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1993-03-30 第126回国会 衆議院 本会議 第13号
公式Web版
会議録情報
0
平成
五年三月三十日(火曜日)
—————————————
平成
五年三月三十日 正午 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
商法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及
び商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後零時三分
開議
櫻内義雄
1
○
議長
(
櫻内義雄
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
商法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及
び商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴 う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣
提出
)の
趣旨説明
櫻内義雄
2
○
議長
(
櫻内義雄
君) この際、
内閣提出
、
商法等
の一部を
改正
する
法律案
及
び商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
法務大臣後藤田正晴
君。 〔
国務大臣後藤田正晴
君
登壇
〕
後藤田正晴
3
○
国務大臣
(
後藤田正晴
君)
商法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
いたします。 この
法律案
は、
会社
をめぐる最近の
社会経済情勢等
にかんがみ、
株主
による
会社
の
業務執行
に対する
監督是正機能
をより強固にするとともに、
株式会社
の
監査役制度
の
実効性
を高めるために必要な
措置
を講ずるほか、
株式会社
の
社債
による
資金調達
の需要の増大の
状況
にかんがみ、
企業
の
資金調達
の
方法
の
合理化
を図るとともに、それに伴い、
社債権者
の
保護
を
強化
するため、
商法
、
株式会社
の
監査等
に関する
商法
の
特例
に関する
法律
及び
担保附社債信託法
の一部を
改正
しようとするものでありまして、その
改正
の要点は次のとおりであります。 まず、
商法
につきましては、第一に、
株主
の
代表訴訟
の遂行に伴う
株主
の
負担
を軽減するため、この
訴訟
の
目的
の
価額
を九十五万円とみなすこととするとともに、
代表訴訟
に勝訴した
株主
は、この
訴訟
に要した
費用
で
訴訟費用
でないものの
相当額
の支払いを
会社
に対して請求することができる
改正
をすることとしております。 第二に、
株主
が
会社
の
会計帳簿等
を閲覧謄写することができることを容易にするため、閲覧謄写することができる
株主
の
持ち株要件
を
発行済み株式
の
総数
の十分の一から百分の三に緩和する
改正
をすることとしております。 第三に、
株式会社
の
監査役
の地位の
強化
を図るため、
監査役
の
任期
を二年から三年に伸長する
改正
をすることとしております。 第四に、
企業
の
資金調達
の
方法
の
合理化
を図るとともに、それに伴い、
社債権者
の
保護
を
強化
するため、
社債発行限度
に関する
規制
を廃止し、これにかえて、
社債
を
募集
するには、
会社
は、
社債管理会社
を定め、
社債権者
のために
社債
の
管理
を行うことを委託することを原則的に
義務
づけるとともに、
社債管理会社
の
社債権者
に対する
義務
及びその
権限
を明確にし、また、
社債権者集会
における
社債権者
の
議決権
の行使を容易にする
改正
をすることとしております。 次に、
株式会社
の
監査等
に関する
商法
の
特例
に関する
法律
につきましては、
大会社
における
監査役制度
を充実
強化
するため、第一に、
監査役
の員数を二人以上から三人以上に増員する
改正
をすることとしております。 第二に、
監査役
のうち一人以上は、その就任前五年間、
