○富塚
委員 私は、
カンボジアPKOの問題、そして政治腐敗構造の根絶の問題を
中心とした御
質問をいたしたいというふうに思います。
今
カンボジアPKOに
派遣された自衛隊の家族の皆さん、あるいは
文民警察官やまたボランティアの皆さん、それぞれの家族の
方々、そして
国民は、一体
カンボジア問題がどうなっていくのかということで、私は連日かたずをのんで見守っていると思うのです。
そうした中で、やはり
政府の
対応は、国会の
対応は一体どうしてくれるのだ、もっと真剣に論議をして答えを出してくれるべきだ、こういうふうに願望していると思います。一口に言って、
政府内部の閣僚の発言も、いろいろな発言があったり、いろいろな発言があることはいいことだというふうにも一面では言われておりますけれども、これでは不安で不安でしょうがない。この国会に課せられた今重要な問題だ、そういうふうに思います。
思い起こしますと、一九九一年十一月十八日ですから、一昨年の暮れ、衆議院のPKO特別
委員会で
宮澤総理大臣は、湾岸戦争を機会に、
我が国として財政的な貢献だけでは不十分であり、汗を流さなければならないが、血を流すことはできない、そういう議論を経て、人的貢献をするという
合意でこの法案をどなったのだ、こう
答弁されていますね。昨年の六月十五日、我々の反対を押し切って強行採決されたわけですけれども、さらに
総理は、昨年の七月二十五日、社会党などが戦場に子供を送るななんて言うのは関係がない、自衛隊が
カンボジアで活動しているところをこれからのテレビでごらんになればおわかりになるでしょう、仙台でもこんなことを言われたことが新聞の
記事にも載っていました。
また、当時の渡辺
外務大臣は、
ポル・ポト派といえども、
停戦協定をした以上は守ると我々は見ている、守らなければ当然
派遣はできない、九一年の十一月二十日のPKO特別
委員会でそのように
答弁されています。
また、当時の宮下
防衛庁長官は、戦闘行為に巻き込まれるおそれのある場合は撤収する、あくまでも
平和協力業務としてやっていきたい、こう明言をされているわけですね。
ところが、今のこの
事態を
考えてみると、本当に、この法案審議のときに
政府が確信を持って
答弁をしてあの法案を決めたということの道筋からいうと、全く違った状況が出ているのじゃないか、こう私は思います。ですから、今、中田さんや
文民警察官の高田さんが殺されて、負傷者も出て、ますます
ポル・ポト派の戦闘行為が激しくなっているときに、これ以上血を流すべきではないと
考えるのは、これは
国民だれにとっても当たり前なことだと思うのです。
ところが
政府は、
UNTACに
村田自治大臣もおいでになりました、あるいは午前中
答弁があった柳井
国際平和協力本部の事務
局長も行かれた、安全な箇所にできるだけ移動してもらいたい、こう要請をした。ところが、実態的には
日本の
派遣者だけを安全な場所にやるなんていうことはできない、簡単な問題じゃない。それは
UNTACの立場からいえばそうなりますよね。そういうふうになる。そうすると、本当に
政府が安全を求めて、安全な場所に、安全な場所に、こういうことを幾ら言ってみても、
現実に現地の状況はそういう
状態じゃない、なり得ないという問題についてやはり私は答えを出していかなければならないだろうというふうに思うのです。
なるほどこの
PKO法案の審議の過程では、我々も牛歩戦術やあるいは議員辞職という強硬な手段に出て、批判や意見、いろいろいただきました。しかし、私は、やはり我々が心配したような状況になったのではないか、やはりこういうことが懸念されるということをもっとなぜ真剣に議論をしなかったのか。ともあれ私
たち社会党の場合も文民の
派遣は提起したわけですから、文民の安全問題についてももっと議論すべきであったと私
たちも反省をしていますよ。反省しますけれども、やはり自衛隊の海外派兵という問題のところだけクリアするために何か両方で過熱した議論になって結果が生まれてきたように思うのです。そこで、これからのPKOに対する
政府や国会の
対応は、やはり本音で議論をしていただかないといけない。どうも
政府の形式的な
答弁、形式的な
質問だけで終始することがあってはいけないのじゃないか、ここが今問われているんだ、私はそう思っています。それがまた国会の
責任であり、
政府の
責任でもあると思います。
そういう観点から、私は嫌みで言うわけじゃありませんけれども、閣内の統一の問題、閣僚の発言の問題というのは非常に重いわけですから、そういう意味でまず
質問をさせていただきたいと思います。
小泉さんも
河野さんも私と同じ神奈川の
選挙区ですね。五月七日に小泉郵政大臣は、
文民警察官の殺傷事件を受けて、国会での議論では汗を流すことにしたが血を流してまで
国際貢献していくという結論には達していないんだ、また、撤退による国際的批判は甘んじて受けるべきだと、極めて明確に閣議後の記者会見で申されています。私は、重ねて小泉郵政大臣に大臣の一人としての所信を、
見解をまず聞かしていただきたい、こう思います。
〔石川
委員長代理退席、
委員長着席〕