○菅
委員 今大臣は、いわゆる一物四価と言われる問題をちょっと
指摘をされましたが、実はこれはかなり変わってきていまして、今私が聞いているところでは、自治省それから国土庁、大蔵省、国税庁、四者でそれらの、何といいましょうか、すり合わせをやって、これも土地基本法十六条に、いわゆる均衡、適正化という
言葉の中で、事実上一〇〇と八〇と七〇という水準にすべてを連動させるということになってきているわけです。そういう点では、かなり他の省庁の一元化というのは進んできていると思いますので、今検討を再度約束をいただいたわけですが、法務省の
立場というのがあるということはよくわかりますけれども、ぜひそういう検討会にもスタッフを出されて、前向きに検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。もしお急ぎであれば、どうぞ。
あとの時間を、今お手元に「公有地
拡大と金融システム安定化のために「土地保有機構」」という一種の政策提言をお配りをしております。これを
中心に関連する各省庁の見解を伺いながら、果たしてこういう制度をつくることが成り立つのか、あるいはそれぞれの
立場でどういう見解を持たれているか、順次お聞きをしていきたいと思います。
そこで、まず
大蔵大臣、きょうはおいでいただいていますが、
日本経済のこの数年間の推移、いろいろな見方があると思うのです。私は、やや乱暴な言い方かもしれませんが、この数年間の好況と不況は、ともに非常に土地というものが
中心的にかかわっているというふうに言うことができると思うのです。今
景気対策の中で公共投資とか減税とかいろいろな議論がされております。これはこれで極めて重要だと思いますが、ただ、
景気トータルで公共投資が必要、減税が必要という議論だけではなくて、今の
景気の、何といいましょうか、悪くなっている原因というのは、体が弱っていることは確かなんですが、その原因が心臓にあるのか、肝臓にあるのか、あるいは胃腸にあるのか、そこをきちんと診断を見きわめて対応しないと、ただ栄養を補給すればいいとか、ただもう少し体を動かしてアスレチックかなんかやればいいということだけではないと思うのです。そのターゲットといいましょうか一番の問題がやはり私は今申し上げた土地にあると思うのです。
景気がよくなったときには、一年間で何とGNPを超えるような株価と土地の値上がり益があった。あるいはそれによってエクイティーファイナンスで製造メーカーが非常に、今考えてみると過剰な製造
設備に投資をした。それがさらに
景気をあおったわけです。しかし、それが一たん、総量規制から始まるバブルの崩壊で、いわゆる逆バブル現象、逆資産効果が出ると同時に、過剰に生産
設備に投資したものがまさに今や非常に企業にとって、製造企業にとっても重荷になっている。こういう構造をどのようにして次の段階に持っていくかということが今一番重要な問題だと思うわけです。
そこで私は、そのときに、一つの動きとしてもう一回バブルを再発させればいいのじゃないか、これは評論家の中でも一部の人が言っております。土地が下がったから不
景気なんだから、土地を上げればいいじゃないか。しかしこれは、まさにいつか来た道ではないですけれども、生活大国と言われる宮澤政権の方針にも全く反しますし、一時的にミニバブルを発生させたからといって
日本経済が本質的に立ち直るとはとても思えないわけです。
そこで、ではどういうことをやらなければならないかということを考えますと、基本的には、土地の値段を一層下げて、その土地を生活基盤整備の材料として積極的に活用することではないか。今、一説には五十兆、百兆と言われる土地が動かなくなって、にっちもさっちもいかなくなっている。そういう
状況から、土地を動かしながら、そして、それをまさに生活大国に近づけるような土地利用に変えていくという必要があるのではないか、このように考えているわけです。
そこで本題に入っていきますけれども、自治省においでをいただいております。
今私は、従来から自治体が、自分の市の域まあ県でもいいですが、土地を持っているということは、例えば公共施設とか公園とかをつくる上でも非常にやりやすい。何かストックホルムなどは自分の市域の五〇%を市が持っているなどという話も聞いておりますが、そういう
意味では、今土地を自治体に買い上げてほしいという要請が非常にふえている中で、今こそ公有地を
拡大するチャンスだと思うのです。
しかし、お聞きしますと、確かに起債の制限とかいろいろな条件は緩和したけれども、値が下がっているときというのは担当者ベースでいうと非常に先買いがしにくいのだというのですね。つまり、十年後には使いたい、五年後には使いたい。しかし、今買うよりは五年先に買った方がいいじゃないか。しかも、その五年間なり十年間は金利がかかる。そういう
意味で、なかなか土地の先行取得というのは言われるほどに進んでいないというふうに聞いているわけです。
そこでこの土地保有機構というものを考えまして、ここに、図面の方を簡単に
説明をしますと、住都公団のような特殊法人で土地保有機構というものをつくりまして、そして土地所有者から実勢価格の八割程度の価格で土地を買い上げる。そして、最終的にはできるだけ自治体にそれを払い下げていく。その場合の保有期間の金利と、あるいは買い上げ価格と払い下げ価格、払い下げ価格は払い下げ時点の時価ということ、そのときの実勢価格ということで考えて、その場合に買い上げ価格が八割という形で少し安いわけですが、それでも八割をさらに下回るような実勢価格になっていれば、その差損部分も地価税収入でそれを補てんしていく、こういうシステムを提案をしてみたわけです。
自治省の方に、まずこの公有地
拡大についての考え方と、今私が申し上げたネック、またこういう制度があった場合には活用の余地が非常に大きくあるのじゃないかと考えますが、それらについての御見解をまず伺っておきたいと思います。