会社
またはその子
会社
の
取締役
または使用人でなかった者でなければならないとする
改正
をすることとしております。 第三に、
監査役
の
全員
で
監査役会
を組織し、
監査役会
において
監査役
の
協議
により
監査
の
方針等
を定めるとともに、
監査役
の
報告
に基づいて
監査報告書
を作成しなければならないとする等の
改正
をすることとしております。
最後
に、
担保附社債信託法
につきましては、
担保付社債
の
募集
の公告の
制度
を廃止して、
社債申込証
により
募集
及び申し込みをさせる等の
改正
をするほか、
商法
の
社債
に関する
制度
の
改正
に伴い
所要
の
改正
をすることとしております。 次に、
商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
いたします。 この
法律案
は、
商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴い、
社債発行限度暫定措置法等
を廃止するとともに、非
訟事件手続法はか
六十八の
関係法律
について規定を
整備
し、
所要
の
経過措置
を定めようとするものであります。 以上が、
商法等
の一部を
改正
する
法律案
及
び商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
の
趣旨
であります。 以上でございます。(
拍手
)
————◇—————
商法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及
び商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴 う
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣
提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
櫻内義雄
4
○
議長
(
櫻内義雄
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
鈴木喜久子
君。 〔
鈴木喜久子
君
登壇
〕
鈴木喜久子
5
○
鈴木喜久子
君 私は、
日本社会党
・
護憲民主連合
を代表して、
内閣提出
、
商法等改正案
について、
政府
に対し
質問
いたします。 今月、私たちの生活は、
企業
を抜きにしては
考え
られなくなっております。それだけに、
企業
の
社会的責任
は重大であります。また、昨今は、
企業
の
社会的貢献活動
とか
文化援助
などという言葉が多くの
企業
の
経営理念
の中に取り入れられ、
事業活動
を方向づけるようになっております。 こうした
企業
の
公共的活動
としての出費が
正当性
を持つのとは全く反対に、
企業
の
政治献金
は、
政治
の
腐敗
の
温床
であり、かつ、本来は
株主
や
企業
の
従業員等
にもたらされなければならない
利益
を、
株主全員
の同意によらずに、一定の
政治家
に
献金
するものであり、これによって国の
政治的意思形成
に作用するものであります。したがって、憲法上も民法上からも許されないという根本的な反省の上に立って、これを全面的に禁止すべきものであります。
企業
の
政治献金
は、今日まで自民党の
長期政権
を支えてきた最大の支柱であります。このような
政治
を動かす
企業献金
が
政治腐敗
の
温床
となっていることは、戦後だけでも、
昭和電工事件
、
造船疑獄
、
ロッキード事件
、
リクルート事件
、
佐川急便事件
など、後を絶たないことを見ても明らかであります。 昨年八月の
金丸
氏の五億円
受け取り事件
以後は、次々と明るみに出される
金権腐敗政治
の事実に、今や
国民
の
政治不信
はそのきわみに達しています。特に、三月六日、空前の大
脱税容疑
で
金丸
氏が逮捕されて以降、連日
報道
される
企業献金
の
実態
は、まさに目を覆うような、利権と結びついた
政治
の
金まみれ
の
汚染状況
を明らかにしています。
総理
は、このように
政治
が金に汚染されている現状をどのように
考え
ておられるでしょうか。
金丸事件
は、
金丸
氏のみの
特殊事情
では絶対にあり得ません。なぜならば、今回の
