○中野
委員 若干の繰り越しがとおっしゃいましたが、決して若干ではありません。私
どもの調査でもかなり膨大な繰り越しがある。これは、本来無理な計画を組んで、そしてそれを無理やり押し込んで、そして余りそうだから無理やりまた押し込むとむだが出てくるんですね。別にむだな使い方はしてほしくない。やっぱりきちっと堅実に使って、そして余るものは余らせる、恥を忍んで余らせる。そのことの方が健全な財政のためには必要なのでございますから、そのことを乱暴にはやらないでいただきたい、こう思います。
それから、
通産大臣からは減税をやれば景気が回復するようなことをおっしゃるのはと言われましたけれ
ども、前提条件を幾つか並べているわけで、公共投資だけではだめでしょう、減税も必要でしょうと申し上げているわけで、論理を途中からひっくり返さないように。わかってやっておられるのでしょうが、そのことはひとつ重ねて申し上げておきたいと思います。なお、時間が迫ってまいりましたので恐れ入ります。
通産大臣、経企
庁長官、結構でございます。ありがとうございました。
大変お待たせをして申しわけありませんでした。色覚異常対策について
お尋ねをいたします。文部大臣、労働大臣、厚生大臣、厚生大臣は特に一緒に取り組ませていただいた仲間だと思っておりますので、今度だけはいい御答弁がいただけるのではないかと期待をしながら
お尋ねをしたいと思います。
色覚問題、これは色盲、色弱と通称言われます。この色覚異常者は、重ねて申し上げますが、大体全国で三百万人いると言われております。また、色覚遺伝子を持っている人が三百万人ないし五百万人と言われているわけでありまして、トータルいたしますと、約八百万ぐらいの方々にとっては
心配なことなのです。このことが、皆これは先天的なものですから、自分がそうであるとかというのはほとんどおっしゃいませんし、どうしてもそういう団体ができて活発な運動をするということもありません。恐らく国会で、もう十年ぐらい前になりますが、私が取り上げたのが、そのとき恐らく皆さんが、初めてだという顔をされた方がいらっしゃいました。
私は今日まで文教
委員会やこの
予算委員会等でこの問題を取り上げてまいりました。そのおかげで
平成元年三月に文部省がこういうパンフレットをつくってくださいました。これに大変御努力いただいたのはリクルート事件にひっかかっちゃった高石さんが大変熱心に取り組んでくださった、きっかけをつくってくださった記憶があります。「色覚問題に関する指導の手引」といって、これは大変専門の
先生方のお集まりをつくっていただいて、調査研究をして、こんなすばらしいパンフレットをつくってくださったのですね。
この中にはとりわけ子供たちに対してどういう指導が必要か、どういう配慮が必要かということを詳しく書いていただいているのです。また、これだけ発行しただけではなくて、教科書の色分けを全部色覚異常者にもわかりやすいようにつくりかえてくださいました。このことについても文部省には感謝をしたいと思います。しかしながら、まだこのパンフレットを、いろいろな学校の
先生に聞くと見たことないとおっしゃる方がいらっしゃるのです。僕は、すべての
先生方にこれが行き届いているのかなと思ったら、どうもそうでもないようなのですね。文部省、どのくらいおつくりで、どういうふうにこれを活用をされているのか、そのことが一点。
それから、労働大臣に
お尋ねをいたしたいと思いますが、このパンフレットの中に、こういう文章があるのですね。「
企業等との相談の例」として、「求人条件に「色覚異常不可」とする鉄道会社に、色覚異常のある生徒が強く希望したため、とりあえず会社を見学に行かせたところ、生徒の熱意にうたれ、会社側では業務に支障のない職場を考慮してくれて入社することができた。」という例が入っているのですね。ところが、この色覚異常不可と最初から採用条件に書いている
企業はまだしも良心的なのです。これを書いていなくて、健康診断書に書いてあるのを見て採用をはねてしまうという
企業が今でも何と多いことか。
