○大出
委員 官房長官の時間があるようですから、もう
一つ、おられるときにと思って、実は五
原則は崩れたりという立証をしたいのですけれ
ども、時間がなくなってまいりましたから、さっきいみじくも
官房長官の
報告の中に、
SNC、最高評議会の問題、それからベトナムの諸君がいるという問題を
ポル・ポト派、民主
カンボジアの皆さんが言っているのですね。
ここで
一つ、議論こ余り出てきていないから具体的に取り上げておきたいのですが、
官房長官の時間がありませんから続けて言いますけれ
ども、調べてみますと、一九八九年九月二十二日に、数十万とも言われた
ベトナム軍が
カンボジアから撤退する、国際的な圧力もありまして。中国な
どもいろいろ言ってました。このとき、私は調べに行ったことがあるのですが、ベトナムのグエン・コ・タク外相は、撤退に際しての声明で、四万人の志願兵を、志願兵と言わざるを得なかったと思うのですよ、私は後で調べに行きましたが。四万人の志願兵を
カンボジアに残すことを声明の中で明言しているのですよ。これは議論になったと思うのです、志願兵とは何だと。四万人。だから、少なくともこれ以上の残留の
ベトナム軍、しかもその後も
カンボジアとベトナムというのは自由に行ったり来たりしているのです。ふえることはあっても減らない。この見方が出てくるのは当然なんですよ、これが
一つ。まあ
UNTACはベトナム兵八名しか表に出していないのですが。
そこでもう
一つ申し上げますが、実は今
ポル・ポト派の皆さんが反対をしている焦点の
一つは、私は
ポル・ポト派の肩を持つのではないのですよ。私の本当に親しいお医者さんが、
河野さんも御存じだが神奈川県病院協会の会長の小野肇先生が、この間、アンコールワット、アンコールトムがなくなってしまうというので写真を撮りに行った。そうしたら、
ポル・ポト派の時代に百三十人ぐらいいたそれを守っている文化人的な
方々がみんな連れていかれて帰ってこない。三十人くらいしか残っていないというのですよ。手の打ちようがない。憤りを
感じまして、ふざけるなという気になったのです。そんな気持ちを持っていますよ。持っていますが、物事を正確に
判断するのには、両
当事者の言い分がはっきりわからなければ
判断できませんよ。そういう意味で申し上げたいのです。
現在、撤退したときを境にして
カンボジアにいる新旧のベトナム人の数は二百四十万人に達している。具体的に数字を挙げているのですよ。そして、うち百三十万人は既に
カンボジア人ID、つまり
カンボジアの人間の権利を取得している。ベトナム人なんだが与えられている。
UNTACに有権者としてこの百三十万人の
方々が登録をされている、こう言っている。これまどこで言っているかといいますと、一九九三年三月九日にキュー・サムファン民主
カンボジア議長、これは
SNCのメノバーなのですが、声明を出しているわけです、なぜこういう方向で我々は行くのかということを。
そこで、時間がないからあわせて申し上げておきますが、
カンボジアの人口というのは幾らあって有権者は幾らなのですか、後で答えていただきたいのです。だから、ベトナムの人の数は小さな数じゃないのです。
そしてポイントは、九一年十月二十三日の
パリ協定というのは
二つ問題の焦点があると言うのです。この声明の中で明らかにしている。
一つは何かというと、すべての
外国軍は撤退しなさい。
外国軍というのは
ベトナム軍だ。再び復帰することがあってはならないのだ、その検証を
UNTACはするのだ。はっきりしている。
それからもう
一つは、国の防衛、公共の安全、外交、財政、情報というような
選挙の結果に直接影響を与える可能性のある五つの主な分野を、
SNCに権限を与えて
UNTACが一緒に
協力、監督をする、こういうことになっておる。
確かに、ここにございますが、協定を読んでみてもそうだ。第四節第八条。第四節は「
外国の軍隊の撤退及びその検証」、第八条、最後のところだけ言いますが、「カンボディアに残留しているすべての
外国の軍隊、軍事顧問及び軍の
要員は、その武器、弾薬及び装備とともに、カンボディアから撤退し、また、同国に復帰してはならない。」こうなっている。これは