脱税事件
で
金丸
氏が約七十億円という途方もなく巨額の蓄財をした原資は、
建設業界
を中心とした
企業
の
政治献金
として、しかも大
部分
が、
使途不明金
、仮払金など、
裏献金処理
をしたものであることが明らかになっているからです。
国税当局
が一九八九年から九一年までの三年間に
資本金
一億円以上の
企業
を
調査
した結果では、千七百三十七社が
合計
千五百九十七億円の
使途不明金
を支出しており、そのうち、
使途解明率
は約二三%とわずかになっています。また、
業種別
で最も多いのが
建設業
で、千九十五億円で全体の六八%に上っています。この膨大な
使途不明金
が、
金丸
氏のみに渡ったのでないことはだれの目からも明らかです。
企業
が
政治的影響
を及ぼす
政治家
に
多額
の
政治献金
をしていた
構造的腐敗
の一例として、三月二十六日付の
毎日新聞
では、
清水建設
の
献金リスト
のメモが
報道
されました。
金丸
氏と竹下元首相が
最高
の
SAランク
に、そして、
宮澤総理
を含む現閣僚数名などが
Aランク
にと、
合計政治家
五十七名が五段階にランクづけされ、
盆暮れ
など定期的に、またそれ以外にも特別のときに、これに基づいて
献金
がなされていたことが
関係者
の話で明らかになったとされています。
総合建設会社
、いわゆる
ゼネコン
は、昨年の褒め殺しに次いで、
構造的腐敗
の
温床
たる
政治献金
を象徴する
流行語
となりつつあり、
国民
のだれ一人として、これが
金丸
氏個人の問題であると
考え
る者はありません。
総理
は
いか
がお
考え
でしょうか。(
拍手
) そして私は、
総理
に、今述べた
献金リスト
は、
総理
御自身の分について、これは事実か否かを伺いたいと思います。
お答え
は、恐らく否定があるいは
調査
中というようなことになってしまうかもしれませんけれども、その場合には、もし後日
お答え
と異なる事実が判明した場合どうなさるお
考え
か、また、あるいは
調査
結果は必ず公表されるかをもあわせて
お答え
いただきたいと思います。 次に、
右リスト
に登載された
法務
、
建設
、現職各
大臣
に同様の
質問
をしたいと思います。 さらに、
ゼネコン
からの
政治献金
は、
公共事業
の受注が主たる
目的
であるところから、お金には色がついていなくても、その大
部分
が明らかに
国民
の血税であるという点で、
国民
にとっては二重の怒りを覚えているのですけれども、これについて
総理
は
いか
がお
考え
でしょうか。(
拍手
) さて、今回の
商法改正
においては、
株式会社
の
監査機能
の
強化
が打ち出されています。ただいま述べましたように、
企業
の
やみ政治献金
、その
捻出方法
としての
使途不明金扱い
などについての
チェック
は、
企業
内においては
監査役
の重要な任務のはずであります。これまでにも問題視され、何回もその
強化
が図られながら、今までどの
企業
においても全くこうした役割が果たせなかったのはなぜなのか、
政府
の見解をお聞きしたいと思います。
監査役
は
株主総会
で選任されますが、実質上、
人事権
は
監査
を受ける側である社長や会長が握っているため、たとえ
不祥事
を予知できても、辞表を出す覚悟がなければとても事前に
防止
できないというのが
実情
です。このような事態が変わらない限り、
社外監査役
を導入しても役に立たないのではないでしょうか。真に
監査役
の
独立性
を確保し、
監査
の
実効性
を図るためには、
監査役
の
人事権
を
監査役会
に与えるなどの抜本的な
改革
が必要であると
考え
ますが、
いか
がでしょうか。 今回の
改正
が、果たして今後の
監査機能
の
強化
に
実効性
があるとお
考え
なのか否かもあわせて伺いたいと思います。
政府
が真に
使途不明金処理
を
企業
から放逐しようと
考え
るならば、
監査役
の
権限強化
とその
実効性
の
担保
を図るために抜本的に
改正
をする必要があると思います。 さらに、今回の
改正
には含まれませんでしたが、
企業献金
については
会計監査
も問題があります。九二年からさかのぼって六年間、
大手ゼネコン
の三社の
監査報告
を見ましたが、何の
問題点
も
指摘
されていませんでした。
裏献金
が明らかにならないような
会計監査システム
