○大木
委員 経済企画庁の宮崎さん、前の次官なんですが、宮崎さんが非常にいいことを言っているんですね。要するに、国債というものは
民間の債権である、こういう言い方をしまして、不況効用論に対して知的な退廃、こういう言葉であれしている。宮崎さんの場合には、やはり赤字国債賛成論ですね。ですから、こういったものに対して、例えばアメリカの場合には、
日本も大分アメリカの国債を買っていますし、
日本がアメリカに国債を買ってもらったということはないわけですから、そういう点では百八十何兆ということは確かに問題ですけれ
どもね。しかし幸いにしまして、
外国にはそういったものはありませんから、売っておりませんからね。確かに、国債は
民間の債権という言い方は、正しい言い方だと思いますね。同時に、やはりある
程度こういったものにつきましては、大蔵省も立派なことを言っておりますけれ
ども、実際には地方から、自治体の方から取り上げたり、あるいはいろいろな隠れ借金的なこともしていますし、実際に赤字国債と同じようなものが
幾つかまとめていったら四、五兆ぐらいあるはずですね。
そういったことに対して、私は、むしろ現下の
日本経済というものに対する非常事態的な認識を持つものですから、あえてこういうふうに申し上げるわけです。さっきも申し上げたのですが、要するに、毎年の決算剰余金の問題とかそういう点を考えていきますと、
国民全体が法的に縛られましてね、五年間に絶対にこの金は返すんだということをまず約束する。方法の中にお互いに都合の悪い部分が入るのはやむを得ないと思うので、与党も野党も辛抱する。そういう中でもって私は今の事態を乗り切っていくことが一番賢明な
国民的な選択というふうに考えております。
我が党の言い方から少し飛び出すかもしれませんが、私自身の持論的な立場でもって申し上げますけれ
ども、例えば株式市場が非常に活躍しています。しかし、やはり非常に慎重な金融法人
関係は余り顔を出していない。やっと少し出てきましたね。それはやはり経済がある
程度成長過程に
民間の設備投資もして、あるいは合理化を含めまして、企業の体質が本当によくなるかどうかということを見たい。あるいは
土地やそういったものに対する、言えば従来の不良資産の整理が出ていますからね。ですから、そういったことがいつまでたっても——長官がおっしゃるように、まさしく
景気の底入れが全部済んだということは断定できないのではないか。その断定できないという少しの部分を、どうすればこのぐらいになりますと。
確かに、公共事業の方が若干所得税減税よりはいいということは書きますけれ
ども、私はやはり数値の問題ではないと思いますね。こういったものは、さっきも長官おっしゃったのですが、
一つが社会的なニーズあるいは雰囲気、そういったものによりましてやはり減税というものは組むんだということで、例えば年末の減税でもいいですよ。今、この国会でそういったことを決めていくということが。夏の戻し減税というのが理想的です。しかし、それに間に合わせる合意ができなかったら、やはりある
程度税の体系によってもやむを得ないと思うんですね。
そういった中でもって、少し
国民の前に、先行きにささやかな明るみが見える状態をつくってあげることは非常に大事な問題だと考えるものですから、あえて党の意見から少しばみ出しますけれ
ども、自分の私見を交えて長官に申し上げておきたい。長官の意見を最後に伺いまして、終わりたいと思います。