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眞鍋政府委員 平成三年度は、御
指摘のように七回にわたりまして台風の上陸とか接近が見られまして、特に台風十七号、十九号によりまして、
果樹については東北地方を中心としたリンゴの落果等、あるいは中・四国地方を中心にしました温州ミカンの潮風害が発生をいたしまして、極めて大きな
被害となったところでございます。この
災害を契機といたしまして、改めて
農業災害補償制度の果たす
役割と
農業共済への加入の
必要性が認識されたところでございます。
果樹共済につきましては、加入率が低かったために、大きな
被害にもかかわらず、本
制度の機能が十分に果たすことができないような
地域が見られたわけでございます。これは我々にとっては大変残念なことでございました。そういうことも踏まえまして、鋭意加入の
促進につながるような
制度改正を検討すべきであるというふうなことで検討を重ねてまいりまして、今回
改正案を御提案しているところでございます。
今回の
改正におきましては、特に
果樹共済の
制度内容の
改善に重点を置きまして、
果樹共済が、御案内のとおり、
果樹というのは
価格変動が激しいというふうな特性を持っておるわけでございますので、ほかの共済と違いまして、
災害収入共済方式、
価格まで取り込みました
災害収入共済方式、こういうものを試験実施でやってきておったわけでございますが、これを本格実施に切りかえるというふうなことで、この
災害収入方式の適用になります品目も、九品目から十四品目というふうに品目が拡大をいたします。
さらに、補てんの割合といいますか支払い開始
損害割合が三割から二割に下がるというふうな
改善を行うというふうなこと、さらにはキウイフルーツでございますとか晩かん類というふうな
共済目的を追加するというふうなことで、
農業者から出ておりましたいろいろな
要望も取り込んだ
改正内容にしておるわけでございます。
また一方では、
組合等の
事業推進意欲を向上させたいというふうな
観点もありまして、
保険とか再
保険割合の
改善を行うというふうなことで、
組合の手持ち
掛金の増加につながるような責任分担割合の
改善を行うというふうなことをしておるわけでございます。このことによりまして、
組合が熱心に加入
促進を図るというふうなことをねらっておるわけでございます。いずれにいたしましても、このようなことを
農家の方によく説明をして加入
促進を図りたいというふうに思っておるわけでございます。
さらに、今回の
改正が複雑さをさらに増すのではないか。御
指摘のように、いろいろきめ細かく
農業者のニーズといいますかいろいろな要請、
要望にこたえていこうとしますと、いろいろな
制度をつくるために複雑になるというふうな点は、ある
程度やむを得ない面があるわけでございます。そういうことではございますが、できるだけわかりやすく説明をするというふうなことで、いろいろな資料もつくりまして説明をこれまでもやってきておるわけでございます。今回の
改正内容は、特に
農業者にいろいろと複雑なことを理解いただくというふうな1品目の追加でございますとか、あるいは支払い開始
損害割合が下がるというふうなことでございますので、このこと自体が
制度を複雑化する、
農業者にわかりにくい
制度になるというふうなことではないと思っておるわけでございます。
そういうふうなことでございますが、いずれにいたしましても、御
指摘のように、
果樹共済はわかりにくい、あるいは複雑だというふうな声もあることは事実でございますので、さらに工夫をいたしまして、周知徹底といいますか、
農家の方によく理解をしていただいて加入をしていただくように、さらに努力をいたしたいと思っておるわけでございます。