は抜本的に改めるべきだと思いますが、
いか
がでしょうか。 次に、
取締役
の
責任
を追及する
代表訴訟
の
改正
について伺います。
株主
の
業務執行
に対する
監督是正権
の
強化
は、
日米構造問題協議事項
の
一つ
として、
日本
が対応を迫られた問題であります。動機はどうであれ、
株主
の
機能強化
は望ましいことでありますから、
改正
の
内容
に異を唱えるものではありませんが、これもまた
実効性
に
疑義
があるのは大変残念なことであります。 すなわち、
株主
の
会計帳簿等
の
閲覧謄写権
が、従来の
発行済み株式総数
の十分の一から百分の三の
株式
を有する
株主
に改められ、緩和されるということですが、果たしてどの
程度企業
の
ディスクロージャー
が実現することになるのか、甚だ疑問です。現在上場されている
会社
の
発行済み株式総
。数は、東京の場合、最低でも四百万株であり、その百分の三といえば十二万株ですから、千株
単位
の
一般
の
株主
には全く無縁のものです。
大会社
では普通億
単位
の
発行済み株式数
ですから、ますます縁が遠くなってしまいます。
単独株主
が
代表訴訟
を起こす道が、
訴額
や
費用負担
の上で容易になったのが今回の
改正点
ですが、
株主
が
会計帳簿等
を自由に閲覧謄写できなければ、実質的に
訴訟
をするにしても資料が入手できず、
株主
の
機能
も全く絵にかいたもちにすぎません。 さらに、
会計帳簿
の
閲覧謄写権
は、
企業
の経済的な
不祥事
、すなわち
取締役
の
特別背任
や
裏政治献金
などの
防止
にも実質的に有効な武器となります。にもかかわらず、
持ち株要件
が百分の三ではどうしようもありません。 以上の点につき、
政府
はどのように
考え
ていらっしゃるのでしょう。 次に、
代表訴訟
の
目的
の
価額
を一律に九十五万円とみなすという
改正
は、
裁判所
によって
多額
の
訴額
となる
可能性
もあるという現在の
民訴法
上の
課題
を解決し、訴える者の
負担
する
印紙代
を八千二百円に一律とするというもので、確かに
代表訴訟
を容易にするという意味では、その
趣旨
に賛意を表します。しかし、なぜ
商法
上の
株主代表訴訟
のみが恩恵をこうむるのでしょうか。 私は、かつて
湾岸戦争
の際、九十億ドルの援助について
国民
が国を相手に提起した
集団行政訴訟
や、
住民
がその地域の
道路工事
を差しとめるために国に対して起こした
集団住民訴訟
を思い出しま す。こうした
訴訟
において、
訴額
は一律ではなく、
裁判所
によりさまざまで、高額に及ぶ場合もあり、かつ、当事者の頭数が乗ぜられるから、億
単位
の
訴額
となり、
印紙代
もそれによって大変な高額となってしまいます。私は、かつてこれを
法務委員会
において
質問
したことがありますが、
法律
の定め上やむを得ないとのけんもほろろの回答でございました。
集団訴訟
も、
会社
に対する
代表訴訟
と同様に、原告の手元に一円の
全員
が入る性質のものでもありませんし、
主権者
たる
国民
の
国政
に対する
一つ
の
チェック
であり、また
国民
の
意思表示
としてこれを
保護
すべきこと、
企業
における
株主
と何ら変わるところはないものであります。 日米構造
協議
という、いわば外圧によって、
株主
の
代表訴訟
については定額化され、安定化され、
集団行政訴訟
についてはこれが行われないというのは不公平きわまりないものと
考え
られます。
政府
としては、今後この点についての見直し、
整備
など計画されているのか否か伺い、ぜひとも実現に向けて御努力を願いたいと思います。 次に、
社債
に関する
改正
について伺います。
改正案
では、
社債発行限度規制
を撤廃することとしています。
純資産額
による
規制
については
合理性
に乏しいとの批判もありましたが、現に
財務内客
の悪化している
会社
による
社債
の
発行
を禁止するということを通じて、それなりの
社債権者保護
の
機能
を果たしてきたのではな
いか
と思われます。
規制
を撤廃することとした
一つ
の要素として、
証券取引法
上の
改正
による
ディスクロージャー制度
の
整備
及び
格付制度
の定着に伴い、
投資家
の
自己責任原則
を容認する環境が
整備
されてきているなどの事情を考慮したとされているようでありますが、