パリ条約ですよ。そして「
UNTACの検証に従う。」となっている。その検証をしないというのはどういうわけだということですよ。八名しか表へ出さないじゃないか、何だというわけだ。
それからもう
一つは、今申し上げたように、長くなりますから避けますけれ
ども、つまり武器にしても七〇%まで減らしていくというのから始まりまして、
SNC、最高評議会に
選挙に直接関連する五つの問題の権限を与えて、それをサポートしていくのだということになっている。
ところが、
ポル・ポト派の方から幾ら申し入れたって何にもしないじゃないかというわけですよ。やっていることは何だと。「内外の
カンボジア人は、
UNTACを「ユオンタック」または「ユオンテック」または「ユオンタ」と呼んでいる」。この注釈として、「ユオンはベトナム人の蔑称」である。「彼らはまた、
UNTACがベトナム人売春婦に快楽を求め、ベトナム侵略者と共謀する以外のことは何もしていない」。
UNTACの
人たちがベトナムの女性と一緒に車に乗って走っているのですよ。こんなことをされて黙っていられるかという憤りをぶつけているわけですね。私も大きな批判を
ポル・ポト派に持っているが、これを見ますと、こういうことになるのですね。
カンボジアの歴史というのは本当にひどいもので、過去はこういうことなのですね。七〇年のロン・ノル政権を米軍が入っていってつくって以来、今度は逆に民主
カンボジアの統一戦線ができて、共産党も反共産党もみんな一緒になってやった時代。そしてとうとうシアヌークさんが政権をとる。その後今度は
ポル・ポト派になる。
ポル・ポト派の数年間を経て、一九八四年に今の政権、ヘン・サムリン政権ができる。ソビエトがサポートして、表にベトナムの軍隊が出て、大挙して軍隊が
カンボジアに入って
ポル・ポト派をタイの国境に追いまくっておいてヘン・サムリン政権ができる、八四年から八九年、五年間。そして
ベトナム軍カンボジアから撤退、こうなのです。
今申し上げたように、これをやってないじゃないか。ここのところを本当に片づけるつもりでなければ。
河野さんの時間がないから結論を先に申しますが、実は私が先を見て撤退しなければえらいことになると考えているのは、仮に
選挙が終わっても内線だと思うからですよ。アンゴラを見てごらんなさい。
武装解除ができなかった。犠牲を払って
選挙をやった。やったのだが、終わった途端に
選挙は不正があるというのでいきなり内線が始まってもとに戻ってしまった。壮大な何十億ドルという金、だから国民の金を幾らかけているのだと聞いているのだけれ
ども、もとのもくあみでもとに戻ってしまったのでは意味がないじゃないですか。
日本の信用にもかかわるでしょう。
国連の
PKOも大変信用を落とすでしょう。それも私は心配するのです。だから、明石さんが
ポル・ポト派を名指しで批判して、
ポル・ポト派を除いた
プノンペン政権を初めソン・サンさんのところやラナリット氏のところに話をして三派で守れ、
投票所をそこにつくるのだからおまえたちやれ、
協力して
UNTACもやるからと表に出したこの姿勢は
中立じゃないですよ。
一つ間違ったら、明確にポル・ポト外しです。最近は武器まで戻しているわけでしょう。明石さんはつらいと思いますよ。つらいとは思うけれ
ども。また
日本政府も、ちゃんと国際連合平和維持
活動等に対する
協力に関する法律の第三条の一号の終わりに「いずれの
紛争当事者にも偏ることなく
実施されるものをいう。」となっている。
国連もそうなのだ。
こういう
状況でまず聞きたいのは、
ベトナム軍が撤退をするときに四万人志願兵を残してきた、今百三十万人が登録している、二百六十万人ぐらい帰ってしまっている、こういう具体的な数字の
指摘。
カンボジアにいる新旧ベトナム人の数は二百四十万人に達している、そのうち百三十万人は
カンボジアの籍を取って登録している。だから、今
カンボジア人というのは有権者を含めて一体どれくらいいるのだ。これが事実なら大変なことになるのですから。だからそこのところを明確にして、これからどっちの方に向いて進むかを考えてくれないと困るので、ちょっと答えていただきたい。