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白井政府委員 現在のいわゆる
電波監視のための体制でありますが、現在、全国に十カ所の地方
電気通信監理局及び沖縄郵政管
理事務所がありまして、そちらの方で幾つかの担当課を設けまして、
電波の監視の仕事をしてもらっております。職員数は全国で三百名がこの
電波監視の仕事を受け持っておりまして、施設としては固定監視施設が十四カ所に設置をされております。それからさらに、
電波監視車と申しまして
電波監視を行う
自動車でありますが、これについては四十台が監視の仕事に使われる
自動車として使われております。
ただ、そのような
状況だとどうしても監視のできる地域というのが非常に限定されてくるわけでありまして、特に固定監視、つまり動かない監視施設によって監視できる範囲というのは極めて限られてくるわけでありまして、それ以外のところの
電波監視というのは結局、
電波監視車というような
自動車の出動によって監視業務を行わなければならないということになるわけでありますが、これでは必ずしも十分な効果が期待できないというのが率直な
状況でございます。
そこで、本年度から実施をさせていただきました
電波利用料制度というものを
利用いたしまして、
電波監視施設の拡充をするという計画を私
どもとしては持っておりますが、まず本年度は遠隔方位測定設備というようなものを四地域に
整備をさせていただいて、常時
不法電波を監視するというような施設を本年度は四地域に
整備するということを考えておりますが、今後何年かかけてさらにこうした施設の
整備を図るということをやっていきたいと思っております。
それから、ただいま申し上げました遠隔方位測定設備はど精緻な設備ではございませんが、ある程度
不法電波が発射されているということを確認できるための遠隔受信設備というようなものをほかの十数都市に
整備するということも考えております。その他、固定の施設としては、短波を監視する設備でありますとか空港を監視する設備についても
整備を図っていきたいと思っておりますし、さらに、
電波監視をする車、
電波監視車につきましては、かなり機能の高度化した監視車を六台ほど本年度は
整備をしたいということで
予算措置を講じております。
それから、最近の
不法無線の実態でありますが、
一つは、パーソナル
無線なんかにつきましては、いわゆるパーソナル
無線の本来の機械を
改造いたしまして、出してはいけない
周波数の
電波を出しますとか、あるいは出してはいけない強さの
電波を出すとかいうようなことで、ほかの
電波に悪い影響を及ぼすというような
不法電波を発するというような実態が
一つございます。
それからもう
一つは、
不法市民ラジオと言われるようなものでありまして、
日本で使う市民ラジオというのは子供さんがいわばおもちゃのように使うトランシーバーのようなものでありますが、
外国で使うような非常に強い
電波の出せる市民ラジオを
我が国に持ち込みまして、これを使ってほかの
電波に悪い影響を及ぼすというようなものが違反の大半でございます。
その実際の
使い方は、これもまたほとんどがトラックとか
自動車などに積み込みまして、
自動車を走らせながら
不法電波を発しているというのがほとんどだと聞いております。特に同じ会社のトラックのグループでそうした
不法電波を発するような機械を
自動車の中に設備をいたしまして、同じ会社の運転手さん同士でいろいろな
通信、例えばどこどこで交通の
取り締まりをしているとかいうような
通信をし合うというようなことをやっておるようであります。
特にこういうような
使い方というのは、もともとのパーソナル
無線等は、実は
一つの
電波をみんなが共同で
利用するというような
仕組みの
使い方でありますけれ
ども、それでは自分が自由に勝手に使えないというようなことから、ただいま申し上げたような
不法電波を発するということで非常に強い
電波を発して、ほかの人が正規の
使い方をしようとしてもそこの
電波が使えないようにして、事実上そのグループだけがそこの
周波数帯を独占して
不法電波を出し合って
利用するというような
使い方が非常に多いようであります。
これらのものにきましては、結局は、先ほど来申し上げておりますような
不法電波の発信源というのをきちっとつかまえて、それに対して
法律に基づいた適切な
措置をとるということしか実は対策はないのでありますけれ
ども、この点につきましては、どうしても私
ども、警察
関係の方々の御協力も得ないときちっとした摘発とか
取り締まりということもできないものですから、
関係の向きの御協力も得ながら、そうしたものについてできるだけきちっとした把握ができるように努めておるところでありますが、
電波利用料もいただくことになったことでもありますので、今後ますますそうしたものについてはできるだけきちっとした対策を講じまして、正規の
電波の
利用をなさっている方に迷惑ができるだけ及ばないようなことをしていかなければならないというふうに考えております。