証券取引法
上の
ディスクロージャー制度
が
改正
により果たして
整備
されたのか否か、その
信頼性
については、前に述べたように
会計監査
との関連により、まだ十分とは言えないのが
実情
です。
投資家保護
の
立場
から、
企業
の
格付
をする民間の
機関
を
大蔵省告示
によって現現九社を指定しているということですが、こうした
格付機関
に対する
信頼
の
定着性
もいまだ十分とは言えないと思いますが、
いか
がでしょうか。 また、
社債
を
発行
する際には
社債管理会社
の設置が
義務
づけられていますが、この
管理会社
には
銀行
、
信託銀行等
が当たるとされています。昨年の
証券
・
金融スキャンダル
以来、
銀行
、
証券会社
など
金融機関
に対する
一般国民
の
信頼
は極度に低くなっています。
銀行
がバブルの元凶の
一つ
であることは、不況にあえぐ
国民
の周知の事実です。本
改正
によって、
銀行
は
社債管理会社
として莫大な
手数料
が入るであろうことは明らかであり、この
不況下
で、なぜ
銀行
ばかりを
保護
するのかという
国民
の声を
政府
は謙虚に聞くべきだと思いますが、
いか
がでしょうか。(
拍手
) また、
管理会社
は、多くは、
当該企業
に
多額
の融資をしている
メーンバンク
が当たることになると思われますが、こうした大
債権者
が
社債権者
の
利益
のために
公平誠実義務
や
善管注意義務
を
担保
できるのか否か、大いに疑問です。公平な
第三者機関
を何らかの形で設置すべきではな
いか
と思いますが、
いか
がでしょうか。
最後
に、
企業
の非行が目立つ中で、
企業
の
社会的責任
、
倫理的責任
を確立していくために
政府
はどのような方策を
考え
ておられるのでしょうか、これを伺って、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣宮澤喜一
君
登壇
〕
宮澤喜一
6
○
内閣総理大臣
(
宮澤喜一
君)
金丸
前
議員
が
所得税法違反
の疑いをもって起訴をせられましたことは、
国民
の
政治
に対する
不信
を極めて深めたものとして、まことに申しわけないことだというふうに思っております。 事は
政治家
一人一人の
倫理
の問題ではありますが、しかし同時に、
倫理
を
担保
するための
制度改革
の必要をも意味しておると思います。昨年、既に
緊急改革
につきまして
国会
の御承認を得て実施をいたしましたが。さらに
抜本改革
が焦眉の急務になっておることは申すまでもないことであります。自由民主党では既に、
改革案
につきまして、
企業献金
の問題を含めましてはぼ成案を得ております。やがて
国会
に御提案をいたしまして御審議を得たいと思いますが、各党におかれましても種々の
改革案
を御検討中でございますので、どうぞこの
国会
におきまして議論を尽くし、
政治改革
の実を、本会期において成立をいたしますように、そうして
国民
の
政治
への
信頼
を回復いたしたい。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。(
拍手
) なお、いわゆる
ゼネコン
の問題につきまして
報道
がございました。御
指摘
もございました。これは事実
関係
を確認いたし得ませんので、
報道
によればと申し上げますが、本来、
公共工事
は
国民
の税金を使う
工事
でございます。その発注、契約、入札等々につきまして、伝えられるようなことがございますと、これはゆゆしい問題であります。 これは、
行政
の側におきましても、やはりそのような過ちが起こりませんような万全の
措置
をとらなければならない。もし事実でございますと、それは明らかでございますから、既に
建設大臣
におかれて、
所管大臣
におかれてそのような
措置
をとられつつございますが、
行政
の側からも、そのようなことの起こりませんように十分に
注意
をいたさなければならないと思います。 なお、一
建設会社
からの
盆暮れ
の
つけ届け
についての
報道
について、私についてのお尋ねがございましたが、そのような事実は全くございません。(
拍手
) 〔
国務大臣後藤田正晴
君
登壇
〕
後藤田正晴
7
○
国務大臣
(
後藤田正晴
君)
鈴木議員
に
お答え