理由がわからないままに不採用にされた子供たちがやっぱりいるのです。
実際に、確かに、例えば私の例で言えば、赤と緑がどちらもその区別がしにくくて、どちらも極端に言えばグレーに見える。ですから、私の場合には自動車の運転免許証は危ないから取らない方がいいということで私は免許証を持っていない。ツバキの花が五メートル離れると葉っぱと花とどこにあるのかわからない。近づいて見れば形でわかります。そういうことは全部この中に、文部省がつくった資料の中に書いてくださっている。
一番つらいのは、ここで一生懸命
総理大臣に
質問しても、
総理大臣がイエスかノーか、どっちの答えをしようとしているのかな、顔色がわからぬ。このくらいは何とでも
調整できますけれ
ども、やっぱりこういう採用条件にどういう
企業がどういう条件をつけているか、また実際は、今いい方の例を文部省は挙げていただいておりますが、これが悪い方の例があると何にも書かないではねているということになってしまう。そういう実態調査を、中小
企業の場合は人手不足ですから、逆に言えばある
意味では緩和して採用してくださるかもしれないですよ。大
企業の方がかえってこういう問題についてはたちが悪い。いろいろな
理由をつけて採用しない。
私は、例えば電車の信号は見分けにくいからそういう人はだめですということをもし認めたとしましょう。しかし、私に言わせれば、その信号はいずれ償却するのでしょう。ならば、償却するときに色覚異常者でもわかる信号に順番にかえていったら、全部償却する、十年か十五年か知らぬけれ
ども、そのときには色覚異常者でも運転士として採用される
環境が生まれるのではありませんか。一気に全部かえろと言われたって、それは膨大な費用がかかりますからかえられません。しかし、いずれはかえるのです。かえるときに色覚異常者にもわかる信号にかえたらどうでしょうか。
幸い警察庁等の御努力によって自動車の運転免許証がこれを
理由にして不交付になることは最近はなくなったようです。でも、名古屋で開かれた先年のデザイン博でこのことにやはり着目された方がいらっしゃって、あの信号機に丸、三角、バツをくっつけたデザインを発表された方がいらっしゃいました。全国の交通信号をそういうふうに、償却するときにかえていったらどうでしょうか。いずれの日か色覚異常者も不便を感じなくて済むときが来るでしょう。努力を前向きにするということが必要だと思います。
それから、厚生大臣に、もう聞くまでもないと思いますが、このことについて私も厚生省には幾たびか申し上げました。
平成元年にこういう内々の色覚異常対策についてペーパーをくださいました。内容は厚生省にとっても不都合な部分があると思いますから申し上げませんが、ただ、
日本眼科学会の内部には色覚異常研究班があって、当該治療法、いろいろな治療法が今言われておりますので、研究している模様だ、しかし、結論が当時出ていなかった、ただ、眼科学者が過敏になっておって、詳しい情報収集が困難だ、しかしながら、厚生省の依頼があれば、眼科学会として何らかの形で当該治療法に関する研究を行う可能性があるとの感触を得ている、鋭意交渉中だというぺーパーをいただきました。しかし、その後何の御連絡も御
報告もありません。
民間で、色覚異常が治りますという宣伝をしたり、または大々的に宣伝をしなくても治るよと言っていろいろな方法で治療をされている研究所と称する場所な
どもあるようです。私は、効果があるのならばそれを研究し、積極的に教育機関でもPRし、子供たちに治るように全部適用させてやったらどうでしょうか。保険でも適用したらどうでしょうか。もしこれが治らない、インチキならば、これは詐欺ですからしっかりと取り締まったらどうでしょうか。中途半端に置くというのは罪つくりです。治るのならもっと率先して、文部省でも厚生省でも推奨してあげてください。治らないのならインチキですから、やめさせてください。どっちかはっきりしていただきたい、そう思うわけであります。
時間の都合でまとめて御
質問申し上げましたが、文部、労働、厚生、三大臣の御答弁をお願いしたいと思います。