○田並
委員 私、前回は大臣だけに質問したものですから、今回は大臣の方はやめにして
貯金局長にだけ質問いたします。大臣、よく聞いていていただきたいと思います。
これは答弁は要らないのですけれ
ども、まず第一点、最近の行革審の中間報告の中でも、官業は民業補完をしつつ適切な
役割を果たす、これは何かまくら言葉みたいな格好でずっと出ていますが、私はそれはそれなりでいいのですが、例えば
郵便貯金に対応する
民間の金融機関、
銀行がありますが、よく
銀行協会の方々がこのことを
一つの盾にしていろいろなこと重言われている。これは結構なことなんです、言論の自由ですから。批判は批判として、
郵政事業、あるいは特に
郵便貯金事業についての批判があればそれはどんどんしていただいて、その批判をまともに受けて、さらに
国民のための
郵政事業、
郵便貯金事業にするということは結構なことですからそれはそれでいいのですが、例えば官業と民業という言葉でくくられていますが、
銀行というのが本当に
官民の中の純粋な民になるのだろうかという論議があるのですね。
元
銀行局長をやられた方のお話として新聞に出ていましたが、つまり
銀行も、免許制で競争も
一定の制限をされて、護送船団でつぶれないようにしておって、本当に民業と言えるのか。だから
郵便貯金と
民間の
銀行を比較していろいろ言うのに、いわゆる官業、民業という言葉じゃなくて、官業、準官業というのが正しいのではないか。要するに、決して
銀行を批判をするつもりはありませんが、例えば、
郵便局の
定額郵便貯金を大変有利な
商品だといってお客さんがこの
定額郵便貯金を大変利用されるわけで、これに対して、どうも市中のお金が
郵便局の方にシフトをされてしまって大変迷惑だ、こういう話がよく出てくるわけでありますが、そうじゃなくて、官業でなければできないこともあるでしょうし、あるいは官業がいいことをやったら、それを民業が十分検討して採算ベースに乗せて
国民の皆さんに
サービスを行うというのが、本来のあり方として官業と民業のお互いの切磋琢磨の中での
国民に対する
サービスの提供ということで、
国民の
福祉の
向上や経済発展のために役立たせるのが当然のことではないか、私はこういう気がいたします。
そこで、今申し上げたように、
郵便貯金に対してのいろいろな批判といいましょうか、いわれなき中傷みたいなものが事実に反してかなり多く出されているような気がするのです。したがって、
郵政省も隠するところなく、
誤解ならば
誤解としてきちっと反論するものは反論しないと、
国民の皆さんが
誤解したままでいってしまうのではないかと思うのですね。
私は逓信
委員会長いのですが、これはどなたの大臣だとは言いません、かつて
郵政大臣になった方が、この場所で答弁をする冒頭、私は今まで実に不勉強だったと。というのは、
郵政省というのは郵便も
貯金も
保険も税金でもって賄われていると思ったということを言われて、いや、
郵政省というのは人件費から何から全部独立採算でやっているんだということが大臣になって初めてわかった、非常に熱心によくやっていただいているんだなというのが第一印象だというふうに言われた大臣もいるのです、過去の大臣の中で。
郵政大臣になるほどの人までそういう勘違いといいましょうか、事実に反して
誤解をしていらっしゃる方もいるし、さらに世の中の有識者と言われている方の中にもそういう
誤解をしていらっしゃる方がいるようですから、今いろいろと
誤解をもとにして言われている内容について、私の方から幾つか
郵政省の
考え方をお聞きをしたいと思うのです。
一つは、先ほど申し上げましたように、例えば今
郵貯の
残高が百七十兆九千億ほどあります。そして
平成四年度で純増が六兆二千億円、これは毎年おおむね七兆から八兆円程度の純増ですから、この純増も
平成四年度では大変な
努力の結果として評価をしたいと思うのです。その際に、
全国の
銀行が同じ時期にどのくらいの純増を果たしたのだろうか。はっきり申し上げて
全国の
銀行の
平成四年度の純増はマイナス二兆三千億円でございます。しかし、調べてみますと、
個人預金は二兆九千億円の純増なんですね。法人の
預金が五兆二千億円ほどマイナスになっておりまして、これは景気の動向によるのでしょうが、それでトータルして二兆三千億円のマイナス純増、マイナス純増というのはないのでしょうが、マイナスになってしまったということなんですね。
ですから、
個人の
預金については、
郵便貯金はもちろんでありますが、
銀行でも伸びているのです。ところが、純増が六兆二千億あったということから、
郵便貯金の
増加はすべて市中から吸い上げたものであって、その分だけ民業を圧迫している、こういう言い方を
郵便貯金はされているのですよ。これについては
局長としてどのようにお考えか、お聞かせを願います。