を申し上げます。
清水建設
の
政治献金リスト
の
新聞報道
がなされたことは
承知
をいたしておりますが、私としては、そのような
リスト
の存在を含め、いわゆる
ゼネコン
の
政治家
に対する
政治献金
の
実態
を
承知
をしておりませんので、これについて所見を述べることは差し控えたいと思います。 また、
毎日新聞
の
報道
の真偽につきましても論評する
立場
にはございません。なお、
報道
された
献金
の
リスト
の押収の有無及びその
内容等
については、捜査の秘密に属することでございますので、答弁はいたしかねます。 また、後日、真実であることが明らかとなった場合にどうするのか、こういうことでございますが、
リスト自体
について、その
内容
を
承知
しておりませんので、これについてコメントすることは差し控えたいと思います。いずれにいたしましても、
政治献金
の
処理
については、
政治資金規正法
によって
処理
をしておるものと心得ております。
ゼネコン
からの
政治献金
については、
公共事業
を受注した
企業
から
政治献金
を受けることが直ちに問題であるとは思いませんけれども、
政治資金
の
透明性
、
公正性
を高めることは、
政治
の
抜本改革
の中での
重要課題
の
一つ
として十分議論されるべき問題であると
考え
ます。 次に、
監査役
が
企業
の
やみ政治献金
などの
使途不明金
を
チェック
できなかったのはなぜだ、こういう御
質疑
でございますが、
監査役
は、
会社
の
業務
及び
会計
を
監査
するために必要にして十分な
権限
を有するものでありますから、
使途不明金
について、
粉飾経理
などの不正な
経理
が行われないよう
監査
する責務がありますが、特定の
会社
において
監査役
の
監査
が十分になされず、不正な
経理
が見逃されたとすれば、まことに遺憾なことであると
考え
ます。 次に、今回の
改正
で
監査
の
実効性
が上がると
考え
ておるのか、こういう御
質問
でございますが、
監査役
は、
株式会社
の
最高機関
である
株主総会
において選任される
会社
の
機関
であって、既に強力な
監査権限
を有しておるのでございます。今回の
改正
によって
監査役
の
任期
がさらに伸長され、
大会社
につき
監査役
が増員をされる、いわ降る
社外監査役
及び
監査役会
の
制度
が導入されることに よって、
株式会社
の
監査役制度
が充実
強化
されるものと
考え
ております。 次に、
裏献金
が明らかにならない
システム
は抜本的に改めるべきであるとの御
指摘
でございますが、個別の
会社
の
監査報告書
については、その適否を述べる
立場
にはありませんけれども、
商法
上、
会社
の
経理
に関して不正な
処理
を行うことは、既に
現行法
で禁止されているところであり、また、
監査役
は、善良なる
管理者
の
注意義務
をもって
監査報告書
を作成すべきものとされております。この
監査報告書
に虚偽の記載があるとするならば、
監査役
は、過料の制裁を受け、場合によっては
損害賠償責任
を負うことに相なっておるのでございます。このように、
不正経理
の
防止
及び
監査報告書
の適正の確保については、
商法
上の必要な
規制
がなされておる、かように
考え
ております。
株主
の
会計帳簿
の
閲覧謄写権
の
持ち株要件
の緩和についての
改正
は不十分ではな
いか
との御
指摘
でございますが、
会計帳簿
の
閲覧謄写権
を有する
株主
の
持ち株要件
は、
現行法
では
発行済み株式総数
の十分の一でございますが、この
要件
は厳し過ぎますので、
改正案
では、
株主
による
会社
の
業務執行
に対する
監督是正機能
を
強化
するために百分の三に緩和するものであって、
現行法
以上に
株主
の権利を
強化
する
措置
を講じておるわけでございますので、十分なる効果が上がるものと
考え
ております。 次に、
国政
を
チェック
する
集団訴訟
についても、
訴訟
の
目的
の
価額
を一律九十五万円とみなすよう
改正
すべきではな
いか
との御
指摘
については、
株主
の
代表訴訟
は、全
株主
の
利益
のためにその
代表者
として
取締役
の
責任
を追及するものでございますが、今回の
改正
は、その
訴訟
の
訴額
に関する
疑義
