○
和田(貞)
委員 こんなことを余り言ってなにだけれ
ども、
保護局長、議員だからとか議員でないからとかというのではなくて、役所というのは、やはり
国民の皆さんが人権問題についてあるいは法のいろいろな
改正問題についてあるいは
保護の相談について、窓口を
法務省としている政府に対して陳情に来られればこれは積極的にお受けする、会ってあげる必要があるのではないかと私は思うのですよ。
私は、ちょうど三十五年ほど前だったですが、もっと若かった、地方議員になりましてはやほやのときにある消防署へ行ったのですよ。ある消防署へ行っていろいろ話をしていたら、じっと座ったままで、うんうんと、こうですわ。顔も見ぬ。私はこう立って物を言うとるわ。それで、おいと言うたら、慌てて目を覚まして、ぱっと立ちよるわけや。そこで、僕は大きな声でどなったのです。議員であるからとか議員でないからとか、そういうことで差別したらいかぬと私は思う。
私たち議員というのは、やはり
国民の代表なんです。
国民の代表というのは、何も
国民より偉いことじゃない、
国民の皆さん方の何万人かの代表として
国会へ寄せていただいているだけのことなんです。私は、私たちよりもむしろ
国民の皆さんに奉仕してもらいたい。私らは断っても、
国民の皆さんが来たら会ってやってもらいたい。そういうような姿勢になってほしいということを私は
法務省に言うのですよ。これは厚生省に行ったかて通産省に行ったかて、
法務省みたいなことはないですよ。
ついでに言っておきますが、局長の場合はその付き添いは一人しかあかん。そのときに言うた、一人ですよ。五人聞いておるのだから、言わぬことない。局長は、一人しかいかぬ、しかし議員の秘書は何人でもよろしいと言っておるのですよ。
課長は、何人でもそんなことおまへんと言う。だれが来てもかましまへん。私は、それから矯正局の保安
課長のところへ行って、お茶を出してもろうて、えらい長い間懇談して帰ってきましたよ。言うとおりや。
課長の場合は何人でもいい。そんなら、
大臣に会おうと思うたら、どないしたらいいんよ。それで、そういう内規があるのかということをわざわざ聞いているのです。よそはそうじゃないのですよ。
そういうことを言われるから、私は
法務省というのは、失礼であればひとつお許しいただきたいと思いますが、官房長から局長七人、そのほとんどが全部検事さんですよ。まるで
法務省というのは最高検察庁の出店やないかというふうに人に言われるわけですよ。法務
大臣は最高検察庁を指揮しなければいかぬ。逆にあなた、最高検察庁の出店が
法務省やというふうに悪口を言う人もあるわけですよ。そういうことがあってはならないと思いますので、私はしつこく言いませんが、法の番人であり、人権を守らなくてはならない政府の窓口でありますから、やはり
国民の皆さん方から部長さんにお会いしたい、局長さんにお会いしたい、
課長さんにお会いしたいということであれば、それはあなた、おらないのに会わせいという無理なことを言う者はほっておいたらよろしい、おる限りはやはり対応は積極的にしてあげる、こういう
法務省の姿勢になってほしいということを私はこの機会に強く言っておきたいと思うわけであります。
あなたに会いに行ったときのことだけじゃないのです。実は、刑務所では受刑者の皆さんが、ここでは家具をつくり、ここでは靴をつくり、ここでは何をつくりしておるでしょう。私のそばには大阪刑務所があるのです。ちょうど
大臣の地元、出来島の、徳島刑務所、今、徳バスになっておるけれ
ども、もう今は徳島の刑務所は宿がえしましたけれ
ども、私のところは宿がえするところがあれへん、これは。大阪府下の中でよそへ持っていくところがないのです。
それで私は、刑務所というのは、地域の皆さんとやはり親しくなってもらわないかぬという思いで、一回堺の刑務所で、大体千五百人ぐらい受刑者がおる、年末に、大みそかにそば食べさそうかなと思って千五百食、どうや、そば持ってきたろうかと言うたら、いやいや、もうそんなんしてきてもろうたらこんなんできしまへんということで断られたんです。そういう気持ちがあるんです。
広島の刑務所と富山の刑務所で子供みこしをつくっておるんですね。刑務所のそばに展示場があるんです。それを見て、子供会のことやからちょっとでも安くしてもらえないかという陳情を子供会の人から受けたので、私はある日大阪刑務所へ行ったんです。さっきの話と同じこと。私は、やはり守衛さんに、所長さんか総務部長さんにお会いしたいんだということで名刺を出した。ほなちょっと待ってくれということで、帰ってきた。
それで、所長に会わしてくれるのか部長に会わしてくれるのかわからないけれ
ども、だれの指図か知らぬけれ
ども、何の用ですかと言うから、いや、所長さんか部長さんにひとつ相談したいことがある。また行った。また帰ってきた。何の相談ですかと言う。そんなんだったら別に所長や部長に会わぬかて守衛と話したらそれでいいわけや。それはだれが言ってんのや、部長が言ってんのか、所長が言ってんのか。いや、これは上司がそう言ってます。そんなもん、もう何から何まで言わなかったら所長や部長が会えぬと言うたら刑務所へ入られしまへん、これは。そうでしょう。そういうことも、
法務省の姿勢がそこにあらわににじみ出ているように思う。そんなことじゃ、私たちは、地域の刑務所の皆さんと地域の住民の皆さんと何とかというように気持ちがあっても、これは近寄れませんよ。そういうようなこともあるということを、
大臣、ひとつ耳にしておいてください。
それで、もうしようがないから帰ってきて、ちょうど前の秘書
課長さんを通じて注文せなしゃあない。余りまけてくれへんかったけれ
ども。しかし、まけてくれる、まけてくれぬにかかわらず、そういう市民の皆さん方が欲しいということであれば、これは刑務所で分けてもろうたんやということで、祭りに子供が刑務所で分けてもろうたみこしをかついで喜ぶわけでしょう。そういうところにつながりというのができていくわけですから、やはり私は心してもらいたいということをこの機会にお願いをしておきたいと思うわけです。どうぞ
法務省も、ぜひとも人権を守らなくて
はならない政府の窓口でございますから、そういう面でいろいろなお話を申し上げましたけれ
ども、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
そんなことで、この
法律の運用に当たってはぜひとも
国民に迷惑をかけないように運営してもらいたい、こういうように思いますが、最後にひとつ
大臣の方からおっしゃっていただいて、
質問を終わりたいと思います。