方々がなかなか利用できない、もう少し地元の方々が、息子さんたちも含めて故郷に帰りたくなるような生活環境をソフトの面で整備しろ、この御意見は一つの実態に合った御意見だろうと思っておりますので、なかなか実施するまでに難しい点はあろうかと思いますけれども、私としてもこの問題を取り上げて勉強させるようにしてみたい、このように思っております。
  296. 三野優美

    三野分科員 ありがとうございました。よろしくお願いします。  私、代議士をやめたらすぐ帰りますので、ダムのことは私がよく知っていますので、よろしく頼むわ。
  297. 愛野興一郎

    ○愛野主査 これにて三野優美君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして建設省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会補充質疑は終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後八時三十一分散会