を解明するためのものでございます。 なお、その他
一般
の
民事訴訟等
の申し立てに要する
手数料
のあり方については、御
指摘
の点も含め、いろいろな御
意見
があることは
承知
をしておるわけでございますが、そのような御
意見
をも踏まえまして、慎重に検討すべき問題と
考え
ております。 次に、
社債管理会社
の資格を
銀行
とか
信託会社等
に限るのは、
金融機関
の
利益
のみを図るのではな
いか
、こういった御
指摘
でございますが、
改正案
における
社債管理会社
とは、
発行会社
のためではありませんで、
社債権者
のために
社債
の
管理
をする
会社
のことでございますが、大規模、
長期
にわたる
社債
の
管理
については、
債権管理能力
に長じ、
責任負担能力
のあるものが適当である、かように
考え
ておりますが、そういった観点から
考え
ますと、これまでも
主務官庁
の
監督
のもとに
社債
の償還の事務を担当してきた実績を持っておる
銀行
、
信託会社
などが
社債管理会社
として最も適任であると
考え
られるところでございまして、さしあたって他に
適任者
を見出すことは困難であると
考え
ます。 次に、
社債管理会社
には
当該企業
の
メーンバンク
が当たることとなるときは、
社債権者
の
利益
を害するのではな
いか
という御疑問でございますが、
改正案
では、
社債管理会社
は、
社債権者
に対し
公平誠実義務
、善良な
管理者
の
注意
の
義務
及び特別の
損害賠償責任
を負うことになっておりまして、
メーンバンク
は
当該社債発行企業
の
財務内容
を一番正確に
承知
をしておるわけでございますから、
社債管理会社
として
社債
の
管理
を効率的、実効的に行うことができ、かつ、その
責任
を十分に
負担
することができるものと私は
考え
ておるのでございます。したがって、
メーンバンク
が
社債管理会社
になるとしても、
社債権者
が不当な
損害
をこうむるというおそれはなくて、公平な
社債
管理
を期待することができると
考え
るわけでございます。
最後
に、
企業
の
社会的責任
を確立するための方策については、
企業
の
社会的責任
、
倫理的責任
を確立をするということは、私は極めて大事なことであると
考え
ておりますが、
法務
省といたしましても、
会社
法の面からその
規制
のあり方については今後とも研究を怠らないで、そのための必要な努力は続けてまいりたい、かように
考え
ておるわけでございます。 以上で
お答え
といたします。(
拍手
) 〔
国務大臣
中村喜四郎君
登壇
〕
中村喜四郎
8
○
国務大臣
(中村喜四郎君)
お答え
をいたします。 まず第一番目の
質問
は、
献金
ランクのメモが
報道
されて、
ゼネコン
が
多額
の
献金
をして
政治的影響
を及ぼす一例があり、この問題は
金丸
氏個人の問題を超えているのではな
いか
、このような御
質問
でございました。
建設
省としましては、
政治献金
の
実態
については現在
承知
していないところでありますが、
総理
が答えられましたように、
建設業界
に対しては、住宅、社会資本の
整備
の担い手として果たすべき役割が極めて大きいということを踏まえ、
国民
の
信頼
にこたえるべく、
企業
活動の適正化を図り、
企業
の
倫理
の確立を強く要請してまいりたい、このように
考え
ております。 二番目は、
毎日新聞
の
報道
が事実か否かということでございますが、
報道
された
毎日新聞
の記事については、私としては全く関知していないところでありまして、コメントを差し控えさせていただきます。 なお、
建設業界
を含む
企業
からの
献金
については、これまで適法に、また、私の信条として、薄く広くという
考え
方で対応してまいりましたので、
報告
を受けた結果、複数の
企業
から
献金
を受けているということでありますが、いずれも
政治資金規正法
等により適正に
処理
されていると
報告
を受けております。
ゼネコン
からの
献金
が、
国民
の血税による
公共事業
受注に影響を及ぼすことを
考え
ると、
国民
は二重の怒りを覚えているというような御
質問
でございましたが、
建設
省といたしましては、
公共事業
の執行を、
会計
法令に基づき、適正かつ厳正に行ってきたところでありますが、御
指摘
の件につきましては、法的判断が示されたものの、
建設業界
が
国民
の厳しい批判を受けていることになり、あわせて
公共工事
の入札・契約
制度
の運用について不透明な点があったのではな
いか
という
指摘
が行われているところであり、まことに遺憾であると
考え
ております。
建設
省としては、
公共工事
の発注に関し、一層厳正な執行を図るとともに、
公共工事
の入札・契約
制度
については、さらに
透明性
、競争性を高めるために、
平成
四年十一月の中央
建設業
審議会答申を踏まえ、
平成
五年度に、まず
建設
省直轄
工事
について、技術を重視した新たな入札方式の導入や、指名基準の具体化など、現行の指名競争入札
制度
に係る
所要
の改善
措置
を実行に移す
考え
方であります。 今後とも、
国民
の
信頼
にこたえて、さらに一層適正かつ厳正な
公共事業
の執行に努めてまいりたいと
考え
ております。(
拍手
) 〔
国務大臣
林義郎君
登壇
〕
林義郎
9
○
国務大臣
(林義郎君) 私に対する
質問
は二つありまして、いわゆる九社の
格付機関
、これの
信頼性
はどうかという問題が
一つ
でございます。もう
一つ
の問題は、金融
不祥事
がたびたび起きているのだけれども、なぜ
金融機関
だけ
保護
するのか、一体どうだ、もっと
第三者機関
をつくったらどうかというのが第二の御
質問
だ、こういうふうに受けとめております。 資本市場の問題でございますが、開かれた自由な市場をつくっていくというのが、私は、資本市場の基本的なねらいだろうと思います。そのためには、
信頼
に足る
格付
の
定着
というものが、市場
関係者
の
自己責任原則
のもとで適正な市場運営を確保するための前提として極めて重要なことであることは申すまでもありません。大蔵省としては、今までもこのような基本的な
考え
方に基づいて、
信頼
に足る
格付
の
定着
に向けて環境
整備
に努めてきたところであります。
格付機関
の指定
制度
につきましては、
平成
四年七月以降、大蔵省令に基づきまして、
証券会社
の自己資本
規制
において、有価
証券
保有に係るリスク
相当額
を算定するための基準及び有価
証券
の
発行
につき、
発行
登録
制度
を利用し得る
発行
者の適格基準として
格付
を位置づけた上で、大蔵
大臣
が具体的
格付機関
及び
格付
を指定することといたしたものであります。 この
格付機関
の指定に当たりましては、大蔵省令上、広く市場
関係者
により
信頼性
のあるものとして受け入れられていること、中立性の確保、的確な
業務
遂行等の確保等を基準として勘案をしているところでございまして、御
指摘
の九
格付機関
につきましては、このような基準に基づきまして、十分精査した上で指定したものでございます。 第二の問題でございますが、昨今の金融
不祥事
件にもかかわらず、なぜ
金融機関
ばかり
保護
するのか、また、
第三者機関
をつくったらどうかということでございますが、この点につきましては、先ほど
法務
大臣
からも御答弁がありましたとおりでございまして、今回の
法律
では、
社債管理会社
の設置の
義務
づけ等の
改正
が行われることになっておりますが、これは
社債発行限度
の
規制
が撤廃される中で
社債権者
の
保護
をより一層実効あらしめるためのものでありまして、いわゆる受託
会社
としてこれまでも
社債
管理
の
機能
を果たしてきた
銀行
、
信託会社等
が
社債管理会社
として適当とされたものであるというふうに
承知
をしております。
銀行
は、その
業務
の公共性にかんがみ、公共的・社会的役割を目指して
業務
運営を行っていく必要がありまして、今回の
改正案
が成立、
施行
される際には、これまでのノウハウを生かして、
社債管理会社
としての明確化された
権限
及び
義務
、
責任
のもとで、
社債権者保護
の役割を十分果たしていくものと期待をしているところでございます。(
拍手
)
櫻内義雄
10
○
議長
(
櫻内義雄
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
櫻内義雄
11
○
議長
(
櫻内義雄
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会
————◇—————